ハイスクールD×D  オッドアイの銀猫   作:takubon

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 どうも!takubonです。今回の話は色々と無茶な感じになってると思います。すみません。
 一応次回で放課後のディアボロス編は終了です。次回はまとめや後日談と言った感じになると思います


魔王様と説明

よう、イッセーだ。はぐれ悪魔の一件のあの後、俺は木場と朱乃さんを連れて部室まで帰ってきたんだけど、

 

「ボゥ~・・・はっ!い、イッセー君!あ、あの人は!?あの人はどこに行ったんですか!それにあなたあの人と知り合いなんですか!?」

 

「お、落ち着いてください朱乃さ・・・」

 

「教えてください!あの人はっ!あの人は私と母様の恩人なのです!それなのに私達はっ!あの人に酷い事を・・・!だからイッセー君!あの人の事について知っている事を教えてください!!」

 

 いつもの落ち着いた様子ではなく、朱乃さんは必死な様子で俺にあの人の事を聞いてきた。俺はその勢いに戸惑いながらも俺の知っている事、あの人がこの前俺を救ってくれた事と、名前はシルって事、あの時のシルクハットの男がシルって人の事を『オッドアイの銀猫』と呼んでいた事を教えた。あとどこに住んでいるとかは分からない事も。そしてすべて話すと朱乃さんはようやく落ち着いてくれた

 

「そう、ですか・・・やっぱり銀猫があの時の人だったんですね・・・ありがとうございますイッセー君、あと取り乱したりしてごめんなさい」

 

「い、いえ。全然気にしてないっすから。それよりも朱乃さんもあの人、シルっていう人と知り合いだったんすか?」

 

「えぇ・・・あの人は・・・」

 

「うぅん、ここは・・・?」

 

 朱乃さんの話の途中で木場が目を覚ました。そしてその後めっちゃくちゃ怖い顔した部長が帰ってきて、その日は解散になった。あの時の部長の背後には般若がいたように見えたのは俺の気のせいじゃないはずだ。

 

 

 

 

 

 

 

 そして、二日後の土曜日。つまり今日の朝、部長の呼び出しで部室に向かっている途中で木場に会って一緒に話をしながら部室まで向かった。昨日は部長からメールで連絡があって部活や悪魔のお仕事はお休みになって、今朝、また部長から連絡がきて部室に来る様に言われたんだ

 

「なぁ木場。休日の朝っぱらから呼び出しなんて、一体何なんだろうな?」

 

「多分、昨日のはぐれ悪魔の事じゃないかな。それと・・・」

 

 そこまで言って部室の扉の前に到着した時、木場は言葉を止めた。

 

「・・・僕がここまで来て初めて気配に気づくなんて・・・」

 

 木場は目を細め、顔を強張らせていた。何事?しかし俺は気にせずに部室の扉を開いた。室内には知らない人が二人いた。一人は部長と同じ紅い髪のイケメンで、もう一人は銀色の髪をしたクールな感じのメイド服を着た美女だった。二人とも歳は二十代前半くらいかな?

 

「やぁ、待っていたよ二人とも。そして君がリアスの新しい眷属の兵藤一誠君だね」

 

 紅い髪のイケメンが俺に笑顔を向けて話しかけてくる。うわっ、声までカッコいいなぁ。

 

「ど、どうもっす。えぇっと、どちら様でしょうか?」

 

「初めまして、兵藤一誠様。こちらのお方はサーゼクス・ルシファー、今代の魔王でございます。そして私はグレモリー家に仕える者でグレイフィアと申します。以後、お見知りおきを」

 

 銀髪のメイドさん、グレイフィアさんから紹介とそう丁寧な挨拶を頂いた。って、え?今色々とすごい単語が聞こえてきたんですけど、魔王?

 

「・・・えぇぇぇぇぇぇぇっ!?ま、魔王様ぁぁ!?」

 

 一拍遅れて驚きの声を上げる俺に、さらに隣にいた木場が俺に衝撃の事実をぶち込んでくれた

 

「補足すると部長はサーゼクス様の妹だよ」

 

「はいぃぃぃぃぃぃ!?部長が妹ぉぉぉぉ!?」

 

 俺、悪魔になってから本当に驚く事の連続だな

 

「はははは!いやぁ~、良い反応をするねぇ」

 

 サーゼクスさん、いや魔王様は愉快そうに笑った。いや、何で魔王様がこんな所にぃぃ!?

 

「はぁ・・・落ち着きなさいイッセー」

 

 部長が嘆息しながら言う部長。いや、いくらなんでも無理でしょう、と抗議しようとして部長の方に目を向けるが、

 

 ドヨ~ン・・・

 

 って効果音が背景に付きそうな程、部長は目に見えて元気が無かった。ぶ、部長ぉぉぉ!?どうしたんですかぁぁぁ!?一昨日は背後に般若がいたのに一晩でこの変わり様は一体何があったんだ!!木場も部長の変わり様に驚いている。朱乃さんは・・・なんか落ち着きがないって感じだな

 

「ぶ、部長。一体どうしたんすか・・・?」

 

「いやね、リアスはグレイフィアから一昨日の夜からずっとお説教を受けてね。ちょっと落ち込んでいるのさ。でも、落ち込んでいるリアスも可愛いなぁ」

 

「サーゼクス様、ふざけていないでここに来た目的をちゃんと果たしてください」

 

 ギュウッっと頬を抓るグレイフィアさん

 

「いはい、いはい。わはったはら、はなひておふへほ(痛い、痛い。わかったから、離しておくれよ)」

 

 あ、あれ?魔王様って想像してたのと随分違うな。何かノリが軽いっていうか。それと魔王様ってシスコン?

 

「痛たたた。あ、相変わらず容赦がないねグレイフィア」

 

「それが私の務めですから」

 

 どんな務めですか、とは聞けなかった。

 

 

 

「コホンッ、・・・私が今日、君たちの元へ来たのは昨日のはぐれ悪魔に関する事だ」 

 

 さっきとは打って変わって真面目な表情になる魔王様。俺達の表情も自然と引き締まる

 

「あのはぐれ悪魔、バイザーと言ったね。彼女のはぐれ認定は解除されたよ」

 

「「っ!」」

 

 俺と木場は驚いた。部長達は先に聞かされていたようで驚いてはいなかった。いや、部長は寝不足と疲労のせいかもしれないけど。というか朱乃さんがさっきからそわそわして落ち着きがないんだけど・・・トイレ?

 

「彼女の元主の上級悪魔の様々な不正、バイザーにした仕打ちの証拠がとある者から提出されたんだ。よって彼女のはぐれ認定は解除され、その上級悪魔には今朝処分が言い渡されたんだ」

 

「その証拠を提出したとある者とは、もしや・・・」

 

 コンコンッ

 

 木場の言葉の途中で部室の扉がノックされた

 

「ん、いいタイミングだね。どうぞ、入ってくれ」

 

『失礼します』

 

 そしてサーゼクス様の呼びかけで入ってきた人物は、俺達にとって見覚えのある顔だった。

 

「やぁ、待っていたよ銀猫君」

 

 そう、入ってきたのは昨日会ったばかりの『オッドアイの銀猫』こと、シルさんだった。今日はあの白いマフラーはしていなかった

 

「すまないね、待たせたかな?」

 

「いや全然。さ、座って座って」

 

 魔王サーゼクス様に席を勧められ、シルさんはソファーに座った。机を挟んで魔王様と部長が並んで座り、部長の後ろには部長の眷属の俺達が立っている。シルさんが来てから朱乃さんが一層落ち着きがなくなった。そう言えばシルさんが朱乃さんの恩人とかって言ってたな。シルさんが来るから落ち着きが無かったのかぁ。席に座ったシルさんにグレイフィアさんがお茶を出す。

 

「さて、さっきの話の続きだけど、証拠を提出したのは目の前にいる、そして君達が一昨日会った、シルバーキャット、『オッドアイの銀猫』だよ。単身、証拠を持って私の所に乗り込んで来たのさ。いやぁ、あの時は何事かと思ったよ」

 

「すまないね。急を要していたものだからね」

 

 ま、魔王様の所にたった一人で乗り込むなんて、この人マジでスゲェな

 

「お、お言葉ですが魔王様。『オッドアイの銀猫』は、はぐれ悪魔と同じように危険生物認定のはずです。なのにどうして捕まえたりせずここに迎えたのですか?」

 

 え?シルさんてそうだったの?

 

 すると魔王様は苦笑交じりに首を横に振った

 

「いや、それは無理だよ。これは直に会ってみて改めて分かった事なんだけど、私じゃぁ目の前にいる『オッドアイの銀猫』に全く及ばないよ。それどころか、ここにいる者や私の眷属全員でかかっても彼を倒す事なんて不可能だよ」

 

「「「っ!?」」」

 

 部長達が信じられないように目を見開いて驚いた。俺?俺はさっきから驚きすぎて脳が追いつかないんだよ。シルさんは特に気にした様子も見せずにお茶を飲んでいた。

 

「お、お兄様ったら、いくらなんでも冗談が過ぎますわ」

 

「いえ、サーゼクス様の言っている事は本当ですお嬢様。現に私は一昨日は気圧されて一歩も動くことが出来ませんでした」

 

 頬を引き攣らせながら言う部長に、真剣な表情で話すグレイフィアさんの言葉が、今度こそ驚愕に目を限界まで開く部長達。隣の木場が言うには、グレイフィアさんは『最強の女王』と呼ばれていて、サーゼクスさん、魔王様の眷属は皆有り得ないくらい強い人ばっかりみたいで、サーゼクスさん、自身も『紅い髪の魔王(クリムゾン・サタン)』と言われるくらい最強の魔王様らしい。そんな人達が束になっても敵わないって、・・・凄すぎでしょ!?どんだけすごいのこの人!!

 

「あ、すみません。紅茶のおかわりを頂いてもいいでしょうか?あと、この紅茶はなんというものでしょうか、良かったら教えてもらえますか?」

 

「はい、ただいま。それはクリムゾン・レッドと呼ばれるグレモリー家の敷地で最近栽培している茶葉を使って淹れたものです」

 

 シルさんは相変わらずお茶を呑気に飲んで紅茶の話をしていた。呑気だな!いや、これが余裕ってやつなのか・・・

 

「はははっ、気に入ったのかい?良かったらいくつか君に送ろうかい?今回の事のお礼、というわけではないけどね」

 

「そうしてくれると嬉しいよ。さて、じゃぁそろそろ例の話に移りたいんだけど・・・」

 

「そうだったね。じゃぁ、まず君が言っていたこの町の教会にいると言っていた、堕天使達の事についてだね」

 

っ!?

 

 堕天使と聞いて俺の体が反応する。

 

「その話をする為に、人を呼んであるんだ。呼んでももいいかな?」

 

「あぁ、構わないよ」

 

「どうも」パチンッ!

 

 サーゼクス様の許可をもらったシルさんが指を鳴らすと部屋に魔法陣が現れた。

 

 ぱぁぁぁ!

 

 そして魔法陣から姿を現したのは・・・

 

 

 

 

 

 

「・・・久しぶりね、イッセー君」

 

「ゆ、夕麻ちゃん・・・!」

 

 そう、俺の初めての彼女で堕天使の、天野夕麻ちゃんだったのだ。どうして彼女がここに・・・!見れば夕麻ちゃんの他にも金髪ツインテールのゴスロリ服を着た子と青いロングヘアーのスーツを着た見知らない女子が二人いた

 

 困惑する俺やみんなにシルさんが一から説明をしてくれた。

 

 夕麻ちゃん、彼女達堕天使はこの町にやってきたのは、上からの命令で俺に宿っている神器を危険視して排除する為と、もう一つ命令とは関係なくある目的があったらしい。

 

「彼女達と一緒に居た堕天使ドーナシークは、彼女達が根城にしていた古い教会である儀式を行おうとしていたんだ。そしてその儀式って言うのが、神器が宿っている者から神器を抜き出すというものだったんだ」

 

「しかし、神器を抜き取られた人間は死んでしまうのでは・・・」

 

「えっ!そうなんですか!?」

 

 驚いた俺の頭に嫌な予感が走った。古い教会ってもしかしてこの前行ったあの・・・

 

「そう、普通ならそうなんだけど。ドーナシークは彼女達、レイナーレ達に『これは新しい方法を使っていて神器を抜かれても死ぬ事はない』と言っていたんだ。レイナーレ達はドーナシークの言葉を信じ、儀式の準備を進めていたんだ。しかし、本当はドーナシークの言っていた事は嘘で、その儀式では神器を抜かれた人間は死んでしまう物だった。それに気がついたレイナーレ達はドーナシークに問い詰めた。そうだよね?」

 

 シルさんの問いかけにシルさんの後ろにいた夕ま・・・レイナーレが口を開いた。

 

「はい・・・私達はドーナシークに問い詰めました。するとドーナシーク嘲笑を浮かべながら『あんなシスターが死んだ所で別に構わないでしょう』と言ったわ。その言葉に激怒した私達は、ドーナシークに襲い掛かった。でもドーナシークは私達三人がかりでも歯が立たなかったわ。命令とはいえ兵藤君を殺した私達が言える事じゃないけど・・・あの子は、あの子だけはっ!あの心優しいアーシアだけは救いたいと思ったのよ!」

 

「アーシアだって!?」

 

 俺は驚愕の声を上げた。さっきの嫌な予感が当たっちまった!じゃ、じゃぁアーシアは・・・!

 

「落ち着いて新米悪魔君、いや、兵藤一誠君。君の心配している事は起きていないよ」

 

 最悪の考が浮かんだ俺の心を読んだか様なシルさんは首を振って否定した。

 

「アーシアは無事だよ。儀式の前に彼女は助け出して、今は安全な所にいるよ」

 

「そ、そうなんですか。良かったぁ・・・」

 

 俺はほっ、っと安堵の息を漏らした。そして俺のせいで中断してしまった話の続きを離してくれた。アーシア・アルジェントという『聖女』と祭られた少女の事をーーー

 

 欧州のとある地方で生まれた少女は生まれてすぐに両親から捨てられた。捨てられた先の教会兼孤児院でシスター達に育てられ、子供の頃から信仰深く育てられた少女の身に力が宿ったのは、八つの頃だった。

 偶然、負傷した子犬のケガを不思議な力で治した所を教会の関係者に見つかり、そこから少女の人生は変わりだした。

 

 教会の本部に連れて行かれた少女は、治癒の力を宿した『聖女』として担ぎ上げられ、訪れる信者に加護と称して体の痛い所やけがを治した。少女の噂が噂を呼び、少女は多くの信者から『聖女』として崇められた。---少女の意思とは関係なしに。

 

 待遇に不満はなかった。教会の人達も良くしてくれたそうで、ケガを治すことも嫌ではなかったらしい。むしろ彼女は自分の力が役に立つのが嬉しかったぐらいだった。少女は自分に授けてくれた神様に感謝した。でも、少女は少しだけ寂しかった。それは少女には心許せる友人が一人もいなかったからだ。

 

 みんな優しくしてくれ、大事にしてくれたが、誰も少女の友達にはなってくれる人はいなかった。それは何故か、少女は理解していた。彼らが自分の事を人間ではなく、まるで異質なものを見るような目で見ていた事に・・・

 

 そしてある日、転機が訪れた。少女は偶然ケガをした悪魔を見つけたのだ。そして心優しい少女は、例え悪魔でもケガをした者を放っては置けず、その悪魔のケガを治した。それが少女の人生を反転させた。

 

 偶々その光景を見ていた関係者がそれを教会本部に報告すると、少女は『魔女』として恐れられ、あっさり教会から捨てられた。

 

 そしてその時少女が一番ショックを受けた事は、誰も自分を庇ってくれる人がいなかった事だった。それから行き場を失った堕天使達に拾われ、日本までやって来た

 

「・・・これが『聖女』として崇められた少女、アーシア・アルジェントの過去だよ」

 

 俺は、想像を絶するほどのアーシアの過去をシルさんから聞いて言葉を発することが出来ない。部長達も顔を顰めていた。

 

「・・・本当に虫唾が走るね」

 

 そう呟いた木場の声には怒気とそれ以上の憎悪が含まれている気がした。

 

「あの子は、アーシアは、捨てられて私達の所に来てからもそれ以前も神への祈りを欠かしたことは無かったわ。毎日毎日神に祈りを捧げていたの」

 

「それどころかアーシアは底辺の存在の私達にも優しくしてくれたっす!」

 

「あぁ、だから彼女の様な心優しい子の事を、こんな私達だが救いたいと思ったんだ」

 

 レイナーレ、金髪の子、青いロングヘアーの人の順で言葉を発する。

 

「異質な力を宿した者はどこの世界でも、組織でも爪弾き者。他者と違う力を持っているがゆえにね、人間だってそう。だから私達は儀式を行って、彼女に宿っている神器を抜き取り、普通の人間として普通の人生を歩んでもらいたかったの・・・でも、ドーナシークは彼女の事よりもその神器が目当てだったの」

 

「アーシアに宿っている神器は『聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング)』っていってとっても希少な物でさらには悪魔や堕天使も癒す事の出来る物っす」

 

「ドーナシークはその神器を自分の物にする為に私達を騙してアーシアから神器を抜き取り、堕天使の中での自分の地位を上げようとしたんだ」

 

「成程ね、確かに悪魔や堕天使も癒せるほどの力を持っていればその立場は確かなものになるわけね」

 

 部長の言葉に三人の堕天使は頷いた。

 

「それで、そのドナーシクって奴はどうしたんすか?」

 

「イッセー君、ドナーシクじゃなくてドーナシークだよ」

 

「「クスッ」」

 

 また笑われた!?しかも今度は二人!

 

「んんっ!そ、それでそいつはどうなったんですか?」

 

「誤魔化しましたね」

 

「誤魔化したね」

 

「誤魔化したわね」

 

「もう、そこは普通に流してくださいよっ!」

 

 ただでさえ恥ずかしいんですから!

 

「まぁ、話を戻してそのドーナシークなら僕が消し飛ばしといたよ。その証拠とは言えないかもしれないけど、これがその時に残ったあいつの羽」

 

 そう言ってシルさんはポケットから一枚の黒い羽を取り出して机の上に乗せた。

 

「いや、君がそう言うならそうなんだろう。悪いね、君にそんな事を押し付けてしまって」

 

「こっちが好きでやった事だよ。別にお礼を言われるようなことじゃないよ」

 

「いや、君には一昨日もリアスやリアスの眷属を助けてもらった。魔王としてではなく、一人の兄としてちゃんと君にお礼が言いたかった。本当にありがとう」

 

「わ、私も。碌にあなたの話も聞かずにあなたに攻撃したりして本当にごめんなさい。それに私達の事を助けてくれてありがとう」

 

 魔王様と部長は揃って頭を下げた。シルさんは少しキョトンとした顔になったが、すぐに微笑んで「どういたしまして」と言葉を発した

 

「所でその堕天使三人はどうするんだい?」

 

「それは・・・兵藤君、彼に決めてもらおうかと」

 

「お、俺っ!?」

 

 いきなり名前を呼ばれた俺は素っ頓狂な声を上げた。何で俺が!?

 

「私達は命令とはいえあなたを殺したわ、それは変わらない事実。だからどんな裁きだって受ける所存よ」

 

「「同じく・っす」」

 

「彼女たちがこう言っていてね。だから君に決めてもらいたいんだ。堕天使のトップからもこの件はこちらに任せると言ってくれたよ」

 

『え?』

 

 い、今またとんでもない事が聞こえたような・・・

 

「え?ま、まさか君は堕天使の所にも乗り込んだのかい?」

 

「そうだけど?」

 

 魔王様が頬を引き攣らせながら質問すると、シルさんはなんて事の無い様に答えた。これにはここにいるシルさん以外の全員が顔を盛大に引き攣らせた。あのクールな表情を崩さなかったグレイフィアさんですらだぜ?

 

「は、はははは・・・君は本当に規格外だね。それじゃぁ兵藤一誠君、君の意見を聞かせてもらえるかな?」

 

 うおっ!?部屋にいるほぼ全員の視線が俺に集まった。部長達の顔を見てみても何も言わない。チラッっと堕天使の皆に視線を移せばみんな瞳を閉じてどんな事が言われても覚悟している感じだった

 

 俺の意見は・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・許す!!」

 

「「「・・・え?」」」

 

「「ふっ」」

 

 俺がそう言うと堕天使の三人は予想外だったのか、呆けた表情になり魔王様とシルさんは笑みを漏らした。

 

「確かに俺は殺されたけど殺したのはあのコートの奴だ、あんた達じゃない」

 

「で、でも、私達はあなたを殺す手伝いを・・・」

 

「でも、結局俺はこうして生きてる。そしてあんた達も反省してる。ならそれで十分じゃないか。だから許す!」

 

 再びキョトンとなった三人。まぁ、そうだよな。殺した相手に許すって言われたらそりゃ訳分かんないよな。俺だって多分そうなると思うもん。でも、俺はこの三人を許すって決めた。だからもうそれでいい。それにこんな美少女三人に罪を与えるなんて俺には出来んっ!それに二人はおっぱいも大きいしなぁ。あの青い髪の人、胸元を開けてるから谷間が・・・

 

「・・・イッセー君、せっかくカッコいい事言った後なのに顔が厭らしくなってるよ」

 

「・・・はっ!」

 

「ふっ、リアス。良い眷属を持ったじゃないか。少しスケベな子の様だけどね」

 

「え、えぇ。イッセーはとてもいい子なんですけど、欲望に素直な子なので」

 

 ほ、褒められてるのかな?

 

「じゃぁ、兵藤君もこういってる事だし、三人はこれからどうする?」

 

「え、ええっと、特に考えてませんでした。まさか許されるとは思っていなかったので。でももう戻りたくはないですね。もう命令で誰かを殺すのは・・・」

 

「「うちもっす・私もだ」」

 

「それじゃぁ・・・『コンコン』 ん、丁度いいね。すみません、入ってもらってもいいでしょうか?」

 

「あぁ、彼女だね。うん、入ってもらって」

 

「ありがとうございます。入っておいで!」

 

 ガチャッ

 

「し、失礼します!」

 

「失礼します」

 

「お邪魔するにゃ~」

 

 入って来たのは全員知ってる顔だった。

 

 一人はこの前俺が教会まで道案内した金髪のシスター服を着たアーシア。おろおろとしている姿が今日も可愛いね

 

 二人目はこの学校の一年生でマスコット的存在。ロリ顔に小柄な体。一見すると小学生のにしか見えない様な体型をして一部の人からの人気が絶大な白音ちゃん!

 

 三人目は同じくこの学校の三年生、『二大お姉さま』の二人に負けないくらいのグラマーな体型の持ち主で、大胆に制服の胸元のボタンを開けている。白音ちゃんのお姉さんの黒歌先輩!

 

 アーシアはともかく何でこの二人がここに?

 

「「「「アーシア!」」」」

 

「あ、レイナーレ様、ミッテルト様、カラワーナ様。ここにいらしたんですね。イッセーさんもお久しぶりです」

 

 俺達に笑顔を向けるアーシア。

 

「アーシア、この町は色々見て回れた?」

 

「は、はい!黒歌さんや白音ちゃんが案内してくれてしっかり見て回れました!」

 

「そう、よかった。二人もアーシアの案内ありがとうね」

 

「いえ、大したことではありません」

 

「にゃん!シルの頼みなら当然にゃ!」

 

「ありがとう。でも黒歌、何度も言ってるけどちゃんとボタンは閉めなさい」

 

「えぇ~、だって苦しいんだもん~」

 

「ぶふっ!」

 

「イッセー君!?」

 

 そう言って黒歌先輩は前かがみになって自分の胸元を強調するように寄せる。俺はそれを見て我慢できず鼻血が出ちまった。な、なんて眼福なんだ・・・!

 

「黒歌、お願いだからちゃんとボタンを閉じて。このままじゃぁ兵藤君が死んじゃうから」

 

「ぶ~、分かったにゃ。それにそこの鼻血を出してる子にこれ以上見られるのも嫌だしにゃ」

 

「・・・ドン引きです」

 

「あぅぅ、い、イッセーさんはエッチな人だったんですね」

 

 グサグサグサッ!

 

「グハッ!?」

 

「イッセー君!?しっかりするんだ!」

 

 さ、三人の美少女からのこの言葉はキツイぜ・・・

 

「はぁ、話を戻していいかな」

 

「あ、あぁ。それでそこにいるシスターがアーシアさんだね」

 

「は、はいぃぃ!あ、アーシア・アルジェントと申しましゅ!・・・あぅぅ、噛んじゃいました」

 

「にゃははは!アーシアは本当に可愛いにゃぁ」

 

「ですね」

 

「あぅぅぅ」

 

 な、何なんだこの可愛い生き物は・・・!アーシアは真っ赤になってプルプルと震えている

 

「ははははっ、君が言っていた通り可愛らしい子じゃないか。じゃぁ早速手続きをしようじゃないか」

 

 

 

 

 手続き?手続きって何だ?

 

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