ハイスクールD×D  オッドアイの銀猫   作:takubon

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はい、これで放課後のディアボロス編は終了になります。次回は少しだけ朱乃の事に触れて使い魔の森の話になる予定です。早いとこ八巻買いに行かなきゃね


アーシアと後日談

SIDEアーシア

 

 

 私、アーシア・アルジェントは今日から学校に通う事になりました。私はこの学校、駒王学園の制服に身を包んでいます

 

「はぅぅ、き、緊張しますぅ。ちゃんと皆さんにご挨拶出来るでしょうか・・・?」

 

 そして今、教室外の扉の近くで先生に呼ばれるのを待っています。この後皆さんの前で挨拶をする事になっているんですが、とっても緊張してきました

 

「そんなに心配しなくても大丈夫よアーシア。私も一緒に居るんだから」

 

 そんな私の肩に手を置いて優しく微笑んでくれるのは私と同じく制服を着たレイナーレ様、いえ・・・

 

「は、はい。夕麻さん」

 

「でも、まさか私達まで学校に通う事になるとは思わなかったわ」

 

「お嫌でしたか・・・?」

 

「まさか、嫌なんてそんな事ないわ。寧ろ感謝するくらいだわ。アーシアとこうして一緒の学校に通えるんだもの。本当に彼らには感謝してもしきれないわ」

 

「はい!私もです!」

 

 そう、私と一緒に廊下で呼ばれるのを待っているのは、私を拾って下さった堕天使の一人。今は天野夕麻と名乗っておられる堕天使さんです。夕麻さんは私と同じ二年生として、ミッテルトさんは一年生として、カラワーナさんはこの学校の教師としてこの学校にお世話になる事になりました。

 

 私達がこうして学校に通えたり出来るのもすべてはあの人、シルさんのおかげです。私は自分の首にかかっている小さな袋から中身を取り出して眺めます。赤、青、銀色の三色の模様が入ったシルさんから頂いたこのお守りのガラス球を。

 

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

 

「ふんっ!」

 

「きゃっ!」

 

「「レイナーレ様!?」」

 

「余所見をしている場合か?」

 

「しまっ!ぐあっ!?」

 

「きゃっ!」

 

「レイナーレ様っ!ミッテルト様っ!カラワーナ様っ!」

 

 十字架に張り付けにされている私の目の前で、私の事を助けようとしたレイナーレ様達がドーナシーク様に吹き飛ばされました。

 

「ふんっ、お前達。そいつ等を取り押さえておけ」

 

『了解』

 

 ドーナシーク様の命令で大勢の神父の皆さんがレイナーレ様達を身動きが出来ないように取り押さえます。

 

「は、離しなさい!アーシアッ!アーシアッ!」

 

「ふんっ、儀式が終わるまでそこでじっとしていろ。儀式が終わった時、私は至高の堕天使となるのだ!はははは!」

 

「ドーナシークッ・・・貴様ぁ!!」

 

 レイナーレ様達が睨みますが、ドーナシーク様は一人気にせずに高笑いを上げていました。そして一頻り笑った後、ドーナシーク様は私の方を向いて、私に何をするのか説明を始めました。私の中に宿っている神器と呼ばれる神様から頂いた治癒の力を抜き取り、自分の物にする為にこの儀式を行う事を、そしてその神器を抜き取られた私は死んでしまう事も、

 

「お前に宿る神器、『聖母の微笑』を手に入れれば私は至高の堕天使となるのだ!喜べアーシア・アルジェント、お前はその為の生贄となるのだ。これほど名誉な事は無いぞ!フハハハハハッ!」

 

「やめなさいドーナシーク!!その子を殺す事は許さないわ!!」

 

「アーシアッ!アーシアァァ!!」

 

「クソッ!!離せ!!アーシアを死なせるわけにはいかんのだぁ!!」

 

 レイナーレ様達が必死になって私の元へ来ようとしますが、神父の皆さんに身動きを封じられてただ声を上げる事しか出来ません。皆さん、私の事をそこまでっ・・・・!

 

「ふんっ、さぁ儀式を始めるぞ!」

 

『おぉ!』

 

 

 私は死ぬのでしょうか。主よ、これも私に与えられた試練なのですか・・・?

 

 

「さぁ、もうすぐ儀式の準備が完成する!私が至高の堕天使となる!今まで見下してきた奴らに!この私の存在を知らしめるのだ!」

 

 それは私の死が来る事と同義でした。レイナーレ様達はずっと私の名を叫んでいます。死が間近に迫った私の脳裏に浮かんだのは、この町に来て初めて出合った、そして私が願った初めての友達のあの人でした。

 

 

 

『大丈夫?』

 

 その人は、転んだ私に心配そうな顔で手を差し伸べてくれた。その手はとても暖かくて、柔らかかったです。

 

『はいこれ、君のでしょ。この町には旅行かな?』

 

 その人は、風で飛ばされた私のヴェールを拾っていただきました。

 

『その教会なら知っているよ。良かったら案内しようか?』

 

 その人は、言葉が通じず、道に迷っていた私に、笑顔で案内を申し出てくれました。

 

『じゃぁアーシア、これからよろしくね。友達として』

 

『と、友達。い、良いんですか?わ、私とお友達になってくれるんですか?』

 

『もちろんだよ。今度会ったその時は僕が作ったお菓子を持っていくよ』

 

 その人は、こんな私とお友達になってくださいました。私がずっと欲しかった私の、初めてのお友達に・・・

 

 

 死にたくない・・・せっかくあの人とお友達になれたのに、まだ死にたくない。約束だってしました。一緒にお茶をしようって、また絶対お会いしましょうって、約束しました。

 

 私はまだ・・・死にたくありません!

 

 ふと、視線を落とした私の視界に映ったのは、首から下がったあの方が下さったお守りでした

 

『それは君の事を守ってくれるよ。何か辛い事や悲しい事があったら、そのお守りに向かって助けを呼べば、君の事をきっと助けてくれるよ』

 

「・・・・・・ぁぃ」

 

「うん?何か言ったかアーシア・アルジェント。最後の言葉位なら聞いてやるぞ」

 

 ドーナシーク様が何か仰っていますが、私の耳には届きません。

 

「助けて、助けてください・・・私はまだ死にたくありません・・・」

 

 ボロボロと涙を流しながら私は助けを求めました。

 

「ふん、何かと思えば命乞いか。お前に助けなど・・・っ!?」

 

「え?・・・」

 

 そこまで言ってドーナシーク様の言葉は止まりました。私も驚いています。首から下げていたお守りの袋が光出したのです。その光はドンドン強くなり、部屋一杯を光で満たしました。神父の皆さんやドーナシーク様達はその光に目を瞑りました。私も目を瞑り、光が収まった頃、私の目の前には・・・・・

 

 

「し、シルさん・・・!」

 

「やぁ、アーシア。ゴメンね遅くなって」

 

 私の目の前に現れたのはさっき頭に思い浮かべた私の初めてのお友達。銀色の髪をなびかせ、ルビーとサファイアの様な左右違う瞳を持ったシルさんでした。

 

「ぐぅ・・・っ!き、貴様はあの時のっ!!」

 

 光から回復したドーナシーク様が目を開けシルさんの姿を確認すると、物凄い怖い顔になってシルさんの事を睨めつけました。

 

「ゴメンねアーシア。本当ならもっと早く来る予定だったんだけど、ちょっと用事があって来るのが遅れちゃったんだ。本当にゴメンね」カシャン

 

 でも、シルさんはそんなドーナシーク様を無視して私の手足を固定している枷を外して私に申し訳なさそうな顔で謝ってきます。そして手足が自由になった私はシルさんの胸に飛び込みました

 

「うぅっ、し、シルさん、私っ!」

 

 ありがとうございます、と言おうとしたのに、私の口から洩れるのは嗚呼と安心して瞳から出てくる大粒の涙でした。そんな私の事をシルさんは優しく抱きしめて頭を撫でてくれました

 

「もう大丈夫だよ。本当にゴメンねアーシア」

 

「貴様ぁぁぁ!二度も私の邪魔をしおってぇぇぇ!今度こそ消し飛ばしてくれる!!」

 

 そう言ってシルさんの背後にいるドーナシーク様はシルさんに向かって大きな光の槍を投げつけました。 

 

「シルさん後ろです!!」

 

「大丈夫だよ」

 

 私はシルさんに危険を知らせましたが、シルさんは私を抱きしめたまま動こうとはしません。そしてドーナシーク様の槍がシルさんの背中に突き刺さ・・・

 

 

 パリンッ!

 

 

『え?』

 

「なっ!?」

 

「ふぇ?」

 

「ほらね、大丈夫だったでしょ?」

 

 なんと、シルさんの背中に刺さろうとした光の槍はシルさんの背中に当たった途端に砕け散ってしまったのです

 

「ば、バカな!?私の槍が砕けるだと!!き、貴様!一体何もの・・・」

 

「煩い」

 

「!?」

 

 たった一言、それだけでさっきまで大声を出していたドーナシーク様は黙ってしまいました。それどころか顔を青ざめて震えているように見えます。

 

「さて、アーシアを泣かせた罪・・・その身で償ってもらおうか」パチンッ!

 

『っ!?』

 

 シルさんが指を鳴らすと部屋にいた神父さん達は一瞬でいなくなってしまいました。

 

「さて、残ったのはそこにいる堕天使三人とお前だけになったね」

 

「ひっ!!」

 

「「「ビクッ!」」」

 

「あ、あのシルさん!あそこにいる三人の堕天使さん達は私の事を助けようとしてくれたんです!!だ、だから・・・」

 

「そうだったの・・・わかった。あそこにいる三人は何もしないよ」

 

「ありがとうございます!」

 

 私はシルさんにお礼を言うと三人の元へと駆け寄りました

 

「レイナーレ様、ミッテルト様、カラワーナ様、お怪我はありませんか?どこか痛い所はありませんか?」

 

「アーシア・・・えぇ、私達は大丈夫よ。それよりもあなたが無事で本当に良かったわ・・・」

 

「アーシア・・・ヒックッ、ゴメンね、本当にゴメンね!」

 

「無事で、本当に良かった。そして、すまなかった」

 

 

 三人は私の無事を涙を流して喜んで、そして謝って下さいました。それから私達はシルさんの家に案内されて、そこで黒歌さん、白音ちゃん、アリスさんの三人を紹介されました。三人とも私達にとても良くしてくださいました。そしてこの間、黒歌さんと白音さんに案内されて一緒に向かったのは黒歌さん達が通っている駒王学園でした。そしてそこで私は耳を疑う言葉を聞きました。

 

「手続き?手続きって何の事っすか?」

 

「それはアーシアに関係する事だよ」

 

「わ、私に関係する事、ですか?」

 

「そうだよ。それで、兵藤君、さっきの質問だけど、手続きというのはこのアーシア・アルジェントさんの転入手続きの事だよ。実は、シル君が私の元に証拠を渡しに来た時にその事を頼まれてね」

 

「え?、え?・・・し、シルさん。それは本当なんですか?一体どうして・・・?」

 

「本当だよ、それにアーシア言っていたんでしょ?『学校に通ってみたい』って。そこにいるレイナーレ達から聞いたよ。それにアーシアみたいな優しい子の願いを叶える事くらい友達として当然だよ。今までアーシアはたくさん苦労してきたんだ。これからはアーシアが言っていたお友達だって僕以外にもたくさん出来るよ。そのお友達と一緒にお出かけしたり、楽しくおしゃべりしたり・・・これからは楽しい事が一杯待ってるよ」

 

 シルさんの言葉にアーシアはボロボロと涙が出てきました

 

「うぅ・・・あ、ありがとうございますぅシルさん・・・」

 

 シルさんは優しい笑顔を向けながら、私の涙を拭ってくださいました。それから私や夕麻さん達は制服の採寸などをして、後の手続きなどはシルさんがやってくださいました。いつの間にか私や夕麻さんの戸籍を作っていた事に私達は驚きましたが、それ以上に驚いた事はシルさんが男性だったという事でした。部屋にいたシルさんや黒歌さん以外の皆さんが信じられないといった風な顔になっていました。ですが、私は驚くと同時に嬉しく思いました。だって・・・

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

「ん?どうしたのアーシア?」

 

 夕麻さんが私の顔を覗き込んで聞いてきます。

 

「い、いえ、何でもありません」

 

『え~、今日はお知らせがあります。今日からこのクラスに新たな仲間が増えます。二人も』

 

『先生!それは女子ですか!それとも美少女ですか!』

 

「それだとどっちも女子でしょ・・・」

 

『男子どもは喜べ、美少女だ。どっちもな』

 

『うおぉぉぉぉぉぉ!!マジかぁぁぁ!!』

 

「あ、あぅぅ、び、美少女なんてそんな。夕麻さんは美少女ですけど私は・・・」

 

「アーシア、そんな事ないわ。あなたは十分可愛いわよ。あなたはもっと自分に自信を持った方がいいわ」

 

『じゃぁそろそろ二人とも入ってきて』

 

「さっアーシア、行きましょう」

 

「は、はい!」

 

 そして私達が先生の声に促されて教室に入ると

 

『おおおぉぉぉぉぉぉ!!』

 

「ひゃわ!?」

 

 クラスの男子の皆さんの大きな声に私はビックリしてしまいました

 

「本当にどっちも美少女だ!」

 

「このクラスで良かったぁ!」

 

「金髪美少女と黒髪美少女、良い!!」

 

「ほら、お前達静かにしろ。じゃぁ二人とも自己紹介をお願いできるかな」

 

「はい。私は天野夕麻といいます。今日からこのクラス転入する事になりました。よろしくお願いしますね。さ、アーシア」

 

「は、はい!あ、アーシア・アルジェントと申します。皆さん、どうぞよろしくお願いします」

 

『よろしくお願いします!!』

 

「はい、じゃぁ二人とも席についてくれ。天野さんはそこに、アルジェントさんはそこだな」

 

「「はい」」

 

 私達はそれぞれ先生の指定した席に座りました。あっイッセーさんもいました。私の席は夕麻さんの二つ後ろみたいですね

 

「アーシア・アルジェントと申します。これからよろしくお願いしますね」

 

 私は自分の席の隣の席の人に挨拶をして手を差し出しました。その方は私の手をちゃんと握り返してくださいました

 

「よろしくねアルジェントさん?」

 

「良かったらアーシアとお呼びください。えぇっと・・・」

 

「私は桐生藍華よ。こっちこそ、これからよろしくねアーシア」

 

「はい!」

 

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