ハイスクールD×D  オッドアイの銀猫   作:takubon

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焼き鳥と藍華

「人に名前を尋ねる前に、まずは自分から名乗るって習わなかった?そんな事も分かんないの?ますます呆れるわ」

 

 

 俺達の前に、突然姿を現した桐生はライザーに向かってそう言ってのけた。言われたライザーはというと、先ほどよりも顔を怒りに染め、目を鋭くして桐生の事を睨んだ。

 

 

「なにっ・・・!貴様ぁ!誰にそんな口をきいているか分かってるのか!!」

 

 

「あ~、もう煩い。室内なんだからもっと声のボリューム下げなさいよ。それともあんたは一々大声出さないと喋れない訳?」

 

 

 おぃぃぃ!なに煽ってるんだよ桐生ぅ!!?ほら見ろ!ライザー青筋立ってるよ!誰がどう見たって激怒してるよ!

 

 

「このっ・・・燃やし尽くしてやる!!!!」

 

 

 ライザーは手に炎を集めて、桐生に放とうとした。しかし桐生は、逃げる素振りどころか顔色一つ変えない。そして次の瞬間、ライザーの手に集まったものや体の周りにあった炎が突然消えた。

 

 

「なっ!?お、俺の炎が・・・!」

 

 

 ライザーは自分の炎が突然消えた事に、酷く驚いている様子だった。ライザーだけじゃなくて俺達も驚いた。対して桐生はまるでそんな事などに全く気を留めていない様子だ。おいおい、一体どうなってるんだよ!

 

 

「貴様ぁ!一体何をした!」

 

 

 そう言ってライザーは桐生に近寄って行こうとするが、その行く手を阻む者がいた。

 

 

「ライザー様、落ち着いてください。もし、これ以上やるのでしたら、私も黙っておりません。私はサーゼクス様の名誉の為にも遠慮などは一切いたしません」

 

 

「っ!」

 

 

 静かで迫力のある言葉を、桐生の前に立ったグレイフィアさんが口にすると、ライザーはその表情をまるで畏怖するかのように強張らせた。

 

 

「・・・最強の『女王』と称されるあなたにそんな事を言われたら流石に引き下がるしかない。運が良かったな小娘」

 

 

「はいはい、私はとっても運が良いですね(棒読み)」

 

 

 思いっきり棒読みで、ライザーに目も向けずに答える桐生。な、なんか今日の桐生変じゃないか?らしくないっていうか、なんていうか。いつもみたいにおちゃらけた感じじゃないし

 

 

「くっ・・・!」

 

 

 ライザーはキッと桐生の方を睨んだ後、臨戦態勢を解いた。それを確認すると、グレイフィアさんも桐生の方へ一度視線を向けた後、再び口を開いた。

 

 

「こうなる事は、旦那様もサーゼクス様もフェニックス家の方々も重々承知でした。正直に申し上げますと、この場が最後の話し合いの場だったのです。これで決着がつかない場合の事を予想して最終手段を取り入れる事にしました」

 

 

「最終手段?どういう事グレイフィア」

 

 

「お嬢様、ご自分の意思を通すのでしたら、ライザー様と『レーティングゲーム』にて決着をつけるのはいかがでしょうか?」

 

 

「っ!?」

 

 

 グレイフィアさんの言葉に、部長は心底驚いた様子で言葉を失った。

 

 

 え~と、確か『レーティングゲーム』って、爵位持ちの上級悪魔が自分の下僕同士を戦わせるっていうやつだよな。でも、それって成熟した悪魔しかできないから、部長は参加できないって前に言ってたような・・・?

 

 

 そんな俺の疑問を解消するようにグレイフィアさんは説明を続けた。

 

 

「お嬢様もご存知の通り、公式な『レーティングゲーム』は成熟した悪魔しか参加できません。しかし、非公式の純血悪魔のゲームは、お嬢様の様な成熟していない悪魔も参加可能です。この場合の多くが・・・」

 

 

「身内同士、または御家同士のいがみ合い、よね」

 

 

 部長は嘆息しながら答え、さらに続けた

 

 

「つまりお父様達はこうなる事を予想して、最終的にはゲームで婚約を決めようって事なのね・・・どこまで私の生き方を弄れば気が済むのかしらっ・・・!」

 

 

 殺気を漲らせ、酷く苛立ったご様子の部長。そこへグレイフィアさんが部長に尋ねる

 

 

「では、お嬢様はゲームを拒否すると?」

 

 

「いいえ、こんな好機はないわ。いいわ、ゲームで決着を着けましょう、ライザー」

 

 

 部長の発言に、ライザーはまたあのイラつくニヤけた表情を見せた

 

 

「へー、受けちゃうのか。俺は別にかまわないが、いいのか?俺はリアスと違ってすでに成熟していて、公式のゲームにも何度か参加して今の所は勝ち星が多い。それでもやるのか?」

 

 

 ライザーは挑発的な態度で部長に返した。それに対して部長は、勝気な笑みを浮かべた

 

 

「やるわ。ライザー、あなたを消し飛ばしてあげる!」

 

 

「いいだろう。そちらが勝てば好きにすればいい。ただし、俺が勝ったら即結婚してもらう」

 

 

 激しく睨み合う両者。そんな中、再び介入する者がいた。

 

 

「格好悪っ」

 

 

 その声の主は、またしても桐生だった。

 

 

「って何でお前は優雅に椅子に座って猫を愛でてるんだよ!?というかどっからそんな椅子出した!」

 

 

 そう、桐生はいつの間にか部室には無かった椅子に座り、膝にさっき頭に乗せていた猫を乗っけて撫でていた。というかその猫ってもしかしなくてもシルさんだよな?同じオッドアイで銀色だし

 

 

「兵藤、そんな事は今どうでもいいでしょうが。全く、少しは空気読みなさいよ」

 

 

「お前が言うな!!」

 

 

 多分、この部屋にいたほとんどの者がそう思ったはずだ

 

 

「おい、そこの小娘。さっきのは誰に対して言った言葉だ」

 

 

「あんたに決まってるでしょう?え、もしかして自分の事だってわかってなかったの?」

 

 

 再び煽るように言う桐生。桐生さん!?今日は本当にどうしちゃったんですかぁ!?

 

 

 額に青筋をたてて怒るライザーが何かを言う前に桐生が言葉を続けた。

 

 

「グレモリー先輩はゲームを全くした事が無い初心者。対してあんたはさっきも自慢してたように経験者。そんな奴が、素人同然のリアス先輩に婚姻を賭けた勝負を挑むなんてカッコ悪いじゃん」

 

 

 た、確かに。言われてみれば桐生の言う通りだな。それってめっちゃカッコ悪いな

 

 

「ならどうしろと言うのかしら?この問題を解決するいい方法を知っているなら教えてくれるかしら、桐生藍華さん?」

 

 

 部長が座っている桐生に向かって尋ねた。その顔は少しムッとした感じになっており、多分さっき桐生が部長の事を初心者や素人って言ったからかな?まぁ、事実みたいだから仕方がないっちゃぁ仕方がないけど

 

 

「簡単ですよリアス先輩。せめてゲームをする際、お互いが対等になるような条件を付ければいいんですよ。簡単に言っちゃえばハンデですね」

 

 

 桐生は部長の質問に膝の上の猫を撫でながら答えた。ってシルさんも何で呑気に撫でられて・・・

 

 

「にゃ~♡」

 

 

 シルさん、滅茶苦茶蕩けていらっしゃる!?まさか、それほどのテクニックを有しているのか桐生は!流石、『匠』と呼ばれるだけはあるな

 

 

「ふん。確かにそこの生意気な小娘の言う事も一里ある。どうだリアス、ハンデを付けようか?どうするかはお前次第だぞ?」

 

 

「・・・私にハンデを付けろというの?」

 

 

「リアス先輩。もう一度はっきりと言いますが、あなたや眷属の皆はゲームに関しては初心者です。勝負は感情だけで勝てるほど甘くありません。まして『レーティングゲーム』というのを私はさっき簡単に聞きましたが、自分の眷属の力を上手く引き出さなければ即敗北だそうです。今回はあなたの未来だけでなく、あなたの眷属の未来もかかっている事を忘れないでください」

 

 

 桐生の言葉を、部長は口をぎゅっと噤んでいた。

 

 

「さらに、この・・・焼き鳥男、だっけ?」

 

 

「誰が焼き鳥男じゃっ!?」

 

 

『ぶふっ!』

 

 

 桐生の物言いにライザー以外の者が吹き出した。や、焼き鳥って・・・ぶふっ

 

 

「真っ先に反応するなんて、もしかして自覚あり?」

 

 

「き、貴様ぁぁぁぁ!!」

 

 

「止めなさいよライザー。怒鳴り散らしてみっともないわよ・・・ぷふっ」

 

 

「リアス!今笑ったな!笑ったよな!?」

 

 

「お止めください、焼きと・・・ライザー様」

 

 

「グレイフィア殿!?今焼き鳥と言いかけませんでしたか!?」

 

 

「煩いわねぇ。何でそんなに騒いでるのよ」

 

 

「もとはと言えばお前のせいだろうが!!」

 

 

「うわ~、女の子の私のせいにするとかマジ引くわ~」

 

 

「ライザー、あなた最低ね」

 

 

「本当ですわね」

 

 

「男としてそれはどうなのかしら」

 

 

「「最低だな(ッス)」」

 

 

「引っ込んでいてください」

 

 

 女性陣から集中砲火を受けるライザーを、ほんのちょっぴりだけどかわいそうだと思った。

 

 

「で、どっかの焼き鳥に邪魔されたけど、その焼き鳥はゲームの成績は今の所八勝二敗。ただし、その二敗は懇意にしている家系への配慮でわざと負けたに過ぎません。だから実際の所は全勝。こんな奴だけど、実力はあるってとこですよ。しかもリアス先輩と違って、この焼き鳥男は駒を全部消費していて眷属の数は15。つまりフルメンバーって訳ですよ。数的にも、経験的にも明らかにリアス先輩が圧倒的に不利です」

 

 

「そ、そうだ!」

 

 

 何とか復活したライザーが指を鳴らすと、ライザーが出てきた時と同じ魔法陣が部室の床に出現した。というかライザー復活速いな。その辺もフェニックスって言う所なのか?というか今更だけど、桐生って何でそんなに詳しいんだ?

 

 

 そして魔法陣から現れたのは、総勢十五名の猫耳だったり、メイドだったり、チャイナドレスだったり、着物だったり、騎士っぽい感じだったり、etc・・・

 

 

 まぁ、色々いるが全員美少女だった!

 

 

「どうだ、これが俺の可愛い下僕たちだ」

 

 

 ライザーは自慢するように胸を張って言った。こ、こいつ、まさか・・・!

 

 

 男の夢!ハーレムを実現させやがったのか!!

 

 

「お、おい、リアス・・・そこにいる君の下僕君、俺を見てマジ泣きしてるんだが」  

 

 

 ライザーは引き攣った顔で部長に尋ねる。部長は俺を見て額に手を当てて、困り顔でため息を吐いた。

 

 

「その子の夢がハーレムなの。きっと、あなたの眷属を見て感動したんだと思うわ」

 

 

「はぁ、兵藤。こんな時でも、あんたって呆れるほど本当に欲望に素直よね」

 

 

『イッセー(君)(先輩)・・・』

 

 

 皆が呆れた目を向けてくる。仕方がないだろう!目の前に俺の目標が、夢が現れたからついつい涙腺崩壊しちまったんだよ!

 

 

 ライザーの眷属の悪魔さん達は、俺を気持ち悪そうに見ていた

 

 

「ははは!どうだリアスの下僕君。お前にはこんな事出来ないだろう」

 

 

 ライザーはそう言って、近くにいた自分の眷属の魔導士っぽい感じの女の人と濃厚なディープキスをしだした!うわっ!舌まで絡ませてるよ。部長は酷く呆れた様子だった

 

 

「・・・・・本当に最低ね。ってシル、何で顔に引っ付くのよ!」

 

 

「ニャー!」

 

 

 桐生は心の底からライザーを嫌ったような声を出した。その時猫の姿のシルさんは。桐生の顔に飛びついて、桐生は前が見えなくなっていた

 

 

「って言うかお前!一応婚約者の部長の前で、なに他の女の子とイチャイチャしてんだよ!」

 

 

「英雄、色を好む。確か、人間界のことわざだよな?いい言葉だ、まさに俺にぴったりだな。まぁ、これは俺と下僕達とのスキンシップさ。下級悪魔のお前には、一生かかっても不可能だろう?」

 

 

「うるせぇ!何が英雄だ!お前なんかただの種まき焼き鳥野郎だろうが!お前みたいな奴に部長は不釣合いだ!こいっ!『赤龍帝の籠手・ブーステット・ギア!!』」

 

 

 もう我慢が出来なくなった俺は怒り心頭で左腕を前に突き出した。そして、叫んだ俺の左腕が光に包まれて、ドラゴンの紋様が刻まれ手の甲の部分には宝玉が埋め込まれた赤い籠手が装着された。

 

 

『Dragon booster!!』

 

 

 甲部分の宝玉が輝き、籠手からはそんな音声が発せられた。瞬間、俺の体に力が流れ込んできた

 

 

「お前みたいな奴は俺がぶっ飛ばしてやる!」

 

 

『Boost!!』

 

 

 俺のそんな思いに答えるかのように再び籠手から音声が発せられ、俺の中の力がさらに増した

 

 

 そして俺がライザーに殴りかかろうとした時、俺の体に異変が起こった。

 

 

「なっ!?う、動けない!」

 

 

 そう、俺の体は突然、まるで金縛りにあったように指一本動かす事が出来なかったのだ

 

 

「全く、もう少しはじっとしてなさいよ兵藤。これじゃぁ何時まで経っても話が進まないじゃん」

 

 

 桐生は猫のシルさんを抱えて、そう言った。こ、これもお前の仕業なのかよ桐生!!

 

 

「それで、話を戻しますけどリアス先輩。さっきの話、どうしますか?良く考えて答えてください」

 

 

 そして動けない俺を他所に、桐生は話を進めた。部長は桐生の言葉に数刻、瞼を閉じて考えている様子を見せた後、瞼を開け口を開いた。

 

 

「・・・・・わかったわ。今回はハンデを付けさせてもらうわ」

 

 

「ではお二方、こういった感じでどうでしょう」

 

 

 部長はハンデを付ける事を認め、グレイフィアさんがゲームに関した簡単な内容を提案した。

 

 

 一つ、俺達は準備期間としてゲームまで10日与えられる。

 

 

 二つ、お互いが使う眷属は、部長に合わせた駒と同じになる。つまり今回使用できる駒は、『女王』、『騎士』、『兵士』。部長には『僧侶』の眷属が一人いるみたいだけど、訳あって参加は出来ないらしい。

 

 

 三つ、ライザーはゲームで使う眷属の詳細なデータを提出する事。

 

 

「・・・と言った感じでどうでしょうか」

 

 

「ふむ。まぁこれくらいなら俺は全然構わないさ。それにしてもリアス、君の所は人数が少ないようだが、なんなら人数も君の所に揃えようか?」

 

 

「結構よ」

 

 

 ライザーの野郎は条件を聞いても余裕な表情を崩さず、さらにハンデを申し出てきたが、部長は即拒否した。

 

 

「承知いたしました。お二人のご意見はこの私、グレイフィアが確認させていただきました。ご両家の皆さんには私からお伝えします。そして、ご両家の立会人として私がゲームの指揮を取らせていただきます。よろしいですね?」

 

 

「あぁ」「えぇ」

 

 

 グレイフィアさんの問いに、両者は頷いて了承した。

 

 

「じゃぁ、またゲームでなリアス。少しは俺を楽しませてくれよな」

 

 

 最後にライザーはそう言って不敵に笑い、魔法陣を出して眷属の女の子達と共に部室から転移していった。

 

 

 

 

 

「・・・さて、今度はあなたの話を聞かせてもらえるかしら?桐生藍華さん」 

 

 

 ライザーがいなくなり、部室にいたみんなの視線が桐生に集まっ・・・

 

 

「ほれほれ~、ここか?ここなのか?ここが良いのか?うりゃうりゃ~」

 

 

「にゃ、にゃ~!」

 

 

 桐生はめっさ猫(シルさん)を愛でていた。

 

 

「ってお前は何しとんじゃぁ!!」

 

 

 俺はみんなの気持ちを代表して桐生に突っ込んだ!本当に何をしてんの!?

 

 

「ん?何って、イラついた心を癒すためにシルを愛でてるのよ。それ以外に何をしてるように見える訳?」

 

 

 愛でる手を止めずに桐生はそう言ってくる。お前今日は本当に自由だな!!

 

 

 というか桐生怒ってたのか。だからライザーに向かってあんな挑発するような感じだったって訳か

 

 

「・・・コホン。さて、今度はあなたの話を聞かせてもらえるかしら?桐生藍華さん」

 

 

 まさかのテイク2っすか部長!?

 

 

「あ、了解です。えっと、じゃぁ聞きたい事を聞いてください」

 

 

「それじゃぁまず、あなたは人間なのよね?」

 

 

「見たまんま人間の女子高生ですよ、リアス先輩」

 

 

「じゃぁ次に、ただの人間のあなたがなぜ私達の正体や、アーシアの神器の事を知っていたのかしら?シルさんとは昔一緒に居たみたいだけど、あなたには悪魔の事などは教えていないと昨日黒歌達から聞いたわ。教えてくれるかしら?」

 

 

「あぁ、それですか。シルにも今朝話しましたけど、私、『見える』んですよ」

 

 

 み、見える?一体何の事だ?って!

 

 

「というかもう俺の体を動けるようにしてくれよ!」

 

 

 俺はブーステット・ギアを出したままの状態で固まったままだった

 

 

「あ、そういえばそうだった」

 

 

「忘れてたんかい!!」

 

 

 それから俺はようやく動けるようになり、俺達は桐生の不思議な力の事や最初から知っててこの学校に入った事、昨日聞いたシルさんとの出会いやなんかを聞いた。

 

 

「そう、それであなたは私達が最初から悪魔だって事も知っていた訳ね」

 

 

「はい。まぁ、シルはこの力の事を知らなかったみたいなんですけどね。本当ならお守り的な力しかつけてなかったみたいで、今朝話した時も困惑してましたよ。ね?シル」

 

 

「にゃ」

 

 

 猫の姿のシルさんは桐生に聞かれて、撫でられながら返事をした。その姿を見て、女性陣から「可愛い」とか「うちも撫でたいッス」とか「猫になったシルさん・・・いい」とか声が上がっていた

 

 

「というか、何でシルさんは猫の姿なんだ?」

 

 

「あぁそれ?シルには今までの罰の一環として今日一日は猫の姿でいるように言ったのよ。だから今日はシルを一日中愛でてるの。で、今朝シルに話し終わってリアス先輩達にも説明をしにここに来たら、なんかお話し中だったから、シルの魔法で姿を見えないようにして、ここで待ってたって訳よ。それよりも感謝しなさいよ兵藤、シルがあんたの事を止めなかったらあんた今頃火炙りにされてたのよ」

 

 

「え、あれってシルさんの仕業だったのか。で、でも!何で止めたんですか!あんな野郎、俺がぶっ飛ばして・・・」

 

 

「バカじゃないの」

 

 

 俺の言葉を遮って桐生がそう言った。

 

 

「バカって何だよ!お前は知らないかもしれないけど、俺の『赤龍帝の籠手・ブーステット・ギア』があれば神様だってぶっ飛ばせるんだぞ!あんな焼き鳥野郎なんかボコボコにしてやる!」

 

 

 ライザーの事を思い出して、怒りで頭に血が上った俺は桐生に向かって怒鳴った。そんな俺に真っ直ぐに目を向けて口を開いた

 

 

「それは知ってる、シルにさっき聞いたから。でもそれは倍加していけばでしょう?一回の倍加をするのにかかる時間は10秒、あいつを超えるまで一体どれだけの時間がかかると思ってんのよ。相手はあんたが倍加完了するまで悠長に待ってくれると思ってるわけ?ハッ、その前にあの焼き鳥に秒殺されるのがおちよ。それどころかあいつの眷属悪魔で一番弱い子にも呆気なく負けるのが目に見えてる」

 

 

「っ!」

 

 

「あんたは確かに悪魔になって力や体力は人間の私よりはずっとある。それに『赤龍の籠手・ブーステット・ギア』っていうレアな物も持ってる。でも、それだけ。戦闘経験もない、その神器の扱いも全然未熟、つい最近人間から悪魔になりたてのあんたが、あいつに敵う訳ないでしょ」

 

 

「でもっ!」

 

 

 俺が反論しようとしたら、桐生は手で俺の言葉を制した

 

 

「わかってる。あいつを許せないって気持ちも。でも、その気持ちはゲームであいつにぶつけなさいよ。その為に十日間の時間があるんだからさ。ね?リアス先輩」

 

 

 ふられた部長は頷いて俺に向き合った

 

 

「えぇ、イッセー、彼女の言う通りあなたは弱いわ。今のままでは確実にゲームですぐにリタイアしてしまうのがおちよ。レーティングゲームは一応死にはしないようになってるけど、稀に事故死というのもあるの。だから色々しっかりと準備をしないとね」

 

 

「・・・はい、わかりました」

 

 

 いくらか冷静になった俺は部長の言葉に頷いた

 

 

「桐生藍華さん、あなたにお礼を言うわ。私も冷静ではなかったわ。あなたが言ってくれなかったら、私はそのままライザーに挑んでいたかもしれない」

 

 

「あ~、別にお礼なんて言わないでください。私はただあの◆◆で◇◇◇が■■しかないナルシな焼き鳥がムカついて言ったってだけですから」

 

 

 ピシッ!!!

 

 

 桐生の発言に、どこからか何かに罅が入るような音が聞こえた気がする。というか相変わらず平気でそういう事言うなぁ。それよりライザーってそうなの?マジで?いや、あの『匠』の桐生が言うんなら、マジなんだろうけど・・・

 

 

「それよりも、一つリアス先輩にお願いがあるんですけど・・・」

 

 

「え、えぇ、何かしら?」

 

 

 部長はさっきの桐生の発言に、少し顔を引き攣らせながら答えた

 

 

「実はですね・・・」

 

 

 その桐生の言葉を聞き、俺達はまた驚くのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん?ってシル!?どうしたのよ!あんた血が出てるじゃない!」

 

 

「にゃフッ・・・」

 

 

「ち、血を吐いたぞ!」

 

 

「にゃ、にゃにゃにゃにゃにゃにゃ・・・」

 

 

「し、シルしっかりして!あんた目が虚ろよ!」

 

 

「な、なんか壊れたみたいに笑ってるみたいッス」

 

 

「朱乃!すぐに治療を!」

 

 

「は、はい!しっかりしてくださいシルさん!」

 

 

「にゃ・・・にゃぁぁぁぁ!!」

 

 

「シル!?落ち着いてっ!シル!!」

 

 

 最後にそんな騒ぎがあったそうな

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