ハイスクールD×D  オッドアイの銀猫   作:takubon

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 はい、今日でシルバーウィークも終わりですね。皆さんは楽しめたでしょうか?自分はちょくちょく出掛けたりしてました。昨日は果物狩りに行ってきましたよ。取れたての果物は美味しいですね

 さて、予告通りといってもギリギリですが何とか上げられました。それとTRAN-ZAMさん、貴重なアドバイスありがとうございます!




開始と序盤

 

SIDEイッセー

 

 

 ーーー深夜十一時四十分頃。

 

 俺と部員達は、旧校舎のオカルト研究部の部室に集まっていた。それぞれ一番リラックス出来る方法でゲームまでの時間を過ごしている

 

 木場は着ける手甲と脛あてを入念にチェックしていた。カラワーナさんは、瞳を閉じて壁に寄りかかって瞑想してる。朱乃さんと部長はソファに座り、優雅にお茶を口にしていた。夕麻ちゃんとミッテルトちゃんは、応援に来てくれたアーシアや桐生、黒歌先輩、白音ちゃん、ティアマットさんと談笑していた。うん、そこまではいいんだけど・・・

 

 

「え、えっと、シルさん?何で執事の格好をしてるんですか?」

 

 

 そう、ここにいる皆はスーツ姿のカラワーナさんを除いていつもの学生服姿なのだが、シルさんは何故か執事の格好をしているのだ。普段と違った格好をしていて、新鮮に感じる。あと、凄い似合ってます

 

 

「あははは、深くは聞かないで無視してくれるとありがたいよ・・・」

 

 

「りょ、了解っす」

 

 

 シルさんの少し疲れたような笑みを見て、俺はそれ以上聞けなかった。というかよく見ればさっきから朱乃さんがシルさんの事をチラチラ見てるな

 

 

 そして、開始時間の十分前になった頃、部室の魔法陣が光だし、グレイフィアさんが現れた

 

 

「皆さん、準備は御済になられましたでしょうか?開始十分前です」

 

 

 グレイフィアさんの言葉に、皆が立ち上がった。皆を一通り確認して・・・・

 

 

「・・・・・っ!」

 

 

 グレイフィアさんはシルさんの所を二度見した。あのクールなグレイフィアさんが僅かに目を見開いていた。シルさんはグレイフィアさんに向かって、「何も言わないで」オーラを出すと、グレイフィアさんは頷いた。そしてその時俺は見た。桐生の口元が僅かに、にやけていた事を。俺はそれで察した。

 

 

 一つ咳払いをして、グレイフィアさんが口を開く

 

 

「開始時間になりましたら、ここの魔法陣から戦闘フィールドへ転送されます。場所は今回の為に異空間に作られた使い捨ての物なので、思う存分に力を発揮してください」

 

 

 へぇ、凄いな。悪魔ってそんな事も出来るのかぁ。空間も作れちゃうのか

 

 

「今回の『レーティングゲーム』は両家の皆さまも、他の場所から中継で戦闘をご覧になります。さらに、魔王ルシファー様も今回の一戦を拝見なされております。それをお忘れなきように」

 

 

 み、見られながらやるのか。しかも部長のお兄さんの魔王様にもか。こりゃぁ、無様な姿は見せられないな

 

 

「え?マジで魔王とかっているの?ゲームとかに出てくるラスボス的なあれ?」

 

 

 桐生は驚いてる様子だった。そういえば、この前魔王様が来た時は桐生いなかったな。そんな桐生に、隣にいたシルさんが、部長が魔王の妹という事を教えると、更に驚いた様子になった

 

 

 大昔の大きな戦で魔王様達が亡くなり、強大な力を持つ者に『ルシファー』『レヴィアタン』『ベルゼブブ』『アスモデウス』という名を受け継がせた。部長のお兄さんを含めた現四大魔王は、そうして生まれたそうだ。だから、『ルシファー』というのも、役職名に近いらしい。サーゼクス様が魔王としてグレモリー家を出た為に、部長が家を継がなければならなくなったんだ

 

 

「そろそろ時間です。皆さま、魔法陣の方へ。なお、一度あちらへ移動しますと終了するまで魔法陣での移動は不可能になります」

 

 

 帰ってくる時は、勝敗がついてるって訳か。グレイフィアさんに促され、俺達グレモリー眷属の皆は魔法陣に集結する

 

 

「み、皆さん!頑張ってください!私、精一杯応援してます!」

 

 

「・・・頑張ってください」

 

 

「にゃはは、頑張れ~」

 

 

「あんな焼き鳥野郎なんてぶちのめしてやんなさい」

 

 

「私が直々に稽古してやったのだから、負けるなよ」

 

 

「皆、頑張ってね」

 

 

 アーシア達にエールを送られ、俺達は魔法陣の光に包まれた

 

 

 

 

 光が収まり、目を開けるとそこは部室だった。でも、さっきまでいたアーシア達の姿は見えなかった。どゆこと?と、俺が首を傾げていると・・・

 

 

『皆さま。この度グレモリー家、フェニックス家のレーティングゲームの審判を担う事になりました、グレモリー家の使用人グレイフィアでございます』

 

 

 取り付けられたスピーカーから、グレイフィアさんの声が聞こえてきた。これって校内放送?

 

 

『我が主、サーゼクス・ルシファーの名のもと、ご両家の戦いを見守らせていただきます。どうぞ、よろしくお願いします。早速ですが、今回のバトルフィールドはリアス様とライザー様のご意見を参考にし、リアス様の通う人間界の学び舎「駒王学園」のレプリカを異空間に再現しました』

 

 

 マジで!?じゃぁ、ここにあるのって全部作り物なのか?まんま同じじゃん!再現度高すぎでしょ!あ、でも空の色はなんかいつもと違った感じになってた。マジで悪魔の力ってスゲーな

 

 

『両陣営、転移された先が「本陣」となっております。リアス様の本陣は旧校舎のオカルト研究部部室。ライザー様は新校舎の生徒会室が「本陣」となっております。「兵士」の方は「プロモーション」する際、相手の「本陣」の周囲まで赴いてください』

 

 

 グレモリー眷属で『兵士』は、俺と夕麻ちゃんとカラワーナさんとミッテルトちゃん。俺達の駒の特性上、『プロモーション』は必須!

 

 

 『プロモーション』レーティングゲームはチェスと同じルールで、『兵士』が相手の本陣に駒を進める事で『王』以外の駒に昇格が出来る。

 

 木場と同じ『騎士』になれば、速度が上がる。うちにはいないけど『戦車』になれば攻撃力と防御力が上がり、『僧侶』になれば魔力が上がる。そして、朱乃さんと同じ『女王』になればその全ての特性を得られる。俺が目指すのは勿論、最強の駒『女王』だ!

 

 

「皆、これを耳に着けてちょうだい。戦場ではこれで味方同士のやり取りをするわ」

 

 

 渡されたのは、小さなイヤホンの様な物だった。言われた通り、俺達はそれを耳に着ける

 

 

「さて、私の可愛い眷属達。準備はいいわね?敵はライザー・フェニックス。でも、私達は負けない!絶対に勝つわよ!」

 

 

『はい!』

 

 

 威勢よく全員で返事をすると、再びスピーカーからグレイフィアさんの声が響く

 

 

『開始の時間になりました。なお、このゲームの制限時間は人間界の夜明けまで。それではゲームスタートです』

 

 

 キーンコーンカーンコーン!

 

 

 開始のチャイムが鳴り、俺達の初のレーティングゲームが始まった!

 

 

SIDEOUT

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

SIDEシル

 

 

 兵藤君達がバトルフィールドに転送され、残った僕達はソファーに座って机の上に出したいくつかのモニターを眺めていた。モニターには、リアスさんや対戦相手のライザー・フェニックスの様子が映っていた。リアスさん達の方は、やはり初めてのゲームという事で少し緊張した面持ちだったが、ライザー・フェニックスの方は余裕そうに自分の眷属の女王と、その・・・い、イチャイチャしていた

 

 

 キーンコーンカーンコーン!

 

 

 そして兵藤君達が転移されて数分後、ゲーム開始の合図が鳴った!

 

 

 

 

 ゲームが始まったが、グレモリー眷属の皆はすぐには動かず、机の上に地図を広げて作戦会議を開いていた

 

 

「ねぇシル、何でリアス部長達は動かないの?もうゲームって始まってるんでしょ?」

 

 

 と、ここでレーティング・ゲームを知らない藍華が僕に疑問を投げかけてきた。アーシアも知らないので、頭に疑問符を浮かべて首を傾げていた

 

 

「それはね、二人とも。レーティングゲームっていうのは基本的にボードゲームのチェスと同じ様に、すぐに決着が着くものじゃなくて、長時間かけてやるんだよ。まぁ、偶に短期決戦(ブリッツ)って言う場合もあるけどね」

 

 

 と、二人に説明しているとグレモリー眷属が初めに動き出した。と言っても、敵地に攻め入る訳ではなく、木場君と朱乃さんと夕麻、ミッテルト、カラワーナがグレモリー眷属の「本陣」近くの森にトラップを仕掛けに行った様だ。ライザー陣営の方は・・・まだ動いていなかった。特に何をしているという訳でも無く、ただ時間を潰しているように見えた。完全にあれは慢心しているようだ

 

 

 カッ!

 

 

 と、そこへ部室の床の魔法陣が輝きだした。この魔法陣はーーーーフェニックス家?

 

 

 魔法陣から光が溢れ、そこから何名かの人影が現れた。そして光が止むと、そこには見覚えのある顔の者達がいた

 

 

「ごきげんよう」

 

 

 その中の一人、金髪の縦ロールのお嬢様の様なドレスを着込んだ娘が一歩前に出て、スカートの裾を持ち上げて上品に挨拶をしてきた

 

 

『誰(にゃ)(でしょうか)?』

 

 

 僕以外の皆が、頭に疑問符を浮かべて首を傾げた。その反応に、あいさつした娘はズコッとこけた。アーシア達はともかく、藍華は会ってるんだよ?まぁ、あの時はライザー・フェニックスに目が行ってたから覚えてないんだろうけどね

 

 

「この方はレイヴェル・フェニックス。今ゲームをしておられるライザー・フェニックス様の実の妹君だ」

 

 

 とそこへ、ドレスの娘の後ろに控えていた顔の半分だけに仮面をつけていた女性が前に出て、代わりに説明をした。確かこの人はライザー・フェニックスの『戦車』だったな。他にも、この人と同じ『戦車』のチャイナドレスを着た人と、『僧侶』の十二一重を着た女性がいた。つまり、ハンデとして今回のゲームに参加しなかった者達だ

 

 

「んで、こんな所に何の用?」

 

 

 藍華が直球で尋ねる。すると、さっきこけたレイヴェルさんが、身なりを正し、咳払いを一つして口を開く

 

 

「コホン、こちらにあの龍王最強の『天魔の業龍』ティアマットがゲームを観戦していると聞き、一目見ようと来ましたの。それで・・・そちらにいらっしゃる青髪のあなたがそうでしょうか?」

 

 

 レイヴェルさんはティアの方に顔を向けて尋ねる

 

 

「ほうだ、わはひがひあはっとだぞ」

 

 

 ティアは僕が用意したお茶菓子のクッキーを口に咥えたまま答えた。そんなティアに近づき、頭に手刀を落とすと、ティアは頭を押さえて痛みに悶えていた

 

 

「ティア、口に食べ物を咥えたまま喋るのは行儀が悪いよ、っていつも言ってるでしょ?」

 

 

「うぅ~、わ、悪かったのだ」

 

 

「にゃははははっ!怒られてるにゃ」

 

 

 黒歌はそんな様子を見て、指を指して笑い声をあげていた

 

 

「姉さま、煩いです。モグモグモグ・・・」

 

 

「私も、これくらい美味しいお菓子を作ってみたいです」

 

 

 白音は自分の前にあるお皿に積まれたクッキーを休まずに口に運んでいた。それでもちゃんとモニターから目は離していない。アーシアも作ったお菓子を気に入ってくれたみたいだ。今度一緒に作ろうかな?

 

 

 と、ライザー眷属の方に目を移してみれば、全員が唖然とした表情になっていた

 

 

「龍王最強に説教をしている、だと・・・!」

 

 

「しかも、あの暴れん坊と言われていた『天魔の業龍』が素直に従っているわ」

 

 

 あぁ、そういえばそうか。ティアって昔は結構いろんな所で暴れてたみたいだしね。そんなのを相手に説教とかしている光景は知らない人から見たら異常だよね。リアスさん達も最初は凄い驚いてたし

 

 

「あなた、何者ですの?見た所執事の様ですが、リアス様の家の者ですか?」

 

 

 レイヴェルさんが代表して僕に向かって尋ねてくる

 

 

「いえ、僕はここに居らせられる藍華お嬢様の執事のシルという者でございます」ニコリ

 

 

 手を胸に当てて、軽く頭を下げる。昨日、藍華達に着せ替え人形にされた後、今朝藍華が自分の家に帰ったと思ったら、数十分後色々な衣装を持って、再び家に訪れて来た。藍華が持ってきた衣装は今僕が来ている執事服や、メイド服、巫女、ポリス、教師、etc・・・とまぁ、様々な種類の物だった。どうやら昨日言ってたように本当に衣装を借りて来たみたいだ。取り敢えず、前日の事があった僕は、逃げる事を諦め、その中で一番マシだった執事服を取った。そして衣装がたくさんあるという事で、他の皆もそれぞれコスプレする事になったんだ。藍華もノリノリで衣装を勧めたり、アーシアのコスプレを見て、ミッテルトが暴走したので、夕麻達で止めるのが大変だった。そして夕方までコスプレをした後、執事服のまま僕は夕食の準備をしていたら、何故か皆に新鮮だけど違和感がないと言われ、しばらくこの格好で皆の執事でいる事になって今に至るという訳だ。今日は順番で藍華が僕のご主人様。・・・・・説明しててなんだけど、何でこうなったんだろう?

 

 

『~~~っ!』

 

 

 おや?なんか目の前のレイヴェルさんを含めた皆の顔が赤い?どうしたの?

 

 

「(今日のシルは何時もと違って、カッコいいにゃ~。何か胸がドキドキしちゃうにゃ~)」

 

 

「(・・・いけませんね、頬が熱くなってるのがよくわかります。家では我慢できましたが、今みたいに不意打ちは反則です!)」

 

 

「(さ、流石シルだ!カッコ良さがいつもの倍以上なのだ!明日は私がご主人様の番だな!)」

 

 

「(はわぁ~、シルさん、いつもよりずっとかっこいいですぅ。はっ!い、いえ、いつもカッコ良くて綺麗ですけど、今日はそれとはまた違ったものというかですね。って私は誰に言い訳をしているんでしょうか?)」

 

 

「(自分がやらせといてあれだけど、これは中々の破壊力ね。しかもお嬢様って・・・わ、悪くないわね)」

 

 

「(か、カッコいいですわ・・・良い条件を持ち掛ければ家に引き抜けないかしら?)」

 

 

「(何だ、この胸の高鳴りは?・・・っ!まさか、この私が女相手にっ!?)」

 

 

「「(はぅ~)」」

 

 

 え~と、皆どうしたんだろう?何かぼぅっとしてるけど。と思っていたら、グレモリー眷属とライザー眷属が動き出した。それから僕は、レイヴェルさん達にどうせなら一緒に観戦しませんか?と問うと、快く承諾してくれた。僕は異空間の倉庫から新しく人数分の椅子と机の上にお茶菓子と飲むのに丁度いい温度に淹れた紅茶を出した。どちらも好評だったようで、その顔には笑顔が浮かんでいた。でも、何故かレイヴェルさんはクッキーを食べた後、ショックを受けたような表情になっていたけど、どうしたんだろう?聞いても「何でもないですわ」と返されてしまったので、それ以上は聞けなかった

 

 そして、皆が見つめるモニターに映っているのは、兵藤君が一人で両陣営の中間、つまり「センター」に位置する体育館に向かっている所だった。そして兵藤君がたどり着くとそこにはライザー眷属の『兵士』が三人いた。ゲーム前に渡された資料によれば、棍棒を持った白音位の身長の娘がミラ。ライザー眷属の中では一番弱い子だけど、棍の腕前はそこそこある。そして残りの二人は体操服を着た双子。武器は手に持ったチェーンソーで、双子ならではの息の合ったコンビネーションで敵を追い詰めるのが得意、と。というか、女の子が持っていい武器じゃないと思うよ?

 

『解体しまーす♪』

 

『バラバラバラバラ♪』

 

『怖っ!?滅茶苦茶物騒だなおい!』

 

『行きます』

 

 一対三という数的には兵藤君的に不利だけど、モニターの中で兵藤君は三人からの攻撃を躱し、時には腕で今棍をガードして三人相手に立ち回っていた

 

『ガードが崩せない・・・』

 

『あー、もう!何で当たんないのよ!』

 

『ちょろちょろ動き回ってムカつくぅ!』

 

 相手は攻撃が当たらない事にイラついている様子だった。そんな三人から一旦距離を置いて、兵藤君は三人に指を指して宣言する

 

『俺はな!今回のゲームの為に毎日死ぬような特訓を受けてきたんだ!龍王最強のドラゴンに山で追いかけ廻されながら攻撃される怖さがお前達に分かるか!?一発一発の攻撃が即死級の威力を持ってるんだぜ!一発でも当たるか掠るだけでも即消滅だ!そんな攻撃に比べたら、お前達の攻撃なんか遅く見えるし全然怖くないわぁぁぁぁ!!』

 

 途中から涙を流しながらそう言う兵藤君に、何とも言えない気持ちになった

 

『そ、そこまでの特訓を行っていたなんて・・・』

 

『・・・ねぇ、お姉ちゃん。私、何かあの人かわいそうに思えてきたよ』

 

『・・・あの時は厭らしい目で見られたけど、許してあげましょう』

 

 ほら、敵の三人も攻撃の手を止めて憐憫の眼差しで兵藤君の事を見てるよ。で、その原因のティアというと・・・

 

「全く、あれくらいで泣くとは、男として情けないぞ。おっ、これは私の好きなクッキーなのだ!」

 

 と言う感じだった。なんというか・・・ゴメンね兵藤君

 

『来い!ブーステット・ギアァ!』

 

 そしてここで初めて兵藤君は、その左腕に【赤龍帝の籠手】を出した

 

『Boost!』

 

『行くぜドライグ!!』

 

『Explosion!!』

 

 籠手から音声が鳴り、兵藤君の力が倍増された。気を取り直した三人が兵藤君目掛けて攻撃を仕掛ける

 

『『バラバラバラバラ!』』

 

 双子の娘は、チェーンソーを地面に当てて傷を作り、火花を散らしながら左右から同時に迫る

 

『なんのぉ!』

 

 兵藤君は振り上げられたチェーンソーを籠手でほぼノータイムで同時に殴り飛ばし、武器を失った二人に反対の手で殴り飛ばした

 

『そこ!』

 

 間髪入れずに、兵藤君の背後からミラという少女が棍を突き出す

 

『あまい!』

 

 兵藤君はそれを体を捻る事で躱し、突きを繰り出して隙が出来た少女の棍を手刀で破壊し、同じく獲物を失った娘を突き飛ばした

 

「へ~、兵藤の奴意外にやるじゃん」

 

「す、すごいです!相手の方が人数が多いのに!」

 

 藍華達も、兵藤君の活躍を純粋に褒めていた。対してレイヴェルさん達の方は驚いている様子だった

 

 突き飛ばされた三人は立ち上がり、再びその手に武器を握る。と、ここで兵藤君が画面の中で不敵な笑みを浮かべた

 

『フフフッ、息巻いてるようだが、俺の必殺技の条件は整った。この勝負、俺の勝ちだ!』

 

 自信満々にそう宣言する兵藤君。青の表情は嘘をついているようには見えない。でも、必殺技っていつの間にそんなものを?

 

「す、すごいですイッセーさん!なんだかカッコいいです!」

 

「・・・必殺技、少し気になります」

 

「は、はったりに決まってますわ!」

 

「一体何をするつもりなんだ?」

 

 それぞれの反応を見せる中、兵藤君は背中から悪魔の翼を出して、何かの構えを取る。妙に様になっていた

 

『・・・お姉ちゃん、何かやばそうだよ』

 

『えぇ、よくわからないけど、さっきよりプレッシャーが上がってるわ』

 

 対峙する敵の三人も、兵藤君から発せられる気迫に押されている様子

 

『・・・何をするつもりか分かりませんが、その前に倒します!』

 

『『絶対解体してやる!!』』

 

 再び三人が兵藤君目掛けて突進する。兵藤君は籠手を天井に向かって掲げる

 

『行くぜ!俺の新必殺技!【洋服破壊・ドレスブレイク】!!』

 

 パチンッ、と兵藤君が掲げた指を鳴らすとーーーー

 

 

 バリバリバリッ!!

 

 

 兵藤君に向かって突進していた三人の服が弾け飛んだ

 

『・・・え?』

 

 目の前のモニターで起こった事に思わずそんな声が漏れた。それはここにいる者全員の声だけでなく、モニターに映っている三人もだったと思う

 

『『『い、いやぁぁぁぁ~~~~!!』』』

 

 一拍空いてモニターから響く悲鳴。下着まで弾け飛んだ三人は、その場にしゃがみ込み、大事な所を手で隠そうとしていた

 

 な ん だ こ れ は !?

 

『フハハハハッ!どうだ!見たか!これが俺の新必殺技、その名も【洋服破壊・ドレスブレイク】!発動条件は相手に手で触れる事。その際にイメージで高まった魔力を相手に流し込む事だ!俺は脳内で女の子の服を消し飛ばすイメージだけを延々と、そう延々と妄想し続けた結果、魔力の才能をこの為だけに使ったのさ!!』

 

 な、なんちゅう事を・・・

 

 部室で観戦していた女性陣に目を移せば、ほとんどが嫌悪の表情を浮かべていた。ま、まぁ、当然の反応だね

 

「・・・最低です」

 

 ボソッ、と呟いた白音の言葉に他の女性人達も頷いていた。さっきまで評価が上がってたのに。兵藤君ェ

 

『最低!』

 

『変態!性欲の権化!』

 

『ケダモノ!女の敵!』

 

「フムフム、兵藤は年下の美少女の服を引ん剝く鬼畜野郎。近づく女子は服を剥ぎ取られないように要注意、っと。明日、学校に流したら面白い事になりそうねぇ」

 

 藍華、君は兵藤君を社会的に抹殺する気ですか?でもゴメンね兵藤君、流石にこれはフォロー出来ないよ。と、ここで僕の視界が真っ暗になった。気配から誰なのか察知する

 

「アーシア、どうしたの?」

 

「み、見ちゃダメです!」

 

 背中にピットリと張り付いたアーシアが手で僕の目を塞いでいるようだ。まぁ、確かに男の僕が女の子の裸を見るのはいけないよね。でも、そうなると僕はアーシアから男の子扱いされてるって事だよね。何かちょっと嬉しいかも

 

 取り敢えず僕はそのままで指を鳴らす

 

 パチンッ!

 

『あっ、た、タオルが』

 

『で、でもこれで体を隠せるわ!』

 

『・・・よくわからないけど感謝です』

 

 モニターからそんな声が聞こえてくる。すると、アーシアは僕の顔から手を退けてくれた。モニターには大きめのタオルにスッポリ身を包んだ三人が映っていた

 

『ナイス(ね)(です)(だな)(にゃ)(ですわ)!!』

 

 部室にいたみんなからサムズアップを頂きました。アーシアもキラキラと尊敬の眼差しを向けてくる

 

 と、ここでモニターで残念がる兵藤君がタオルに身を包んだ三人を置いて突然体育館の出口に向かって駆け出した。そして兵藤君が体育館を出るのと同時に・・・

 

 

 カッ!ドォォォォォォォォォン!!

 

 

 一瞬の閃光のすぐ後、轟音と共に巨大な雷の柱が体育館に降り注いだ。そして雷が止んだ時、モニターから体育

館が消滅している様子が映った

 

『撃破(テイク)』

 

 巫女姿の朱乃さんが体育館があった場所の上空で翼を広げ、撃破宣言をして微笑んでいた。その手には先程放った雷の残りがバチバチと迸っていた

 

「あの笑み・・・Sの感じがするわね」

 

 藍華がポツリと呟く。S?SってなんのSの事?

 

『ライザー様の『兵士』三名、リタイア』

 

 と、そんな事を考えてる内に、グレイフィアさんの撃破アナウンスが入る。それにしても、重要拠点である「センター」に位置する体育館ごと敵を撃破するなんて、いい考えだね。人数的に敵に取られるかもしれないのなら、それごと消してしまおう。初めてとは思えない発想だね

 

「流石、あのリアス様の『女王』ですわね。先程の雷の威力は下級悪魔のそれを超えていますわ。それに、まさか重要拠点ごと『兵士』を倒すなんて。それに引き換え、あの『兵士』の方は・・・」

 

 眉間に皺を寄せ、はぁ、と嘆息するレイヴェルさん。もしもここに彼が居たら、心が持たなかったと思う。いや、そういえば兵藤君は学校でもそんな感じだってアーシア達が言ってたな。何か聞いた話では、平気で教室でエッチな本とかを読んだり、女子の着替えを覗いてるとか。・・・やっぱりフォローのしようがないね。でも、悪い子じゃないんだけど、一体どこであぁなってしまったんだろうか?小学校の時は既にもうおっぱいを連呼してたけど。そのまま真っ直ぐに育ったみたいだね、エッチな方に

 

 そして画面の兵藤君は耳に手を当てて連絡を取っている様子だった。そんな兵藤君に黒い影が迫っていた・・・

 

 

 

 




 はい、折角なのでレイヴェルさんに登場してもらいました。次回は少し時間がかかると思いますが、また見てくれたら嬉しいです
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