「———わかりまふ、わかりまふよリュウちゃん!僕もね、10年ぶりに再会した愛華が、あの純真純粋無邪気お転婆っ娘だった愛華がエロ娘になってたんですから!それがわかった時の衝撃は血反吐を吐いちゃうダメージでしたよ・・・んくっ、ぷはぁぁぁぁ!・・・りゃかりゃぼく、リュウちゃんのきもひ、しゅごいわはりましゅ!」
「うぅぅっ、わ、わかってくれますかぁシルぅ~」
「うむ!だから今日は一緒に飲み明かそう!そして全部吐き出しちゃうの!リバースしちゃうんだよリュウちゃん!溜め込むの、よくない」
「は、はい!私、いきましゅ!んくっ、んくっ!」
「おぉー、いい飲みっぷりぃ!だけど、僕だって負けないよぉ~!」
「・・・・・」
・・・えー、今現在俺の目の前で酒盛りをしている2人。さっきから随分とハイペースで飲み続けてるけど、見てのとおり一升瓶を持っているシル君はもうベロンベロンだ。
リュウがシル君を呼んで2人で俺の事を探してくれてたのはありがたかったんだけど、まさかこんな事になるとは・・・。
全ての事の発端はあの(腐)女神達が原因なんだよなぁ・・・。
冗談半分で、やりそうだなぁとは思っていたけど、いくらなんでも流石に本当に実行しようとするなんて思ってなかったし。
その名も『シルきゅん神化計画』
決してモンストなんかじゃない。それに俺はどちらかというと最近はエレスト派だし。でも中々精霊祭で欲しいのが当たらないのが・・・って今はこんな事どうでもいいんだ。
『神化』
それは神が気に入った人間等を自分達と同じ存在、つまり神格持ちへと昇格させる事。
勿論色々条件や制約があるけど、(腐)女神達が殆どをその力全てを使って強引にクリアした。残す条件はあと一つのみ。それは、神界にいる全ての神に認められる事。この条件も(腐)女神達の圧力によって、残すのは俺くらいだと思う。あの厄介なロキも承認させたんだから(腐)女神達はホント恐ろしい。一体何をしたんだか。全く知りたくはないけどね!それからロキが部屋に引き籠ってるって聞いたら尚更に!
ただでさえ、俺の初歩的で致命的なミスで死なせてしまったシル君にこれ以上こっちの苦労は掛けさせるわけにはいかない・・・いや、情けないながら愚痴とか色々聞いてもらっちゃったりしてるけど・・・。
んんっ!と、というか、神なんかになってしまったら本当にシル君の身が危ないんだ。精神的にも肉体的にも。前々から常々思っていたけど(腐)女神達がヤバ過ぎる。いつから神界は変態が溢れる巣窟になったんだよ・・・!しかも日に日に変態度が増してるし!ヤンデレ、メンヘラは辛うじてまだいないけど、ドМやドS達がやばい。それはもう、説明するだけで精神衛生的に非常によろしくないくらいに。見た目絶世の美女や可憐な美少女達が放送禁止用語を連発しているって言えば分かってもらえると思う。
だから隙を見て(腐)女神達が来る前に逃げ出したのは良かったんだけど、まさか辺境にあるこの迷宮空間にまで追跡の手が入る思わなかった。某スパイの段ボールには何度助けられた事か・・・冗談半分で持ってきたけどホント良かった。某蛇先生は偉大だったんだ。今度熱帯雨林でメタルギア買おう。
それから段ボールを駆使しつつ隠れる事暫く。承認期限も残り少なくなってきて、もうここで最後まで絶対逃げ切ってやろうと思っていたけど、なぜか一気に追手の手が増えて下手に動けずに隠れていたここに、シル君とリュウが来るなんて思いもしてなかった。
しかもこっちが声を掛ける前に隠れてる自分ごと段ボールに固定化の魔法をかけて、その上に座って自分に向ける恋暴露をされるなんて神でも予想できないよ。固まってるから耳を塞ぐことも出来ずに全部聞いちゃったし・・・あー!うー!あああうぁぁぁぁー!ふおおおおおおお!?・・・・・・ふぅ、神の予想を超えるって凄くない?(現実逃避
「ぷはぁぁぁぁっ!ふぃー。んん?どうひたーリュウひゃん!もうおちまいでしゅかぁ~?」
「むぅ~ま、まだゃまだゃぁー!んくっ、んくっ・・・!ぷはぁぁぁ!」
「にゃはははは!そうこにゃきゃねぇ~」
う、うわぁ、一升瓶を一気飲み。もう20超えたんじゃないのかな?2人とも呂律回ってないし、顔真っ赤だし、テンションも高いし。というかさっきから思ってたけど、シル君どれだけお酒持ってるの?俺の愚痴に付き合ってもらう時にもよく美味しいの持って来てくれるけど。しかも全部高そうなやつだし、気のせいじゃなかったら神酒も交じってるし・・・( ゚д゚)ゴクリ・・・あれ、今更だけどシル君ってお酒飲んだ事あったっけ?
それにしても、見つかった時のシル君の表情はヤバかった・・・!目のハイライトが消えて、所謂ヤンデレ目になっちゃってたし、手にはいつの間にか神殺しでも出来そうな剣を握ってたし、神である俺を震え上がらせ殺気出ちゃってたし・・・ホント、生きてるって素晴らしい(ガクブル
最初は尋問をされていたはずなのに(その間リュウは悶絶ゴロゴロ)、いつの間にか説教からどれだけ良い娘なのかの紹介になって(羞恥やらなんやらで顔真っ赤のリュウを隣に座らせて)、今では本人を目の前にして自棄酒をしている始末。どうしてこうなった。
ホントどうしてこうなったし・・・リュウもあまりの恥ずかしさに最初らへんはあれだけゴロゴロと転がって悶えてたのに、今では少し前から始めた俺っ娘から以前のリュウに戻っちゃって酒盛りしちゃってるし・・・というか2人とも服が肌蹴て、お酒の影響で桜色に染まった肌が見えちゃってて目のやり場に非常に困ります。艶めかし過ぎます。シル君も今ここに(腐)女神達がいたら即食べられちゃいそう。勿論物理的じゃない方で。いや、ある意味物理的とは言えるけど。
「りゃかりゃねぇ!例え愛華しゃんがエロエロっ娘になっちゃってても、根っこはあの時の優しい愛華だっていうのに気がちゅいたにゃ!そしてわかったの、あぁ、愛華は愛華なんだにゃ、って!大事なのは受け入れることににゃんだよ!」
「う、うけいれりゅこと?」
「そうにゃ!否定したってなにも変わらない!それもひっくるめてその人なんだから!僕はエロエロでも愛華しゃんの全てを愛しゅりゅのだー!すぅ・・・愛華ぁぁぁぁぁ大好きだよぉぉぉぉ!」
「相手の全てをうけいれりゅ事、か・・・」
oh・・・シル君のテンションが最高を超えちゃった。普段は絶対に言わない事やしない事をしまくってるし。ってシル君やめて!こんな狭い所で両手に炎と氷を纏わせて踊らないで!?あぶ、危ないから!ちょー危ないから!
「黒歌達も愛してるよぉぉぉぉぉぉ!!にゃはははははは!氷炎龍の翼撃ぃ!!」
「受けいりぇりゅ、受けいりぇりゅ、受けいりぇ・・・うにゅぅ~、考えすぎて気持ち悪い・・・!」
「にゃにゃっ、それはいけない。ほら神様!ぼうっとしてないでリュウちゃんの介抱をしなしゃい!」
「え、えぇ・・・?「ん?」アッハイ」
即座にシル君の言葉に従ってリュウの隣まで移動する。こういう時は逆らっちゃいけないっていい加減分かれよ俺!じゃないとシル君の両手の氷炎に滅される。笑顔がさらに恐怖を煽る。なんというパワハラ、上司との飲み会の場でもこんなのないよ。
とりあえず背中をさすりながら水の入ったコップをリュウの口元に持って行くと、リュウはちびちびとまるで猫の様に水を飲んでいく。
その間そんなリュウの可愛さに頬が緩んだり、大きく肌蹴て露出してしまっている胸元に目線が行ってしまいそうになるのを根性で耐える。だってシル君がニコニコとこっちを見てるから・・・手に氷炎を纏わせたまま下手やったら絶対あれで燃やされる凍らされるぅ!?
「にゃはは~、リュウちゃん可愛いにゃぁ~。にしても神様見せつけちゃってくれて・・・このリア充め!破ーぜろー!」
「ヒュッ!?」
閃光、そして遅れてやってくる熱と冷気。チリチリパキパキと耳元で聞こえる音。そっと触ってみると毛先が少し焦げて若干凍っていた。ドッと冷や汗が噴き出す。
「にゃはは~いけないいけない、ついネタで神様をヤっちゃう所だったにゃん。うっかりうっかり、てへ♪」
・・・今俺は世界でもっとも恐ろしいてへ♪を神類で初めて見たんじゃないかなー・・・一歩でも間違えなくても運しだいでヤられる。そしてこの現状から見るに今日の俺はとても運が良いとは言えない。ふへっ、それってどんなムリゲー?
「それにしても~せっかくリュウひゃんが愛しの神様といちゃいちゃしてるんだから・・・写真を撮っておくのは当然だよね!」
ど こ が ! ?
思わず声に出してしまいそうになったのを喉元ギリギリで堪えた。けどせめて心の中でもう一度言いたい、一体どこがいちゃいちゃしてるように見えるんだい!?リュウはともかく、俺は自分でも今顔が真っ青で引き攣った表情をしてるのが分かるくらいなんだよ!?世間一般的にそんな表情をしている神物がいちゃいちゃしてるように見える!?そうだと言うなら飲みすぎてきっと幻覚が見えてるに違いない。今すぐ寝る事を強く勧めます!全力で!お布団敷いてあげるからさぁ!
「ふあぁぁ~・・・うぅ、ねみゅい」
そっちかい!?リュウの方だったよ!
でもくしくしと眠たそうに眼を擦っている姿が幼く見えて胸がドキドキ。これってリュウの可愛さにときめいてるせいのか、それとも危機的状況に瀕しているせいのとどっちなんだろうね?だれか教えてください。いや、それよりも誰か助けて・・・!
『こっちよ!この奥から声がするわ!』
「ふぁっ!?」
そ、そうだったぁぁぁぁぁぁッ!?今隠れてる最中だったんだぁ!そりゃぁあれだけ騒いでたらいくらなんでも気づかれるよね!今の今まですっかり忘れてたよこの野郎!
ここは袋小路、出口はもう意味を成していないカモフラージュ用のシーツで隔てられた1箇所。さらにこの迷宮空間は転移系の力が一切使う事が出来ない。どうする・・・どうする!?
「ふっ、こんな事もあろうかと・・・」
っ!まさかシル君、この状況を想定して何か手を・・・!酔っていてもやっぱりシル君は頼りになる!そこに痺れるゥ憧r
「ちゃんとお布団も準備済みにゃ!」
ズッシャァァァ!ゴンッ!?
うごぁ・・・・・・上げてから落とすってこういう事を言うんだろうね、お蔭で擦った顔面とぶつけた頭部が痛い。そんな間にもシーツの向こうから続々とこちらに集まって来る足音が聞こえてくる。完全に包囲網が完成しつつあるみたいだー。
逃げている最中に(腐)女神達が神器を持っている事は確認済みだし、こっちには実質戦力差は絶望的だ・・・こうなったら俺がシル君を守らなきゃ。最悪捕まって拷問されたとしても期限まで口を割らなければこっちの勝ちなんだから。俺だっていつもの情けない姿だけじゃなくってやるときはやるって所を証明してやらなきゃな、覚悟を決めよう。
「はいリュウちゃーん、お布団で寝んねしましょうねぇ~」
「うみゅぅ・・・」
「はい、良い子良い子、よしよし」
・・・。和むなぁ~、なまじ見た目は美少女達だからこの美しい姉妹愛のような、百合っぽいような感じが・・・
「って!?いやいやいや!シル君!?今の状況分かってる!?俺達囲まれてるんだよ!?まだ詳しい話をしてなかったけどこのままじゃ主に君が大変な事にむぐっ!?」
「しー!今リュウちゃんが寝ちゃったところなんですから大きな声を出さないでください神様」
シル君の人差し指を軽く押し当てられて言葉を切られる。思ってもみなかったその行為と、至近距離から柔らかなまるで女の子の香りに、思わずドキリとした。
「(いや待て!その反応は可笑しいぞ俺!?シル君は男なんだって!こんなんじゃ(腐)女神達の事を言えないじゃないか!)」
俺が必死に正気を保とうとしているのを知ってか知らずか、シル君の視線は布団で安らかな寝息を立てているリュウを一撫でしたと思ったら、立ち上がってそのままま唯一の出口の方へ向かって行く。
「し、シル君?」
「神様、僕があの人達を注意を引き付けてここから引き剥がします」
「なぁっ!?・・・な、何を言ってるんだいシル君!?分かっているのかい!?外にはあのただでさえ厄介な(腐)女神達がガチの完全武装で大勢いるのにみんないろいろと溜まっちゃってて危険度が倍増しちゃってて・・・」
いかに危険かという事を伝えようとして俺の言葉は最後まで続かなかった。何故なら今、目の前に立つシル君の後ろ姿は、俺達にとって酷く見覚えがあり、同時に見惚れてしまう様なものだったから。
___それは、例えどんな困難な道や壁だろうとそれを乗り越えてきた者達。俺達にとって瞬く間の刹那ともいえる時間の中で一際眩しい輝きを魅せた彼等と同じ___
「神様・・・僕は、冒険をします
叶えたい願いのために
たどり着きたいあの場所に立つために
あの人の隣に立てるように
僕は・・・英雄になりたいッ!」
「(あっ、これあかんやつや)」
ベル君・・・じゃなくってシル君のセリフを聞いて一気に頭が覚めた。よく見ればふらふらと体が揺れて重心がさっきから安定してない。飲酒後の夢心地状態はまだ継続中だった。
「ストップシル君!ホントにダメだから!お願いだからちょっと水でも飲んで酔いを醒まして!」
「僕は酔ってません」
「酔っぱらいはそう言うんだよ!そんな状態で外に出たら一瞬で揉みくちゃにされちゃうんだよ!?」
「私の戦闘力は53万です。ひっく・・・寧ろ揉み返してやるぜぃー」
「死亡フラグの上にキャラ崩壊が激しいよ!?」
必死になって止めようとするも、シル君はその華奢な見た目からは想像も出来ない力で俺をどこからか取り出した毛布で簀巻きにしてリュウの布団に押し込めた。なんとか抜け出そうともがくも、結構きつく巻かれたせいで結局片腕しか出せなかった。
「さぁ、素敵な
「夕だtじゃなかったベル君!じゃなくってシル君!シル君────ッッ!!」
伸ばした手は決して届く事なく、シル君はそのままシーツの向こうへと行ってしまった。
◇◆◇
「ん・・・?」
「? どうかしましたか愛華さん?」
登校中、ふと足が止まった愛華の横を歩いていたアーシアが顔を覗き込んでくる。
「いや、どっかで酔っ払いに愛の告白をされたような気が・・・」
「なによそれ・・・」
「えらく具体的っすね」
「あ、愛のっ、ここ、告白ぅ!?」
「(゚∀゚)キタコレ!!shutter cha—nce!!」
すかさずカメラを取り出してシャッターを切るミッテルト。最近では見慣れたいつもの登校風景だった。
「あー、これを見るとなんか平和だなぁって思うわ。最近物騒だけど」
「えぇ、それについては同感。それにしても愛華、本当に体は大丈夫なの?」
「大丈夫大丈夫、別にどこも何ともないし」
早速、最近ではすっかり見慣れた行為をしている2人を他所に、夕麻は愛華に心配そうな眼差しを向け、当の本人はひらひらと手を振って心配ないと伝える。
「でも聖剣よ?普通なら悪魔じゃない愛華はそこまで影響は出ないかもだけど、それでもあれだけの聖なるオーラは逆に悪い影響があるのよ?」
「んー、そこはほら、このお守りっていうのが守ってくれたんじゃない?確信ないけど」
そう言ってお守りのガラス玉を取り出し、日光にかざす愛華。ずっと前から変わらない、綺麗な3色の模様が輝いていた。
「そう言われるとそれが一番正解っぽいけど・・・そう言えばあの時愛華、聖剣を使いこなしていなかった?」
「それについては本当に知らないんだけど(あの時は結構頭に来ててよく覚えてないのよね)・・・もうあれよ、全部シルの仕業って事で」
「えぇ―・・・」
投げやりな発言に夕麻もなんとも言えない顔になってしまう。
「それに、私より黒歌先輩のほうが問題なんじゃないの?誰かさんが、昨日襲われたみたいだしさぁ」
「・・・やめて、あれは本当に危なかったのよ。もし、もし、白音がいなかったら・・・!」
揶揄う愛華の言葉に、震える自らの体を抱き、顔を青くしている夕麻。
まさかそんな反応をするとは思わなかった愛華も、若干引き気味になる。
「え、そ、そんなに?」
「・・・あの野獣みたいにギラついた目で部屋に引き込まれそうになったらね。アーシアも部屋に絶対近づけないようにしないと」
「うわぁ、ウチ男子共が聞いたらまっすぐ立てなそうな話ね・・・ある意味では反り起ちそうだけど」
「朝から下ネタやめい」
その話の中心の本人はというと、現在進行形で白音に部屋に閉じ込められて謹慎中だったり。そして当然白音も、本人としてはかなり不本意ながらも欠席だ。
◇◆◇
「わ、わからないって、あなたねぇ・・・」
「あらあら」
放課後、今朝と同じようにリアス達にも聖剣を使えた事を問われ、同じ返答をした愛華に、リアスは呆れ朱乃は困ったように頬に手を添える。
「いやぁ、もうあれですよ。全部シルの仕業って事にして、帰ったら本人に説明してもらうって事で」
『それしかないわね・な・っすね』
満場一致で、採決は決まった。すると、周りを見渡した愛華がリアスに質問を投げかける。
「リアス先輩、やっぱり木場君は休みですか」
「・・・えぇ」
そう言ってリアスは目を伏せる。それを聞いた他の面々も表情が若干暗くなった。
数日前、愛華と教会の2人組との騒ぎの後、木場は誰に告げる事もなく姿を消した。リアスが連絡を取ろうとしたが、携帯は繋がらなかったそうだ。
重くなった空気が消えないまま、今日は解散する事になった
「このままじゃいけねぇよな・・・何か、俺に出来る事を」