ハイスクールD×D  オッドアイの銀猫   作:takubon

7 / 32

 どうも!月曜に上げるつもりでしたが、少し早く投稿することが出来ました。今回は一万字越えになりました。でも、今回はイッセーがほとんどメインです。今度はシルメインの話にしたいなぁ~。藍華はどこで登場させようかな・・・もうちょっと藍華の登場はかかりそうです。メインヒロインなのに・・・

 最近はたくさんの感想や意見が来てとても嬉しいですね。そう言えばもうお気に入りが100を軽く超えてたんですよね。評価をつけてくださった方もお二人いました。皆さん、ありがとうございます。次の更新は早くて火曜日、遅くても金曜までには上げるつもりです。もしかしたら今回みたいに早くなるかもしれませんが。

 それでは長々と失礼しました。では、本編スタートです。


悪魔と堕天使

 

「うぅ~怠い・・・」

 

 よう、俺は兵藤一誠、親やみんなはイッセーって呼んでる。最近の俺は朝、妙に調子が悪いんだ。毎朝登校する時は体が怠く感じるし、日差しが肌に突き刺さるような感じでキツイんだ。反対に夜になると体の底から力が湧き上がってくるような感じになるんだ。夕麻ちゃんとデートした日から俺は自分が変わってしまったように感じてならないんだよなぁ~

 

 

 

 

 私立駒王学園、それが俺の通う高校だ

 

 数年前まで女子高だったせいか、男子よりも女子の割合の方が多いこの学校は、学年が下がるごとに男子の比率が上がるが、それでもやはり全体的に女子が多い。二年生である俺のクラスでも男女比は、三対七で、三年生だと二対八になっている。

 難関と言われている試験を突破してこの高校に入学したのもすべては女子高生に囲まれたハーレム学園生活を送るためだ!そして彼女の二、三人くらいすぐに出来ると思ってた

 

 しかし!現実は残酷だった。二年間この学校に通ってるけど、そんな美味しい展開はなかった!モテるのは一部のイケメンな男子だけで、俺達なんかはゴミ屑みたいな目で見られる始末。一体何がいけなかったんだ!

 

 

「よう、イッセー。貸したDVDはどうだった?エロかっただろう?」

 

 そう言ってクラスの自分の席に座った俺に声をかけてきたのは、丸刈り頭の俺の友人、『変態三人組』の一人、松田。見た目爽やかなスポーツ少年に見えるが、日常的にセクハラ発言が出る変態だ。スポーツが万能なのだが、所属しているのは写真部。女子の着替えなんかを撮影しているので、別名『エロ坊主』『セクハラパパラッチ』。

 

「ふっ、今日は風が強かったな。おかげで朝から女子高生のパンチラが拝めたぜ」

 

 気障っぽい言い方をする眼鏡をかけている奴が、もう一人の友人で『変態三人組』最後の一人。眼鏡を通して女子のスリーサイズを数値化出来るという特殊能力を持ったロリコンだ。こいつの別名は『エロメガネ』『スリーサイズカウンター』。

 

 

「イッセー、いいもん手に入ったぞ」

 

 松田がそう言って自分のカバンから中身を次々と机の上に置いていく。それらは全部卑猥な本やDVDだった。

 

「ひっ」

 

 遠くで女子たちが軽く悲鳴をあげた。はい、こういうのがいけないんですよね!

 

 次に聞こえてきたのは、最低~、とかエロガキ死ねと蔑んだ女子たちの声だった。

 

「騒ぐな!これは俺たちの楽しみなんだ!邪魔するなら脳内で犯すぞ!」

 

 相変わらずのセクハラ発言をする松田。少し前の俺ならこれらを見て目を輝かせて松田達と騒いでいたが、最近は朝が辛いのでそんな気分になれない。

 

「おいおい、これだけのお宝を目の前にしてそ何だよ、その顔は」

 

「あー、あれか?お前に彼女が出来たってあれ」

 

「・・・お前ら本当に覚えてないのか?」

 

「だからそんな事知らないって。なぁ元浜?」

 

「あぁ、そんな事があれば俺達は首を吊っている。夢なんじゃないのか」

 

 この通り、二人は夕麻ちゃんの事を全く覚えていないのだ。最初は俺をからかっているんだと思ったけど、そうじゃなかった。本当に知らなかったのだ。確かに俺はこいつらに夕麻ちゃんの事を紹介したし、その時血涙を流しながら悔しがっていたこいつらに俺は鼻高々に「お前らも早く彼女作れよ」と言ってやった。俺はそれを覚えているのに、夕麻ちゃんはまるで最初から存在しなかったかのように、俺の記憶以外で彼女の痕跡は全く存在しなかった。俺の携帯に入っていた彼女の電話番号もアドレスもメモリには記録されていなかった。本当にあれは全部幻だったのだろうか?でも、俺の記憶ははっきりと夕麻ちゃんの事、一緒にデートした事、公園で俺が刺された事もその時の痛みも全部覚えているんだ。本当にどうなってるんだ・・・?

 

 考え込む俺の肩に松田が手を置く

 

「まぁ、元気出せよ。よし、今日は放課後に俺ん家に来い。秘蔵のコレクションをみんなで一緒に見ようじゃないか」

 

「それは素晴らしい。イッセーもそれを見れば元気になるさ」

 

「だろう?俺らは欲望で動く男子高校生さ。エロの為に俺達は生きている!」

 

「そうだ!よく言った松田!よし、俺も家から秘蔵のコレクションを持って来よう」

 

 グフフといやらしい笑い声を上げる二人。変態だ。まぁ、その中に俺も入ってるんだけどな俺も変態で生きる男子さ

 

「わーったよ!今日は無礼講だ!炭酸飲料とポテチで祝杯を上げながら、エロDVDでも視聴しようじゃねぇか!」

 

 半ばヤケクソ気味に俺も賛同する。

 

「おぉ!それだよ、それ!よく言ったイッセー!」

 

「その意気だ!ともに青春をエンジョイしようじゃないか」

 

 盛り上がる俺達。取り敢えず夕麻ちゃんの事は今日は後回しだ!今日は思いっきり憂さを晴らすぜ!

 

 

 そんな時、俺の視界に紅が映った。教室の窓から見える校門。一人の女生徒が登校している光景が俺の目を釘付けにする。

 

 真紅の髪をした少女。人間離れした美貌を持った我が校のアイドル。父親の仕事の都合で日本の学校に通っている彼女は北欧の出身だと聞く。誰もが彼女の美しさに目を奪われ、一瞬で心をもとらわれる。

 

 リアス・グレモリー

 

 この学園の三年生で、俺の一個上だ。それなのに彼女から漂う雰囲気は高貴さが溢れていた。皆の視線が彼女に集中する。

 

 美しい

 

 彼女の存在を一言で表すならそれだ。皆がその姿に見惚れ、話していたものや何かをしていた者達は、その動きを止める。

 

 彼女の視線が動き、一瞬だけ俺を捉えた。

 

「っ!?」

 

 俺は、一瞬で心まで掴み取られる感覚に陥った。な、何なんだこの感じは・・・?

 

 俺が謎の感覚にとらわれている間にリアス・グレモリーは校舎に入って行っていた。

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

 

「くそっ!何でなんだよ!」

 

 悪態をつきながら俺は今、夜の道を全力疾走で走っていた。やっぱり夜になると俺の足はおかしい位の速度を出していた。今日は放課後に松田の家で三人でDVD鑑賞して、途中で虚しくなって帰ったんだけど、帰り道にあいつに出会った。

 

「貴様は、あの時の人間か?何故生きている・・・・なるほど、そういう事か。お前の主は誰なんだ?」

 

 それは俺の事を刺したあのコートの男だった。俺は返事もせず、全力でその場から駆け出して奴から逃げた。そして、一五分位走っただろうか、俺は開けた場所に出た。そこは見覚えのある公園だった。俺は走りを歩みに変え、少しだけ息を整えながら噴水の辺りまで歩みを進めた。ここは、夕麻ちゃんとデートの最後に訪れた場所だ。そして、俺が刺された・・・

 

 ぞくっ!

 

 背筋に冷たい物が走った。ゆっくりと振り返った俺の眼前に黒い羽根が舞った。

 

「逃がすと思っているのか?これだから下級な存在は・・・」

 

 上を見上げると、あの時と同じように黒い翼を広げたコートの男が空にいた。悪い夢なら覚めてくれよ

 

「ふむ、もしやお前ははぐれか。主の気配も仲間の気配もない。ならば殺しても問題あるまい。元々お前は我々にとって危険因子だ。今度こそ・・・死ね」

 

 そう言ってコートの男は俺に向かってあの時と同じ光の槍を投げてきた。

 

 殺される!!

 

 俺はギュッと目を瞑った。しかし、いつまで経っても何も感じなかった。俺は恐る恐る目を開けると、俺の目の前に誰かが立っていた。

 

「なっ!?私の槍を素手で止めただと・・・!?」

 

 コートの男が驚いているように、目の前の人物の手には光の槍が握られていた。後姿しか見えないが、その人物は月夜に輝く綺麗な銀髪をしてこんな時期なのに白いマフラーをしていた。

 

「大丈夫?」

 

 その人物は振り向かずに多分俺に向かって問いかける。

 

「・・・あっ、は、はい。あなたは・・・」

 

「貴様は一体何者だ!」

 

 俺の問いかけを遮ってコートの男が目の前の人物に向かって叫ぶ。銀髪の人は手に持った光の槍を少しクルクル回すと、

 

「返す」

 

 そう言って、コートの男に向かって槍を投げつけた。

 

「っ!?ぐぅ!」

 

 男はとっさに避けたが、光の槍は男の腕を掠め、空へと飛んで行ってしまった。男の腕からは血が出ていた

 

「き、貴様~!!」

 

 コートの男は無茶苦茶怒った様子で両手に光の槍を出現させ、銀髪の人に向かって投げようとした時、俺たちの傍の地面がひかり、魔法陣の様なものが生まれた。そこから出てきたのはあのリアス・グレモリー先輩だった。

 

「その子に触れないでちょうだい」

 

「紅い髪・・・グレモリー家の者か」

 

 コートの男が憎々しげに先輩を睨みつける。

 

「リアス・グレモリーよ。ごきげんよう、堕ちた天使さん。この子にちょっかいを出すなら容赦はしないわ。」

 

 先輩は堂々とした姿勢でコートの男に向かって言う

 

「・・・ふふっ、これはこれは。その者はそちらの眷属か。という事はこの街もそちらの縄張りというわけか・・・まぁ、いい。今日の事は詫びよう。だが、下僕は放し飼いにしない事だな。私のようなものが散歩がてらに狩ってしまうかもしれんぞ?」

 

「ご忠告痛み入るわ。この町は私の管轄なの。私の邪魔をしたら、その時は容赦なくやらせてもらうわ。と言っても、貴方の方が返り討ちにあったようだけどね」

 

「くっ!その台詞、そっくりそちらへ返そう、グレモリー家の次期党首よ。わが名はドーナシーク。今度会った時はあの者と共に葬ってくれようぞ」

 

 そう言ってコートの男は先輩を睨みつけ、翼を広げて腕を抑えながら空へと飛んでいった。助かった、のか?

 

「あの者?一体何の事かしら」

 

「あ、あの・・・」

 

「ごめなさい、兵藤一誠君。色々と聞きたい事はあると思うけど、詳しい話は明日の放課後に話すわ」

 

「・・・・・わかりました」

 

 俺は分からない事だらけだけど、取り敢えず納得しておいた。そして、先輩と別れた俺は家へと帰った。

 

「そう言えば俺を助けてくれたあの人ってどうしたんだろう?」

 

 あの銀髪の人、気がついたらいなくなってたし、いったい何者だったんだろう?

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

 ガチャッ

 

 

「ただいま~」

 

「お帰りにゃん、シル」

 

「少し遅かったですが、何かあったんですか?」

 

「うん、ちょっとね」

 

 家に帰った僕を玄関で出迎えてくれたのは黒歌と白音だった

 

「シ~ル~、我は待ちくたびれたぞ~」

 

 リビングの方からアリスの声が聞こえてきた

 

「はいはい、もうちょっと待っててね~。じゃぁ早速調理を始めようかな」

 

 僕は買い物袋を持ってキッチンへ向かう。そして袋から中身を出して台所に並べていく。

 

「手伝います」

 

 すると、白音が手伝いを申し出てきた。

 

「ありがとう。じゃぁ、卵と牛乳と買ってきたチーズを混ぜててもらえるかな」

 

「了解です」

 

 白音はボールに牛乳とチーズと卵を割って入れ、ミキサー並の物凄いスピードでかき混ぜだした。その間に僕も調理をする。

 

 

 

 そして調理を開始して30分後に完成した

 

 

 チーン!

 

 

 オーブンから取り出したのは綺麗に焼き上がったチーズケーキだった。僕は魔法を使ってケーキを冷ましてレモン等で作ったグラサージュを表面に塗り、均等に切り分けた。本当なら冷蔵庫とかでゆっくり冷やすのが良いんだけど、アリスがこれ以上待てないみたいだしね

 

「みんな、出来たよ~」

 

「にゃははは、いい匂いにゃ~」

 

「とっても美味しそうです」

 

 

「全く、待ちくたびれたぞ」

 

 そう言ってソファーから起き上がってきたのは紅い髪に同じく紅い目を持った十代後半から二十代前半くらいの美女、アリスだった。 

 

「ごめんごめん。じゃぁどうぞ召し上がれ」

 

「「「いただきます」」」

 

「ん~♪この上にかかっているソース甘酸っぱくって美味しいにゃ~」

 

「はい、それにしっとりとしていて滑らかです。モグモグ」

 

「やはり、シルの作ったものは美味しいな。おかわり!」

 

 チーズケーキはみんなに好評だった。僕はそんな幸せそうにケーキを頬張るみんなを見て、頬を緩ませた。そしてワンホールあったケーキはあっという間に無くなってしまった。

 

「にゃふ~、美味しかったにゃ~」

 

「はい、今度はチョコレートケーキがいいです」

 

「あ、私も私も!」

 

「我は今度はイチゴのショートケーキがいいな。というわけでシル、明日はチョコレートケーキとショートケーキを頼むぞ」

 

「あははは、わかったよ。でも、ちゃんと夕食も食べてね。特に黒歌とアリス、野菜もちゃんと食べるんだよ?ピーマンとか」

 

「「うっ、ぜ、善処します」」

 

 この二人はピーマンが苦手なのだ。そう言う所は子供らしくて可愛いと思えるけど、残すのはダメです。

 

「私はピーマンもへっちゃらです」

 

「白音は好き嫌いが無くって偉いね~」

 

 胸を張って少し得意げになる白音。この子は好き嫌いとかが無く、何でもよく食べます。そんな白音の頭を撫でてあげれば、白音は気持ちよさそうに目を細めた

 

「うぅ~、白音ばっかりズルいにゃ!」

 

「そうだそうだ!我たちの事も撫でろ」

 

「明日ちゃんとピーマンも食べられたら二人も撫でてあげるよ」

 

「にゃ~♪」

 

「「ぐぬぬぬ、白音め~!」」

 

 白音に向かって二人が恨みがましい視線を向けるが、白音は気にせず僕に撫でられていた。

 

『♪~♪~、お風呂が湧きました』

 

「ほら、お風呂も沸いたみたいだしみんな入っておいで」

 

「たまにはシルも我らと一緒に入ったらどうなんだ?」

 

「そうだにゃ!一緒に洗いっこしようにゃ!」

 

「あのね、何度も言ってるけど、僕は男なの。男女が一緒に入るのはどうかと思うよ」

 

「「我・私は、気にしない(にゃい)」」

 

「僕が気にするの。早くいかないと明日の夕食はピーマンずくしにするよ?」

 

「「行ってきます!!!」」

 

 ドタタタタ、と慌てた様子で二人は風呂場へと駆けて行った。

 

「さ、白音もお風呂に入っておいで」

 

「・・・はい」

 

 白音は何か言いたげな様子だったけど、返事をして二人に続いて風呂場へと向かっていった。家のお風呂はかなり広いので、三人が浸かっても余裕の広さがあるのだ。

 

 そして僕は机に座ってお茶を啜りながら今日の出来事を思い出していた。あの少年、10年くらい経っているけど、あの容姿と感じたあの力からあの時、藍華の学校見学に行った時に出会ったあの兵藤君だろう。10年前に会った時より感じる力が強くなっていたなぁ。

 それにしても偶々あの時、買い物帰りに僕があの近くを通っていたから無事だったけど、あの子の主は一体何をしていたんだ?もし、あの時僕があそこにいなかったらあの子は消滅していたぞ。見た所、まだ自分が悪魔だって自覚していないみたいだったし。まさか説明していなかったの?一体どういう考えで・・・

 

 

「シル!我はちゃんと100数えて出たぞ!だから我は風呂上がりのイチゴ牛乳を所望する!」

 

「はいはい、ちょっと待ってて・・・アリス、いつも言ってるでしょ、ちゃんと何か着てって。そんな恰好じゃ風邪引・・・かないか」

 

 風呂から上がったアリスはタオルすら身に纏っていなかった

 

「当然だ!我は風邪など引かん!」

 

 ふん!と目を逸らしているので見えないが、恐らく胸を張って言うアリス。

 

「とにかく、早くちゃんと服を着て」

 

 アリスを視界から外したまま務めて冷静に言うけど、僕の心臓はドキドキとしている。

 

「どうした?顔が少し赤くなっているぞ?」

 

 そう言ってくるアリスの顔は恐らくニヤニヤとしている事は容易に想像できる

 

「いいから、早く服を着て。じゃないとピーマンだらけにっ!?」

 

「イヤだ!お願いだからピーマンだけは勘弁してくれ!ピーマンだらけはイヤだ!」

 

 そう言ってアリスは僕の正面から抱き付いてきた。風呂上がりのまだ少し湿った髪からはシャンプーなどの良い香りがした。そして僕のお腹の辺りには大きくて柔らかい物が二つ、二人の間でその形を変えていた。

 

「わ、わかったから!ピーマンだらけにはしないから!」

 

「本当か!?本当だな!」

 

「本当だから、だからちゃんと服を着て・・・!」

 

「そ、そうかぁ」

 

 ガバッと顔を上げて僕に聞いてくるアリスに僕はそう答えるとアリスはホッと安堵の息を漏らす。早く離れて・・・

 

「ふぅ~、良いお湯だった・・・にゃ」

 

「どうしたんですか?姉さ・・・ま」

 

 その時、ちょうど風呂から上がった黒歌達がリビングにいる僕達を見て固まった。

 

「む?どうしたのだ二人とも?」

 

「な、ななななななにをしてるんだにゃ!?」

 

「なにって・・・裸で抱き合っているだけだが?もう目が悪くなったのか?」

 

「何で裸で抱き合ってるんだにゃ!!」

 

「カクカクシカジカだ」

 

「い、いやアリス。それじゃぁ全然わからないと思うよ」

 

「何でピーマンで抱き付くことになるんだにゃ!!」

 

「何でわかるの!?」

 

「さっさと離れるにゃ!」

 

 しかしアリスは僕から離れようとはぜず、逆にさらに強く抱き付いてきた

 

「ふふふっ、どうだ羨ましいか?」

 

「うにゃー!!こうなったら力ずくで引きはがすにゃ!!」

 

「ふっ、愚かな・・・やってみろ!」

 

 二人はそのまま僕の傍で取っ組み合いを始めようとした。そんな二人に僕は、

 

「いい加減に・・・しなさい!!」

 

 バチンッ!!

 

「「あぅ!?」」

 

 二人のおでこに凸ピンをした。二人はおでこを抑えてその場に蹲った。

 

「あうぅ~、の、脳に響くにゃぁ~」

 

「こ、この我が凸ピンごときに・・・!」

 

「あ、アリスのせいにゃ!」

 

「何っ!我のせいだと!」

 

「二人とも、もう一発いっとく?」

 

「「ごめんなさい!!」」

 

 二人はその場で即座に綺麗な土下座をした

 

「はぁ~・・・さっさと着替えてきなさい。黒歌もバスタオル一枚じゃなくってちゃんとした格好をしなさい」

 

「「イエス!マム!」」

 

「誰がマムですか、本当にもう一発凸ピンするよ?」

 

「「ごめんなさい、サー!」」

 

「はい、わかったらとっとと着替えてきなさい」

 

「「イエス、サー!」」

 

 二人はすぐに駆けだして行った。

 

「全く二人は・・・あの二人が戦ったらこの家どころか町がが軽く吹っ飛んじゃうよ。うん?白音どうしたの?」

 

「あの・・・やっぱり男の人って胸の大きい人が好きなんですか?」

 

「何でいきなりそんな話になったか分からないけど・・・それは人それぞれじゃないかな?少なくとも僕はそんな事で好き嫌いを決めたりはしないよ」

 

「そうですか・・・ジュース飲んできますね」

 

 そう言って白音は冷蔵庫に向かっていった。なんだか妙に嬉しそうなのは何でだろう?

 

「さて、僕もお風呂に行ってくるかな」

 

 そう言って僕は着替えを持ってお風呂に向かって行った。そう言えばあの堕天使達どうしようかなぁ

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 

「やぁ、どうも。君が兵藤一誠君だね」

 

 翌日の放課後、俺は教室で昨日リアス・グレモリー先輩が言っていた使いの者を待っていると、自分の席にある男子が訪ねて来ていた。こいつはリアス・グレモリー先輩と同じく、この学校では有名人だ。目の前にいるこの男は、この学校一のイケメン王子、クラスは違うけど、俺と同じ二年生の 木場 祐斗(きば ゆうと)だ。爽やかなイケメンで、そのイケメンスマイルでこの学校の女子のハートを打ち抜いる。

 こいつに対しての黄色い歓声が廊下や教室のあちらこちらから聞こえてくる。イケメンは死ね!!

 

「で、何の用だ」

 

 俺は目の前のこいつに呪詛を送りながら尋ねる。しかし、木場は相変わらずイケメンスマイルで続けてくる。

 

「リアス・グレモリー先輩の使いできたんだ。僕について来てもらえるかな?」

 

 !?、こいつが先輩の言ってた使いか

 

「・・・わかった」

 

「こっちだよ」

 

 俺は渋々立ち上がって木場について行く

 

『嫌ー!』

 

「そ、そんな木場君と変態兵藤が一緒に歩くなんて!」

 

「汚れてしまうわ木場君!」

 

「木場君×兵藤なんて許せないわ!」

 

「いえ、もしかしたら兵藤×木場君かも!」

 

「さっさと離れなさいよ変態!」

 

 

「こうなるから嫌だったんだよー!!さっさと行くぞ木場!」

 

「ど、どうしたんだい兵藤君、泣いているのかい?」

 

「うるせえイケメン!お前には俺の気持ちなんかわかるか!」

 

「僕は別にイケメンじゃないよ」

 

「ケンカ売ってんのかっ!!」

 

 

 

 

 

 そして途中女子に散々言われながら俺は、木場の後について校舎の裏側の木々に囲まれた旧校舎と呼ばれる、現在は使用されていない校舎に来ていた。外観は木造で古いが、ガラスや窓とかは割れておらず、壊れた部分も一目では分からないくらいだ。古いだけでそこまで酷くはなかった。

 そして俺達は旧校舎に入り、二階のある扉の前に来ていた。

 

「ここに部長・・・リアス・グレモリー先輩がいるんだよ」

 

 俺はその扉にかけられたプレートを見て驚いた。『オカルト研究部』そうプレートには書かれていたのだ。あの先輩がオカルト?はははは、何それ全然似合わない。

 

「部長、連れてきました」

 

「えぇ、入ってちょうだい」

 

 木場が扉の前で中に確認を取ると、扉の向こうからリアス先輩の声が聞こえ、木場が扉を開け中に入るのに続いて俺も部屋に入り、中の様子に驚いた。部屋一面にそれこそ天井にまで見た事もない模様や文字みたいなものが記されていた。部屋の中央には一際大きな魔法陣みたいなものが描かれており、不気味さ満載だった。

 

「・・・失礼しました!」

 

「待って待って、わかるけど帰らないで」

 

 回れ右をして速攻帰ろうとした俺の肩を木場が掴んで止める。えぇい!こんな怪しさ満点の所にいられるか!

 

「落ち着きなさい、兵藤一誠君」

 

「あらあら」

 

 その声に振り返ると、ソファーにリアス・グレモリー先輩が座っていた。そして先輩の後ろにはよく知った顔の女性が立っていた。

 

 その人物は黒髪ポニーテールで大和撫子を体現しているリアス・グレモリー先輩と並んで我が校のアイドル。『二大お姉さま』の姫島 朱乃(ひめじま あけの)先輩だった!いつもニコニコ笑顔を絶やさない男女問わず憧れの先輩が何でここに!?

 

 

「これで全員揃ったわね。兵藤一誠君。いえ、イッセー。私達オカルト研究部は貴方を歓迎します」

 

「え、は、はい」

 

「悪魔としてね」

 

 

 ・・・リアス先輩って痛い人?

 

 そんな事を思ってしまった俺は悪いのだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「粗茶です」

 

「あっどうもっす」

 

 俺はソファーに座って姫島先輩が淹れてくれたお茶をずずっと一飲み。

 

「うまいです」

 

「あらあら、ありがとうございます」

 

 うふふ、と微笑む姫島先輩。俺の机を挟んで向かいのソファーにはリアス先輩、俺の隣には木場が座っている。

 

「朱乃、貴女もこちらに座ってちょうだい」

 

「はい、部長」

 

 姫島先輩もリアス先輩の横に座り、全員の視線が俺に集中する

 

 な、なんでしょうか?そんなに見られると緊張するんですけど・・・

 

「単刀直入に言うわ。私達は悪魔なの」

 

 こんなに美人なのに先輩ってやっぱり痛い人なんだ・・・

 

「信じられないって顔ね。まぁ仕方がないわ。でも、昨夜、黒い翼の男に襲われたでしょ?あれは堕天使と言って、元々は神に仕えていた天使だったんだけど、邪(よこしま)な感情を持っていたため、地獄に堕ちてしまった存在。私達悪魔の敵でもあるわ」

 

 堕天使ときましたか。ファンタジーもここに極まるね。まぁでも実際に会ったし、先輩の言ってる事は多分本当なんだろう。

 

 それから俺はリアス先輩から天使と悪魔と堕天使が昔から争っている事の説明と天野夕麻ちゃんも堕天使という事、そして俺と接触したのはある目的の為という。

 

「目的って?」

 

「貴方を殺すため」

 

「っ!?な、何で俺がそんな!」

 

「落ち着いてイッセー。仕方がなかった・・・いえ、運が無かったのでしょうね。貴方とは違って殺されない所持者もいるわけだし・・・」

 

「運が無かったってどういうことっすか!って、うん?」

 

 俺って殺されたの?俺ってこうして生きてるぞ?

 

「先輩、でも俺生きてるっスよ!大体何で俺が狙われるんすか!!」

 

「それは貴方に宿っている神器を狙ってよ」

 

 神器?また聞きなれない単語が出てきたぞ

 

 で、先輩から説明された神器について簡単にまとめると、神器ってのは特定の人間に宿る規格外の力で、歴史上に残る人物や世界で活躍する人の多くがその神器を宿した者だそうだ。

 大半は人間社会規模でしか機能しないものらしいけど、中には悪魔や堕天使の存在を脅かすほどの神器もあるらしい。

 

「イッセー、手を上にかざしてちょうだい」

 

 え?なんで

 

「いいから早く」

 

 先輩に急かされ、俺は左腕を上に掲げた。

 

「瞳を閉じて、貴女の中で一番強いと思う存在を心の中に思い浮かべてちょうだい」

 

 い、一番強い存在?

 

「ド、ドラグ・ソボールの空孫悟(そらまごさとる)かな・・・?」

 

「では、それを想像して、その人物が一番強く見える姿を思い浮かべるの」

 

 俺は心の中で悟がドラゴン波を撃つ姿を思い浮かべた

 

「その姿を真似るのよ、強くよ?軽くじゃダメ」

 

 えぇ!?こんな所で物真似をやれと!?この年になって周囲に人もいるのにそんな恥ずかしい事をせにゃぁならんのですか!?いくら俺だって恥ずかしいんだぞ!絶対笑い物じゃん!

 

「ほら、早くしなさい」

 

 再び先輩に急かされる。えぇい!もうこうなったら自棄だ!やってやるぜ!兵藤一誠、一世一代のドラゴン波だ!!

 

「ドラゴン波!!」

 

 そして俺はドラゴン波の構えをして叫んだ。

 

「クスッ」

 

 やっぱり笑われたぁぁぁー!!!誰だ今笑ったの!もう死にたいくらいなんですけど!?

 

「さぁ、目を開けて。この魔力が漂う空間なら神器も容易に発現するわ」

 

 死にたくなっている俺は先輩の言う通りに目を開けると カッ!っと俺の腕が光、光が収まった頃にかなり凝った装飾の赤い籠手の様な物が俺の左腕を覆っていた。手の甲の部分には丸い宝石?宝玉?の様な物がはめ込まれていた。

 

「な、なんじゃこりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

 叫ぶ俺、俺は今超驚いています。なにこれっ!?

 

「それが貴方の神器。貴方のものよ。一度発現できればあとは貴方の意思で発言出来るわ」

 

 えぇぇぇぇぇ・・・マジで?これが神器。最近驚てばっかだな俺

 

「貴方はその神器を危険視されて、堕天使、天野夕麻達に殺されたのよ」

 

 ・・・って事は俺が殺されたのも本当の事。じゃぁ何で、俺は、生きてるんだ?

 

「瀕死の状態の中、あなたは私を呼んだのよ。この紙から私を召還してね」

 

 そう言ってリアス先輩が取り出したには見覚えのある一枚のチラシだった。夕麻ちゃんとのデートの前にチラシ配りでもらったものだ。チラシには『貴方の願い叶えます』と書かれており、怪しさ満点の魔法陣の描かれたものだった。よく見れば床の巨大な魔法陣と同じ模様だ。

 そしてこのチラシは先輩たちが配っているもので、死にそうになっている俺の願いがリアス先輩を呼び寄せたらしい。

 

「召喚されたあの時、私は貴方を見てすぐに神器所持者で堕天使に害されたと解り、死ぬ寸前だったイッセーの命を救うにしたの」

 

 命を救う?という事は俺は先輩に助けてもらったのか?それで生きてるのか?

 

「悪魔としてねー。イッセー、貴女は私、リアス・グレモリーの眷属として生まれ変わったわ。私の下僕として」

 

 バッ!

 

 その瞬間、俺以外のみんなの背中から蝙蝠の様な翼が生えた。

 

 バッ!

 

 俺の背中からも何かの感触が生まれる。背中越しに見れば、俺の背中からもみんなと同じ様な翼が生えていた。・・・マジか

「改めて紹介するわね。祐斗」

 

 リアス先輩に名を呼ばれ、木場が俺に向かってイケメンスマイルを向ける

 

「僕は木場祐斗。兵藤君と同じ二年生だよ。えーと、僕も悪魔です。よろしくね」

 

「あら、次は私ですわね。三年生、姫島朱乃ですわ。一応副部長をしております。今後もよろしくお願いしますね。これでも悪魔ですわ。うふふ」

 

 そう言って、礼儀正しく姫島先輩は頭を深く下げた。最後にリアス先輩。紅い髪を揺らしながら堂々と言う。

 

「最後は私ね。私が貴方たちの主であり、悪魔でもあるグレモリー家のリアス・グレモリーよ。家の爵位は公爵。よろしくね、イッセー」

 

 

 

 母さん、父さん。どうやら俺は人間をやめただけでなく、とんでもない事になったみたいです。

 

 

 

 

 

 そして次の日の放課後、

 

「俺はハーレム王になるぜ!!」

 

 イッセーは新たな野望を胸に、真夜中の道を自転車でチラシを配りながら駆けていた。

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。