ハイスクールD×D  オッドアイの銀猫   作:takubon

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 どうも!takubonです。最近は連続で投稿が出来ていますね。最近は感想とかがあるとついつい嬉しくなって書き進めちゃいますね。今回はタイトルからわかるようにあの子の登場です!では本編スタート!




 そう言えば使い魔の森の話ってどこにあるんでしょうか?小説には無かった気がするんですが。まぁ、アニメの方を見て書けばいいかな


シスターとはぐれ悪魔

 ピピピピッ!ピピピッ!ピピ、ガチャ

 

「う~ん、朝か・・・ん~!」

 

 午前6時、目覚ましの音で目を覚ました僕は、上半身を起こして軽く背伸びをする。そしてベットに目を向ければ、僕の右側にはアリスが、左側には黒歌と白音が寝息を立てていた。僕はみんなを起こさないようにベットから抜け、洗面所で顔を洗ってからキッチンに向かい、朝食と黒歌達のお昼のお弁当の準備を始める。今日の朝食は洋食にしよう。お米を洗って炊飯器のスイッチを入れる。ご飯が炊ける間にお弁当の具の調理を開始する。今日の具は、から揚げと、ソーセージと、卵焼きと、小吹芋と、レタスと、デザートに兎さんのリンゴと、三色おにぎりでいいかな。まずはから揚げの鶏肉の下ごしらえからだね。

 

 そして、僕は調理を開始した。ちなみにから揚げを作るときのポイントは、お肉は出来るだけ均等の大きさに切ることだよ。あと、お肉をつけこむたれにマヨネーズを少し加えると、肉汁が一杯のから揚げが出来るよ。ちょっとした豆知識でした。

 

 

 

 そして、僕が調理を開始して約一時間後、寝癖がついた白音と黒歌が起きてきた。

 

「おはようにゃ~・・・ふぁ~」

 

「おはようございます・・・ふぁ」

 

「おはよう二人とも、洗面所で顔を洗っておいで」

 

 二人はあくびをしながら洗面所に向かって行った。そして三十分ほどして戻ってきた頃に顔を洗い終え、寝癖も直った黒歌達が戻ってきた。

 

「「いただきます」」

 

「はい、召し上がれ」

 

 今日の朝食は僕が朝に焼いたパンが数種類に、フワフワ半熟オムレツと、ミルクココアだ。相変わらず白音はよくたべるなぁ~。白音のお弁当は黒歌の三倍はあるんだけど、もしかしたらそれでも足りないかな?今度もっと大きめのお弁当箱買ってこようかな。何段重ねかのお重箱とかにしてみようかな。

 

 そして朝食を食べ終えた二人は制服に着替えて登校の準備をする。

 

「じゃぁ行ってくるにゃ!」

 

「行ってきます」

 

「はい、行ってらっしゃい。車には気を付けてね」

 

「もう、大丈夫にゃ。車に轢かれてもへっちゃら・・・

 

「車の運転手さんが危ないから」

 

「そっちの心配!?私の心配じゃないの!?」

 

「ほら姉さま、早くいかないと遅刻しますよ」

 

「うぅ~!シル!帰ったら覚えてろにゃ~!」

 

 ガチャンッ

 

「さて、今度は食器洗いと洗濯だね」

 

 二人を見送った僕はいつもの様に家事に精を出すのだった。そして、10時を少し回った頃、ようやくアリスが起きてきた。アリスの髪は二人以上にぼさぼさになっていた。

 

「おはようアリス、ご飯はどうする?」

 

「ん、いる」

 

「わかった、すぐに作るね。その前に寝癖を直すからこっちおいで」

 

 僕は櫛を持ってソファーに座ってアリスに手招きをする。アリスが僕の隣に横向きに座ると、僕はまず手櫛でアリスの髪を透いてから櫛を使ってアリスの髪を梳いていく。アリスの髪は枝毛などもなく、スルスルと櫛が通って行く。そして5分ほどしてアリスの髪を梳き終え、寝癖も綺麗に無くなった。

 

「はい、お終い。じゃぁ今すぐご飯を作るから、ちゃんと寝ないで待っててよ」

 

「うむ」

 

 そして僕はすぐにアリスの分のご飯を作り、アリスは食べ終えるといつもの散歩に出た。それから僕は掃除を始めて、気がついたらお昼を少し過ぎていた。

 

「そうだ、今日はスーパーで野菜が安くなってるんだった」

 

 僕はすぐに出かける仕度をして、エコバックと財布を持ってスーパーに向かった。その時、認識阻害用の魔法をかけ、僕の見た目は20代前半の男性に見えるようになっている。

 

 

 

「はわぅ!」

 

 そして、買い物を終えた僕は家に帰る途中の公園の近くを通っていた時に、前を歩いていたシスターが手を大きく広げ、見事に顔から路面にこけていた。あんなこけ方をする子は生まれて初めて見たな。こけた時にシスターが被っていたヴェールが風に乗って僕の足元に飛んできた。僕はヴェールを拾って、シスターへ近寄り、起き上がれるように手を差し出した。

 

「大丈夫?」

 

「あうぅ。何で転んでしまうんでしょうか・・・?あぁ、すみません。ありがとうございますぅぅ」

 

 シスターは僕の手を取り、起き上がってお礼を言う。シスターは多分僕と同じくらいか、一個下くらいだろうか。ストレートブロンドの髪に、グリーン色の双眸が綺麗な美少女だった。というか顔面から転んだのに鼻のてっぺんが少し赤くなってるだけってある意味すごいよね。

 

「はいこれ、君のでしょ。この町には旅行かな?」

 

「あ、ありがとうございますぅ」

 

 シスターは旅行鞄の様な物を持っていた。僕は拾ったヴェールをシスターに渡すと、シスターはペコペコと頭を下げた後に首を横に振った。

 

「実は私、この町の教会に今日赴任する事になりまして・・・あなたもこの町の方なのですよね。これからもよろしくお願いします」

 

 そう言って再び頭を下げるシスター。

 

 しかし、この町にある教会と言えばあそこだけど、確かあそこは・・・

 

「この町に来てから困っていたんです。その・・・私って、日本語がうまく話せなくって・・・道を尋ねても、道行く皆さんに言葉が通じなくって・・・」

 

 あぁ、なるほどね。確かに英語とかならともかく、スペイン語はわかる人はそうそういないだろうしね。ちなみに僕は神様の特典のおかげで全ての言語がわかります。あ、そうだ。神様のカウンセリングそろそろしとかないと。今夜あたりにでもしておこうか。

 

「その教会なら知っているよ。良かったら案内しようか?」

 

「は、本当ですか!あ、ありがとうございます!これも主のお導きのおかげですね!」

 

 涙を浮かべながら心底ほっとしたような顔になるシスター。そして僕はシスターを引き連れて教会へ向かう途中に公園の前を横切った。その時男の子の泣き声が聞こえてきた。見れば公園で男の子が転んで膝を擦りむいていた。僕が行こうとするよりも早く、僕の後ろを着いていたシスターが突然男の子の元に駆け寄って行った。

 

「大丈夫?男の子ならこれくらいで泣いてはいけませんよ」

 

 シスターは男の子の頭を優しく撫で、自身の手のひらをケガを負った膝へと当てた。すると、手のひらから淡い緑色の光が発せられ、膝のケガがみるみる消え去って行った。恐らくあれは彼女の神器の力なのだろう。

 

「はい、傷は無くなりましたよ。もう大丈夫です」

 

 シスターは男の子の頭を一撫ですると、僕の方へ顔を向け、舌を出して小さく笑う。

 

「すみません、つい」

 

「いや、気にしないで。所でその力は・・・」

 

「はい、治癒の力です。神様からいただいた素敵な物なんです」

 

 そう言って微笑むシスターだが、その表情はどこか寂しげだった。

 

 その後、男の子は迎えに来た母親に連れられて帰って行った。そして、男の子は帰る途中に、

 

「ありがとう!お姉ちゃん!」

 

 シスターに向かって感謝の言葉を述べた

 

「ありがとう、お姉ちゃん、だって」

 

 通訳してシスターに伝えると、彼女は嬉しそうに微笑んだ。そして僕達は再び教会へ足を向けて歩き出した。そして教会から数分歩くと、古ぼけた教会が見えてきた。

 

「あ、あそこです!良かったぁ」

 

 地図に描かれたメモと照らし合わせながらシスターは安堵の息をつく。さて、さっきの彼女の力を見て確信した。僕はポケットから小さな巾着袋を取り出す。巾着袋には首にかけられるように紐がついていた。僕はそれをシスターに渡した。

 

「これは・・・?」

 

「それはお守りだよ」

 

「お守り、ですか?」

 

「うん。それは君の事を守ってくれるよ。何か辛い事や悲しい事があったら、そのお守りに向かって助けを呼べば、君の事をきっと助けてくれるよ。じゃぁ、僕はそろそろ用事があるからここで失礼するね」

 

「ま、待ってください!案内していただいただけでなく、このようなものまでいただいたのですから、何か教会でお礼を、せめてお茶でも・・・」

 

「別にそんな事気にしないで。それにそろそろ帰らないといけないし」

 

「でも、それでは・・・」

 

 困り顔になるシスター。ここまで案内してくれたお礼にお茶でもって感じなんだろうけど、そろそろ帰らないとアリスがうるさいからなぁ。

 

「じゃぁ、今度会った時はお茶をいただきに来るよ。おっと、そうだ」パチンッ

 

 僕が指を鳴らすと、認識阻害用の魔法が解け、本当の姿が露わになる。シスターはとても驚いた表情になった。

 

「こっちが僕の本当の姿。僕の名前はシル。君は?」

 

 僕が名乗ると、シスターは はっっとした顔になった後、笑顔で答えてくれた。

 

「私はアーシア・アルジェントと言います!アーシアと呼んでください!」

 

「じゃぁアーシア、これからよろしくね。友達として」

 

「と、友達。い、良いんですか?わ、私とお友達になってくれるんですか?」

 

「もちろんだよ。今度会ったその時は僕が作ったお菓子を持っていくよ」

 

「・・・はいっ!シルさん、私とっても嬉しいです!こちらこそよろしくお願いしますね!また必ずお会いしましょう!」

 

 華の様な満面の笑みを浮かべたアーシアに別れを告げ、僕は家に帰る道を歩いた。アーシアは僕の姿が見えなくなるまで、ずっと見守ってくれた。本当に良い子だな。そして家に帰った僕は、同じく散歩から帰ってきたアリスと一緒にお昼を一緒に食べて、夕方、黒歌達が帰ってくるまでリビングのソファーに座ってまったりとしていた。帰ってきた黒歌が、僕に膝枕されているアリスを見て、一悶着あったのはいつものこの家の日常です。

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 よう!イッセーだ。俺が悪魔になったという事を部長たちから知らされて数日、俺は毎晩自転車でチラシ配りをしていた。

 簡易版魔法陣。欲のある人間がこのチラシに願いを込めると、俺達が召喚される仕組みになっている。俺は悪魔として、リアス・グレモリーの眷属悪魔として頑張っていた。俺は悪魔になって日が浅い為、まずは悪魔社会の仕組みを勉強するために、下積としてチラシ配りを夜中にやっていた。

 悪魔のお仕事。それは、召喚され、契約を結んで、相手の願いを叶えて、その代償としてそれ相応の対価をいただく事らしい。対価は別に命とかじゃなくって、お金だったり、物だったりがほとんどらしい。

 

 そして何度も契約を取って願いを叶えれば、悪魔の王から評価され、評価が上がれば俺みたいな人間からの転生悪魔でも王様、つまり魔王様から爵位をもらえるらしい。そ・し・て!爵位を持てば、俺も自分の下僕を持てるようになるんだ!つまり!俺の念願のハーレムを作る事が出来るのだ!!現実世界じゃぁ、ただの人間の俺じゃぁどう頑張ったたって女の子の群れを作る事なんて不可能だ。それにどうせもう人間には戻れないんだ。なら俺は悪魔として、ハーレムを築く為に絶対に成り上がってやるぜ!!

 

「うぉぉぉぉぉぉぉ!やってやるぜー!!俺は、ハーレム王になってやる!!」

 

 そして俺は今日も真夜中の中、自転車を漕いでチラシ配りを頑張るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「いい事イッセー。もう二度と教会に近づいちゃダメよ」

 

 あれから数日後の放課後、俺は部室で部長に怒られています。俺は少し前から悪魔としての仕事を本格的に始めたんだ。最初はレベルの低い契約から始める事になった俺は、魔法陣を使って依頼者の元に向かおうとしたんだけど、どうやら俺の魔力は悪魔の子供以下らしく、魔法陣が上手く発動しなかった。というわけで俺は前代未聞の足で直接依頼者の元へ向かう事になった。もう泣きながら自転車漕いで依頼者の所に行ったよ!最初に行った依頼者の人も泣いている俺に事情を聞いて同情してたし。

 

 で、今まで二人の依頼者の所に契約を取りに行ったんだけど、そのどちらも契約は取れなかった。最初の人は森沢さんっていう人でその人とは朝まで大好きなドラグ・ソボールの事を語り合って、二人目はミルたんっていう魔法少女の格好をした巨漢な人でその人とは朝まで一緒に魔法少女のアニメのDVDを一緒に見ただけで、結局二夜連続契約は取れないという事になったが、終わった後に書いてもらうアンケートでは最大級の評価がなされるといったこれまた前代未聞の事で、部長も反応に困るほどだった。

 

 そして、二日連続で契約が取れなかった俺は、表向きの部活が終わった夕方に帰ってる時に一人のシスターに出会ったんだ。名前はアーシア・アルジェント。最近この町の教会に越してきたシスターだ。金髪の美少女でとっても可愛いくて優しい子だった。彼女はどうやら道に迷っていたようで、俺は彼女を教会まで案内したんだ。で、それが部長の耳に入って今、俺は何故か怒られているんだ。部長の表情はいつになく険しい。

 

「教会は私達悪魔にとって敵地。踏み込んだだけで神側と悪魔側の間で問題になるの。今回はあちらもシスターを送ってあげたあなたの厚意を素直に受け取ってくれたみたいだからよかったけど、天使はいつも監視しているわ。いつ、光の槍が飛んでくるか分からなかったのよ」

 

 マジ?俺ってそんなに危ない状況だったのか・・・。確かにあの時教会に近づいた時に感じた、寒気や恐怖が半端じゃなかったしな。俺の中の悪魔の本能が「危ない」って事を教えてくれてたんだろうな。

 

「教会の関係者に関わっちゃダメよ。特に『悪魔祓い(エクソシスト)』は我々の仇敵。神の祝福を受けた彼らの力は私達を滅ぼせるの。神器所持者が悪魔祓いなら尚更、もう、それは死と隣り合わせるのと同義だわ」

 

 迫力のある凄まじい眼力で俺に向かって真剣な表情で言う部長。

 

「は、はい」

 

「人間としての死は悪魔への転生で免れるかもしれない。けれど、悪魔祓い達にやられたら完全に消滅するの。無に帰すのよ・・・・・無。何もなく、何も残せず、何もできない。それだけの事があなたにはわかる?」

 

 無。正直よくわからなくて反応に困る俺を見て、部長はハッ、っと気づいたように首を振った。

 

「ごめんなさい、少し熱くなりすぎたわね。とにかく今後は気を付けてちょうだい」

 

「はい」

 

「あらあら、お説教は済みましたか?」

 

 俺と部長の会話が終わった時、いつの間にか朱乃さんが傍に立っていた。

 

「朱乃、どうしたのかしら?」

 

 部長の問いかけに朱乃さんは少しだけ顔を曇らせた。

 

「大公から討伐の依頼が来ました」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺と部長達、オカルト研究部のみんなは町はずれの廃屋に来ていた。どうやらここに「はぐれ悪魔」という主の元から逃げ出した奴がいるらしい。俺達はそれを討伐するように、上級悪魔からの依頼が届いたらしい。「リアス・グレモリーの活動領域に逃げ込んだ為、始末してほしい」、と。こういった事も悪魔のお仕事の一つだそうです。今は特に被害が出ていないらしいが、放っておけば一般の人などに被害が及ぶため、早急に討伐しなければいけないらしい。

 

 時間は深夜、暗黒に満ちた世界だ。周囲は背の高い草木が生い茂り、遠目には廃墟になった建物が見える。悪魔になってから暗闇でもよく見えるぜ。辺りはシーンと静まり返っている。が、周囲に満ちている敵意と殺気が半端じゃない。足がガクガクと震えてくる。そんな俺に部長が話しかけてくる

 

「イッセー、いい機会だから悪魔としての戦いを経験しなさい」

 

 俺に死ねと!?俺じゃぁ戦力になるどころか速攻で死んじゃいますよ!!

 

「大丈夫、何もいきなり戦わせたりなんてしないわ。でも、悪魔の戦闘を見るだけでも十分に役に立つわ。よく見ておきなさい。ついでに下僕の特性を説明してあげるわ」

 

 下僕の特性?何ですかそれは?

 

 それから部長は俺に悪魔や堕天使や天使が争って疲弊した悪魔が、少数精鋭の制度を作り、チェスを模した『王』『女王』『騎士』『僧侶』『戦車』『兵士』の5つの特性を持った、『悪魔の駒』を開発した事と、爵位持ちの悪魔にそれを授け、下僕悪魔に強大な力を分け与える事にした事を俺に教えてくれ、最近ではその制度が爵位持ちの悪魔達に好評で、自分の下僕を使って実際のチェスの様にゲームを行い、上級悪魔同士で競う事、『レーティングゲーム』というものが悪魔の間で大流行して、大会なんかも行われてるらしい。

 

 そして、優秀な人間なんかを自分の手駒にする『駒集め』というのも流行っているらしい。駒の強さ、ゲームの強さが悪魔としての地位や爵位なんかにも影響するかららしい。優秀な下僕は自分の悪魔としてのステータスになるんだとか。

 

 つまり、ゲームが強くて、下僕も優秀だったりすると、悪魔としては立派で自慢らしい。ちなみに部長はまだ成熟していないので公式なゲームには参加出来ないみたいだ。俺達がゲームに参加する事は当分ないらしい。そう言えば部長に聞きたい事があるんだった。

 

「部長、俺の駒の役割や特性って何なんですか?」

 

「そうね、イッセーの駒の特性はーーー」

 

 そこまで言って部長の言葉は止まってしまった。俺にもその訳がわかった。全人を強烈な寒気が襲った。さっきより殺気や敵意が一層強まったからだ。暗がりから何かがゆっくりと俺達に近づいて来る。

 

「誰だ」

 

 地の底から聞こえるような低い声。その声を聞くだけで、恐怖だけが俺を支配した。

 

「はぐれ悪魔バイザー。あなたを消滅しに来たわ」

 

 部長は俺と違って一切臆さず暗がりに向かって言い渡す。やっぱり部長はすごいなぁ

 

 ズン、ズン、

 

 そして重い足音を響かせ、暗がりから俺たちの前に姿を現したのは、上半身は手に槍らしきものを持った人間の女性だった。しかし、下半身は四足あり、すべての足がまるで大木のごとく太く、爪も鋭い。尾は蛇のようになっていて、うねうねと動いていた。全体の大きさは5メートル以上は軽くあると思う。これが悪魔なのか?だよな「はぐれ悪魔」なんだから。

 

「主のもとを逃げ、己の欲求を満たすためだけに暴れ回るのは万死に値するわ!グレモリー公爵の名において、あなたを消し飛ばしてあげる!」

 

「小賢しいぃぃぃ!小娘ごときがぁぁ!!とっとと失せろぉぉぉぉ!」

 

 吠える化け物だが、部長はそれを鼻で笑うだけだった。

 

「ふん、祐斗!」

 

「はい!」

 

 バッ!

 

 俺たちの近くにいた木場が飛び出していった。速っ!反応出来なかったぞ!

 

「イッセー、さっきの続きをレクチャーするわね」

 

 こんな時にですか!?今はそれどころじゃないと思うんですけど!!

 

 そんな俺の内心を無視して部長はそのまま俺に話しかける

 

「祐斗の役割は『騎士』、特性はスピード。『騎士』となった者は速度が増すの。そして、祐斗の最大の武器は剣」

 

 部長の言う通り、化け物の攻撃を躱していた木場の手には、いつの間にか西洋剣のようなものを握っていた。そして祐斗の姿が消えたと思ったら、次の瞬間には化け物の両腕が槍と共に胴体からおさらばしていた。化け物の悲鳴が木霊する。

 

「これが祐斗の力。目では捉えきれないスピードと、達人並みの剣さばき。ふたつが合わさる事で、あの子は最速の騎士になるの」

 

「次は朱乃ね」

 

「はい、部長。さてさて、どうしましょうか?」

 

 朱乃さんはいつものニコニコ笑顔で化け物に近寄る。化け物は斬られた腕の痛みでもがき苦しんでいる

 

「朱乃は『女王』。私の次に強い『兵士』『騎士』『僧侶』『戦車』すべての駒の特性を持った、最強の副部長よ」

 

「ぐぅぅぅぅ・・・」

 

「あらあら、どうしましょうか?」

 

 化け物が朱乃さんを睨みつけるが、朱乃さんはニコニコ笑顔のままだ。

 

「イッセー、朱乃はね。魔力を使った攻撃が得意なの。雷や氷、炎などの自然現象を魔力で起こす力ね。そして究極のドSなの」

 

「え?ど、ドSすっか?」

 

 あのgr朱乃さんがですか?

 

「そうよ。朱乃はね、普段は優しいんだけど、戦闘が始まってテンションが上がると、相手が敗北を認めてもそのテンションが収まるまで止まらなくなってしまうの。でも、普段は優しいから今度甘えてご覧なさい。あなたの事も可愛いと言ってたからきっと優しく抱きしめてもらえると思うわ」

 

「さて、部長の説明も終わった事ですし、そろそろ行かせていただきますわ」

 

 そう言って朱乃さんは両手を天にかざすと、その手にバチバチと雷が生まれた。そして朱乃さんの手から雷がバイザーに向かっていき、バイザーに当たーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 バチィン!

 

『っ!?』

 

 らずに、突然バイザーを覆うように出来た結界みたいなもので雷が弾かれた。その場にいたバイザーを含めた全員が驚いた。

 

「間に合ったか・・・」

 

 そしてこの場にいる誰の者でもない者の声が俺たちの耳に届いた。

 

 誰だ!?

 

 俺達が声のした方へ顔を向けると、そこには誰かが立っていた。しかし、その顔は丁度影になっていて誰なのかよく分からない。いや、この声、俺はどこかで・・・

 

 そして、雲がゆっくりと動いて、隠れていた月の明かりがゆっくりと移動して、その人物の顔が明らかになった。

 

 月明かりを浴びて輝く銀髪

 

 片方の瞳はまるで部長の髪の様に鮮やかな赤。もう片方はサファイアの様な透き通る青

 

 そして、見覚えのある顔の下半分を隠す白いマフラー

 

 

 

「あ、あなたは、もしかして・・・」

 

 俺の声に、その人物は俺の方に顔を向けた。二色の瞳が俺を捉える

 

「やぁ、元気そうだね新米悪魔くん。公園の時以来だね」

 

 その人物はあの日、公園で俺を助けてくれたあの人だった。

 

 

 




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