夜天の守護者   作:混沌の魔法使い

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第107話

 

 

第107話

 

今回は機動六課の日常を龍也以外の観点で見て貰いましょう・・

 

ケース1 元シスコン兄貴の場合

 

「旦那おはようさんっす!!」

 

後ろから旦那を肩を叩きながら言うと

 

「ヴァイスか・・おはよう・・元気そうだな」

 

穏やかに微笑みながら返事を返す旦那に

 

「そりゃ何時でも俺は元気っすよ?・・最近はラグナも近くに居るし・・安心してるっすから」

 

ネクロに襲われるんじゃないか?とヒヤヒヤしている中、ラグナが六課で暮らし始めたのは俺としては嬉しい・・1つ嫌な事もあるが

 

「ハーティーンの事か?」

 

俺の表情で何を考えているのかを感じ取った、旦那が尋ねて来る・・俺は眉を顰めながら

 

「そうっすよ・・ラグナがハーティーンを好きなのはしょうがないっすよ・・でも俺としては納得いかないっすよ・・昔はさ・・お兄ちゃん・・お兄ちゃんでそりゃ可愛いかったんすよ・・でも今は邪魔者扱いで・・」

 

俺がそう言うと旦那は俺の肩に手を置きながら

 

「別に良いじゃないか、妹が兄離れしてくれるのは良い事じゃないか・・私の場合・・はやて達が何時まで経っても兄離れしてくれる気配が無いんだぞ?」

 

・・そうか・・この人にこんな事を相談するのは酷だったか・・部隊長に病的に愛されてるからな・・最近・・

 

「どこでどう間違ってしまったんだ・・」

 

落ち込み始めた旦那に

 

「あ・・その内兄離れしてくれますって、だからそんなに気にしないで下さいよ、大丈夫ですって・・そんじゃ俺仕事あるんで!!」

 

俺は逃げるように旦那から離れて行った・・妹の話題は地雷だな・・今度から気をつけよう・・そう考えながら

 

 

 

ケース2 エースと執行官の場合

 

「だからやっぱり龍也さんを落とすには色仕掛けより、正攻法が良いと思うんだよ」

 

フェイトちゃんと如何に龍也さんを物にするか話していると

 

「あ、龍也だ・・なんか落ち込んでる・・」

 

フェイトちゃんに言われ前方を見ると

 

「どうして?・・私の育て方が間違ってたのか・・?」

 

その呟きからはやてちゃんの事を言っているようだった・・やはりはやてちゃんが中々兄離れしてくれない事を悩んでいるようだった・・

 

「龍也、おはようっ!」

 

「龍也さん、おはようございますっ!!」

 

落ち込んでいる様子の龍也さんを元気付け様と大きな声で挨拶すると

 

「ん?・・なのはとフェイトか、おはよう」

 

穏やかに微笑みながら返事を返してくれる龍也さんに

 

「何をそんなに悩んでたんですか?」

 

判っているが一応尋ねてみると

 

「はやてがどうやったら兄離れしてくれるか考えてた」

 

予想通りの返答の龍也さんにフェイトちゃんが

 

「はやてを言葉だけで引き離すのは難しいよ・・だから例えば彼女を作るとか・・そういう方法じゃないと」

 

にや~と笑いながら言うフェイトちゃん・・私は何を考えているのか判った・・ここで振りでも良いから私かフェイトちゃんを彼女にして貰い・・そのまま龍也さんに自分達を彼女だと認識して貰おうと言う、長期戦の作戦のつもりだ・・だが龍也さんは俯きながら

 

「私に彼女になってくれそうな知り合いは居ない・・」

 

・・・まさかこう来るとは・・どうして龍也さんはここまで鈍感なのだろう?・・私達が告白したのは何時の間にか無かった事になってしまったのだろうか?・・その事で大分気落ちするがそれを表情に出さず

 

「それじゃあ・・振りでも良いから私かなのはを・・か・・」

 

フェイトちゃんがそこまで言い掛けた所で

 

シュッ!!ビーンッ!!!

 

後ろから投げられた何かが壁に突き刺さる・・はやてちゃんか!?驚きながら振り返るとそこには

 

「何を言い掛けた・・この女狐・・」

 

腕を組んだセッテが黒い眼差しで私達を睨んでいた・・

 

 

 

ケース3 超ヤンデレ娘の場合

 

まったく・・油断も隙も無い・・私は投げナイフを懐から取り出しながら、そんな事を考えていた・・龍也様に自分達を彼女だと誤認させる作戦を取ろうとしていた、女狐と魔王を睨みながら龍也様の隣に歩み寄り

 

「龍也様、おはようございます、どうでしたか?良く眠れましたか?」

 

微笑みながら龍也様の手を取る・・この時女狐と魔王が「「あっ!」」と声を上げるがまったく気にならない・・龍也様と手を繋ぐ・・その事の方がよっぽど重要だ・・胸が爆発的に高鳴っていく・・それこそ心臓が爆発しそうになるほどだ・・それと同時に狂おしいほどに龍也様が欲しくなる・・だが今はその時ではない・・はやる気持ちを押さえながら

 

「朝食・・まだですよね?宜しければ私と一緒にどうですか?」

 

そう尋ねると龍也様は微笑みながら

 

「良いぞ・・では行こう・・なのはとフェイトはどうする?」

 

龍也様が女狐と魔王に言う・・私は自分の中にどす黒い炎が上がるのを感じながら

 

「先程あの2人は食べていましたから、気にする必要はありませんよ」

 

うっ・・2人の動きが止まる・・私は先程2人が食堂で朝食を食べていたのを確認している・・だからそう言うと龍也様は

 

「そうか・・それじゃあ行くか・・」

 

そう言う龍也様に頷き私達は食堂に向かった・・

 

「「いただきます」」

 

2人で手を合わせてから食事を始める・・正直に言えばここの食事など美味しくは無い・・龍也様の手料理の方がよほど美味しい・・お腹だけではなく心まで満たされるからだ・・だがこうやって向かい合いながら食べる事が出来るのも食堂での強みだ・・私が龍也様との食事を楽しんでいると

 

「龍也さん・・とセッテ・・おはようございます」

 

オレンジ頭が図々しくも龍也様の隣に腰掛ける・・私が睨みつけると

 

「何?睨まないでくれる?病み娘」

 

平然と挑発してくるオレンジ頭に

 

「睨んでなど無いですよ・・貴女の顔を見るだけで不快になるというのに何故睨む必要が?」

 

オレンジ頭の眉が動く・・だがキレる事は無く冷静に

 

「そう、奇遇ね・・私も貴女と話すと気分が悪くなるのよ・・私の気のせいだったみたいね・・なら良いわ」

 

挑発し返してくる・・そうですか・・そこまで挑発するんですね・・ならば・・懐から投げナイフを1本取り出し投げつけると

 

パシッ!

 

「!!」

 

オレンジ頭が指の間でナイフを受け止め・・ニヤッ!と笑いながら

 

「困ったら直ぐ暴力?・・そんなんじゃ・・龍也さんの隣に居れないわね」

 

その言葉に完全にキレた・・

 

「黙れぇっ!!このオレンジ頭がぁっ!!私が折角龍也様との食事を楽しんでいたのに・・図々しくも割り込んできた女が何を言う!!」

 

私が怒鳴りつけるとオレンジ頭が

 

「龍也さん~セッテが苛めるんですよ~」

 

甘えた口調でそう言いながら龍也様に抱きつくオレンジ頭の服の襟を掴んで引き離し

 

「そこまで私の邪魔をするんですね・・良いでしょう・・どちらが上か今日こそはっきりさせましょう」

 

「良いわよ・・貴女なんかに負ける訳無いもの」

 

お互いに挑発しながら食堂を後にした・・残された龍也様の困ったような表情がとても可愛らしかった事をここに記す

 

 

 

 

ケース4 鉄槌と剣の場合

 

 

「今のセッテとティアナだよな・・ったく兄貴挟んで喧嘩すんなよ」

 

私がそう呟くとシグナムは

 

「いやそっちの方が好都合、兄上は争い事を好まん・・あの2人が喧嘩すればするほど兄上から離れていく・・その方が私達にとっては都合が良いだろう?」

 

冷静に言うシグナムに

 

「お前・・何か段々シャマルに似てきたな・・」

 

何か最近如何に兄貴を自分達の物にするか?で色々考えているシグナムがシャマルに似てきたと言うと、シグナムは

 

「力で兄上を物にする事は出来ん・・ここは知力で行くべきだろう?」

 

・・正論だな・・私はシグナムの言葉に頷き、兄貴の座る席に向かった・・兄貴は食事を終えたようで紅茶を飲んでいた・・私とシグナムに気付いた兄貴は微笑みながら

 

「ヴィータ、シグナムおはよう!」

 

声を掛けて来てくれる・・その兄貴の笑顔が綺麗で私達は少し赤面しながら椅子に腰掛けながら

 

「おう、おはよう、兄貴」

 

「おはようございます、兄上」

 

挨拶すると兄貴は頷きながら紅茶を再び口に含む・・私も持って来たコーヒーを飲みながら暫く兄貴と話をしていたが、ふと気になる事を思い出した

 

「なぁ・・最近・・私達の仕事の量が増えてると思うんだけど・・兄貴の指示か?」

 

なのはやフェイトと比べると明らかに書類の量が多い、私がそう尋ねると兄貴は

 

「ヴィータもそう思うか?・・私もなんか量が多いと思ってたんだ」

 

どうやら兄貴の書類も増えてるようだ、2人でうーんと唸っているとシグナムが

 

「兄上・・きっと主はやての指示だと思いますよ」

 

はやてか・・何か考えのあっての事だろうな・・と私が納得して頷いていると

 

「そうか・・はやてか・・所でシグナム・・なんで近寄ってくる?」

 

良く見るとシグナムが兄貴の椅子にピッタリと自分の椅子を着けている・・その所為でシグナムと兄貴の距離は殆どゼロだ

 

「近寄るというのは適切な表現じゃないですね・・私は・・そう意思表示をしているのです」

 

シグナムの視線の先には

 

「「ピシッ・・」」

 

なのはとフェイトが居た、2人とも柱の影から私とシグナムを睨んでいる・・兄貴は気付いてないようだが・・

 

「意思表示・・?何のだ」

 

首を傾げる兄貴の腕を抱きしめながら

 

「気にしねぇ、気にしねぇ・・それよりさ、ちょっとFW陣の訓練で困ってるところがあるんだよ、手伝ってくれねぇか?」

 

嘘だ・・困ってる事など無い・・でもこう言えば・・兄貴は

 

「そうなのか?では行こうか・・」

 

微笑みながら立ち上がる兄貴に

 

「ありがと・・じゃあ行こうぜ」

 

私は兄貴の手を握って執務室へと歩き出した・・シグナムも直ぐ後ろを歩いて来て

 

「私も協力しよう・・」

 

笑いながら言うシグナムの口元は「判っているぞ?」と言っていた・・私は苦笑しながら兄貴とシグナムと一緒に廊下を歩いて行った

 

 

 

 

最終ケース 夜天の場合

 

「はふぅ・・ううーきつい・・」

 

私は山盛りの書類を見ながら呟いた・・私達・・兄ちゃんとヴィータとシグナムとシャマルとリィン・・ザフィーラは誘ったが良いと言ったので保留・・が全員纏めて休みを取れるように書類を増やしたが・・私自身が一番多い

 

「ううー兄ちゃんが居てくれたらな~楽に出来るのに・・」

 

そう嘆くが兄ちゃんを呼ぶ訳にはいかないのでぬいぐるみで我慢する

 

「兄ちゃん・・兄ちゃん・・」

 

ぬいぐるみの形が変わるほど抱きしめる・・こうでもしないと精神の安定が図れないのだ・・

 

「フォールダウン出来る様になってからかなぁ~兄ちゃんに対する執着心が増した気がする・・」

 

シャマル曰くヤンデレ化が進んでるそうだ・・だがまぁ

 

「兄ちゃんがますます好きになったって事で良いやろ」

 

そう呟き書類を処理し始める・・日が暮れた頃・・

 

「終り~はー疲れた・・」

 

肩を自分で叩きながら呟く、だがこれで明日一日ゆっくり家で休める・・だがそれよりも

 

「邪魔者が誰も居ない・・それが何より良いねぇ~」

 

私から兄ちゃんを取ろうとする邪魔者がおらず・・全力で兄ちゃんに甘える事が出来る・・それが楽しみで楽しみでしょうがない

 

「うふふ・・兄ちゃん達にメールを送ってっと・・良しOKや・・後は明日に備えて寝るだけやね」

 

私は直ぐパジャマに着替え眠りに落ちた・・

 

これが機動六課の日常であり・・騒がしくても明るく楽しい六課の日常である・・

 

第108話に続く

 

 

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