夜天の守護者   作:混沌の魔法使い

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第115話

 

第115話

 

「イヒヒ!!中々やるね!!魔道師!!もうこんなに数が減ったよ!!イヒヒ」

 

ディアボリックの周りに居たネクロは大分数を減らしていた・・最初こそ囲まれるくらい居たが・・今では数える程しか居ない・・このままここでLV4を1人倒せると思った・・少しはこれからの戦いが楽になると私は思いながら

 

「もう貴方を守るのは居ないわ・・ここで死んで貰うわよ」

 

私がクロスミラージュを向けるとディアボリックは楽しそうに飛び跳ねながら

 

「守るのが居ない?イヒヒ!!お前ら馬鹿~こんなにまだ居るよ~」

 

そう言ってディアボリックが跳ねる度の倒したはずのサナギとアリのネクロがどんどん姿を見せる・・それを見たエリオが

 

「まだ・・あんなに・・」

 

驚愕の声を出す・・私達が倒したのは丁度150・・だが今現れてるのはその倍近い・・しかも私達の中でウェンディとエリオは魔力限界寸前だし・・私とノーヴェは残り4分の1くらい・・魔力がまだ半分以上残ってるのスバルとチンクさん・・それにセッテだけ・・私は視界を覆い隠す程のネクロの群れを見て

 

(これは・・本気で不味い・・どうしよう・・)

 

作戦がまるで思いつかない・・今残っている魔力ではアリ型を7体倒すのが限界・・それ以上はダメージを与えれない・・私がどうしようかと考えてるとノーヴェが

 

「あーあ・・折角もっと取って置こうと思ってたのによぉ・・仕方ねぇ・・本気でいくぜ」

 

そう言うとノーヴェの両腕のプロテクターが消え変わりに足に装着される、それを見たスバルが

 

「何か新しい切り札でもあるの?」

 

極光の光を身に纏いながら首を傾げるスバルにノーヴェは

 

「へっ・・当たり前だ・・行くぜ!!」

 

ノーヴェがそう言うと同時にノーヴェの身体を赤色の輝きが包み込む・・それは間違いなく極光の光だった・・ノーヴェは右足でリズムを取りながら

 

「お前だけが極光を使えると思ったか?・・私の方が龍也に先に教わってんだ・・お前より使いこなす自信があるぜ」

 

自信満々の様子のノーヴェにスバルは

 

「へへ・・やっぱり・・ノーヴェも使えると思ってたよ・・「ギギッ!!」機神拳ッ!!」

 

飛び出して来たサナギ型に連続で拳を叩き込み消滅させるスバルの横にノーヴェが立って

 

「そうかい・・だがな・・私とスバルじゃ使い方が違うぜ!!!魔槍連脚ッ!!」

 

鋭い蹴りを放つ同時に赤い光が魔力刃となり5体のサナギ型を消滅させる・・見ただけで判った・・スバルは手数・・ノーヴェは一点特化の破壊に重点を置いていると・・私は頭の中で凄い速さで組みあがっていく作戦を念話で全員に伝える

 

(スバルとノーヴェ・・それとセッテは1番前で敵にダメージを!・・ダメージを与えたの私とチンクさん・・それにエリオで仕留める!!龍也さんがもう直ぐ来ると思うから・・それまで持ちこたえるわよ!!)

 

私が指示を出すと同時にネクロ達が向かって来る・・幸いなのは1回で襲ってくる数が少ない事だ・・ディアボリックは皆殺しゲームだと言っていた・・こいつはゲーム感覚で戦闘をしてる・・それゆえに持ち応える作戦が正解だと判断したのだ・・私はクロスミラージュをライフルから元の二丁拳銃に戻し

 

(早く・・来てください・・龍也さん・・あんまり長くは持ちません・・)

 

この持久戦…耐えれたとしても30分が限界・・だから早く助けに来てくださいと思いながら私はノーヴェの蹴りで身体に皹が入ったサナギ型を撃ち貫いた・・

 

 

 

「キキッ!!」

 

「ええい・・邪魔だッ!!」

 

向かって来るネクロを両断する・・スバル達の居る場所は判るのだが・・思う様に進めない・・LV1、2が邪魔をして思うように進めないことに苛付いていると・・

 

「ガイスト・・アーベント!!」

 

私の背後から闇色の魔力弾が飛んできてネクロ達を焼き払う・・私は振り返りながら

 

「私の邪魔をしに来たか・・ルキルメスッ!!」

 

私の背後にはルキルメスの姿があった・・私が睨みながら言うとルキルメスは

 

「命令に背き、戦い続ける馬鹿を回収しに来ただけだ・・俺はまだ貴様と戦うつもりは無い・・俺には決着を付けたい相手も居る・・だからお前と戦うのはその後だ・・」

 

そう言い放つルキルメスは左腕の剣に魔力を収束し無造作に振るう・・それは私の邪魔をしていたLV1、2を全て切り裂き消滅させていた、ルキルメスは消えて行くLV1、2を見ながら

 

「屑どもが・・ジオガディス様の命令を無視してまで魔力が欲しいか・・」

 

そう一瞥するとルキルメスは骨の翼を羽ばたかせ飛んで行った・・ルキルメスが向かう方向はスバル達が居る所だ・・

 

「助けてくれたのか?」

 

あのままではスバル達の魔力が尽きる前に合流するのは不可能だった・・だからLV1、2を消滅させたルキルメスが助けてくれたのか?と思いながらスバル達の元に向かった・・私が到着した時ルキルメスの姿は既に無く、残っていたのはサナギとアリの様なネクロが400程だった・・私が来た事に気付いたティアナ達が心底ほっとした表情になる・・ティアナ達から感じる魔力は殆ど無く、もう限界だったのは容易に判った・・私は着地と同時にティアナ達を囲うように大型のプロテクションを張る・・私は腰の鞘から剣を抜き放ちながら

 

「LV2、3が200ずつか・・直ぐに終る・・その中で待っていろ」

 

プロテクションの中のスバル達に言う・・スバル達の騎士甲冑はボロボロで激戦だったのが一目で判る・・私はそこまで頑張ったスバル達を誇りに思っていると、アリ型がその口を開き

 

「「ヘルズグレネードッ!!」」

 

暗黒の魔力弾を打ち出してくる・・それが戦いの合図となりサナギ型のネクロが突っ込んできた・・私はそのネクロを両断しながら・・

 

(これはきつい戦いになるかもな・・)

 

心の中でそう呟いた・・敵は私だけではなくプロテクションの中のスバル達も狙っている・・そう簡単には破壊されないが・・長期戦は不利だと思う・・

 

(やれやれ・・誰か連れて来るべきだったよ)

 

そう愚痴を言いながらLV2、3達に向かって行った・・・

 

「数が多いな・・「データクラッシャーッ!!」はあッ!!」

 

サナギ型の背中から飛び出してくる槍を切り払いながらそう呟いた・・サナギ型はもう50匹しか残ってないが・・アリ型はその3倍の150匹・・少し苦戦し始めた時、後ろから

 

「ダークロアッ!!!」

 

闇色だがネクロ達とは少し色の違う砲撃が放たれ、サナギ型を纏めて20匹消し飛ばす・・それと同時に

 

ギャリギャリ!!

 

白のキャンピングカーが飛び出してくる・・それの上で槍を構えている人物を見て眼を見開いた

 

「ジェイル!」

 

天雷の遺跡に居るはずのジェイルは車の上から

 

「龍也!!助けに・・キキーッ!!・・うおおッ!?!?」

 

勇ましく助けに来たと言おうとした直後、車が急ブレーキを掛ける、それと同時にジェイルは車の上から投げ出され

 

「ッ!ぎゃああああ!!禿げる!!禿げる!!あぷろぷっ!!!「きゃあああッ!!」」

 

頭から滑って行き私が張ったプロテクションに顔面からぶつかり停止する・・プロテクションの中でスバル達が悲鳴を挙げた・・私は良い具合に痙攣してるジェイルに

 

「だ・・大丈夫か?」

 

ネクロ達も驚いた様で停止していたので、近付きそう尋ねるとガバッ!!と立ち上がり

 

「ふはははははッ!!!龍也!!助けに来たぞ!!!!」

 

頭からドクドクと血を流しながら言うジェイルに

 

「いや・・お前の方が助けが必要に見えるのだが?」

 

このままでは出血多量で死ぬ様に見えるジェイルに言うと

 

「私が助け?・・ああ・・血の事か・・それなら・・」

 

ジェイルが自分の顔を拭くと

 

「ほら、もう治ってる」

 

サムズアップするジェイルの額の怪我は完全に治っていた・・私が驚いてると、車の中からウーノが

 

「龍也様!!スバル達はこっちで回収しました!!ですから全力を出しても大丈夫です!!」

 

車の中から出てきたトーレとゼストがスバル達を回収する、私が頷くとウーノは

 

「メガーヌさん!出してください!!龍也様とドクターの邪魔になるので!!」

 

そう言うとキャンピングカーは凄まじい速度で走り出した・・車の中から

 

「「「ああああ!!!」」」

 

ティアナ達の悲鳴が聞こえた気がした・・私は猛スピードで走り去るキャンピングカーを見ながら

 

「ここからが本番だな・・」

 

私がそう呟くとジェイルは

 

「龍也・・私も戦うぞ」

 

隣に立って楽しそうに言うジェイルに

 

「大丈夫なのか?」

 

ジェイルはあくまで科学者であり、戦う者ではない・・だからそう言うとジェイルは

 

「お前にだけ負担は掛けんよ・・私にだって・・新しい力がある!!ギガスティックランス、ライオンハート・・ジョグレス!」

 

ジェイルの前で2つのデバイスが融合し、再展開された騎士甲冑を見て

 

「・・それが・・お前の新しいデバイスか・・」

 

そう呟いた・・白と黒の混合の騎士甲冑に、龍の頭とライオンを模した篭手からはそれぞれ、剣と大砲が姿を見せ、その背には翡翠色マント・・何処となくだがオメガに似ていると私は思った・・ジェイルは

 

「これがお前を助ける為に作り上げた・・新しい私のデバイス・・カオスだ!!」

 

自信満々に言うジェイルと私を囲う様にネクロ達が動き始める、私は両手で剣を握り締めながら

 

「お前は戦闘に慣れてないだろ?・・下がってても良いぞ?」

 

そう言うとジェイルはライオンを模した篭手から剣を出しながら

 

「問題ない・・ゼストと戦闘訓練はしていた・・足手纏いにはならんよ」

 

笑いながら言うジェイルに

 

「そうか・・では頼りにさせてもらうぞ?」

 

「任せたまえ・・ネクロの100や200・・楽勝だ」

 

そう笑うジェイルと同時に地面を蹴り近くに居たアリ型を両断する、反対側を見ると

 

「邪魔だよ・・消えたまえ」

 

龍の篭手をネクロに突きつけそれと同時に凄まじい砲撃を放つ、フォトンを得る前のなのはのスターライトと同クラスであろうその砲撃はサナギ型全てとアリ型を10体飲み込み消滅させる・・私はその凄まじい威力の砲撃を見て、負けてられないと思い

 

「カートリッジロード・・奥義・・光刃閃・・」

 

目の前に居たアリ型を纏めて30体両断する・・私は剣を構え直して戦況を見る、ジェイルが凄まじい勢いでネクロを両断し、そして砲撃を放つ・・私も迫ってくるネクロを大分倒した・・ネクロ達が全滅するのは時間の問題だと思った

 

「さっさと全滅させて・・はやて達と合流するか・・」

 

私はそう呟くと剣の切っ先を下に向け走り出した

 

「はあッ!!」

 

ネクロの胴体を穿ちそのまま蹴り上げる

 

「ギ・・ギ・・」

 

ダメージは与えたがまだ消滅しないネクロに

 

「全ての咎人に聖なる星の断罪を!スターライト・・ブレイカーッ!!!!」

 

追撃にスターライトを打ち込む、私が放った砲撃は、傷付いたネクロを消滅させ・・その背後に居た無傷のネクロも纏めて消滅させる、それを見たジェイルは

 

「流石は龍也だ・・負けてはられんな!!ダーク・・プロミネンス!!!」

 

龍の篭手を地面叩き付けるそれと同時に黒い炎が噴出しネクロを飲み込み消滅させる・・ジェイルの攻撃はそれだけでは終らず、ジェイルの両肩の鎧がスライドする、そこから

 

「インフィニットランチャーッ!!」

 

巨大な火の玉を2発放つ・・それはネクロ達の手前で爆発し無数の魔力で出来た矢となり降り注ぐ

 

「ギギッ!!!」

 

身体に矢が突き刺さり動きの鈍ったネクロに剣を向け

 

「はあああッ!!」

 

凄まじい勢いで走り出す、ジェイルの突撃は動きの鈍っていたネクロを3体を貫く・・剣に串刺しにされたネクロが苦しそうに暴れるがジェイルはそれを無視して、ネクロを突き刺したままの剣を上空に向け

 

「ダイレクトエクスプローションッ!!」

 

砲撃を打ち込んだ・・ゼロ距離+身体に貫通していた所為か、その砲撃のエネルギーを全て受け止めたネクロは悲鳴を挙げる間もなく消滅した・・

 

「驚いた・・まさかお前がここまで強いなんて」

 

ジェイルがネクロを消滅させた所でそう言うとジェイルは額の汗を拭いながら

 

「娘達だけに戦わせる訳にはいかんだろう?・・ちっぽけだが父親としてのプライドもある」

 

そう言うジェイルの肩に手を置いて

 

「お前のような父親を持った、チンク達は幸せだろうよ・・さてとそろそろ戻るか・・?」

 

私がそう言うとジェイルは騎士甲冑を解除して

 

「ああ、戻ろう・・チンク達も心配だしな・・」

 

頷くジェイルと一緒に六課に向かって歩き出した・・ちなみに六課に戻る途中ジェイルが

 

「所で龍也・・チンク達というか・・はやて君達と何か進展・・ドスッ!!げふっ・・」

 

馬鹿な事を言い掛けたジェイルの腹に拳を叩き込む・・ジェイルは脂汗を流しながら

 

「ふっ・・ふふ・・その反応を見ると特に進展は無かったようだな・・安心したよ・・まだディードとオットーにも目があるようだな・・」

 

ぶつぶつと呟くジェイルをもう一発殴ろうかと思ってると

 

「龍也!ジェイル!」

 

目の前に車が止まる・・運転席から声を掛けてくるゲンヤさんに

 

「ゲンヤさん・・どうしたんですか?」

 

どうしてここに居るのかと思い尋ねるとゲンヤさんは

 

「どうしたって・・決まってるだろうよ・・迎えに来たんだよ・・ほれ・・さっさと乗れよ」

 

車に乗れと言うゲンヤさんに頷き、私とジェイルはゲンヤさんの車に乗り込み六課へと向かった・・六課に向かう途中でゲンヤさんが

 

「それと被害状況なんだがよ・・負傷者は居る者の死傷者は居ない・・まだ今回の襲撃は挨拶レベルだったって事だな・・「ギンガ達は?」・・ギンガ達か?・・全然平気だよ・・それより早く行こうぜ・・嬢ちゃん達だけじゃない・・レジアスに三提督も待ってるからよ」

 

ゲンヤさんの言葉に頷き、私達は六課へと向かった・・

 

第116話に続く

 

 

 


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