第10話
「むぅ、どうしたものか・・・」
今私は身動きが取れない状態だった
「昨日部屋に入ってきた気配の正体はこれか・・・」
布団を捲る・・そこには案の定・・
「「「すぅーすぅー」」」
気持ち良さそうに寝息を立てる、はやて、ヴィータ。リィン、はやてとヴィータには両サイドから抱きしめられおり動くことは愚か、腕を上げることさえ出来ない、リィンはその小柄の体型を生かしてはやてと私の間で眠っている
「起こすのも、可哀想だしな・・・このまま起きるのを待つしかないか・・」
動くことも出来ないので、もう一寝入りしようかと思っていると
「兄上、失礼します」
ノックと共にシグナムが入ってきた
「どうした?なにか起きたのか?」
「はい、街中にネクロが出現しました、いまテスタロッサと高町が現場に向かってますが、二人では危険かと」
どうした物かと考える、なのは達でもネクロを倒すことは可能だ、だが二人でも倒さない量となると
「私が出るのが一番いいだろうな」
グラムとベレンにはアンチネクロのプログラムがある、私が楽に倒すことが出来ていたのはこれの力が大きい
「兄ちゃん、はよ助けに行ったって」
今まで眠っていたはやてが眼を擦りながら言う、どうやらシグナムが入ってきたときに起きたようだ
「主、居ないと思ったらどうして兄上の部屋に居られるのですか?」
どうやらはやての事を探していたのだろう、多少疲れた様子のシグナム
「いやな、夜起きてもうてな、また兄ちゃんが居なくなるんじゃないかと思うと怖くてな。ついつい来てもうたんや」
はやての言うことは最もだ、8年も行方不明の男が突然帰ってきたのだ。また居なくなるかもしれないという不安を持つのは当然だ
「いや・・まぁこれは私が悪いか、すまんが手を離してくれ。速く行かないと危険なんだろう。」
ようやく手を離してくれたはやて、ちなみにヴィータは起きなかったので手の力が緩んだ一瞬で腕を引き抜いた、ベッドの横に掛けてあるコートを掴み体に巻きつける、次の瞬間にはパジャマから普段の黒の服に代わっていた、パジャマは綺麗に畳まれベッドの横の机の上に置かれている。目の前で起きた事に目が点になるはやてとシグナムだが、これは龍也にとっては普通のことなのだ
「良し、では行って来る」
何事も無いように部屋から出て行こうとする龍也に
「ちょ、ちょい待ち。兄ちゃん今何したんや?」
「何って何だ?」
部屋から出ようとしていたのに呼び止められ振り向くと
「ほら、一瞬で着替えたやん。今のは?」
「ああ、あれかあれはマジックの応用だ、見たことあるだろ。マジックで人を着替えさせるやつ。であれを使えるようになったんだが」
一体何を考えてあれを使おうと思ったのか、というより何故あんな事が出来るように成っているのか。いろいろ聞きたいことはあったが
「では、今度こそ行って来る」
いまはそんな事を聞いてる時間は無いと思い。部屋から出て行く龍也に
「行ってらっしゃい、怪我せんでね」
見送りの言葉を送り、はやて達も六課に向かって行った
「ねぇ、まだ味方はまだ来ないの?」
迫ってくるネクロにアクセルシューターを打ちながら尋ねる
「いま、はやてから連絡が合ったよ。最高に頼りに成る味方が行ったて、でもなんか手を出すなって言ってたけど?」
はやてからの連絡に合った手を出すなと言う所に疑問を感じながらもバルディッシュのハーケンフォームを振るって応戦している
魔法を放ちながら違和感を感じる、ネクロは普通闇雲の暴れるだけだが、今回ネクロはいつもと違い統制が取れた動きを取っている
「ねぇ、フェイトちゃん。もしかしたらLV2が居るとかは無いよね?」
ネクロはレベルで呼称される。いま戦ってるのは影のようなLV1だが。報告ではより人型に近いLV2が居るという事は聞いている。またLV2は思考も人に近いらしく、指揮官としての役割を持っているらしい
「その可能性はあるね。今日のネクロの動きには統制がある。何処かでLV2が居るかも」
LV2の戦闘の記録は無いがLV1より弱い事は無いだろう
「大技でネクロを倒してから、サーチを掛けてみよう。レイジングハート行くよ」
『イエス、マイマスター』
レイジングハートの杖先に魔力が溜まり必殺の砲撃を放つところで
「!?」
殺気を感じ体を反転させる、それと同時に此方目掛けて振り下ろされる剣、後数秒気付くのが遅かったら斬り付けられていただろう。そして剣を持っていたのは・・
「LV2・・・」
驚愕と共に呟く、趣味の悪い赤黒い鎧に髑髏のような兜
「驚きダヨ、今のは完全に捕らえたと思ったノニ」
耳障りな声
「まぁ、それでないと詰まらなイ、折角出てきたんダカラ。」
ボロボロのマントを羽織った騎士の姿
「僕は、LV2.消滅のイレイサー。さあ始めようカ?」
レイジングハートを構えるが
「ああ、それでは駄目だヨ、魔導師」
姿が消えるそして
「ほら、隙だらけダ」
「なのは、危ない!!」
フェイトの声で振り返るそして、強烈な上からの攻撃を受け。私は落下して行った・・ああ。前にもこんな事があった、落ちながら思う、あの時はあの人が助けてくれたでも、今は違うあの人は居なくなってしまった。フェイトちゃんがこっちに向かうのが見えるが間に合わないだろう。私は来るべき衝撃に備えて目を閉じた
ドサ!!
余りに軽い衝撃だ、恐る恐る目を開ける。誰かに空中で抱きとめられているのが判る。そしてその人の顔を見る。そしてその顔に驚ろきながら呟いた
「・・・龍・・・也さん?」
「すまんな。遅れたが助けに来た」
それは行方不明になっていた、想い人の八神龍也だった
「これは、これはまさか人間が態々、殺されにくるとは面白いものも居ましたネ」
イレイサーが嘲る様に言うが
「それはこっちの台詞だよ、臆病者のイレイサー。確かお前は他のLV2を盾に逃げ出したよな」
此方も馬鹿にするように言う、なのはは既に下ろされフェイトと共に私とイレイサーの会話を聞いている
「僕の事を知ってル、お前何者ダ」
イレイサーが苛つきを持って言う
「さぁな。グラムセットアップ!!!」
光が集まり、弾けるそして其処に立っていたのは黒騎士だった
「「!?!?!?」」
驚いているなのはとフェイトが見える、此処に居るということは黒騎士と私は別人かとでも思っていたのだろう
「ば、ばかな、何故貴様が此処にイル。黒騎士」
「黒騎士?違うな、私は」
ピキピキと音を立てて鎧に皹が入る
「私は間違いを犯した、だが今は違う」
力強い言葉と共に鎧の皹が大きくなっていく
「私はもう迷わん、前を見ると誓った。私は・・私は・・夜天の守護者。八神龍也だぁぁぁ!!!」
重厚だった黒い鎧は砕け、体を蒼の服が包み込む。それと同時に砕けた鎧が再構築され胸部と両肩、そして篭手と脚を覆う僅かな物になる。そして右手に持った蒼い刀身を持つ剣と美しい装飾が施された蒼い盾・・ここに真なる意味で夜天の守護者・・八神龍也は目覚めた
「生きてた、生きたよ、なのは」
涙を流しながらフェイトが言う
「うん。生きてたやっぱり生きてたんだよ。龍也さんは」
私の頬を伝う物がある、私も泣いてる事に気付いた、目は確かに失っているだがあの力強い瞳の光は失われていない。そして何よりあの神々しいまでの蒼い魔力光、懐かしくて嬉しくて涙が出る
「さぁ、始めようかイレイサー?貴様が生きて帰りたいなら私を倒すしかないな。まぁ私が負けるなどありえんがな」
馬鹿にするように言う龍也に怒り心頭と行った様子で
「舐めるなヨ、僕は強いんダ」
向かってく来ると思ったら
「行け!!!やつを捕らえろ」
後方に下がりLV1のネクロに指示を出し。それと同時にネクロが飛び掛ってくるが
「蒼龍一閃、二の型」
剣に手を翳すと剣が蛇腹状になりそれを大きく円を描くように振り回す
「蒼雷!!!」
ズガンズガンと凄まじい音を立てて稲妻と共に剣が伸びる。そして稲妻が消えると同時にあれ程大量に居たネクロは全て跡形も無く消えていた
「ば、馬鹿ナ、50居たんだゾ、それを一撃でだト」
驚愕と言った様子のイレイサーに
「次は貴様の番だ、覚悟しろ」
元の形に戻した剣を構え向かって行った
キン!
お互いの剣が音を立ててぶつかり合うが龍也の一撃の方が思いのだろう、イレイサーの剣は押され義気だ
「クッ、在り得なイ、お前の剣はこんなに重くなかっタ」
剣を弾き、体制を立て直すイレイサーに再び突撃を掛ける龍也
「可笑しいなどと、よく言うな、私は守護者護るべきものがあればいくらでも強くなれる」
袈裟、突きと連激で剣を振るうその一撃は徐々にイレイサーに傷を負わしていく
「クッ、これでも食らえ」
目からネクロ特有の光線を放つが、首を傾げ回避する
「遅いな、遅すぎる。そんなものが私に当たると思っているのか?」
挑発をしながら、返しの一撃で深い傷を与える
「僕が死ぬなんテ、在り得なイ、頼む誰か誰か助けに来てくレ」
恐らく仲間に連絡を取ろうとしているのだろうか
「無駄だな、クラナガンの貴様らの基地は全て潰した。助けに来れるものなど存在しない」
「いくラ、お前でモ。そんな事が「出来るわけ無いと言いたいか、だがこれが事実だ消えろイレイサー」あッ・・・」
頭から真っ二つにされ消滅していくイレイサーが完全に消えて行くのを確認してから、なのは達の下に歩いて行った
「久しぶりになるのか?何回か黒騎士の姿で会っているからなんとも言えんが・・」
騎士甲冑を解除してから、二人の前に立つ。二人もバリアジャケットを解除している。
「いろいろ聞きたいことはありますが、まずはこれだけ言わしてもらいます」
「「お帰りなさい!!」」
二人揃って言われ驚くが
「あ、ああ。ただいまで良いのか?なんて言えばいいんだ?」
なんと言えば良いのか判らず慌てていると二人はクスクスと笑い始めた
「なんで笑う?」
尋ねると二人はなお、笑いながら
「いえ、龍也は変わってないな~って思っただけですよ」
「フェイトちゃんの言うとおりです、変わってないですね」
二人に笑われ何とも言えず困っていると、通信が入る
「高町教導員、ハラオウン執行官。聞こえますか?いまから迎えに行きますんで悪いんですけど、そのまま待って貰えますか?」
通信機から若い男の声が聞こえる
「そうか・・迎えが来るなら私は先に戻っていよう、ベヒーモスセットアップ!!」
ベヒーモスが横に現れそれに乗ろうとすると
「ああ、ヴァイスさん。悪いんですけど戻る手が合ったので、迎えは良いですよ」
「んあ、そうですか?なんせ部隊長に叩き起こされたモンで、まだ眠かったんですわ。すいませんがお言葉に甘えさせてもらいます」
通信が切れると同時にこっちを見る二人、なんだ、何が言いたい?チラリチラリとバイクを横目で見ておりそれで気付く
「ああ。バイクに乗りたいのか?ちょっと待てよ。ベヒーモスモードⅡに移行してくれ」
『了解しました、マスター』
一瞬姿が消えサイドカーが現れる
「良し、これで良いだろ、見ての通りで悪いが一人はタンデムシートになる。どっちが乗るか決めてくれ」
「なのは「フェイトちゃん」私が乗るよ」
二人同時に言う、可笑しいなこれと同じようなものを何処かで見たような?ちなみにその頃スバルとティアナは同時にくしゃみをしていた
「ジャンケンポン」
「あいこでしょ」
「あいこでしょ」
「あいこでしょ」
「やったー!!」
「負けた・・・」
見るからに負けて落ち込んでいるフェイト、可笑しいな普通タンデムシートに乗るのは嫌じゃないのか?見当違いの事を考えている龍也を尻目に渋々サイドカーに乗るフェイトに
「ああ、さすがに朝早いからな。私ので悪いがサイドカー後ろに毛布が在るから。それを着るといい」
今までの暗い表情から一転して嬉しそうな顔をして、サイドカーの後ろから毛布を取り出し包まるフェイト。なのははこっちのほうが良かったかな?と呟いていた
「ほら、なのははこれ被れよ」
ヘルメットを渡し、私がバイクに乗ると同時にしがみついて来る。なのは喜色満面と言った様子で凄く嬉しそうだった。だがなんでこんなに笑顔なのか私にはわからなかった。
敵意には敏感だが自分に向けられる好意にはとことん鈍感な龍也だった。
第11話に続く