夜天の守護者   作:混沌の魔法使い

130 / 145
どうも混沌の魔法使いです

今回は第132話までの投稿です、最終話が142なので、あと10話ですだいぶながくなりましたが最後までよろしくお願いします

第128話 龍也VSジオガディス
第129話 怒れる龍
第130話 守護者の消滅
第131話 守護者のいない世界
第132話 蘇る王

でお送りします。

それと昨日更新した番外編を面白くなかったでしょうか?感想がないので少し不安な魔法使いです


第128話

第128話

 

「はやて、どうやら・・結界は破壊できたようですわ~」

 

クアットロさんがモニターを見ながら言う、私は

 

「流石、なのはちゃん達やね・・後は・・兄ちゃんだけか・・」

 

上空に浮かぶパンデモニウムを見上げるとクアットロさんが

 

「大丈夫ですわ、八神兄様が負けるわけ無いですもの・・私達は私達の出来る事をしましょう」

 

そう笑うクアットロさん・・今私達がすることは怪我をしてるなのはちゃん達の手当てをすることだ・・

 

「そうやね、ありがと・・クアットロさん・・ほんじゃあ・・気合入れていこか!」

 

私はそう言うと司令室を後にした・・戻って来始めている自分の仲間の手当てをする為に・・

 

(大丈夫・・兄ちゃんは勝つ・・何も心配ない・・)

 

自分に言い聞かせるように心の中で呟き私は、六課を後にした・・だがその願いは叶わず、私は最も見たくない光景を見ることになる・・

 

 

 

「邪魔だっ!!」

 

高速でパンデモニウムの中を移動しながら時折襲ってくるネクロを両断し進んでいく・・体力と魔力の消耗は出来るだけ低くしたい・・そんな事を繰り返していると広いフロアに出る、そしてフロアの上段から

 

「良く来たな守護者!!」

 

王座に腰掛けていたジオガディスが立ち上がりながら言う

 

「ジオガディス・・」

 

私が睨むとジオガディスは

 

「俺に目と腕を奪われ、良くそこまで強くなった・・正直驚きだよ・・その強さに敬意を占めそう・・だが・・貴様の命はここで終わりだ・・」

 

剣を抜き放ちながら降りてくるジオガディスに

 

「残念だが、ここで死ぬわけには行かんな・・」

 

剣を正眼に構えながら言うとジオガディスは

 

「ふん・・貴様と俺では天と地ほどの差がある・・それを貴様に教えてやろう」

 

右手をこちらに向けながら

 

「掛かって来い夜天の守護者、貴様の命・・この俺が貰い受ける!」

 

「その台詞・・そのままそっくりお返ししよう」

 

私は地面を蹴ると同時に背中の翼を羽ばたかせ、ジオガディスに斬りかかって行った・・

 

「はあああッ!!」

 

ジオガディスの一撃を受けぬために先手先手を取り続ける

 

キィン!!キィン!!

 

私の剣とジオガディスの剣がぶつかり火花を散らす

 

「良い太刀筋だが・・甘い!!!」

 

放たれた突きを紙一重で交わしそのまま蹴りを放つ

 

ガインッ・・

 

鈍い音を立てて胴に命中するが・・あまりダメージがあるように見えない・・私が様子を探っているとセレスが

 

(王、落ち着いてください・・ジオガディス相手に速攻の選択は正解ですが・・あいつは何をしてくるか判りません・・落ち着いて機を窺うのです)

 

落ち着くようにいうセレスに

 

(判っている、十分私は落ち着いている)

 

ジオガディスのデバイス、ダインスレイフの一撃を受ければその瞬間私の不利は決定する・・ジオガディス相手に魔力減退などを受けたら勝ち目は100%無い・・無論・・策はあるが・・

 

「行けッ!!ガンファミリヤ!!!」

 

12機のビットを打ち出す、魔力弾が雨霰の様に降り注ぐが・・

 

「甘いわ!」

 

背中の7枚の翼で魔力弾を掻き消し、ダインスレイフと蹴りで次々ビットを迎撃していく・・その間に魔力を収束させ

 

「スターライト・・ブレイカーッ!!!」

 

渾身の魔力を込めた砲撃を打ち出すが

 

「無駄だっ!!!ファントム・・ブレイド!!」

 

ダインスレイフの刀身に魔力刃が発生し巨大な刃となるとスターライトを切り裂いて、私に向かってくる・・

 

「くっ!!」

 

サイドステップで回避するが、魔力刃が床に叩きつけられた衝撃で一瞬体勢を崩す、その瞬間

 

「打ち砕け!!グランドクロスッ!!!」

 

赤黒い魔力で出来た7つの結晶が降り注ぐ

 

「くっ!」

 

それを剣で弾き、あるいは避け直撃だけは避けれる・・ふと上を見上げるとジオガディスの姿が無い

 

「どこだ!?・・!!・・「流石だな・・」

 

背後から強烈な殺気を感じ反射的に剣を背中に回すそれと同時に金属音が響き渡る・・私は振り返りながら

 

「そう甘く見ないで貰おうか、ジオガディス」

 

ダインスレイフを弾き飛ばしながら言うと

 

「ふん、ダインスレイフを恐れ遠距離攻撃しかしてこない、貴様を甘く見るのは当然だ・・そんな消極的な策で俺に勝てるとでも思っているのか?」

 

その言葉に私は

 

「誰がそんな消極的な策を取るか・・さっきまで・・砲撃しかしなかったのは・・貴様をこの距離におびき寄せるためだッ!!」

 

渾身の一撃を上段から叩き込む、私が最も恐れていること・・それは膨大な魔力による弾幕戦だ・・私はあまり射撃は得意ではないし、セレスの力を借りても対処しきれないと判断していた・・私は確りと剣を握りなおした・・するとセレスが

 

(王よ!無謀です!!ジオガディスに接近戦を挑むなど・・考え直してください!)

 

考え直せと言うセレスに

 

(逃げる事出来ない・・遠距離もその内捕まる・・なら・・自分の得意の場所で戦うまでだ!!)

 

私はセレスにそう言うと

 

「行くぞ!!ここからが本当の勝負だ!!」

 

背中の翼を羽ばたかせ私はジオガディスに斬りかかって行った・・

 

 

 

 

キィン!キィンッ!!!

 

何度も俺と守護者の剣がぶつかり火花を散らす・・俺は剣を交えながら

 

(すえ恐ろしい成長速度だ・・たがだが数年で俺と剣を交えるほどに成長するとはな・・)

 

素直に俺は守護者を賞賛していた・・数千年に及ぶ経験を持つ俺とたかだが数年でここまで打ち合えるようになるとは・・全く・・

 

「驚きだよ!!!」

 

踏み込んで横薙ぎの一撃を叩き込むが

 

「ふっ!!」

 

身体をねじり回避しそのまま踵落としを叩き込んでくる

 

「くっ!!!」

 

左腕の篭手で受け止めるが衝撃で左腕が痺れる

 

「はぁっ!!」

 

着地と同時に叩き込まれた横薙ぎの一撃が俺の腹を捉える

 

「ぐはっ・・」

 

強制的に肺から酸素が吐き出される、更に体がくの字に折れた俺の顎を蹴り上げる

 

「がはっ!!」

 

後方に向かって弾き飛ばされる、それと同時に

 

「はああああッ!!!おりゃあああッ!!!」

 

追撃に魔力刃が飛ばされるが

 

「舐めるな!!」

 

着地し腕を振るい魔力刃と弾くと同時に背中の翼で浮上する

 

「はっ!!」

 

守護者も同様に俺を追ってくる

 

「今度は・・こちらから行くぞッ!!!」

 

一気に肉薄し上段からダインスレイフを振り下ろす

 

「!!!」

 

ガキーンッ!!!

 

甲高い金属音がする・・左腕で受け止めている守護者に

 

「良く止めたと言ってやりたいが・・甘いッ!!!ブラックランスッ!!!」

 

守護者の背後に黒い魔力で出来た槍が100本生成され、即座に襲い掛かる

 

「くっ!!!」

 

即座に振り返り剣で迎撃に出る守護者・・その間に上昇し

 

「七つの大罪よ・・今ここに姿を現せ・・傲慢・憤怒・嫉妬・怠惰・強欲・暴食・色欲」

 

俺の周りに7の魔方陣が展開される

 

「目の前に居るのは貴様らの餌だ・・食い殺せ!!セブンデッドリーシンスッ!!!」

 

7つの魔法人がそれぞれ姿を変える、龍や獣に変化する、それと同時に剣を振り下ろす

 

「「「「「「「がああああああッ!!!」」」」」」」

 

7匹の獣が同時に守護者に襲い掛かる

 

「なっ!・・ぐああああああッ!!」

 

7匹の獣が守護者に次々襲い掛かり動きを拘束する

 

「くたばれっ!!!」

 

魔力刃を纏ったダインスレイフを上段から振り下ろす

 

バキャンッ!!!

 

守護者の胴体の騎士甲冑を完全に砕きダインスレイフの刃が守護者を切り裂く

 

「ぐっ・・がはっ・・」

 

頭から落下していく守護者・・ふん・・終わったか・・ダインスレイフを鞘に仕舞おうとした瞬間

 

バシュウウ・・

 

音を立てて守護者の体が消える・・これは・・まさか・・

 

トンッ・・

 

背中に軽い感触を感じ振り返るとそこには

 

「甘いのはどちらかな・・吹き飛べ・・ラグナロク・・ブレイカーッ!!!」

 

ゴウッ!!!

 

大出力の砲撃がゼロ距離で放たれた・・

 

「ぐっ・・がああああああっ!!!!・・・おおおおっ!!!はぁ・・はぁ・・くそ!!守護者ぁぁッ!!!」

 

壁に叩きつけられる前に脱出し、体勢を立て直し上空を睨むとそこには無傷では無いが軽症しか受けていない守護者が居た・・馬鹿な・・俺が幻影に引っ掛かるなどと・・屈辱で顔を歪めると守護者は

 

「貴様の弱点はその慢心だ・・格下相手だからと最初から気を抜いていた・・その隙を着かせて貰った・・このまま決着をつけさせてもらうぞ!!!」

 

上空から突撃してくる守護者に

 

「舐めるなぁッ!!!」

 

踏み込んでその攻撃を弾き飛ばし、そのまま守護者の身体に掌を押し付け

 

「カオス・・ブレイカーッ!」

 

ほぼゼロ距離で砲撃を暴発させる・・俺も唯ではすまないが・・

 

「なっ・・ぐううううッ!!!」

 

暴発した魔力に吹っ飛ばされる守護者に追いつき

 

「くらえっ!!」

 

確実にダインスレイフの刃で守護者を引き裂く・・肉を裂く確かな手ごたえを感じた・・これは幻などではない・・

 

「くっ・・」

 

離れた所で膝をつく守護者に

 

「それは慢心もするだろう・・俺と貴様では体の作りが根本的に違うのだからな」

 

徐々に体の傷が修復されていく・・圧倒的な魔力による自己治癒能力・・これがあれば慢心するのも仕方ない事だろう・・俺はダインスレイフに付着した血を見ながら

 

「貴様の身体に呪印を刻んだ・・良く覚えているだろう?・・魔力を奪う術式だ・・これで・・貴様の不利は確定だな」

 

俺には自己治癒と魔力回復がある、決定的な一撃で無ければ俺は死なない・・しかし守護者にそんな能力は無い・・どれ程俺に近い魔力を持っていようが、魔力が減り続ける守護者に勝ち目は無い

 

「くっく・・貴様に勝ち目は無いな・・諦めたらどうだ?楽に殺してやるぞ?」

 

ダインスレイフを向けながら言うと守護者は

 

「勝ち目が無いから挑まない・・それは確かに正しい選択肢なのかもしれない・・だが!!!私は私の護りたい者を護る為にここに居る!!」

 

守護者の身体を覆う魔力が増大する・・守護者の叫びに呼応するように・・

 

「私は私の誇りと信念に賭けて・・貴様を倒す!!」

 

守護者の瞳に強い光が宿る・・その時俺には守護者にダブって神王の目を見た気がした・・忌まわしいあの瞳を・・

 

「おおおおっ!」

 

「!!ちィっ!!」

 

突っ込んできた守護者の攻撃を飛んで交わす、俺は上空から守護者を見ながら、守護者の状態を見る

 

「はぁ・・はぁ・・」

 

剣に寄りかかってやっと立ってる状態だ・・態々俺の剣で止めを刺す必要は無い・・ダインスレイフを鞘に戻し両手を広げる、それと同時に

 

キンッ!!

 

音を立てて守護者の身体を覆うように結界が発生する

 

「これは・・?」

 

驚く守護者に手を向け

 

「これで貴様の負けだ・・生と死・・その狭間で苦しむが良い・・デッド・オア・アライブッ!!」

 

「なっ・・ぐあああああああッ!!!!」

 

手を閉じると同時に結界が光り輝き大爆発を起こす・・これで終わりだ・・俺が勝利を確信していると

 

「はぁ・・はぁ・・ま・・まだだ・・まだ・・私は・・死んでいない・・」

 

煙が晴れ守護者が姿を見せる・・全身から血を流しつつも・・守護者はまだその場に立っていた・・

 

(馬鹿な・・あれを喰らって生きている筈が・・)

 

自身の最大攻撃であるデッド・オア・アライブを受けて立っている、守護者に驚いたがそれは一瞬の事だった・・

 

(良く見ろ・・もうあいつは死に掛けだ・・これで終わる・・)

 

忌まわしい守護者との戦いもこれで終わりだ、俺はそう考えとどめの魔法の構築を始める・・もう細かい術式の必要な魔法なんて必要ない・・あいつの四肢を砕き命を刈り取ればいい・・誘導操作も・・シールドブレイクも必要ない・・ただ・・

 

「圧倒的な物量で押し潰せば良い・・」

 

終えの背後の無数の魔方陣が展開され、それから無数の漆黒の棘が発生する・・

 

「これで今度こそ・・とどめだ・・消えうせろ!!夜天の守護者よ!!ブラックレインッ!!!」

 

その言葉と同時に無数の黒い棘が守護者に向かって降り注いだ・・

 

 

 

 

私は降り注いでくる槍を見ながら、自分の状態を判断していた・・

 

(魔力はもう殆ど残ってない・・さっきの攻撃を防御するのに回してしまったから・・)

 

次に自分の体力を調べる

 

(剣は・・握れる・・脚も動く・・これだけの弾幕は回避出来んがな・・)

 

これだけボロボロでも・・私はまだ剣を握れる・・動く事が出来る・・

 

(ならば・・私のとるべき道は・・)

 

どうすれば良いかは判っていた・・防御も出来ない・・避ける事も出来ない・・私に残された道は・・1つしかない・・

 

(王何を考えているのですか!?早く防御を!!)

 

防御しろというセレスに

 

(そんな事をしたらもう私は動けない・・だから防御はしない!!)

 

私はそう返事を返すと同時に降り注ぐ黒い槍の中へと飛び込んでいった・・

 

「馬鹿が!!自ら死に急いだな!!」

 

ジオガディスの嘲笑を聞きながらただ足を動かす・・

 

ズガガガッ!!!

 

嵐の様な漆黒の棘が騎士甲冑を破壊していく・・

 

(何も考えるな・・駆けろ・・駆け続けろ・・あの場所に向かって・・)

 

行くべき場所は判っている・・考える必要など無い・・

 

ザシュ!!!

 

肉を裂く鈍い音と燃える様な痛みを感じるが・・それでも私の脚は止まらない・・止まれない・・

 

(止まってしまったら・・もう動けないから・・)

 

それが判っているから・・どれほど痛みを受けようが・・私は前に進み続ける・・

 

「いい加減にくたばれ!!夜天の守護者ッ!!」

 

苛々としたジオガディスの怒声と同時に降り注ぐ漆黒の雨の勢いが増す・・手にした剣で弾いているがその処理も間に合わなくなる・・ジオガディスまであと少しという所で

 

ズガン・・バチバチ・・

 

義手が弾き飛ばされ一瞬意識が飛びかける・・

 

ギリッ!!!

 

歯が砕けるほど噛み締め、飛び掛ける意識を無理やり繋ぐ

 

(届いた・・やっと・・届いた・・!)

 

ジオガディスまで後僅かに数メートル・・これで決める・・残された魔力を全て剣に込め

 

「ウ・・ウオオオオオオオオオオッ!!!!!」

 

裂帛の気合を込めジオガディス目掛けて跳んだ・・

 

「この・・くたばり損ないがアアアアアッ!!!」

 

「ジオガディスゥゥゥッ!!!」

 

お互いの剣が交差するその瞬間、ジオガディスの動きが鈍る・・

 

「ば・・馬鹿な・・何故・・貴様が・・その魔力を・・」

 

信じられない物を見たという感じで呟くジオガディス目掛けて

 

「私の勝ちだアアアアアアッ!!!!」

 

オメガブレードを振り下ろした・・振り下ろした剣が命中した瞬間・・確かに私は見た・・ジオガディスの身体を覆うように存在する胴体に髑髏の文様を持つ異形の姿を・・

 

「ぐっがああああああああああッ!!!!」

 

ジオガディスの悲鳴と同時にパンデモニウムの中を虹色の閃光が駆け抜けた・・

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。