夜天の守護者   作:混沌の魔法使い

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第137話

 

第137話

 

 

「「「グルル・・」」」

 

隻眼の悪魔に無数のグリフォン型のネクロに囲まれながら私は、冷静に戦況を分析していた・・

 

(無傷のバロンとダンテ・・それにカオス・・こいつらを倒さないとヴェルガディオスとは戦えないか・・)

 

ヴェルガディオスは後退し、私の方を見ている、恐らくバロンとダンテでどれほど戦闘力が上昇したか判断するつもりなのだろう・・

 

(カオスは・・動く気配なし・・では戦いたがっているバロン達から相手をするか・・)

 

私が戦況を分析していると痺れを切らした、ガイウスとグリュプス達が同時に

 

「「「スーパーソニックボイスッ!!!」」」

 

「「「エクスプロージョンアイッ!!!」」」

 

超音波と炎を伴った漆黒の砲撃を放ってくる、それは真っ直ぐに私に向かって来た・・だが命中する瞬間、私の背中の12枚の翼の内、1つが光り、それを防いだ・・

 

 

 

爆炎と衝撃波に飲まれ姿の見えなくなった龍也さんを見て、私は

 

「ちょ・・直撃・・龍也さんッ!!」

 

思わず大声を上げると同時に

 

バゥッ!!

 

煙が弾けそこから龍也さんが現れる・・だがその姿はさっきまでと少し違っていた・・ウェンディのデバイス・・バニシングボードに良く似たボードの上に乗り、虹色の道を作りながら悪魔の姿をしたネクロとグリフォンの姿をしたネクロ・・ガイウスとグリュプスの隙間を抜いて包囲網を突破しようとするが

 

「「「グオオオオッ!!!」」」

 

ガイウスが3体立ち塞がり進路を塞ぐ、だが次の瞬間

 

「「「ギャアアアアッ!!!!」」」

 

何時展開されたかわからないが、ボードの前面と側面に展開された、魔力刃に擦れ違い様に切り裂かれ、消滅していくガイウス・・龍也さんはそこから一気に急上昇していく、それを追ってグリュプスがそれを追って行くが、龍也さんの方が早いのか追いつけない、龍也さんはある程度の高度に到着すると、ボードから飛び降りる、それと同時にボードは変形して大型のキャノン砲になる、それをみたウェンディが

 

「まさか・・ブラックホールキャノン!?」

 

驚いているウェンディを知ってか知らずか龍也さんはそのまま照準を合わせ

 

「カノンオブウィンド・・発射ッ!!」

 

漆黒の砲弾を発射した・・それは自分向かってきていた、20体グリュプスの中心で炸裂し、圧縮を始める

 

「ギギ・・ギイイイイッ!!」

 

翼や身体で抵抗していたが、それは無駄な苦労で終りグリュプス達は圧縮され、圧死して消滅していた・・龍也さんはそれを確認せずに今度は背中の鞘から白銀に輝く大剣を抜き放つと、それは強烈な光を発しながら姿を変えて行き、次の瞬間には

 

「私の・・」

 

セッテのデバイスである、ソルエッジが手に握れており、龍也さんはそれをそのまま投擲する・・すると

 

ヒュン・・ヒュン・・

 

それは回転しながら空中に滞空する、龍也さんは続けてそれを2回行い、計6本のソルエッジを4体のガイウスの動きを封じるように滞空させる・・それと同時に龍也さんの姿が掻き消える、そして

 

「ギャアアッ!!!」

 

ガイウスの悲鳴が響く、良く見ると龍也さんはガイウス達の死角死角へと瞬間転移を行い、滞空しているソルエッジを掴み斬り付け、即座に転移すると言う極めて難易度の高いヒットアンドアウェイによる攻撃を行っていた、だがあまり威力は無いのかガイウス達には消滅する気配が無く、ソルエッジの拘束を無視して龍也さんに襲いかかろうとするが・・

 

スッ・・ピタ・・フォン・・

 

龍也さんは静かにガイウスの身体に手を触れる、それと同時にテンプレートが展開される・・それはISの発動のサイン

 

「レイブレイク」

 

ズガンッ!!

 

手を当てられたガイウスは内部から爆発し消滅する、それを見たオットーは

 

「僕のレイストームだ・・」

 

ぼしりと呟く、本人が言っているのだから間違いないだろう・・だが判らない点がある、戦闘機人の固有スキルである「IS」を何故龍也さんが扱えるのか・・私がそんな事を考えていると

 

「ストームセイバーッ!!」

 

両手にレイストームで生成されたエネルギーブレードを発生させ、舞うようにグリュプスを切り裂き消滅させていく龍也さんの姿を見て

 

(大丈夫・・龍也さんはちゃんと帰ってくる・・私の・・ううん・・私達の・・皆の所へ!)

 

私はそう確信し龍也さんの戦いを見守る事にした・・

 

 

 

 

何故、八神がISを?・・

 

私は戦闘を見ながら如何して考えていた・・注意深く観察していると

 

パア・・

 

一瞬だけ八神の背のディードと同じ魔力光の翼が光り、それと同時に剣がベルゼルガ・・細部や刃の大きさは違うが間違いなくベルゼルガに変化する、そして

 

「流刃閃(るじんせん)ッ!!」

 

ベルゼルガに鞭の様な、しなやかな刀身を発生させ、ガイウスを絡め取りそのまま切り裂く・・私はそれを見て確信し

 

(八神の背の翼は皆、私達の魔力光と同じ・・そしてそれが光る事でベルゼルガやバニシングバード、それにISが発動している・・八神の

あの姿はもしや・・私達の能力を自分にプラスする事・・)

 

見れば見るほど確信が強まる、八神の背の紅色の翼が光る、あの魔力光はヴィータ・・

 

「ペネトレイトクラッシャーッ!!」

 

大剣を水平に構えて剣先に魔力を集中させ、相手に突っこむ・・だがそのスピードは凄まじく早く一瞬黄金色の閃光が駆け抜けたように見えただけだった・・次の瞬間には

 

「「「ッギャアアアアアッ!!!」」」

 

グリュプスとガイウスを串刺しにし、そしてそのまま魔力を炸裂させ消滅させる、その技には見覚えがあった・・

 

(ツェアシュテールングスフォルム・・グラーフアイゼンの形態の1つ・・間違いない八神が使っているのは私達の技や能力を強化した物だ・・)

 

私がそんな事を考えていると

 

「流刃瞬双閃(るじんしゅんそうせん)ッ!!!」

 

再びディードの魔力光と同じ光りを放つ翼が光り、八神の手にベルゼルガが現れる、八神はそれを持ったまま、グリュプスに突っ込み

 

「はああああッ!!!」

 

凄まじい速度の連続攻撃を叩き込む、そしてグリュプスの全身を魔力光で出来た刃で拘束したと思うと

 

「止めだ・・」

 

・・そしてそのままベルゼルガを振り抜いた、拘束されたグリュプスは

 

「・・・・・ッ!!!」

 

断末魔の悲鳴を挙げる間もなくスライスされ消滅した・・私はそれを見て

 

(八神にしては随分攻撃的な技だな・・)

 

八神にしては攻撃に特化した技だと思った・・恐らく今の技は身体が柔らかければ今の様にスライスに、もし身体が固ければ全身を砕く技だろう・・どうみても対人間の様の技ではなく、ネクロや魔法生物にしか使えない技だ・・もし人間に使えばその人間は間違いなく絶命するだろう・・優しさを捨て非情になっているとも見える・・だがそれはそうまでしなければ勝てないという事の裏返しであると・・私は感じていた・・

 

 

 

「ゴアアアアアッ!!」

 

最後のグリュプスをグランドホープで切り裂き消滅させていると

 

「はあああッ!!!」

 

その影からバロンが飛び出して来て拳を振るってくる

 

「むっ・・」

 

グランドホープを一度消す・・やっと感覚が掴めて来たのだがグランドホープもそのほかの武器も自分の意思で出し入れが出来るようだ・・私はバロンの拳を再度ステップで回避しそのまま回し蹴りを繰り出すが

 

「甘いッ!!」

 

ガキンッ!!

 

バロンは腕で私の蹴りを防ぎ、そのまま殴り掛かってくる

 

「くっ!」

 

そのあまりにスムーズな動きに反応しきれず、肩に軽く打撃を受けてしまう・・私はそのまま少し距離を取るとバロンは

 

「グリュプス如きでは貴様は止めれんようだな・・ならば私が相手をするまで・・この拳で貴様を打ち倒し、その首を我が神の御前に捧げてくれようッ!!」

 

拳を構えながら言うバロン・・どうやら先程まで使っていた炎の鞭は使う気が無いらしい・・私はそう判断し同じ様に拳を構え、極光を発動させると・・背中の魔力で出来た翼の内2枚、スバル、ノーヴェの物が光り、私が発生させた極光を更に強化する

 

「行くぞッ!!!」

 

突っ込んでくるバロンの拳を皮一枚で回避し

 

「ふんっ!!」

 

ボディブローを叩き込もうとするが

 

「甘いッ!!」

 

ガンッ!!

 

膝で迎撃されそのまま蹴りつけて来る、身体を捻り直撃を回避すると同時に

 

「デスルアーッ!!」

 

「エクスプロージョンアイッ!!!」

 

「!!」

 

魔力で来た棘つきの鞭と炎を伴った光線、そして剣が振り下ろされる

 

「くっ!!!」

 

クイックムーブで回避すると

 

「ほっほっほっ・・貴様の相手はバロンだけではないのじゃぞ?ワシらを忘れてもらっては困るのぅ・・なぁ?カオス」

 

楽しげに髭をさするダンテと無言のカオス・・そしてガイウスの群れにバロン・・敵はまだ大勢残っている

 

(やれやれ・・ゆっくりしてる暇は無いか・・一撃必倒・・確実に仕留める)

 

敵はバロン達だけではない、まだヴェルガディオスも残っている・・ここは時間を掛けてるわけには行かない・・速攻で決める・・

 

「はああああッ!!」

 

極光を収束させ・・1番近くに居るバロン目掛け

 

「貫けッ!!覇龍よっ!!!」

 

極光を龍の形に変化させ打ち出す

 

ゴアアアアアッ!!!

 

咆哮を挙げながら突っ込んでいく、覇龍に

 

「何ッ!?」

 

驚き一瞬動きの鈍るバロン・・その隙を突いて体制を低くし突っ込む、本来なら極光を打ち出せば身体に纏っている分が減る分、防御が減少するが、これにその弱点は無い、打ち出した極光を盾にしながら接近出来る為、極光を使う技の中では最も使いやすい

 

「ゲヘナ・フレイムッ!!!」

 

回避は不可能だと判断したのか防御の為に炎を打ち出すが

 

ガアアアアッ!!!」

 

覇龍はその炎さえも飲み込みバロンに迫る

 

「なっ!?・・う・・うおおおおおッ!?!?」

 

覇龍に飲み込まれ吹っ飛ぶバロンに急接近し

 

「羅刹極龍吼(らせつきょくりゅうこう)ッ!!!」

 

極光を拳に収束させ、そのまま振りぬいた・・

 

「ッ!!!グオオオオオオッ!!!!!」

 

高密度の極光に加え、最高スピードのままの拳打・・その威力は凄まじく凄まじい勢いで吹っ飛んで行くバロンの後を追いかけて、覇龍が突っ込んで行きバロンを飲み込み消滅させる・・だがアッパーというのは打ち終わりに完全にオープンガードになる、その隙を突いて

 

「グルオオオオッ!!!」

 

ガイウスの群れが突っ込んでくる、私は即座に再び全身に極光を纏い直し

 

「極覇神王拳(きょくはしんおうけん)ッ!!!」

 

0から一気に最大まで極光の力を収束し、向かって来たガイウスの群れに神速の拳の嵐を叩き込む

 

「「「!グオオオオッ!!!」」」

 

完全に隙をついたと思っていたガイウス達は近付いてくる傍から、殴り飛ばされ大ダメージを受ける、本来なら正拳突きまで叩き込み、完全に消滅させるのだが、残念ながらそこまで時間が無い・・そのせいか、消滅する気配の無いガイウス達目掛け

 

「はああッ!!!」

 

10本のルナエッジを投げつける

 

「「「キキッ!!」」

 

ダメージはある物のこれくらい避けるのは訳ないと言いたいのか笑い声を上げ回避する、ガイウス・・だがこれで終わりではない

 

スッ・・

 

指を動かすとソルエッジが方向を変えガイウス達に襲い掛かる、実はルナエッジには高密度に圧縮された魔力で来た魔力糸を結んである・高密度の上にソルエッジに意識が集中してるから魔力糸には気付かない、方向を変えたソルエッジと魔力糸に絡め取られ動きを拘束されたガイウス達を見ながら

 

「これで終幕だ・・ピアーシングエンド」

 

パチンッ!!

 

指を鳴らすと同時にガイウス達を絡め取っていた魔力糸とソルエッジが閃光を放ち爆発する、

 

「「「「ッギャアアアアッ!!!!」」」」

 

悲鳴を挙げながら消滅していくガイウス達、これで残るのは

 

「な・・なんと・・あっと言う間に・・ワシとカオスだけじゃと?」

 

驚きに顔を歪めているダンテと油断なく剣を構えているカオスだけだ・・私はカオスは後回しにし、油断しているダンテに向かって行った

 

「はっ!」

 

蹴りを胴目掛け放つと

 

「ほっ!?・・いかん・・いかん!」

 

放心状態から回復したのか即座に杖を動かして防御に出るが・・

 

バキンッ!!!

 

私の一撃に耐える事が出来なかったのか、簡単に砕け散る杖、その残骸を見てダンテは

 

「わ・・ワシのグリーディーワンドが・・お・・己えええッ!!!」

 

ショックを受けた素振りを見せたがそれは一瞬の事で、直ぐに怒りの表情を浮かべ

 

「地獄の火炎ッ!!」

 

両手で何かの印を結ぶするとそれと同時に黒い魔法陣が展開され、そこから炎が飛び出してくる

 

「なっ!?」

 

攻撃の為にダンテに向かっていた私は自分から炎に突っ込んでしまった・・炎で視界を潰された私の耳に勝ち誇ったダンテの声が響き

 

「これで決まりじゃあ!!パンデモニウムロストッ!!!」

 

自分の下に凄まじい魔力反応を感じ、そして次の瞬間大爆発を起こした・・

 

「ほっほっ・・人形にしては良くやったが・・所詮この程度の器・・ワシに勝てんのう」

 

勝ち誇った笑い声を上げるダンテに

 

「勝ち名乗りを上げるのはまだ早いんじゃないのか?」

 

炎を掻き消しながら言うと

 

「ば・・馬鹿な・・ワシのパンデモニウムロストが・・」

 

よほど威力のある魔法だったのだろう・・信じられないと言う表情のダンテを見ながら

 

(正直危なかった・・以前までの騎士甲冑ならやられていた・・)

 

以前までの騎士甲冑ならやられていただろう・・だが今の騎士甲冑なら耐える事が出来る、私がそんな事を考えていると

 

「まぐれじゃ、今度こそ決めてやる!!パンデモニウムロストッ!!!!!」

 

再び漆黒の炎を打ち出そうとするダンテに合わせて、その懐に飛び込む

 

「なあッ!?・・こ・・このおッ!!!」

 

驚いたダンテが折れた杖で殴りかかってくるが

 

ヒュン・・

 

私の姿はそこには無い・・

 

「ど・・どこじゃあ!?どこに行きおった!!」

 

驚き辺りを見回しているダンテの頭上から

 

「私はここだ!!神王幻影蹴(しんおうげんえいしゅう)ッ!!!」

 

ダンテの頭上から凄まじい勢いで降下しながら、その頭部に踵落としを放つと

 

「これくらい防いで見せるわい!!

 

防御に入るダンテ、凄まじく高密度のプロテクションで自分を覆うが・・

 

ドゴン・・ピシ・・ピシピシ・・ドガシャアーンッ!!!!

 

私の一撃を防ぐ事は出来ず簡単に崩壊する、そして私の踵落しがダンテの頭を捕らえる

 

「ぐ・・グオオオオッ!!」

 

ゴキゴキ・・メキョ・・

 

鈍い音を立てて私の踵がダンテの頭部にめり込み、足を振り切ると同時にダンテが消滅する

 

「次はお前か?」

 

ダンテが完全消滅したのを確認してから振り返りながら尋ねると

 

「・・」

 

無言で剣を構えるカオスに

 

「そうか・・お前は・・」

 

唐突に理解した、こいつがどういう存在なのかを・・私はグランドホープを呼び出し

 

「邪悪な鎖に繋がれし、その魂・・この私が解放する!」

 

私がそう言うと同時にカオスが襲いかかってくる、私も剣を構えカオスへと向かって行った・・

 

第138話に続く

 

 

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