第18話
サーチャーとセンサーの設置を完了した頃に各隊長達が念話で報告を行い、ライトニングはなのは達スターズと合流す少し休んでから、現地の民間協力者から借り受けているコテージへ戻ることになっている為スターズ達と合流する為「翠屋」という店に移動する。
「翠屋・・か。何か行きづらいな」
龍也はなのはの兄の恭也が苦手なのだ
「ふふ、大丈夫ですよ。恭也さんは居ないそうですから」
その言葉に胸を撫で下ろす
「あの・・フェイトさん。恭也さんって誰ですか?」
エリオが誰のことを話しているのか判らず、尋ねると
「恭也はなのはの兄で、何を勘違いしてるのか私をなのはの彼氏と間違えて、殺されかけたことがある」
「そんな・・まさか」
信じられないとキャロが言うが
「なのはの父親は古武術をやっていてな、その流れで恭也もその武術をやってるんだが・・騎士甲冑を何事も無い様に切り裂いてくる」
その時は本気で死を覚悟したがなのはによって助けられた、このときなのはは天使に見えたが、にっこりと黒い笑みを浮かべ、スターライトブレイカーを放った時私は悪魔と思ってしまった。
「・・・・・・その人は、本当に魔導師じゃないのですか?お父さん」
「お父さん!?」
うっかりエリオがお父さんと呼んでしまい、フェイトが動揺する
「え・・何で、龍也がお父さんって。呼ばれてるんですか?」
かなり動揺した様子でフェイトが言うが
「なに、肩車をしてやってたらな。突然お父さんなんて呼ばれてな?私は何と呼んでもいいよと言ったらお父さんって呼ばれる事になったのだよ」
フェイトはブツブツと「じゃあ私はお母さん?龍也の妻?良いかも・・」と呟きトリップしてしまった
「おい、正気に戻れ」
軽く頭にチョップを入れる
「はうっ!」
痛みで頭を抑えるフェイトにヘルメットを渡す
「それでは翠屋に行くとするかね」
和やかな雰囲気で翠屋に向かい、ベヒーモスを走らせた
「いや、変わってないな」
翠屋を見上げ呟く、8年前と何も変わってない、自然と笑みが零れる
「あっ!ティア、龍也さん達が来たよ」
「言われなくても見れば、判るわよ」
店の外に居た、スバルとティアナが歩いてくる
「「お疲れ様でした」」
二人同時に言うのでその様子に笑っていると
「いや。私は大丈夫だよ、だが二人はな・・・」
後ろを見ると、疲れた様子のエリオとキャロがフェイトに連れられ歩いてくる。途中でフェイトがもう少し速く出来ませんかと言ったので、少し加速したのが原因らしい
「あ~、景色が飛んでいく~」
「なんか・・気持ち悪いです」
「二人共。大丈夫?」
フェイトが申し訳なさそうに言う、まぁ自分が原因なのでそれも当然だが
「「・・・・龍也さん、どれくらい加速したんです?」」
若干顔を青褪めせさ、スバルとティアナが尋ねる
「何。たかだか。80キロ程だ」
バイクのサイドカーで80キロはかなり怖いだろう、ちなみにベヒーモスの最高速度は300キロだ
「大丈夫か?」
頼りない足取りで歩いてくる、エリオとキャロに声を掛けると
「だ・・大丈夫ですが・・それより店の中に入ってもいいですか?」
「ああ、店の中で少し休ませて貰おう」
フラフラのエリオとキャロを連れ、翠屋に入る
カランコロン
入り口のベルが鳴る
「いらっしゃい・・おやもしかして龍也君かい。なのはが懐かしい人が来ると言っていたが、まさか君とは・・」
入ると同時に士郎が話しかけてくる、エリオとキャロはフェイトと共に私の席の隣に座っており。並び順は私。フェイト、エリオ。キャロ、スバルとティアナとなっている。
「お久しぶりですね、士郎さんも元気そうで何よりですよ」
懐かしく、自然と笑みになる
「本当だよ、君が行方不明になって、もしかしたら死んでしまったと聞いた時は焦ったよ」
コーヒーを置きながら士郎が笑う
「はは、まぁ五体満足とは言いませんが取り合えず、生きてますよ・・所でなのはは如何したんです?此処で合流する予定何ですが?」
「ああ、何やら、桃子に連れられて何か作ってるよ。所で君もどうだい?特製シュークリームは?」
シュークリームをスバル達の前に置き、尋ねてくるが
「人が悪いですね、私は甘いものが苦手なんですよ?」
「知ってるさ、ただ大事な娘に心配を掛けさせた君に、少し意地悪がしたくなっただけだよ」
笑い始めた士郎に連れられ笑い、店の中が穏やかな空気に包まれるが
「お父さんは・・食べないですか?」
復活し、シュークリームを食べていたキャロが爆弾を投下する
「「!?!?!?」」
スバルとティアナがシュークリームを喉に詰まらせ、咳き込む
「ゴホゴホ、なんで龍也さんが。キャロにお父さんって。呼ばれてるんですか」
咳き込みながらスバルが詰め寄るが
「うん?何エリオとキャロが呼んで良いかと言うので、良いと言ったまでだが」
ほ~。と胸を撫で下ろす、スバルとティアナ
「良かった~」
「何が良いんだ?」
二人が何故そんなに喜んでいるか判らず、首を傾げていると
「君は相変わらずだな」
肩に手を置かれ、溜め息を吐かれる、何か自分が悪いんではないが責められている気がし、肩身が狭い思いをしていると
「久しぶりねぇ~龍也君元気そうで何よりだわ」
にこやかに笑いながら、桃子となのがが厨房から出てくる。なのはの手には何かが入ったカップがある
「ええ、お久しぶりですね、桃子さん貴方は相変わらずお綺麗ですね」
「あらあら、こんなおばさん捕まえて・・そういうのはなのはに言って欲しいわ」
と和やかな雰囲気になるが
「フェイトちゃん、裏で聞いてたけど勝ったと思わないで」
「ふふ、これはもう私の勝ちだよ、このままはやてにも兄離れさせるんだから」
「「ウフフフフフ」」
黒い空気が発生しており、最年少コンビは青くなり、スバルとティアナは平然としている。どうやらこの二人は耐性を身に着けたらしい
「アレ、如何にか出来ない?」
黒い二人を見て、唖然としながら桃子が言うが
「残念ですが無理です。何故ああなっているのか判らないので、止め様がありません」
言い切るがその様子に溜め息を吐く、桃子、スバル、ティアナ。何だ?私が悪いのか
「貴方達も苦労するわ、彼は凄く鈍感だから・・はぁ~なのはの恋は実るのかしら?」
溜め息を吐きながらなのは後ろの立ち
「えい!」
可愛らしい掛け声と共にチョップを繰り出すが
ゴス!!
命中した音は凄まじく重いものだった
「う~お母さん何するの?」
涙目でなのはが文句を言うが
「貴方ね、料理を教えてって言うから、教えたのに友達と喧嘩してて如何するの?」
「!?」
「判ったなら、早くしなさい。折角冷やしたのに温くなったら意味無いわよ」
フェイトとの睨みあいを止め、私の隣に座り
「あの・・これ・・作ってみたの、龍也さん食べてくれますか?」
置かれたのは赤いゼリーだった、上に置かれたミントと生クリームが良いアクセントになっているが
「いや・・な折角作ってくれたのは嬉しいが。私は甘い物は苦手なのだが・・」
「大丈夫です・・これならきっと龍也さんでも食べれますから」
握り拳を作り、赤くなりながら力説する。なのはの姿は普段の鬼教官の姿と余りにかけ離れ、六課の局員が見たら恐らく別人と勘違いするほど雰囲気が違う
「むぅ・・判った、では頂こう」
苦い顔をしながら目の前のゼリーを1掬い取り、口に運ぶ、口に広がったのは甘さではなく、苦味それも自分の好きな紅茶の苦味だ
「これは・・ダージリンか・・」
口に広がる苦味と風味は間違いなく、自分の好きなダージリンの物だ。驚きなのはの顔を見ると
「へへ、龍也さんが甘いものが苦手なのは知ってたから。甘くない紅茶のゼリーを作ってみたんだ。どうかな?」
「これは美味い、私の好みにピッタリだ、甘さも苦味も丁度良い」
夢中で口に運ぶ。私をみて信じられないと言う顔をしている、フェイト達
「何かね。私がゼリーを食べるのがおかしいか?」
「いえ、違います。ただ龍也さんは甘いものが嫌いと聞いていたので」
「まぁ、甘いのは嫌いだが、ゼリーとかは好きなんだ、昔母さんが作ってくれたからな・・」
昔を思い出しながら呟く、昔は良く母さんがゼリーを作ってくれた、それはとても美味しくてとても好きだった。でも母さんが死んでからは甘いものを食べると、その時を思い出すから極力甘いものは食べないようにしていた。
「あの・・すいません。余り話したい事じゃないですよね・・」
スバルが俯きながら言う、
「何気にするな・・もう割り切っていることだ。それに私は決めたんだ前を見るとな」
「あの・・本当すいません」
良いと言っているのにしつこいな・・
「良いと言ってるだろ。気にするなスバル。すいません桃子さん。スバル達にシュークリームお願い出来ますか?」
空気を変えるために、皆にシュークリームを頼む
「あの・・悪いですよ」
「ここには任務に来ているが今は休憩中だ。ならこんな重い空気は相応しくない。なら美味しいものでも食べて笑うとしよう」
さっきまでの空気は消え、和やかな空気が包んだ頃
「そう言えば、どうやってコテージまで帰るんだ?ベヒーモスには4人までしか乗れんぞ?」
「大丈夫ですよ、此処に来たのは休憩と此処に置いてある。私の車を取りに来たんです」
話を聞くと、此処にはハラオウン家で使っている。ライトバンがあるらしい
「そうか・・それではコテージに戻るとするか。休憩も充分だろう。・・・」
シュークリームの代金を払っていると
「そうだ・・士郎さん。ここは持ち帰りが出来ましたね」
「うん、出来るよ。何か妹さんに持って帰るのかい?」
「はい、シュークリームを11個お願いします」
了解と頷き、箱にシュークリームを詰めていき、それを受け取り。フェイトの車に乗るが
「龍也は助手席だよ」
とフェイトが言い出し、一悶着有るかと思ったが
「フェイトちゃん、ちょーといいかな」
なのはに連れられ翠屋の陰に行き、二言ほど話すと
「うん、良いよ」
「じゃあ、これね・・」
何かの写真らしきものを渡していた
「なのは?今何を渡したんだ?」
その写真が気になり尋ねると
「気にしない、気にしない。」
と笑い誤魔化す、後に知るがそれは私の写真らしいが・・しかも隠し撮りの物だ。この事実を知った後、自分の部屋を探したがそのカメラを発見することは出来なかった事を記していく
「じゃあ、行こうか?」
そのポケットに入れた、手に何を持っていると問い正しくなった
「・・・・・・何だろうな何か嫌な予感がするよ」
「アハハ・・」
乾いた笑い声を挙げる、エリオに連れられ車に乗り込んだ
「お~、お帰り皆。お疲れ様」
戻るとコテージから折り畳みの机などを出し昼食の準備をしているはやて達が居た。だがそれを見て動揺する
「八神部隊長!?」
「部隊長自ら鉄板焼きを!?」
「そんなの、私たちがやります!」
フォワード陣はおもいっきり焦った、食事の用意を部隊長自ら行っているのだ。本来そのような雑事は部下の仕事である。
「ん?あぁ、でもな、待ち時間あったし、お料理は元々趣味なんよ?」
確かに、すごく慣れた手つきで料理をしている。はやての料理姿を見て、
「ふむ、では私も久しぶりにはやてと料理をするとするかね」
「いいんやで?兄ちゃん疲れとるやろ。」
置いてあった包丁を手に取り野菜を切りながら
「この程度で疲れるほど柔じゃないさ」
ストトトと軽やかな音を立てて刻まれて行く野菜たち
「さて、お前たちは休んでいるといい。直ぐに出来るからな」
「でも・・」
すまなそうな顔をする、フォワード陣だが
「気にするな・・・いろいろと疲れているだろう。お前たちは休め。休むのもまた仕事の一つだ」
「それは兄ちゃんにも言えるで?」
ジト目で此方を見るはやてから、目を逸らしながら
「まぁ・・此処は私とはやてに任せて、休んでいるといいさ」
何度も言われ、遂にはあきらめたのか席に着いた、なのは達を見ながら私は調理を再開した
第19話に続く
どうもとりあえず昼の更新はここまでで、もしかすると夜も更新するかもしれませんが・・とりあえず予定は未定です。早くスランプを脱して新しいシリーズを始めれるように頑張るのでよろしくお願いします