第20話
スターズ、ライトニングの面々はそれぞれのバリアジャケットに身を包み、戦闘態勢をとる。シャマルはロストロギア反応のあった河川敷付近に結界を張った。フォワード四人はロストロギアのいる河川敷へ向かっている。
「お父さん?バリアジャケットは?」
私服のままの龍也に疑問を感じエリオが尋ねるが
「私が出てもいいのか?たぶん一瞬で終わるが」
「・・・それもそうですね」
龍也の言葉に納得するエリオ、龍也の全てに対応できる戦闘スタイルは一種の完成系である。エリオたちから見れば完璧らしいが龍也は収束、砲撃が苦手と言う欠点が有る(本人が言うだけで実際はSS+である)
「ですが、そのままでは危険ですよ」
騎士甲冑を展開したシグナムに言われ
「大丈夫だ、身体強化は掛けておく、それだけで十分だろう」
龍也を蒼い魔力が包む、これだけでも相当なポテンシャルがある、以前この状態でシグナムと模擬戦をしたが結果はシグナムの惨敗、これによりシグナムのプライドが粉々にされたのは割と最近の事だ
「龍也さんは如何するんです?」
クロスミラージュにストライクバレットをセットしながら、ティアナが尋ねる
「とりあえず見ているだけだ」
龍也が出れば恐らく一瞬で終わる、グラムにベレン二種類のロストギア級のデバイスを所持する龍也の戦力は恐らく今管理局で最強としか言いようが無いだろう。
「それもそうやな、兄ちゃん入れてそれぞれ四方に散開、ロストロギアのダミーを駆逐してや!」
「了解!」
はやての号令になのは達はそれぞれ散らばった。
シャマルの展開した結界内には、ロストロギアのダミーがあふれている。このロストロギアは見た目がスライムのようにプルプルしており、自律移動が可能。さらに、自己防衛機能があり、危険を察知するとダミーを作り、本体を特定させないという厄介な代物。
しかも、クライアントからの要望で大変貴重な物なので無傷で回収せよとのこと。自分達の失態対して、無茶な要求をするとはなんとも勝手なものだ。
隊長達はそれぞれ散らばったダミーを駆逐するために四方へ飛び、フォワードの四人は河川敷でロストロギアの本体特定に奮闘している。龍也はそれぞれの位置、状況を確認する。隊長達は速やかな対応で次々とダミーの数を減らしていく。フォワードの四人も苦戦しながらも、なんとかなりそうだが
「何故私によってくる?」
龍也の周りには大量のスライムが居る。どうやら龍也の魔力に反応して一番危険と判断したのだろう
「やれやれ、私は今回動くつもりは無かったんだが・・・」
腰のグラムを抜き放つ
「では仕事をするか・・・」
グラムを構えるそれと同時に凄まじい魔力と風がグラムと龍也を包む込む
「奥義、風刃閃」
龍也の姿が掻き消え次の瞬間、スライムの後ろに現れた
「消えるといい、風と共に・・」
キン!!
グラムを鞘に戻し歩き去る。スライムが後を追おとした時
バシュ!!
全てのスライムは切り裂かれ消えた
『主、お疲れ様です』
グラムが労いの言葉を言うが
「大袈裟だ、あの程度肩慣らしにもならんよ」
龍也が河川敷へ向かうと、もう戦闘は終わっており、キャロがロストロギア本体の封印を行っていた。
「ほう、もう一人で封印できるのか」
龍也は感心したように言い、キャロの封印作業を見ている。他の隊長達も今回のフォワード四人の動きは満足いく内容だったようで、皆ニコニコしていた。
「・・・封印、完了しました」
キャロは無事ロストロギアを一人で封印出来たようだ。それをシャマルが受け取り、キャロの所にフェイトが駆け寄る。
「キャロ、よく頑張ったね」
キャロはフェイトに褒められて頬を赤くしている。とても嬉しそうだ。龍也もキャロへ近付き、キャロの頭を優しく撫でてやる。
「よくやったな。えらいぞ、キャロ」
龍也がそう言うと、キャロは一層顔を赤くし、両手で顔を隠すようにし、
「あ、ありがとう、お父さん」
その様子がおかしくて皆で笑い穏やかな空気の中で機動六課の出張任務はロストロギアはレリックではなかったが無事に終わり、六課の面々はミッドチルダの機動六課隊舎へと帰還するのだった、次の日
演習場に居る一つの影、龍也だ。最近体を動かしてなかったので鈍っているような気がしてこうして体を動かしている
「烈火刃!!」
炎熱の変換素質によって構成されたクナイを投げる、ターゲットに命中と共に爆発する
「感覚は狂ってないな・・、次は・・・」
居合い抜きの構えを取り、意識を集中する
「奥義、光刃閃!!!」
姿が消え並んでいた、ターゲットがほんの時間差も無く、同時に爆発した
「体が鈍っているというのは気のせいだったか・・・」
グラムを待機状態に戻すと
「あれ?龍也さんこんな朝早くから如何したんです?」
「スバルか?お前こそ如何したんだ?」
「私ですか?私は自主練ですよ。まだ上手く使えませんからね。ヘブンズナックル」
リボルバーナックルを翳しながら言うスバルに
「そうか・・良かったら私と訓練するか?」
ベレンをセットアップしスバルを誘う。フロントアタッカーのスバルとエリオに訓練を付けようと思っていたのだ
「良いんですか?」
目を輝かせるスバルに
「まぁ基本的な体裁きだがな・・・」
30分後
「ゼハー、ゼハー」
かなり消耗して今にも倒れそうなスバルと対照的に
「大丈夫か?」
まだ余裕といった感じの龍也、その額には汗一つ無い
「た・・龍也さん・・は化け物ですか?・・あんなに動いて・・どうしてそんな平気な感じなんですか?」
「そうか?私にはこれが普通だが?」
龍也の訓練は非常に厳しい。礼を挙げれば魔力を全開で放出したまま腕立てや腹筋、更には龍也のコートの劣化版のリストバンドを付ける様に言われ付けてみたが
「重過ぎます、これ」
魔力に反応して重くなるのだが、スバルの場合重さが10キロだったが魔力を出した途端重くなり地に臥した、その様子に
「調整を間違えたか?」
リストバンドを取り再調整をすると、重さは丁度良くなったが
「魔力がぐんぐん減るんですけど・・」
このリストバンドには魔力を吸い取る機能もある、業とそうして有るのだ
「それはそうだ。それは魔力の最大保持を上げるための機能だ、我慢しろ」
龍也のコートも常に魔力を吸収している、龍也の場合の量が桁違いだが・・。魔力の最大保持が上がるとの言葉に反応するスバル、理論は単純だ限界まで体を動かせば体力が増える、それを魔力に当てはめたのがこのコートとリストバンドだ
「えっ・・ちなみにどれくらい増えますか?」
「どうだろうな・・1.8倍から2,4倍くらいかと思うが」
それだけ増加すると聞き笑顔になる
「龍也さんも同じ方法で魔力を増やしたんですか?」
B+から今では計測不能と言った魔力を保持する龍也も同じ方法で魔力を増やしたのなら、それくらいまで増やせるのではないこと考え尋ねるが
「いや。私の場合は違う。ベレンで気絶するまで魔力弾を打つという方法で増やした」
「・・・・・・。龍也さんが規格外なのは知ってました、でも其処までとは思いませんでした」
そうか?と呟く龍也、何処の世界に、気絶するまで魔力弾を撃つという方向で魔力を増やした魔導師が居るだろう
「まぁ、魔力が増えるのはお墨付きだ、問題ない・・ああそれとこれなティアナに渡しといてくれ」
手渡されたのは自分のとは違い緋色のリストバンド、まさかと思い尋ねる
「これ・・このリストバンドと同じものですか?」
「勿論そうだが?エリオの分もある。キャロにはまだきついだろうから無いがいずれは渡すつもりだ」
コートから黄色のリストバンドを取り出す、ちなみにスバルのは水色だ。これを見ると判る皆の魔力光に合わしているのだろう、だが此処で一つの疑問が浮かび上がる
「龍也さん一つ良いですか?どうして急にそんな物を渡すんですか?」
龍也の目が細くなる、その目は鋭く何時もの龍也とは余りにもかけ離れている
「迫り来る脅威に向けての準備だ・・」
ネクロは最近現れないしガジェットもそうだ、では龍也の言う迫り来る脅威とは何だ?
「それは・・「ああ~お兄様やっと見付けたです~、はやてちゃんが呼んでますよ、何か任務の話が有るって」
迫り来る脅威が何なのか尋ねようとした時、リィンによって言葉は遮られた
「この話は終わりだ、だが覚えておけ何が起きるか判らないからな」
それだけ言い残しリィンの元に歩いて行く龍也の後姿に何か嫌な予感がした
「迫り来る脅威・・・」
龍也のその言葉を胸に刻み、自分とティアナの部屋に戻る際も嫌な予感は消えなかった、これは自分の母が死んだときの感覚に似ていた
そしてその予想は当たることになる。
第21話に続く