夜天の守護者   作:混沌の魔法使い

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第22話

第22話

 

「ウオオオオ!!!」

 

飛び掛るネクロを次々と切り裂いていく龍也、だが辺りは龍也から流れ出た血で赤く染まっている

 

「いい加減に消えろぉ!!、ヘルテンペスト!!」

 

剣から赤い竜巻を放つ、それがネクロを次々飲み込み消滅させる

 

「グッ!!」

 

攻撃を回避した、ネクロが傷口を狙い突撃してくるがギリギリで回避して切り捨てるが徐々に動きが鈍くなってきている

 

「このままじゃ龍也さんが!!ティアまだ連絡は取れないの!!!」

 

結界の中でスバルが怒鳴るが

 

「判ってるわよ!!それくらいでもまだ通じないの!!」

 

怒鳴り返すティア、エリオとキャロは大粒の涙を流し名がながら龍也の名を呼んでいる。無理も無い自身らが父と呼び、慕う人物が血を流しながら戦う姿は10歳の二人にはきつすぎる、かという自分達も泣きそうに成っている

 

「はぁっ・・はぁ」

 

肩で息を整える、もう既に手の感覚は無いだが、まだ剣は握れる

 

(王よ、これ以上は危険です!!)

 

(駄目だ!もう少しなんだ、もう少しで終わる!!)

 

剣にもう残り少ない魔力を込める

 

(・・まさか!!危険です今の王ではその衝撃に耐えることは)

 

何をやろうしているか気付いた。セレスが止めようとするが

 

「・・・奥義、蒼龍・・月牙斬!!!」

 

剣から巨大な蒼い三日月状の衝撃波が放たれネクロを消滅させる、私は剣を振り切ると同時にその意識を失った

 

 

「!?」

 

嫌な予感がする、この感じは兄ちゃんが行方不明になったときの物に似ている

 

「ヴィータ!!スバル達とはまだ連絡とれへんのか!!」

 

突然大声を出した私に驚きながらも

 

「駄目なんだ、ジャミングか何かで兄貴にも通じねぇ」

 

胸の中に不安が広がり続ける

 

「はやてちゃん?如何したの」

 

心配そうになのはが尋ねてくる

 

「何か、嫌な予感がするんや。この感じはあの時の兄ちゃんが行方不明の時の感じに似てる」

 

なのはに話をしているその時

 

「ザザ・・・ヴィー・・ザザ・・隊長・・聞こえますか」

 

ノイズが走りながらもティアナの声が聞こえる

 

「ティアナ。私や皆無事か?」

 

ヴィータから通信機を奪い、話しかける

 

「部隊長・・早く・・早く・・シャマル先生を・・此処へ・・龍也さんが重症です・・手当てをしたくても龍也さんに近づけません」

 

嫌な予感は的中していた、唇を噛み締めながら

 

「直ぐ行く・・ポイントは何処や」

 

「■■■です。急いでください。このままだと龍也さんが危険です」

 

通信が切れた、どうやらまだジャミングが残っているようだ

 

「シャマル・・聞いとったな。急いで行くで!なのはちゃん達は警戒しとって。」

 

指示を出し騎士甲冑を展開し、シャマルと共にポイントへ向かった

 

急いでポイントへ向かうそして到着した瞬間息を呑む、辺りは血で染まり真っ赤になり。その中心で血を流しながら最愛の兄が剣を振りにいた姿勢のまま立っていた

 

「部隊長早く!!」

 

後ろからスバルの声が聞こえる。スバル達は蒼い結界に閉じ込められおり、出ることが出来ないようだっただが、今は構ってる暇は無い

 

「兄ちゃん!!」

 

駆け寄る、足が血で汚れるが関係ない

 

「・・はやてか?・・すまん・・後は・・・頼む」

 

何度か声を掛け僅かに意識を取り戻した兄ちゃんはそれだけ呟き、倒れそれと同時に結界が砕ける

 

「龍也さん!!」

 

スバル達が駆け寄ってくる

 

「シャマル・・治癒を早く・・このままや。危ない」

 

「はい」

 

シャマルが治癒を開始する、だが傷が深くかなり苦戦している

 

「お父さんは大丈夫ですか?」

 

キャロが涙を流しながら尋ねてくる

 

「判らへん。でも兄ちゃんが死ぬわけ無い」

 

苦しげにそう言うのがやっとだった、スバルとティアナが膝を着く

 

「私の所為だ、私が油断してから、龍也さんが私を庇って・・・私なんか居なければ」

 

静かに涙を流すティアナに腹が立ち

 

パン!!

 

頬に平手を入れる

 

「何馬鹿な事言う取るんや!!兄ちゃんが何でこないな事したか判らんのか!!」

 

「!」

 

「守る為やろ。大切な仲間を守る為やろ!!そんな下らん事言うとる暇合ったら、エリオとキャロを見習わんかい!!!」

 

エリオとキャロ必死に龍也の名を呼んでいる

 

「エリオ・・キャロ・・」

 

「判るやろ?今やる事が何か?何があったか教えてくれるか?」

 

「はい」

 

スバルとティアナが説明を始める、LV3が出たこと、それの急襲から皆を守る為に龍也が盾になったこと。そして結界に閉じ込められた事

 

「なるほど。判った・・それでシャマル・・兄ちゃんの怪我は」

 

龍也の怪我から一度手を退かし、汗を拭いながら

 

 

「有る程度は大丈夫です。ですがこのままじゃ危険です。早く隊舎に運ばないと」

 

「判った、スバル!!ティアナ!!私らは兄ちゃんを運ぶ、二人はスバルとティアナは私らより、早く戻ってヘリの準備さして来て。ええか二人の速さを信頼しとるからな」

 

「「了解!!」」」

 

スバルとティアナに指示を出し、シャマルと兄ちゃんを肩に担ぐ

 

「エリオ。キャロ最短ルートで戻るで」

 

エリオとキャロを連れ、飛び上がる、二人は既に駆け出していた。私達は兄ちゃんを揺すらない様に運び始めた

 

「龍也さん!!」

 

戻るとなのはが心配そうに寄って来る

 

「酷い・・・」

 

その怪我を見て絶句するフェイト

 

「はやて。兄貴は兄貴は・・大丈夫なのか?」

 

真っ青の顔で尋ねてくるヴィータ。恐らく8年前の事件を思い出したのだろう

 

「大丈夫や、大分安定しとる。でも急がないと危ない」

 

ヘリの中で兄ちゃんを横にする、汗が酷く呼吸も荒いが、先程までと比べればまだいい

 

「お父さん・・死んだりしませんよね」

 

涙目でキャロが言うが

 

「大丈夫や・兄ちゃんが死ぬ訳ない。だから安心せい」

 

スバルとティアナは無言で兄ちゃんを見ている

 

「二人は兄ちゃんが起きたら、お礼を言うこと良えな?」

 

「「・・・はい」」

 

暗く返事を返した二人から視線を外し

 

「ヴァイス君、急いでな」

 

「判ってます、旦那を死なせる訳には行きませんからね」

 

六課の面々は急いで隊舎へ戻った、龍也は一命を取り留めたが大分危険だったらしい、今は絶対安静である為龍也の居る部屋には入れない。皆はもう部屋に戻り休んでいるがなのはは違った

 

 

「龍也さんが・・」

 

かなり落ち込んだ様子で龍也の眠る部屋の前の椅子に腰掛けている

 

「あの時みたいにならないように力を付けたのに・・」

 

なのが言うあの時とは龍也が魔王に襲われたときの事だ。

 

「あの時・・私は何も出来なかった」

 

あの時私は魔王のバインドで龍也に近寄る事さえ出来なかった。それの所為で龍也は行方不明になり、目と腕を失った

 

「私の・・私の所為何だ・・」

 

龍也が気にするなと言っていたが、やはり無理だ。私がもっとあの時強ければと。同じ考えが頭の中を過ぎる

 

『マスター・・そろそろお休みになられたほうが』

 

レイジングハートが心配そうに言ってくる

 

「そうだね・・でも最後にもう一回だけ」

 

そういうと龍也の眠る部屋を覗き込む。その痛々しい姿に思わず

 

「龍也さん・・」

 

龍也の眠る部屋の中を心配そうに覗き込んだ時、部屋の中から視線を外したその時、風の様なものが吹き尻餅をついた

 

「痛たた・・今の何?」

 

辺りを見回すが窓などは空いてないので風が吹くことは無い。考えてもわからないので

 

「龍也さん・・おやすみなさい」

 

そう呟き部屋に戻っていくが、この時に気付くべきだった。レイジングハートのコアの一部が漆黒に染まっていることに

 

(クク、この者の心利用させてもらう)

 

その声は確かに龍也が消滅させた、ネクロの物だった

 

 

 

デバイス設定

 

グラム

 

剣型と槍型二つの形態を持つデバイスである。肩や足を覆うように騎士甲冑が展開され、体は蒼い服に包まれ両手に盾と剣を持つ

射撃や砲撃は殆ど出来ないが事近接戦闘では無類の強さを発揮する、龍也の魔力変換素質と相まって性能以上の強さを発揮することも有る、主に剣技に重点を置き五大剣と呼ばれる技と龍也自身剣技を使用する

 

烈火刃

炎の炎熱素質を使用し手の篭手に仕込まれた投げナイフを投げ命中と同時に爆発させる

 

水流爪牙

篭手のナイフに氷に纏わせ高速で接近し氷と共に相手を切りつけ、蹴り上げる

 

地斬疾空刀

グラムを一度鞘に仕舞い抜刀同時に魔力刃を飛ばす

 

風刃閃

全身とグラムに魔力を纏い超高速の連続抜刀で切りつける

 

光刃閃

居合いの構えをし鞘に雷の変換素質で抜刀速度を上昇させ、目視出来ない速さの高速移動で複数の敵を同時に切りつける

 

バルムンク

高い性能を持つが龍也自身槍は余り得意では無い為余り使用されることは無い

 

デモンズディザスター

連続槍撃と共に魔力を連続で繰り出す、それはマシンガンのように敵を貫き消滅させる

 

ロイヤルセイバー

変換素質を伴う射撃と近接両方の特徴を持つ一撃を放つ

 

 

 

ヘルテンペスト

剣を媒介に高密度に圧縮した魔力の竜巻を放つ

 

蒼龍月牙斬

剣や槍に魔力を収束し、蒼い三日月状の衝撃波を放つ。広範囲かつ高威力の技だが消費魔力と体に掛かる負荷が多いため基本使わない

 

第23話に続く

 


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