夜天の守護者   作:混沌の魔法使い

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第32話

第32話

 

ヴィータが突然大きくなって一日経った、最初こそ皆動揺していたが大して問題が有るわけではなかった為、皆気にしていない

 

「ふ~ん、ふんふん」

 

ヴィータは上機嫌で書類整理を行っている、私はその隣に居た理由は

 

「兄貴、此処如何すれば良いと思う?」

 

ティアナ達の訓練マニュアルを作成するのを手伝っていた。なのは達は二日前の少女の面倒を見るのに苦戦しており、今此処に居ない話によればパパを探してると言っているらしい。なのは達はねねと呼ばれ満更でもない様だ。

 

「ふーむ、基礎に重点を置いてるからな、少し厳しい物を入れておくか?」

 

此処で言って置くが龍也の訓練はスパルタで有名だ、僅か数日で鬼教官の渾名を拝命した(本人の知らない所でだが)しかし此れは自分基準の所為である、スバル達が辛いと思う物は龍也本人には日常的な訓練なので本人に悪意は無い、

 

「うん。そうするか、で何を入れる?」

 

「私の攻撃を3分回避か防御ほどうだ?」

 

3分という基準はシグナムやフェイトたちの合計時間の四分の一だ(二人は約12分間出来た、かなり消耗していたが・・)

 

「死ぬぞ、あいつ等、兄貴の訓練はどれも効果的だけど厳しいからな。もうちょい優しいのにしようぜ」

 

「それなら・・このリストバンドを付けての基礎にするか・・」

 

「おっ!良いなそれ、良しそれで決定!!」

 

最終的に私のコートの劣化版リストバンド付き基礎と3分間で私に一撃入れると言うもの(入れることが出来なくても可)が採用された

 

「ふう~なんか疲れたなぁ」

 

肩を揉みながら呟くヴィータに

 

「大丈夫か?肩でも揉んでやろうか?」

 

「・・何言ってんだよ兄貴、肩こってんなら。あたしがやってんやんよ」

 

立ち上がろうとするがそれを手で制す

 

「いや気にするな、この程度では私は疲れんよ。それなら紅茶でも飲むか?」

 

「う~ん、甘いのなら飲むよ」

 

「了解、少し待ってろ、直ぐ淹れて来るから」

 

スターズの部屋を後にし、自室からクッキーとビスケットを取り出し、ポットに紅茶を入れてスターズの部屋に戻る

 

「待たせたな、クッキーとビスケットも持って来たぞ」

 

「何か悪いな、兄貴にばっかそんなことさせて」

 

申し訳無さそうに言うヴィータの頭を撫でながら

 

「妹がそんな事を気にするな。私が好きでやってるんだからな」

 

「妹・・うん、今はそれで良いか」

 

何かうんうんと頷くヴィータの前にカップとクッキーが盛られた皿を置く

 

「まあ、スバル達に悪いが休憩にしよう」

 

二人で暫くそのまま紅茶を飲みながら話をしているとふと思い出す

 

「はやて達は今頃聖王教会か・・何の話に行ったんだ?」

 

朝手伝い始めた頃、なのはが黒い影を背負いながら皆で聖王教会に行くと言っていたのを思い出し呟くと

 

「気になるなら今から行けば良いじゃねぇか?」

 

クッキーを齧りながらヴィータが言うが

 

「いや。それは遠慮したい、カリムやシャッハはどうも苦手でな・・」

 

あの二人は天敵と言っても良い、会うたびに教会に所属しろだ。騎士なら教会の騎士へと熱烈なアプローチを掛けてくるから苦手だ

 

「はは、兄貴はベルカ式だからな。教会としては自分らの騎士にしたいんじゃないか?」

 

蒼天の守護者のネームバリューは凄まじい物が有る。知らない所でブロマイドや写真集などが発売されている、ちなみに販売元はミッドでは有名な出版社で写真集やブロマイドで更に売り上げを伸ばしたらしい(その写真の元はヴァイスが隠し撮りし売りに行っている。その事に気付いたはやては激怒し止め様としたが。渡された写真で呆気なく没落した。その写真は少し際どい物で風呂上りの物だったらしい)その事に気付くのはもう少し後のことになる、気付かれればヴァイスの命は呆気なく刈り取られるだろう

 

「私は騎士じゃない、守護者だ、はやてを・・家族を護る守護者なんだ。だから私は騎士の称号等要らん」

 

紅茶を飲みながら言うと

 

「兄貴忘れるなよ・・兄貴があたしを護ってくれるなら、あたしが兄貴を護る、あたしは護られるだけじゃない、あたしが兄貴を絶対に護るんだ」

 

「頼もしいな、だが無茶をしてくれるなよ」

 

ヴィータの頭を掴みぐりぐりと撫でる、嬉しそうに目を細めるヴィータに

 

「私を護ってくれるというのは嬉しい、だが覚えて置けよ?私が居る限りお前たちを傷つける者たち全てから私が護る。それが私の変わらない誓いだ」

 

撫でていた手を退ける

 

「兄貴・・」

 

「仕事の邪魔をしたら悪いから。失礼するよ。それじゃあ仕事頑張れよ」

 

スターズの部屋を後にする。部屋に残されたヴィータは

 

「兄貴・・はやても言ってたけど、あたしは止まらない、絶対に兄貴を振り向かしてやるからな・・・」

 

誰にも気付かれず、ヴィータは力強くそう宣言した

 

 

ロビーの前の人だかりが出来ている

 

「うん?どうしたんだ」

 

はやて達がしゃがみ込み何かをやっているようだが。人が邪魔でよく見えない。

 

そう声をかけると、一斉にこちらを向いた。フォワード四人は私の顔を見た途端あせりだした。

 

「うわ!龍也さん!?」

 

「せっかく泣き止んだのに!?」

 

スバルとティアナの言葉に、私は少し傷ついた、目付きが悪いのは理解している、だがそれは仕方ないじゃ無いか。自分の所為ではないのだしフェイトに隠れて見えなかった少女がひょこりと体を傾け、私を見た。私と少女の視線が交差する。大きくクリッとしたオッドアイが私をじっと見つめる。そうかこの子はオッドアイなのか。前は眠っていたからわからなかった。そして無言で見つめ合う私と少女。10秒か1分か、じっと見つめ合っていた。泣くか?泣くのか!?私もそう思っていた。皆も思っていただろう。だが現実は予想の斜め上をいくものだった。可愛らしい足取りで私の前に立つ少女は満面の笑みを浮かべ

 

「パパ~」

 

そう笑い抱きついてきた

 

・・・・・・・・・辺りが沈黙に包まれる。皆少女と私の顔を交互に見る。はやては目が単色に染まる、なのは、フェイトから凄まじい暗黒の空気が充満している、だが私はそれに気付いていなかった。私はその視線の中少女と目線を合わせる

 

「私がパパなのかな?」

 

「うん、パパなの~」

 

見ているものが笑顔になるくらいの笑顔で笑う少女を抱き上げる

 

「君の名前はなにかな?」

 

「ヴィヴィオ。ヴィヴィオだよ」

 

笑顔で名乗る少女に

 

「高いところは好きかな?」

 

「うん。好き~」

 

「そうか、そうか、では此れは如何かな?」

 

ヴィヴィオを肩車する

 

「わ~高い高い。パパ~凄く高いよ」

 

肩から笑い声が聞こえる中

 

「はやて。そろそろ行かないとカリムが怒るぞ?ヴィヴィオは私が見ているから。早く行ったら如何だ?ほら行ってらっしゃいは?」

 

「ねね~行ってらっしゃい~」

 

「では、ヴィヴィオ私と遊ぼうか?」

 

「うん、そうする~」

 

二人だけのほのぼの空間で歩き出すが

 

「ちょいまち、兄ちゃん」

 

はやてに呼び止められる

 

「うん?何だ」

 

「兄ちゃんの子供じゃないよな?もしそうやったら・・・・」

 

とんでもない暗黒空気が発生している、どうやらこの少女が人造魔導師と言う情報は完全に抜け落ちたらしい

 

「何処の世界に隻眼、隻腕の男を好きになる物好きが居る?馬鹿なことを言うのは止めて、早く聖王教会に行ったら如何だ?」

 

辺りからはぁ~と大きな溜め息が聞こえる。なんだ私が悪いのか?あれ?前にもこんな事があったような?

 

「それもそうやな。うん、兄ちゃんはこういう人やから、うん私馬鹿なこと言うたな~。ほな行こうか?カリム達が待ってるしな」

 

うんうんと納得したように頷き、出て行ったはやて達を見送ると

 

「さて・・・フォワード陣、命令・・・いや頼みが有る」

 

「はっ?」

 

突然声を掛けられ驚くティアナ達に

 

「いまから全員自室に戻り、何か遊べる物を持って来てくれ、正直に言おう、遊ぶと言ったが正直何をすれば良いか判らん。皆協力してくれ、部屋の鍵は開けておく。みな遊べそうなものを持って私の部屋に来てくれ、ではな」

 

肩車したまま歩き出した、急がなくちゃと慌てて自室に戻るスバル達の足音が聞こえる中。私はヴィヴィオを肩車したまま思う、

 

(人造魔導師・・いや聖王ヴィヴィオ。恐らくネクロは彼女を狙う。パンデモ二ウムを蘇らす為に・・だがそんな事はさせん。私が居る限りお前たちの思い通りに行くと思うなよ)

 

密かに闘志を燃やしながら、それでも外は穏やかな表情を浮かべながらゆっくりと歩を進めた

 

 

「エリオ何かあった?」

 

寮の管理人室前で私はそう声を掛けた

 

「トランプとゲームが2つです・・・」

 

カードが入っているだろうケースと子供がやる冒険の物ゲームを二つ見せながら呟く

 

「私は特に無いです・・御免なさい」

 

謝るキャロに

 

「良い気にしないで。皆似たようなものだから」

 

六課は仕事場なのだ、おもちゃ等の娯楽を持つ物は少ない

 

「それで、ティアナさんとスバルさんは何がありました?」

 

「格闘ゲーム・・・だけ」

 

戦いの参考になると考え買ったらしいが、余り意味が無かったらしい

 

「私もシュミレーションのゲームだけ、しかも絶対子供が出来そうに無い奴」

 

戦術を学ぶ為の教材のようなものでゲームと言うか、兵学校のプログラムに近いものだ

 

「・・・・・私達色々と駄目な気がするよ」

 

スバルが何処までも暗い声色で言う、皆同じ感じで俯いている

 

「取り合えず、龍也さんに言おう、これしか無かったって」

 

恐る恐る龍也の部屋の扉を開いた

 

「これ美味しい!」

 

「そうか、一杯食べろよ」

 

笑顔でクッキーを食べるヴィヴィオとそれを見て穏やかな笑みを浮かべている龍也さん、物凄くほのぼのとした空間が出来ている

 

「うん?思ったより早かったな。何かあったか?」

 

入り口で硬直している私達に気付いたのか微笑みながら問いかけてくる龍也さんに

 

「すいません、特に無かったんです」

 

キャロが謝ると

 

「ふむ・・そうかでは仕方ない。良いか今からちょっと・・いや禁止事項だな。それをやるが見てない振りで頼む」

 

そう呟くと魔方陣を展開し何かを詠唱していく、そして暫くすると

 

「完成だ」

 

宙に浮いていたのは可愛らしくデフォルメされたガジェット。それがゆっくりと左右に動いている

 

「お~」

 

目を輝かせるヴィヴィオに銃型簡易デバイスを手渡している

 

「これで、あれを撃つんだ。こうやってな」

 

見本と言いたげにトリガーを引く、ピコンと可愛らしい音を立てて消滅するガジェット。どうやらシューティグゲームのようだ。それを見て唯でさえ大きな目を更に大きくし、笑顔でゲームを始めたヴィヴィオを見ながら

 

「エリオとキャロの分もある。すまないが二人でヴィヴィオを頼む」

 

二人に同じような銃を手渡す、エリオとキャロも満更ではない様子で受け取り3人で遊び始める。その様子を見てから

 

「取り合えず、お茶でも飲むか?」

 

先程まで二人で座っていた場所を指差し腰掛ける龍也さん、

 

「二人も座ったら如何だ?立っていては疲れるだろう?」

 

穏やかに微笑みかける龍也さんに促され椅子に腰掛けた

 

「ああしてみると、年相応の子供だな」

 

穏やかな目をして、遊ぶ三人を見る。段々動きが複雑になり。苦戦しながらも笑いながら遊んでいる

 

「そうですね・・・」

 

スバルの声に元気が無い、いや・・違う恐れてるんだ。龍也さんは色々と知っている事も多い。もしかしたら自分の事を知ってるんじゃないかと不安に感じているんだろう

 

「ふむ・・どうした。口に合わないか?」

 

先程から紅茶も飲まずクッキーも口に運ばないスバルを見る龍也さんは、は何かを待っているような気がした。だから私はスバルには悪いと思ったが

 

「龍也さんは人造魔導師の事をどう思いますか?」

 

と問いかけた

 

 

「龍也さんは人造魔導師の事をどう思いますか?」

 

ティアが突然切り出した、前から聞きたかったでも怖かった、拒絶されるのが嫌だから・・人じゃ無いから。私は・・・

 

「どういう意味かな?」

 

鋭い鷹の様な目で真っ直ぐ、ティアを見据える

 

「そのままの意味ですよ。人造魔導師・・戦闘機人・いずれも間違っていると言われています。ではそれは生きてることさえ許されないと思いますか?」

 

やめて欲しい、聞きたくない・・・耳を塞ぎたい衝動に駆られるが膝の上に起き、手を押さえる

 

「ふむ・・私はそうは思わないな。生きてるなら皆幸せになる権利が有ると私は考える。これは私の持論だがね」

 

バチン!!指を鳴らすそれと同時に微弱な魔力の結界が構築される

 

「何のつもりですか?」

 

突然結界を構築した龍也さんを睨むティア

 

「聞かれたくないことも有るだろう?大丈夫だこの結界に害は無いよ。外からは穏やかに話しているようにしか見えないからな・・私は回りくどいことが嫌いだ、だから正直に言って欲しいのだが?」

 

何処までも真っ直ぐで何処までも鋭い視線にティアが動揺する、今は優しい龍也さんの眼でなく、戦う者の蒼天の守護者としての鋭い何処までも真っ直ぐで嘘を見透かすようなそんな眼だ

 

「何のことです?これは唯の例え話で・・・・・「誤魔化せると思っているのか?常人離れした体力、そして女の子とは思えない怪力、スバルお前は戦闘機人だな?」

 

私は硬直し目を見開いた、知られている怖い・・どうして知っているという考えが頭を過ぎる

 

「・・・どうして?判ったんです?スバルはその事を隠していた筈です」

 

ティアが鋭い視線で睨むが何時もと同じ様子で紅茶を飲みながら

 

「答えは簡単だ。スバルの母親、クイントナカジマを見取ったのは私だ。その時に聞いたスバルとギンガの事を・・・な」

 

紅茶を啜り俯きながら言う龍也さん・・後悔してると言うのは判る

 

「・・・お母さんが・・言ったんですか?・・私は人じゃないって「違うな、スバルお前は人だ。誰が何と言おうが、お前は人だ」

 

震える声の私の言葉を遮って言う

 

「私はそんな事でお前を拒絶しない、お前はゲンヤさんとクイントさんの娘でそれ以上でもそれ以下でもない。良いか一度しか言わないお前は機動六課スターズの隊員、スバルナカジマだ。誰が何と言おうと。お前は人で良いんだスバル・・・」

 

いつの間にか目の前に居た龍也さんは優しく抱きしめてくれる

 

「ううううっ・・・」

 

嬉しいのにボロボロと涙が出てくる

 

「ティアナ。悪いな私とスバルだけにしてくれないか?すこし大事な話が有るんだ」

 

ティアに泣き顔を見せないように角度を調整してくれている、それが嬉しかった

 

「良いですけど、襲っちゃ駄目ですよ?」

 

からかう様に言うティアの言葉に顔が真っ赤になる

 

「大丈夫だ。そんなことは決して無いから」

 

徹底的に否定され、少し悲しい気もする、でも今はそんな事を口にしない。こうやって抱きしめてくれている。龍也さんが居るから

 

「そうですか、じゃあ私も少し遊んできますね」

 

そういって微笑みティアは結界から消えた、しばらくそのまま泣き続けていたが10分ほど立ちようやく落ち着いてきた

 

「落ち着いたか?」

 

「あ、はい。すいません制服汚しちゃいましたね」

 

目の前の龍也さんの制服を見る、私の涙で濡れてしまっている

 

「何気にするな、この程度洗えば落ちる。それで整理は出来たな。お前はなんだ?機械か?違うだろう、そうやって泣いて悲しむ事が出来るお前は人なんだよ、判るか?」

 

何処までも優しい包む込み声に

 

「はい。判ります・・・」

 

返事を返すと微笑みながら再び向かい側の席に座る龍也さん。すこし寂しいもう少し抱きしめていて・・・違う違う私は何を考えてるんだ、頭をぶんぶんと振りその考えを飛ばす

 

「スバル・・お前に聞きたい事がある」

 

優しい眼でなく鋭い視線で問いかけてくる龍也さんに

 

「何をですか?」

 

「闇に隠された真実・・これは管理局では僅か5人しか知らない秘密・・・だがお前はそれを知る権利が有る・・だが此れを聞くか聞かないかはお前の自由、どうする?闇の中の真実を知るか。それとも時が来て私が全てを話す時を待つか・・・選べ」

 

これはとても重大な事なんだろう。でもそれを何故隊長達じゃなくて私なのかと言う考えが頭を過ぎる。

 

「お前は覚えているか?始めて私の家に来たとき、ルーテシアに会っただろう?フルネームを言えるか?

 

「えっと・・・確かルーテシアアルピーノ・・あれ?アルピーノ・・?どこかで聞いた覚えが・・?」

 

昔・・何処かで聞いたような・・・昔そうかなり昔、まだ幼い時だが、確かに聞いた覚えが・・・!?

 

「メガーヌおばさん!?そうだ・・・メガーヌおばさんの名前がアルピーノ・・まさか・・」

 

唐突に思い出す、母さんの部隊の確かゼスト隊のメンバーだった筈・・・。母さんと一緒に死んでいる筈・・

 

「ま・・さか・お母さんは生き・・てるんですか?」

 

何度思ったことか・・お母さんが生きていたらと思ったことか。だがこの予想が当たってるなら

 

「正解だ・・中々頭が回るな、その通りお前の予想は当たってる。お前の母クイントそしてゼスト。メガーヌは生きている、だがこれ以上は答えを聞いてからだ。どうする闇の中の真実に踏む込むか今のままかをな・・」

 

何処までも鋭く刺すよう視線の龍也さんの目を確り見据え

 

「聞きます・・・教えてください、その真実を・・・」

 

私はそう返事を返した、これでもし聞かなかったら・・・私は一生後悔すると思ったから

 

「判った・・だが今日は駄目だ。この話はゲンヤさんとギンガにも同席してもらう。だから明日の朝私の部屋に来い。朝からゲンヤさんの所に行く。だがこれは暗く深いものだ。それでも聞くか?」

 

最後の確認と言いたげに念を押してくる龍也さんに

 

「私の心は決まりました。何を言われようが変わりません。私は・・人として、お父さんとお母さんの娘としてその話を聞きます」

 

私は決めた、立ち止まらない為に前に進む為に・・・・そしてこの時は気付かなかった、昔渡された鍵のアクセサリーの中心の石が淡い光を帯び始めていた事に

 

第33話に続く

 

 

大人ヴィータ

クレアの頼みを引き受け、成長プログラムのコピーにより成長した姿。はやてより少し幼い点から恐らく15~18歳だと思われるが実際は不明。女性らしく成長しており美女の名が相応しいが性格や態度はそのままなので、少し子供っぽい部分がある。クレアの身体能力と魔力の一部がコピーされており戦闘力が上昇しており、現在のランクはS+になっている。まだ完全に同調が終わった訳でなく時に発作的に泣き出したり。龍也に抱きついたりする事がある(本人はその行動を覚えており。その状態になると暫く部屋に閉じ篭ってしまう)セレスが言うには近い内に完全に同調するらしいが時期は完全には分かっていない。また可能性としてはクレアの変換素質もコピーされているが相性なのかそれとも同調が完全ではない所為か目覚めてはいない。

 


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