夜天の守護者   作:混沌の魔法使い

45 / 145
どうも混沌の魔法使いです

今回は第48話までの投稿です、ここからオリジナル要素がかなり強くなると思いますが、どうかよろしくお願いします


第43話

第43話

 

「兄ちゃん、危なかったなぁ。もう少しで負けるとこやったろ?」

 

皆が待つ場所に戻ると、にこやかに笑うはやてに迎えられた

 

「ああ、少し危なかったな。こんなに追い詰められたのは何時振りだろう?」

 

記憶を探るが一対一で負けかけたのは、本当に久しぶりの事だと思っていると

 

「ディード、凄いじゃねえか!もう少しで倒せたんじゃないのか?」

 

楽しそうにアギトが言うと

 

「それは無理でしたよ・・風刃閃の地点でもう魔力が限界でしたから」

 

冷静に返事を返すディードに

 

「いや、十分だろう、八神をあそこまで追い込んだのは姉妹の中では、ディードが初めてだな」

 

「そうそう、胸を張れよ。もう少しで龍也を倒せたって」

 

チンクとノーヴェに健闘を褒められ、更に

 

「凄いねぇ、ディード。もう少しで兄様に勝てそうだったね」

 

オットーにまで褒められ

 

「////ありがとう////」

 

と姉妹間で褒められ、物凄い和やかな空気になっている頃

 

「龍也。私と模擬戦しない?」

 

何かを企んでいるだろう、フェイトの嫌な笑顔が見える

 

「龍也さん、私とですよね?」

 

フェイトと同じ笑みのなのはが接近してくる、身の危険を感じ一歩下がる

 

ドンッ!誰かにぶつかる、恐る恐る振り返る

 

「龍也さん、私と模擬戦してくれますか?」

 

にこやかに笑うティアナの顔を見た瞬間。頭の中にザザッ!ノイズが走る、なんだ今思い出してはいけない扉が開きそうだったぞ!

 

「いや・・疲れてるから又な・・」

 

今の状態ではとてもじゃないが模擬戦は無理だと判断し、言うと

 

「「「そうですか・・・」」」

 

何かとてもがっかりした様子で3人とも頷いた。なんだろうこの3人と模擬戦をしてはいけないと本能が騒ぐ。とても大変な事に成る予感がしたそんな事を思っていると

 

「龍也、私ケーキ食べたい・・・」

 

ルーテシアが俯きながら言う、やはりルーテシアも女の子だな、甘いものは好きみたいだ

 

「良いよ。今から作ろうか?」

 

しゃがみ込みルーテシアの目線に合わせると

 

「本当?」

 

「私が嘘を言ったことが合ったかな?」

 

というと首を横に振りながら

 

「無い・・龍也は嘘付かない」

 

「じゃあ行こうか?」

 

「うん!」

 

ケーキを作るために皆で食堂へ移動した

 

 

 

うーん、ディードもノーヴェも凄いなぁ、兄ちゃんに一撃入れたかぁ・・・。食堂でケーキを作り始めた兄ちゃんを見ながら、そんな事を思っていた、兄ちゃんはリィンとアギトと一緒に様々なケーキを作っているようや。さっきからリィンとアギトがパタパタと忙しそうに動いている

 

「はやて、少し良いか?」

 

目の前にチンクさんが座る

 

「うん、ええで。何の用や?」

 

私の本能が言う、この人は敵だと、私から兄ちゃんを取りかねん存在だと、本能が警告するが、そんなことは関係ない、なのはちゃん達同様兄ちゃんに関してはライバルやけど。それ以外やったら仲良く出来ると感じていた

 

「お前の兄の八神は良い奴だな」

 

兄ちゃんを見ながら笑っているチンクさんだが

 

「なあ・・なんで兄ちゃんのこと八神言うん?普通に龍也とかオットーみたいに呼んだらどうや?」

 

気になっていたことだ、チンクさんは何故か兄ちゃんのことを八神って呼ぶ、それが何でかとても気になった

 

「////それは・・その恥ずかしいのと・・・自分自身にまだ自信が持てないからだ////」

 

真っ赤になって言うチンクさん、やっぱ兄ちゃんの事が好きみたいやねと思いながら

 

「自信って?どういう意味や?」

 

「私が知っているのはダークネスの時の八神だけだ。何時も悲しそうにしていてな・・良く悪夢に魘されていたみたいだった。だからその時決めたんだ八神を支えれるようになりたいと」

 

そういって兄ちゃんを見るチンクさんの顔はとても幸せそうだ

 

「だから、私が八神の事を本当の意味で支えられると、判断したら龍也と呼ぶつもりだよ」

 

判るなぁ、兄ちゃんは悩みとか抱え込む癖が有るからなぁ

 

「ええね、でも私は兄ちゃんをそう簡単に手放す気は無いで?」

 

「判ってる、はやてにも認めてもらわないと。八神の傍で歩いていくことは無理だろうからな」

 

「判ってるみたいやね。そうや、私が認めな兄ちゃんの隣を歩いていくなんてさせへんで?」

 

お互いに笑いあう、どうやら本当に仲良く出来そうだ。他の子達もなのはちゃん達と仲良く話してる、みたいやしと思っていると

 

「後二人・・姉妹の中で八神の事が好きな者がいる」

 

「どんな人なんや?」

 

どんな人なのか気になって尋ねると

 

「一人は八神至上主義者、もう一人は抱きつき癖があるな」

 

「・・・なんか癖がある人やね」

 

どんな人なのかと考えていると

 

「待たせたな」

 

大き目のトレーに大量のケーキを乗せて、厨房から出てくる兄ちゃんと

 

「リィンも頑張りました~」

 

鼻の頭に生クリームを載せたまま笑うリィンと

 

「あたしも頑張ったぜ」

 

小麦粉で少し髪が汚れているが、アギトも笑顔でやってくる

 

「ヴィヴィオは?」

 

食堂にヴィヴィオの姿がないので辺りを見回す、兄ちゃんに

 

「今ヴィータちゃんが呼びに行ってるよ」

 

なのはちゃんが笑いながら言うと、そうかと呟き食堂の机の上にケーキを並べ始める兄ちゃん

 

「ショートケーキにチーズケーキ、それとチョコケーキを作ってみたんだが・・如何したその顔は?」

 

厨房に見える大量のケーキに目を丸くする、どうみても10ホールはあるだろう

 

「八神・・私は前も言わなかったか?作り直ぎるなと・・・」

 

チンクさんが頭を抱えながら言う、どうやら何回か同じことがあったようだ

 

「また太るな「ます」「かな?」」

 

ケーキを見ながら呟いている、ノーヴェ、ディード、オットーに

 

「「「「これだけ食べたら私達も太るね」」」」

 

ケーキを見て絶望という感じの、なのはちゃん、フェイトちゃんにティアナ、かという私も若干不安だ

 

「お~!ケーキがいっぱいある~」

 

ヴィータに連れられたヴィヴィオが笑顔で言うなか、ヴィータが呆然としながら

 

「兄貴作りすぎじゃ?」

 

兄ちゃんに言うが

 

「いや、残りはお土産の分だ、チンク達に持ってて貰おうと思ってな」

 

あ~成るほど、兄ちゃんは今日来てないチンクさんの姉妹の分も作ったみたいだ、それならこの量も納得だ

 

「さっ!食べると良い」

 

兄ちゃんに促され皆でケーキを食べ始めた

 

「「「「美味しい!」」」」

 

体重をあまり気にしない子供組みは笑顔でパクパクと食べている。ヴィヴィオとルーテシアは兄ちゃんの膝の上で食べており、リィンとアギトはその両隣だ、兄ちゃんは甘いものは苦手なので、ヴィヴィオとルーテシアの口に付いた生クリームを拭きながら、紅茶を飲んでいる

 

「太っちゃう・・・でも美味しい!」

 

「体重計が怖い・・・」

 

「もぐもぐ、そうですか?」

 

「スバルあんたは良いわね・・・」

 

なのはちゃんとフェイトちゃんにティアナは自分と格闘しながらケーキを口に運んでいるが、スバルは特に気にしてないようで普通に食べている

 

「お父さんはお菓子も上手なんだね」

 

「・・ぱくっ。お父さんに作り方教えてもらおう」

 

「私は甘いものは・・・」

 

「ふえーん、私また太っちゃいます~」

 

「兄貴が作ってくれたんだから。残すのは駄目だな。・・・でも太るな・・・」

 

エリオ・キャロは普通に食べているが、キャロは作り方を教えてもらおうって呟いてるし。シグナムは甘い物が苦手なので殆ど口にしていない。シャマルは泣きながらもフォークは一度も休んでいない。ヴィータは考え込みながらケーキを口に運んでいる

 

「もぐっ。兄ちゃんのケーキはさっぱりしてるから食べ過ぎてまうわ~」

 

私も体重が怖いが、美味しいので食べることを止める事は出来ない

 

「ぱくっ、本当に八神は乙女心を理解していない。女の子にこんなにケーキを食べさせるか?」

 

チンクさんも文句を言いながらもケーキを口に運んでいる。本当兄ちゃんは乙女心を知らないへんなと思い、兄ちゃんの方をみる

 

「「あ~ん」」

 

ヴィヴィオとルーテシアにケーキを食べさせられそうになっていた・・・凄い羨ましいな・・・私もやりたいなぁ

 

「ヴィヴィオ、ルーテシア私は甘いもの・・・いや食べる食べるから。泣かないでくれ」

 

甘いものはいらないと言おうとすると、ヴィヴィオとルーテシアが涙目になるので、食べると言い口を開く

 

「「美味しい?」」

 

純真無垢な天使二人に美味しいかと言われ

 

「ああ・・・美味しいよ・・・」

 

兄ちゃん無理し取とるな・・と思ってると

 

「お兄様。あーんですぅ」

 

「兄、ほれ美味いぜ!」

 

今度はリィンとアギトに口を開くように言われている

 

「・・・・判った・・・貰う」

 

再び口を開き、ケーキを口に含む

 

「お兄様、美味しいですか?」

 

「兄、どうだ?あたし達が作った奴は美味いか?」

 

どうやらチョコケーキは二人が作ったようだ。二人とも感想が聞きたいらしく、笑顔で兄ちゃんに尋ねている

 

「・・大丈夫だ。とても美味しいよ・・・」

 

力のない笑顔だが、リィンとアギトは気付いていない。二人の合作ケーキはとても甘い、どちらかと言えば兄ちゃんが苦手な物に分類される。偶には兄ちゃんも苦労したら良いわ。と思い再びケーキを口に運んだ、うん、やっぱり兄ちゃんのケーキが一番美味しいわ

と思ったのは仕方ないことだろう、

 

 

辛いと思った・・私は甘いものは苦手だ、だがヴィヴィオ達を泣かすくらいなら我慢して食べる

 

「「美味しかった~」」

 

笑顔のヴィヴィオとルーテシアをみればこれ位如何って事は無いが・・できれば今回限りにして欲しい。

 

「お兄様~又作ってあげるですよ~」

 

「おう、今度はもっと上手に作ってやるぜ」

 

・・・悪意は無いのだろう・・今度に備えて少しは甘いものを食べれるようにしておこうと思った、暫くそのまま皆で談笑していたが

 

「八神・・私達はそろそろ帰る事にするよ」

 

チンク達が帰ると言うで見送り行くことにした

 

「・・・大丈夫か?」

 

チンク達は大量のケーキを見て頭を抱えている、大分食べたが数的に言えば6ホール残っているので、その内3ホールチンク達が持ち帰ることになったが持ち帰る手段が無い・・・ウェンディがいれば又違っただろうがと思うが現状ではどうしようもない

 

「龍也・・私に任せて」

 

小さくVサインで笑うルーテシア

 

「そうか。ルーテシアは転移魔法が得意だったな」

 

ルーテシアの得意な魔法は転移と召還、ケーキを転移させれば良いんだ

 

「へ~、ルーちゃんは転移が得意なんだ」

 

すっかり仲良くなった、キャロが言うと

 

「うん・・でも召還も出来るよ?」

 

「本当!私もなんだよ!ねっ!フリード」

 

「きゅく~」

 

自分と同じ召還のスキルを持つ者が居た事に、笑顔になるキャロとその頭の上で前足を上げるフリード。とても和やかな空気だ

 

「兄様。転移するのは良いけど、連絡入れないと」

 

確かにその通りだ、いきなり転移させたら驚かせてしまうなと思い、連絡用の端末でクアットロを呼び出す

 

『はい~クアットロですよ~何の御用ですか?八神兄様~』

 

独特な甘い声だ・・な。と思いながら本題を言う

 

「今日、チンク達が義手を持ってきてくれただろう?その御礼でケーキを作ったのだが・・・」

 

ケーキと言う言葉に顔を顰めるクアットロ

 

『作りすぎたとかですか?』

 

「いや違う・・3ホール分なんだが今から持って帰らすのは大変だし、かと言って私が届けるわけには行かないからな・・ルーテシアの転移魔法でそちらに送ろうと思うのだが、良いか?」

 

『別に構いませんけど・・・八神兄様はもう少し考えて物を作ってくださいね?』

 

そう言うと通信が切れた、何を考えろというんだ?最後の考えて物を作ってくださいの意味が判らず首を傾げていると

 

「ねえ、オットーちゃん昔何があったの?」

 

「兄様が12ホール、一人一つずつケーキを焼いてくれたんだけど」

 

「判った、体重だね?」

 

「そうですよ、私達は別ですけど。お父さんの研究を手伝っている姉様方は・・大変だったみたいです」

 

となのは達がひそひそと話をしていた

 

「ルーテシア、連絡は付いた転移させても大丈夫だ」

 

「うん・・判った」

 

ケーキの箱の下にベルカの魔方陣が浮かび、次の瞬間ケーキは消えた

 

「ばっちり」

 

笑顔でVサインのルーテシアの頭を撫でる、もう転移魔法ではルーテシアに勝てないなと思った。

 

「八神。今日は中々楽しかったぞ」

 

「態々、届けに来てくれたて、ありがとう。奴に礼を言っておいてくれ」

 

「判った、ちゃんと伝えておこう、父さんも喜ぶだろうな」

 

と別れをしていると。

 

「また遊びに来てね?」

 

「うん。エリオとキャロにまた会いに来る・・・」

 

ルーテシアは同年代のエリオとキャロとすっかり打ち明けたようだった

 

「兄様、また遊びに来るよ」

 

オットーが笑いながら言う

 

「ああ、来るのが良いがアイツの言う事は聞くなよ?何を言うか判らないからな」

 

オットーはジェイルの言うことを聞いて、ほぼそれを実行に出る、例・・メイド服・・チャイナ・・等如何してそんなものがあのアジトにあるのだろう?と毎回不思議に思う

 

「ウーノ姉様が作ってるんですよ」

 

私の考えている事が判ったのか、ディードが答えを教えてくれる。やはりウーノとは一度話をしないとなと思っている頃

 

「完成しました・・・猫耳メイド服。これなら、龍也様も・・・ふふふふ。慌てる姿が目に浮かびますね」

 

完成した3着のメイド服を見ながらウーノが笑っていた。ウーノ・・妹思いの良い姉だがそのベクトルは少しずれている。

 

「龍也。今度買い物に付き合ってくれよ?一撃入れたんだからな」

 

ノーヴェが笑いながら言うと

 

「そうですね。私も一撃入れましたから。買い物に付き合ってもらいますよ?」

 

ディードも笑いながら言う

 

「判った、今度な、約束は護るよ」

 

私に一撃入れたら言う事を聞くといったが・・何時までだろうな?

 

「龍也さん、ノーヴェ達から聞きましたけど。訓練で一撃入れたら言うことを聞いてくれるんですよね?」

 

・・・ティアナが笑いながら言うが、何処か底冷えする笑みだ

 

「まぁ・・無茶な物以外はな、聞いてるがそれがどうかしたのか?」

 

「いえ。唯一つ聞きたいことが、それは私達にも適応されますか?」

 

ティアナの後ろで、なのは、フェイト、スバル、ヴィータ、はやての目が妖しく光っている

 

「・・無茶な物じゃないなら、訓練で一撃入れたら言う事を聞こう」

 

ガッツポーズのなのは、フェイト、スバル、ヴィータ、はやてが見える、なんだろうこの選択は間違えたかな?

 

「ふふふふ・・・チンクさんに教えても貰った、戦術なら・・・」

 

ティアナが怖いなぁ・・それと最近ティアナを見ると体が震える・・・何故だろう?そんな事を思ってると

 

「ではな、八神また遊びに来るからな」

 

チンク達は帰り始めたので

 

「気をつけてな・・それと体に気をつけろよ?」

 

声を掛け手を振る。チンク達は振り返らず後ろ向いたままを手を振り。歩いていった。偶にはこう言うのも良いかもしれないと思った

 

「兄ちゃん・・」

 

気が付くとはやてが隣にいる

 

「皆良い人やった・・また遊びに来て欲しいわ」

 

はやて達もえらくチンク達が気に入ったようだ

 

「そうだな・・今度来たら。皆で海鳴に行こう、ゆっくりと皆で遊ぶと良いな」

 

姿が見えなくなるまでチンク達を見送り、皆で隊舎に戻った

 

 

第44話に続く

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。