夜天の守護者   作:混沌の魔法使い

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第47話

第47話

 

「ううん・朝か」

 

ベッドから抜け出し辺りを見る

 

「あれ?ここ何処・・・私の部屋じゃないわね?」

 

どう見てもこの部屋は私の部屋ではない

 

「すう~すぅ~」

 

ベッドからスバルの穏やかな寝息が聞こえる、そこで思い出した

 

「そうだったわね・・昨日龍也さんの部屋で寝たんだ・・・」

 

今思えば恥ずかしくて顔から火が出そうだ、

 

「・・・龍也さんは?」

 

龍也さんが寝ていた布団は既に畳まれており、その姿は無い

 

「もう起きてるのかな?」

 

そう思い、寝室から出ると

 

「うん?・・もう起きたのか?おはよう。良く眠れたかね?」

 

本を片手に挨拶して来る。龍也さんに

 

「はい・・良く眠れましたよ。偶にこの部屋で寝たいですね」

 

若干からかいの意味を込めて言うと

 

「・・・・今回限りで頼む」

 

疲れた様に言う龍也さんが少し可愛く見えた

 

「所で紅茶かコーヒー、それともココアどれが良い?」

 

立ち上がりキッチンに行く龍也さんに

 

「紅茶でお願いします」

 

以前まではどちらかと言えば、コーヒー派だったが。龍也さんの紅茶を飲んでからは紅茶の方が好きだ

 

「少し待っていてくれ」

 

そういってキッチンに消えた龍也さんの隙を見て。部屋の中を見てみる

 

「物凄く整理整頓とされてるわね・・」

 

男の部屋だからもう少し汚いかなと思っていたが。部屋の中は凄く綺麗だ

 

「あ・・・やっぱりこの写真飾ってあるわね」

 

部屋の中を見ると依然見かけた写真が飾ってあった。幼い頃の部隊長達に囲まれて困ったような笑い顔を浮かべてはいるが、実に幸せそうな顔をしている龍也さんの姿がある

 

「今度一緒に写真とって貰おうかな・・」

 

そう思い椅子に座りなおしたと同時に

 

「待たせたな」

 

二人分の紅茶を持って龍也さんが戻ってきた

 

「熱いから気をつけろよ?」

 

龍也さんと紅茶を飲みながら暫く世間話をしていると

 

「おはようございます・・・」

 

眼を擦りながらスバルが寝室から出てくる

 

「おはよう。良く眠れたかね?」

 

そう尋ねるとスバルは

 

「良く眠れたと思いますよ」

 

椅子に座りながら返事を返したスバルに

 

「それは何より、所で紅茶かコーヒー、それともココアどれが良い?」

 

私と同じようにスバルに尋ねると、スバルは少し迷った素振りを見せてから

 

「ココアでお願いします」

 

了解と言い龍也さんがキッチンに消えた、間に

 

「どうしてココアなのよ?あんた紅茶好きじゃなかった?」

 

記憶ではスバルは紅茶が好きな筈だが

 

「そうだけど、ヴィヴィオがココア美味しそうに飲んでからかな?」

 

そういえば、エリオや達にはココアを良く作っていた。確かに美味しそうに飲んでいた

 

「そういえばそうね」

 

そんな事を話していると

 

「ほら、スバル出来たぞ」

 

ココアのマグカップをスバルの前に置き、椅子に座った龍也さんは本を読み始めた。その様子を見て、龍也さんは本当に本が好きなんだなと思った。そんな事を考えてると勢い良く部屋の扉が開けられ部隊長が笑顔で入って来たが

 

「兄ちゃ~・・・スバル、ティアナがどうして兄ちゃんの部屋に・・・」

 

最初笑顔、終わり黒い笑みで笑う部隊長。・・・殺される!?物凄い殺気だ

 

(ティアナ、スバル、話を合わせろ。じゃないと今日が二人の命日になるぞ)

 

龍也さんもその殺気を感じ取ったのか。小声で注意してくる

 

「兄ちゃん、説明を要求します。事と次第によってはスバルとティアナを抹殺します・・・」

 

・・・・抹殺!!・・・・殺される!?部隊長は本気で私達を殺しかねない

 

「デバイスの事を聞かれていたのだが?」

 

顎の下に手を置き考え込む素振りを少し見せ

 

「・・そうか~そりゃ自分のデバイスが急に変化したんやもんな。気になるわな」

 

笑顔で言うが、その目はまだ確り私とスバルを捕らえている

 

「でもこんな朝から人の部屋に押し掛けるのは失礼やと思うで?」

 

部隊長の目が言っている、早く出て行けじゃないと・・・・殺す!

 

「「はい。それじゃあ龍也さんまた後で!!」」

 

私とスバルは逃げる様に龍也さんの部屋を後にした。

 

 

「兄ちゃんも兄ちゃんや、こんな朝の早よから女の子を部屋の中に入れたらあかんで?」

 

はやては向かい合う様に座り言う

 

「はやては良いのか?」

 

その言葉に従うとはやてもここに居てはいけない筈では?と思い言うと

 

「当たり前やろ?兄ちゃんの部屋に妹が行くのは何かおかしい?」

 

正論だな・・

 

「まぁ・・そうだな、それで何の様だ?」

 

「うん?唯一緒にご飯食べに行こうって誘いに来ただけや」

 

紅茶を口に含み微笑みはやてが言う

 

「もうそんな時間なのか?」

 

時計を見ると確かに朝食の時間まであと少しだ

 

「そうや、だから一緒に行こ?ご飯食べに」

 

にっこりと微笑むはやてと共に食堂に向かった

 

 

 

最悪やね・・兄ちゃんの隣を歩きながら私はそう思った

 

(朝兄ちゃんの所行ったら、スバルとティアナが居るなんて最悪の朝や)

 

「はやて?どうした怖い顔をしているが?気分でも悪いのか?」

 

「何でもないで、気にしんといて」

 

しまったな~考えが顔に出てたか、気にしないでとは言った物の兄ちゃんは心配そうにこっちを見ている

 

「あっ!はやてちゃんにお兄様おはようです!!」

 

曲がり角からリィンがやって来て、おはようと笑いかけてくる

 

「リィン、おはよう。良く寝れたかな?」

 

「おはようさん、リィン」

 

兄ちゃんがリィンの頭を撫でながら笑う

 

「お兄様とはやてちゃんもご飯ですか?リィンも一緒に行くですよ?」

 

リィンが私の肩に乗り笑う、本当リィンと居ると和むなぁ・・さっきまでのモヤモヤした感じが消えたわ

 

「そうだな、一緒に行こうか?」

 

「はいです!」

 

私と兄ちゃんとリィンの三人で食堂に向かった

 

「席が空いてないですね~」

 

少し出遅れたので空いてる席が見当たらない、三人で如何したものかと考えていると

 

「お父さん!こっちですよ」

 

エリオが手を振って呼ぶ、どうやらエリオが座ってる席は空き椅子があるようだ

 

「あそこで食べるとしようか?」

 

私は兄ちゃんと一緒にご飯食べれるなら何処でも良い。ので頷きエリオの呼ぶ席に行ったが

 

「「あっ・・・・」」

 

エリオとキャロがいる席に行くとそこには

 

「スバルとティアナも一緒か」

 

兄ちゃんとリィンは何事も無い様に座るので、私も座るが正直言って不快以外の何物でもない。でも兄ちゃんが一緒やから我慢する

他に席空いてたら最高やったな・・そんな風に思いながら食事をする

 

(あんま、美味しないわ・・・)

 

普段美味しいと思える食事も今朝の一件の所為で味気なく感じる

 

「あっ!部隊長に八神中将ここ良いですか?」

 

トレーを持ってシャーリーが歩いてきて笑う。兄ちゃんが居るだけで対外の隊員は合い席を断るが、そんな事を気にしないのはシャーリーとヴァイス君くらいだろう

 

「良えで」

 

「すいません、部隊長席が空いてなくて」

 

人なつっこい笑みで腰掛けるシャーリー、はぁ・・・これで少しは美味しくご飯が食べれるわ

 

そんな風に思いながら食事を再開した

 

「八神中将、スバルとティアナのデバイスが変化したそうですね」

 

朝食を終え、思い出したようにシャーリーが言う

 

「そうだな、天雷の書のデバイスと融合して全くの別物に成っている」

 

前までのデバイスと比べて強力になってるし・・・思い出した、二人共兄ちゃんに一撃入れてるから言うこと聞いて貰えるやったな。何とかせなかんな。そんな事を考えていると

 

「スバル、ティアナ。クロスミラージュとマッハキャリバー私に預けてくれない?構成とか調べてみたいから」

 

機械オタ・・・いやメカニックデザイナーの血が騒いだのか、デバイスを預けるようにスバルとティアナに言う

 

「判りました・・どうぞ」

 

「壊さないでくださいね?」

 

スバルは普通に渡したが。ティアナは壊さないでくださいといってから手渡した

 

「ふふ。大丈夫、大丈夫。少し構造とか調べてみたいだけだから」

 

シャーリーは待機状態のクロスミラージュとマッハキャリバーを懐にしまい、怪しい笑みを浮かべた

 

「シャーリー、言って置くが無茶なことはするなよ?」

 

兄ちゃんが不安げ言う、かという私も若干不安だ

 

「無茶しちゃいけませんよ!きっと大変なことになるです!!」

 

リィンが慌てて言う、きっと本能的に感じ取ったのだろう

 

「きゅくっ!きゅくっ!」

 

フリードも前足を上げ鳴いている、やはり何か危険なのかもしれない

 

「お父さん、大丈夫なんですよね・・・」

 

エリオもリィンとフリードの慌てように不安げに言う

 

「大丈夫だ・・何かあってもシャーリーにだ、私達には関係ない。シャーリーの自業自得だ、つまり自己責任だ気にするな」

 

兄ちゃんはシャーリーを止めるのを諦めたようだ。だが私も無理だと思う

 

「ふふふ・・・二日くらいかな~構成調べて、スペックも全部調べてみたいな~」

 

シャーリーは上機嫌で食堂から消えた、ん?二日・・・これや!この二日を使わせて言う事を聞いて貰える権利を消滅させる

 

「スバル~、ティアナ~、少し話しがあるんやけど?」

 

「「ヒィ!・・・何ですか?」」

 

スバルとティアナが悲鳴を上げるが、二人にも悪い話ではないはずだ

 

「兄ちゃん、私、スバルとティアナに話があるからもう行くわ」

 

半強制的にスバルとティアナを連れ部隊長室に向かった。

 

「さて・・・二人にはとても大切な話があります」

 

「はははは、はい」

 

二人とも顔が真っ青だ。・・・そんな怯えんでも良いやん、

 

「さて・・二人は兄ちゃんに一撃入れました約束で言うことを聞いて貰えます。それに間違いあらへんな?」

 

「ははは、はい。仰るとおりです」

 

・・・・なんでこんなに怯えるんよ

 

「さてそれで二人がデバイスが2日ありません、だから今日と明日。兄ちゃんとデートする許可を与えます」

 

「はっ?」

 

二人の目が点になる。

 

「だから!今日と明日。兄ちゃんとデートする許可を与えるん言うとるんや!!!」

 

本当は嫌で嫌で仕方ないが、こういう形で言うことを聞いて貰える権利を消滅させるしかない

 

「正し。条件がある」

 

1、兄ちゃんの唇を奪わない事(頬ならギリギリ許可)

 

2、兄ちゃんに迫らない

 

3、門限までに帰ること

 

「・・・これさえ守れば。龍也さんとデートしても良いと?」

 

ティアナが確認してくる

 

「そうや。正し言う事を聞いて貰える権利はそれで消滅や」

 

下手なことを頼まれるくらいなら、嫌だけど兄ちゃんとデートさせたほうが良い

 

「ティア、どう思う?私はこれで良いけど?どの道買い物に付き合って貰おうと思ってた訳だし」

 

「私もね・・妨害されるくらいならこの条件を呑んだほうが良いわ」

 

中々頭が回るみたいやな・・勝手に買い物に兄ちゃんを連れ出したら妨害するやったしな。

 

「その条件で良いです」

 

話し合った結果、私の出した条件で良いと言うスバルとティアナに

 

「んじゃ、二人で話し合ってどっちからデートするか決めや。ああそれと・・もう行って良いで」

 

二人が出て行き、独りになった部屋で

 

「はぁ~本当は嫌で嫌で仕方ないけど我慢しよか・・・」

 

そう呟き書類整理を始めた

 

第48話に続く

 


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