それと新連載でバカテスも始めたのでどうかそちらもお願いします
第55話
なのはに呼ばれ皆で翠屋に入るなり
「・・・龍也君、多分いつか後ろから刺されるよ?絶対」
突然士郎さんにそんな事を言われた・・
「突然なんですか?意味が判りません、リィンは判るか?」
肩の上のリィンに尋ねる
「う~ん、リィンは判りません。アギトちゃんは?」
「兄が刺されるとか無いだろ?兄だと素手でナイフとかへし折りそうだし・・ルールーは判るか?」
「判らない。龍也は優しいから人に恨まれる訳が無い、キャロは?」
「私も無いと思います・・エリオ君は?」
「お父さんなら刺されても平気だと思います」
エリオ・・私でも刺されれば痛いのだがなぁ・・
「・・・・ああ・・気にしないでくれ・・多分私の思い過ごしだ」
真剣に悩み始めた私達を見て、士郎さんが思い過ごしだと言うので
「焦りましたよ・・心当たりが無いんで、昔何か恨まれる事でもしただろうかと思いましたよ」
団体客用の席にリィン達を降ろしてから、腰掛ける
「・・・ああっそうだね・・君が刺されるわけ無いよ(何だこの殺気は・・あの娘からか・・)
士郎さんは若干冷や汗を流しながらセッテを見ていた。(この時士郎にはセッテの強烈過ぎる殺気が叩け付けらていた)
「いや~このシュークリームは本当に美味しいですよ」
ジェイルは上機嫌でシュークリームを頬張っている。ジェイルはかなりの甘党なのだ
「そうですか・・それは嬉しいですよ。ジェイルさんで良いですか?」
「ジェイルでもスカリエッティでもお好きな方でどうぞ」
ジェイルはカウンター席に座り、士郎さんと話しながらシュークリームを食べている。その顔は子供の様だ
「パパ。ヴィヴィオお代わり欲しい!」
頬にクリームを付けたまま笑うヴィヴィオの頬を拭ってから
「すいません、ヴィヴィオにもう一個シュークリームお願いします」
「ん、判ったよ・・少し待っていてくれるかな」
士郎さんがシュークリームの準備をしてる時
「兄ちゃんそっち行って良いか?」
はやてが此方の席に移動して良いかと言った瞬間
「「「ガタッ!そうはさせません」」」
一斉に立ち上がるなのは達・・どうしてこの席に拘るんだ?視界の隅で揉めるはやて達を見ていると、
「八神・・此処座らせてもらうぞ」
チンクがスルッとその中から抜け出し腰掛ける、その瞬間
「「ああっ!!!」」
なのは達が大声を上げる・・だから何故この席に拘るんだ?
「君の鈍感具合も凄いな」
士郎さんが呆れながらヴィヴィオの前にシュークリームを置く
「ありがとう!!」
笑顔で食べ始めたヴィヴィオを見ながら
「どういう意味です?私には良く判りません」
本当に意味が判らず首を傾げると
「・・・本当無自覚な男と言うのは罪だな・・はやて君達も苦労するな」
溜め息×11・・なんだ、何故私は責められると思ってると
「あんた、本当夜道気をつけたほうが良いと思うわ」
アリサが溜め息ながらそう忠告した
「・・・本当意味が判らないな・・」
私の呟きに
「お父さんはもう少し女心を知れば良いと思います」
キャロに肩をポンポンと叩かれた
「いや~美味しかったよ!これはまた食べに来たいものだ!!」
ジェイルは持ち帰りのシュークリームを持ちながら笑うとこっちを見て
「さて・・そういえば何処に泊まるんだったかね?」
お惚け博士が・・すずかの家の離れを借りると話しただろうが
「そろそろ・・皆で泊まるとこ行こか?」
はやて達に先導されながらすずかの家の離れに向かっている中私は
「・・・セッテ・・腕を放してくれ・・頼むから・・」
私の腕を抱え込むようにして隣を歩くセッテに腕を放すように頼んでいた
「嫌です・・これはクジで決めた権利です。私は離れに着くまで。龍也様と腕を組んでいて良いのです」
セッテが静かに説明してくれる中
「・・・・・・・ジーッ・・・・」
なのは達の視線はセッテに集中しているが、セッテはそれをさらりと流し歩いていた
「・・・何かとても疲れた・・このまま眠っても良いか?」
離れに付いた頃私の精神は大分磨耗し、可也の疲労感が襲って来ていた
「駄目っ!ヴィヴィオと遊ぶの!!」
ヴィヴィオ達とトランプをする事になった。
(本当・・子供は元気だ・・だがこれも良いか・・)
ヴィヴィオ達(子供組み)とトランプをしていると
「はい!皆重大発表があります!!」
はやての声で皆が集められる
「何が始まるんだ?」
はやてに尋ねると
「すずかちゃんの離れの部屋の数は9です、なので一部屋3人で使います!!なので此処はクジで部屋を決めたいと思います!!
皆恨みっこ無し!今日最高に運の良い人が兄ちゃんと同じ部屋で寝れます!!ちなみにリィンは私と同じです
私はどうにでもなれと思いながらクジを引いた
「ほな、みんなくじを引いてや~」
全員ドキドキしながらくじを引いていく
「みんな引いた引いたみたいやな・・・。ほな、くじオープン!!」
それぞれの部屋が決定した。
部屋割りはこちら!
101
なのは、フェイト、ヴィヴィオ
102
ティアナ、スバル、ルーテシア
103
ヴィータ、アギト、セイン
104
ノーヴェ、チンク、シャマル
105
シグナム、はやて(リィン)、ザフィーラ
106
ウーノ、ジェイル、クアットロ
107
キャロ、エリオ、ディエチ
108
ディード、トーレ、オットー
109
ウェンディ、セッテ、私
「「「「神は死んだッ!!!」」」
はやて達が項垂れ絶叫する
「ふふふ、何と素晴らしい・・龍也様と共に寝る事が出来る・・ああ・・神に感謝しなければ」
「やったっす!!私は運が良いっす!!」
ジャンプしながら喜ぶ、ウェンディ、セッテを見ていると
「皆様、夕食の準備が出来ましたよ」
ファリンに呼ばれ皆で食事を終え、皆で宛がわれた部屋に行った。他の部屋は既に布団が引かれていたが、私達の部屋は違った
「・・・何故布団が二つなんだッ!!!」
そう布団が二つしか無いのだ
「すいません此方の手違いで布団が足りないんです」
申し訳なそうにファリンが言い、部屋から出て行った・・3人の間に沈黙が流れる・・
「・・・布団は二人が使え、私はソファーで寝る」
ソファーに横になろうとすると
「駄目です・・風邪を引きますよ」
セッテに止められる
「この程度で風邪を引くほど柔じゃない」
「おっ!!じゃあこうするっす!!」
ウェンディが二つの布団をくっつける
(まさか・・・)
「?」
セッテが首を傾げる
「こうすれば一緒に寝れるっす♪」
「(やっぱり・・・)」
「素晴らしい!龍也様は風邪を引かず、私達は安心を得ることが出来る!!なんと素晴らしいのですか!!」
セッテとウェンディがハイタッチをしながら笑いあう、私がそれを何とか阻止しようと話し合いになり
話し合いが続き、結局・・・
「龍也兄の身体あったかいっすね~」
「龍也様・・・///」
セッテが左腕にしがみつき、ウェンディが右腕にしがみつく形になっていた
(・・・もう良い寝てしまえ・・)
私は考える事を廃棄し眠りに着いた
「朝ですか・・良く眠れました・・」
そう呟きながら隣を見る
「・・・・・・」
眠っている龍也様の姿がある
「むにゃ~ふふふ・・龍也兄~大好きっす~」
寝言を言うウェンディを、龍也様を起こさぬ様に慎重に揺すり起こす
「はにゃ!もう朝っすか?・・龍也兄起き・・・ムガッ!!!」
龍也様を起こそうとする、ウェンディの口を塞ぎ龍也様から距離を取る
(なにするっす、龍也兄起こさないと・・)
(待つんです、これは神がくれた絶大なチャンスです!!)
(チャンス?どういう意味っす?)
(普段なら龍也様は既に起きている時間です、それが寝ている事がチャンスなんです!)
この時間なら既に起き、本なり紅茶なり楽しんでいる時間なのだ
(今なら・・龍也様の唇を奪う事が出来ます)
(!?!?・・そうか・・これはなんて美味しいチャンスっすか)
ウェンディも私の言いたい事を理解したのか、頬を赤らめる
(ガードが固い・・いえ鋼鉄並みのガードを誇る、龍也様も寝起きは無防備です。今の内にバインドを掛け唇を奪いましょう)
バインドを掛け龍也様の動きを封じましたが・・
(いざこうして見ると・・龍也様の顔は整ってますね・・)
可也の至近距離の為、非常に意識してしまう
(やはり・・寝ている人を襲うのは間違っているでしょうか?)
何か罪悪感が芽生えるが
(いえ・・良いんです・・女の子がファーストキスを捧げるんです・・だからこれは問題ありません)
いざキスをしようと身を屈めると
「・・セッテ?何してる?」
龍也様の左目が開く、その瞳には驚愕の色があるが・・
「おはようございます・・そして・・唇頂きます」
状況は私が有利・・このまま唇を奪います!!
「はっ?・・サッ!何をする!・・体が動かない!?バインドかッ!!!」
卓越した反射神経で私の唇を回避し、立ち上がろうとするが体が動かず驚愕する龍也様に
「くすくす。バインドと防音の結界です・・幾ら騒ごうが龍也様の声は外に届きませんよ?」
念には念を入れ、防音の結界も張ったのは正解だった
「セッテ。急ぐっすよ・・私だってキスしたいっす」
ウェンディが急かすが
「そう簡単には行かないんです!・・くっ!何故避けるのです!!!」
何度か唇を奪い掛けるがギリギリで回避する、龍也様に苛立ちながら言うと
「何でだ!何で朝から私は襲われている!!はやて!!はやて!!助けてくれ!!!」
かなり錯乱しているようで、はやてに助けを求めている
「くっ・・急がないとあのブラコンが来る!!ウェンディ、龍也様の顔を押えてください!!」
「判ったっす!!」
ウェンディが龍也様の顔を押さえる
「ふう~これでやっと龍也様の唇が奪えますね・・」
胸が高鳴る・・しかしその感覚は心地良かった
「それでは・・頂ま・・「兄ちゃんに何すんじゃぁぁぁ!!!」・・ガンッ!!!はう・・・」
いざ唇を奪う段階でブラコンの踵落としが私の頭を捕らえ、私は意識を失った
「ふんっ!!」
「げふっ!!」
ウェンディも同様に踵落としを喰らい。意識を失ったようだ
「はぁ・・はぁ・・油断も隙も無いなぁ・・」
兄ちゃんの呼び声が聞こえた気がし、慌てて109に向かったら、兄ちゃんが汚される寸前やった
「セッテとウェンディ・・厄介やな」
此処までアグレッシブに迫るのは私くらいかと思っていたが・・どうやら強大な敵が現れたようだ
「はぁ・・今全力ではやてを抱きしめたい気分だ・・」
疲れた様子で立ち上がる兄ちゃん・・どうやらバインドは破壊したようだ
「兄ちゃん・・抱きしめてくれるの?」
兄ちゃんの全力ではやてを抱きしめたい発言が本当かと尋ねると
「・・抱きしめない・・頭は撫でてやる・・ありがとう助かった」
ゆっくりと兄ちゃんに頭を撫でられる
(・・まっ!これで良いか!兄ちゃんも汚されてへんし)
本当なら言葉どおり抱きしめて欲しい所だが・・我慢しよう
「所でどうしてあのタイミングで来れたんだ?」
おっ!忘れるとこやった
「そうそう!ご飯に呼びに来たんやっ!皆待ってるで、はよ行こう!!」
兄ちゃんの手を引き109を出ようとすると
「セッテとウェンディは?」
目を回している二人を指差し言う兄ちゃんに
「知らん・・兄ちゃんに手を出そうした罰や・・勝手に来るやろ?」
兄ちゃんに手を出そうとした罪・・本来なら万死に値するとこを踵落としで勘弁してやったんや!これ以上は知らん
「・・・・いや・・不味くないか?泡吹いてるぞ?」
魔力込めた踵落としやからな、当然やね
「大丈夫大丈夫、ほれ朝ごはん食べに行くで」
兄ちゃんの手を強引に引いてリビングに向かって行った
第56話に続く