第58話
「今日で帰らないといけないのか・・楽しい時間はあっと言う間だな」
朝食の席でジェイルが残念そうに笑っている
「また来ればいいだろう?今度は桜の咲いてる時期にな」
「そうそう。皆でお弁当作って、お花見しよ」
隣の席のはやても賛同する
「そうですね・・昔皆でお花見しましたよね・・懐かしいですよ」
「・・私は余り良い思い出じゃない・・はやてにナイフ投げられて、髪切られたから・・」
フェイトがどんよりした様子で言うと
「ちっちっ!フェイトちゃんあれはナイフちゃうで?あれはスローイングダガー言うんや・・ほれっ!」
スカカッ!!
軽い素振りで投げられたダガーが、3本フェイトの顔の横の壁に刺さる
「・・・・はやて・・これ止めて怖いから」
青褪めながら言うフェイトに
「いやー昔はこれ様投げたなぁ・・こう兄ちゃんに近づく邪魔者を排除する時に・・くすくす」
楽しげに笑っているはやてに
「「・・・・・・・」」
皆ドン引きだった・・
「八神、はやてに投げナイフを教えたのか?」
同じくナイフ使いのチンクが尋ねて来る
「いや・・教えてない・・気が付いたらはやては投げナイフ使ってたな・・・」
記憶では小学3年の終わり頃には、既にあの技能を修得していたと思う
「・・もしかしてはやても、危険人物なんじゃないのか?」
・・余り賛同したくないが・・その通りかもしれない・・
「ちょ・・はやて止めて!!!」
スカッ!スカカッ!!
フェイトを狙いダガーを投げるはやて、フェイトは必死で回避している
「う~ん、中々当たらんな・・本数増やすか・・・」
ズラッ!!
「!!!」
両方の手にダガーを持つ、フェイトだけではなく、シグナム達を除いた全員の顔が青褪める
「ほいほい・・次は避けれるかなぁ~」
振りかぶり投擲準備に入るはやてに
「はいはい。良い子だからそれ仕舞おうな」
頭を撫でながらダガーを取り上げる、昔何度かこんなやり取りがあったな・・・
「はーい・・仕舞います」
服の中にダガーを仕舞うはやて・・何時の間に仕込んだんだ?
「た・・助かった・・」
へたり込むフェイトがかなり可哀想だった
「部隊長どうしてあんなこと出来るようになったんですか?」
朝食を終え、休憩してるとエリオが尋ねてきた
「ん?あれか?いやな・・昔私足が不自由でな・・暇やったから、練習してたら知らんうちに出来るようになったなぁ・・」
本当知らないうちに出来るようになっていた・・
「それで・・死に掛けたけどね・・・」
なのはちゃんが俯きながら言う
「死に掛けたって大袈裟な・・ブラッディダガー同士をぶつけて、死角から命中と同時に爆発させただけやん」
折角身に着けた投げナイフの技能を、有効利用しただけやけどね・
「・・・それ・・絶対危険です」
エリオが青褪めながら言う・・そんな危険かなぁ・・兄ちゃんは簡単に切り払ってたけど・・
「多分お父さんじゃないと出来ないですよ・・そんな超人技・・」
かもなぁ・・16本同時に切り捨ててたし
「でも兄ちゃんも同じようなことするで?こう連続でブラッディダガーを発生させて、途中でそれ掴んで接近技に持ち込んで爆発させるんや、あんな風に」
視界の隅では
「死ぬ!死んでしまう!!トーレ助けてくれ!!!!」
兄ちゃんの攻撃を回避しながら絶叫しながら、スカリエッティさんがトーレさんに助けを求めるが
「自業自得ですから・・自分で何とかしてください」
トーレさんは簡単に見捨てていた・・とう言うかあの状態の兄ちゃんを止めるのは不可能に近い
「貴様は何度言えば判る!!娘にコスプレをさせるなと!!」
両手にブラッディダガーを握り締め、振るう兄ちゃんの後ろには
「おかしいかな?」
「判りません・・可愛いと思うのですが・・」
「猫が駄目だったのでしょうか?」
猫耳メイド服姿のオットー達がいる・・本当スカリエッテイさん馬鹿やね・・あんなん着せたら、兄ちゃん怒るに決まってるやん
「くたばれぇぇ!!」
ブラッディダガーで壁に貼り付けにし、指を鳴らす
パチン!!
それと同時に凄まじい爆発音がし
「ぐはっ・・あれは・・ウーノがやったのに・・ガクッ・・・」
爆発でボロボロになった、スカリエッテイさんはそう言い残し気絶した
「悪は滅びた・・オットー、ディード。セッテ・・ちゃんとした服に着替えて来なさい」
はーい、と返事をし着替えに戻ったオットー達を見ながら
「朝から、皆元気やね」
私はそう呟き、兄ちゃんが淹れてくれた紅茶を飲んだ、うん・・やっぱ兄ちゃんの紅茶は美味しいわ
「今日は皆で買い物行こうと思ってるんですけど。龍也さんはどう思いますか?」
なのはが尋ねて来る
「別に良いんじゃないのか?欲しい物くらいあるだろう?」
天雷の書を開きながら返事を返す、セレスは聖王教会で神王とジオガディスの事を調べているので、今回の旅行には同行していない
「それじゃあ、皆で行きましょう」
笑顔でなのはが言うが
「?悪いが私とはやてとヴィータは参加出来んぞ?」
えっ?と呟きなのは達が停止する
「ど・・どうしてですか?」
なのはがどもりながら、尋ねて来るので
「いや・・ヴィータの騎士甲冑のデザインを変えないと・・いつまでもあのゴスロリは無いだろう?・・それに今日はあの日だ・・」
体が大きくなった為、以前の騎士甲冑だと違和感があるので、デザインを変えることになったのだ。だがそれを除いても今日はなのは達に付き合うつもりは無かった・・今日は大切な日なのだから
「思い出しましたよ、そっか・・今日でしたね・・判りました、買い物は私達だけで行って来ます」
首を傾げるスバル達を連れて、なのは達は出掛けて行った・・そうか・・なのは達も覚えていたのだな・・
「それじゃあ。騎士甲冑のデザインを考えるか?」
少し思考の海に浸りそうだったが切り替え、ヴィータの騎士甲冑の話をする
「良し。格好良いのにしようぜ」
「えー。私は可愛いほうがええと思うで」
3人で紙と鉛筆、それと資料を見ながら新しいヴィータの騎士甲冑を考える
「これはどうや?」
はやてが書いたデザインを見るが
「いいいい・・やだやだ。そんなの嫌だかんなっ!!!」
ヴィータが断るのも納得だ
「私もそれは駄目だと思う・・」
「そうかなぁ・・可愛いと思うけど」
はやての考えたデザインは、なんというか・・ウサギ?みたいなデザインだった。それは可愛いかもしれんが以前の物と大差ない
「私はこれだ!」
ヴィータが自信満々で自分の書いた絵を見せるが
「・・・無いわ」
「私もだ・・」
その絵を見て私とはやては停止した。重厚なデザインの物で、なんとなく私の騎士甲冑に似ているがヴィータには似合わない。そのデザインなら間違いなくシグナムだな
「うー。兄貴とお揃いにしたかったのに・・」
却下を受け落ち込むヴィータ
「ではこれはどうだろうか?」
私の書いたデザインを見せる
「おお・・・」
「良いな・・」
私の書いたデザインを見る二人の目は輝いている
「私の騎士甲冑と以前の物を少しずつ混ぜてみたんだ」
ドレスのデザインはそのままに、色は赤を基調に所々に黒のワンポイントが入った物だ。さらに急所を覆う僅かな鎧、これならばヴィータの動きを制限してしまう事も無い、全体的に見ればブレイドモードを軽量化した感じがする
「これで良い!!兄貴のに似てるから」
ヴィータはかなり気に入ったようで、とても喜んでいる
「私もこれで良いと思うで」
はやても気に入ったようで、早速騎士甲冑のデザインが変更された
「へへ、どうだ兄貴、似合うか?」
変更した騎士甲冑を纏い、くるっと一回転するヴィータ
「良いんじゃないか?良く似合ってる。はやてはどう思う?」
私の目では良く似合ってると思うが、一応はやてにも聞いてみる
「ばっちりや、よう似合ってるで」
はやてにも似合ってると言われ
「へへ、二人ともありがとうな」
嬉しそうに笑うヴィータを見ていると、そろそろ昼食の準備をするのに丁度いい時間である事に気付いた
「そろそろ昼ご飯の準備でもするか・・ヴィータ何が食べたい?」
「そうだな・・久しぶりに兄貴のオムライスが食べたい!」
オムライス・・そうだな久しぶりに作るか
「判った、今から準備をしてくるか・・」
「確か・・なのはちゃん達は、外でお昼食べてくる言うてたから3人分で良いで」
そう言うはやてに見送られ、私は厨房に向かった頃
「なのはさん、龍也さんが言ってたあの日って何ですか?」
レストランで食事をしていると、スバルが思い出したように尋ねて来る
「私も知りたいですね。龍也様の事は私は何も知りませんから」
セッテ、いや皆聞きたそうな顔をしている
「フェイトちゃん、どうする?話す?」
勝手に話して良い物なのか迷い、同じくそれを知るフェイトに尋ねる
「シグナムに聞いたほうが良いよ、シグナム話しても良いかな?」
腕を組んでるシグナムにフェイトちゃんが尋ねる
「・・良いんじゃないのか?兄上と主はやてにとっては今日はとても大切な日。邪魔させない為に話したほうが良いだろう。今日という日を邪魔をすれば、殺傷設定で主はやてが暴れるかもしれんからな・・・」
・・私も経験があるからなぁ・・今日ははやてちゃんがとても大切にしてる日だから
「判った、じゃあ教えるよ、今日は・・龍也さんがはやてちゃんのお兄ちゃんになった日なんだよ」
私は知っている事を話し始めた
「もう十年近くたつのか・・」
なのはが私の話しをしている頃、私達は食事を終え、私達のお気に入りの場所である桜の丘の上に来ていた
「そうやね・・兄ちゃんが私の兄ちゃんになってくれた日。今日は大切な日やからね」
はやても懐かしそうにしている、今日は私とはやてにとっては何よりも大切な日だ、3人で桜の木の前で話をしていた
「私はあんま知らないけど、ここにいて良いのか?」
詳しい事情を知らないヴィータが此処に居て良いのかと尋ねて来る
「居て良いに決まってるだろう?お前だって私の大切な家族なんだから」
そう笑いながら、ヴィータの頭を撫でる。私にははやて同様ヴィータ達もなによりも大切な家族なのだ
「兄ちゃん。私も!私も!」
寄って来るはやてに苦笑しながら、頭を撫でる
「ふふ・・やっぱ兄ちゃんは暖かいで・・」
気持ちよさそうに目を細める、はやてとヴィータを見ながら微笑む
(今の私が居るのは全て、はやてとヴィータ達のおかげだ・・もしはやて達が居なかったら、私は狂っていたかも知れんな・・・)
私の事を最強や無敵と言う者も居るがそうではない、私は弱い・・体は強いかもしれんだか心は弱い・・二人の頭を撫でながらそう思う・・何よりも大切で何よりも護りたい家族・・私ははやて達が居るから立っていられるんだ
「「ふぁあああ・・眠くなってきたわ(ぜ)」」
欠伸をする二人に
「私の膝枕でよければ、使ってくれても構わんぞ?」
膝を叩きながら笑うと
「ええの?じゃあ遠慮なく使うで・・」
「・・私もじゃあ・・折角だから・・」
二人とも私の膝の上に頭を置き横になる。しばらく頭を撫でながら二人を見ていると、規則正しい寝息が聞こえてくる
「二人とも寝たか・・」
寝息を立てる、二人の頭を撫でながら歌を口ずさむ、曲名も知らない、メロディーも合ってるかも判らない。だけどこの歌は私は好きだった・・気が付いたら歌っていたこの歌・・調べても曲名さえ判らないこれは誰の歌なんだろうか?
「むっ・・又か・・」
知らないうちに溢れ出した涙を拭う、この歌を歌っていると知らずに涙が流れる
「気が付いたら歌っていたこの歌・・一体何なんだろうな?」
そんな事を思いながら、歌を口ずさむ。この歌はもしかしたら母さんの歌なのかもしれない・・顔も覚えていない・・写真も無い、だけど優しい人だったのは覚えてる・・・
「ふふ。もしそうだったらならば良いな・・・」
殆ど父さんと母さんに関することは覚えていない、だからこの歌が母さんの物だったら良いなと、思い再び歌を口ずさんだ
「そろそろ、帰る時間ですね」
そろそろ太陽が沈みかけている。龍也さんとはやてちゃんの邪魔をしないように大分外で時間を潰した。そろそろ戻っても良いだろう
「そうだな、私達も今日の夜には戻らねばならん、はやて君には悪いがそろそろ戻るとしよう」
皆ですずかちゃんの離れに向かいながら
「龍也様の記念日ですか・・やはり私達は龍也様の事を何も知りませんね」
ウーノさんが静かにそう呟く、
「「私達もですよ・・やっぱり龍也さんの事何も知らないんですよね」」
スバル達も落ち込んでいるようだ
「スバル達だけじゃないよ、私もフェイトちゃんも龍也さんの事殆ど知らないからね・・・」
ちゃんと龍也さんの事を知ってるのははやてちゃんくらいだろう、良く考えたら龍也さんが管理局に戻って来た目的も知らない、
若干落ち込みムードの中離れに着くと、そこに龍也さん達の姿は無く変わりに手紙が置いてあり、そこには桜の丘に居ると書いてあった。なのですずかちゃんにお礼を言ってから、皆で帰る準備をし桜の丘に向かいました
~♪~♪~♪~
丘の上から風に乗り龍也さんの歌声が聞こえてくる
「凄く、優しい歌・・龍也さんが歌ってるのかな?」
ティアナがその歌を聞き、そう呟く。確かに綺麗で何処までも透き通るその歌声は優しさに満たされている
「本当優しい歌だ・・まるで子守唄のようだ・・」
チンクさんも目を細め呟く、皆でその歌を聞きながら、丘を登るそしてそれと同時に私達は龍也さんの姿に目を奪われた、それは幻想的な美しさを持っていた、桜の木に背を預けはやてちゃん達に膝枕しながら、静かに目を閉じ優しく歌を紡ぐ。その姿はまるで天使を連想させる。二人の頭を優しく撫でながら静かに静かに歌を歌い上げる、邪魔をしてはいけない私はそう感じた、しかし
ジャリッ!
スバルが音を立ててしまう。その瞬間歌は止まり
「・・・何だ・・聞いてたのか・・」
閉じていた目を開き。静かに言う龍也さん
「すいません、邪魔するつもりは無かったんです・・」
物音を立てた、スバルが謝る・・先程からセッテ達の責める様な視線が集中している
「あの・・龍也様歌の続きを聞かせてくれませんか?」
ウーノさんが言うと
「聞くなら静かにな・・はやて達が寝てるからな・・・」
龍也さんの膝の上で安らかな表情で眠っている、二人の頭を撫でながら再び歌を歌いだす
~♪~♪~♪~
その歌は何処までも優しく、包み込む優しさを持っていた
「本当綺麗な歌声・・」
ティアナが呟く、確かにそのとおりだ、これなら本職の歌手にも負けていない
「これは・・何処かで聞いた事がある・・どこだったかな?」
スカリエッティさんが呟いている
~♪~♪~♪~
静かに歌声が響く中ふと、龍也さんの顔を見る
「涙・・」
閉ざされた目からは静かに涙が零れていた、流れる涙をそのままに歌を歌い続ける
~♪~♪~♪~
皆がその流れる涙に驚いている内に歌が終わり、右手で涙を拭いながら
「やれやれ・・どうしてこの歌を歌うと涙が出るのだろうな?」
そう呟きながら二人の頭を撫でているが
「そうか・・もう帰る時間か・・はやて、ヴィータ起きろ」
私達が居るので、もう帰る時間だということに気付いたのか、二人を起こそうとするが
「「すぅ、すぅ・・・」」
二人とも熟睡しているようで、起きる気配は無い
「・・仕方ないか・・ふっ!」
短く溜めの呼吸をし、二人を持ち上げそのまま背中に背負う
「すまないな、態々呼びに来てくれたのだろう?」
背負ったまま笑う龍也さんの顔はとても穏やかな物だった
「いえ、気にしないで下さい。所で重くないのですか?」
「重い?とんでもない。軽いくらいだよ」
セッテが龍也さんと会話しながら、寝ている二人を黒い瞳で睨み続けている・・多分視線だけで人が殺せるなら二人は死んでる・・でもそれはセッテだけでなく
「・・はやて・・・」
「部隊長・・・ヴィータさん・・」
フェイトちゃんとティアナも刺すような視線で睨んでいる中
「良いなあ・・私もおんぶして欲しいかも・・」
「僕は膝枕のほうが良いよ・・頼んでみようかな?」
「・・一撃のお願いで膝枕を希望したら、どうなるでしょうか?」
スバル、オットー、ディードは二人を羨ましそうに見ていた・・いや多分これは私も同じだ
「さてと・・では戻るとするか?」
その視線に気付かない、龍也さんは何事も無い様に二人を背負い、転送ポートの方に歩いて行ってしまった
(少しはそういう人の好意に気付いたほうが良いですよ龍也さん・・お父さんの言う通りその内刺されますよ?)
視界に居るヤンデレ予備軍の3名を見ながら私はそう思った・・
隊舎で皆と別れ、はやてとヴィータを背負ったまま、はやての部屋に向かう
「はやて、ヴィータ・・部屋に着いたぞ・・・起きないか・・」
寝室で背中の上で寝息を立てる、はやてとヴィータに声を掛けるが
「「むにゃ・・むにゃ・・」」
起きる気配は無い、仕方ないので二人をベッドに横にし
「やれやれ・・本当に何時になったら兄離れしてくれるんだろうな・・」
ベッドの淵に腰掛け、寝息を立てる二人の頭を撫でる
「むにゃ!・・兄ちゃん!!!私は兄離れせんでぇ!!!!・・すぅ・・すぅ・・」
はやてが飛び起きそう言うと、再び眠りに着く
「・・やれやれだな・・」
苦笑を浮かべているのが判る、暫くそのまま二人の髪を撫でてから、立ち上がろうとすると
「・・そうだ・・今日くらいは良いな」
良い事を一つ思いつき、そのまますっとしゃがみ込み、はやてとヴィータの額に軽く口付けをする
「良い夢を見ろよ・・」
昔は怖い夢を見て寝れないと言うはやてに良くしたな・・と昔の思い出に浸りながら自室に戻って行った数分後
「びっくりしたわぁ・・まさか額にキスされるとは思って無かったわ・・」
はやてとヴィータが起き出す、実は私は兄離れせんでぇの地点で、既に起きていたのだが寝たふりをしていたのだ
「うう~恥かしい」
ヴィータが額を押さえ悶絶する姿をみながらはやては
「ううん、やっぱ兄ちゃんは私らには無警戒やね・・」
これがなのはやフェイト達なら、寝たふりだと龍也は気付く。だがやはり懐の一番奥に居るはやてやヴィータには警戒心が薄いのだ
「これなら、寝ぼけたふりでもして兄ちゃんの唇奪うべきやったなぁ・・凄いチャンス逃がしたわぁ・・・」
とはやてが自分の失態を後悔してる頃
「ゾクッ!・・何だこの寒気は?・・嫌な予感がする早く寝るか・・」
自室で布団に包まる龍也の姿があった、近いうちに龍也のアイデンティティは崩壊するかもしれない・・
第59話に続く
さて・・大分復活してきましたね・・早く最終話を投稿できるといいのですが・・それでは次回もどうかよろしくお願いします