夜天の守護者   作:混沌の魔法使い

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第60話

第60話

 

「はやて、八神はどうした?」

 

本局に移動する為に隊舎の前で、待っていたのだが姿の無い八神の事を尋ねると

 

「何か、変装してくるって、若い魔導師に捕まるのは御免だ、言うとったで?・・それにしても兄ちゃん遅いなぁ?」

 

私達とへ別になのは達は既に本局で試験の準備をしてるので、後は八神が来れば直ぐに出発できるのだがと思っていると

 

「待たせたな、では行くとしよう」

 

八神の声が聞こえ振り返るが・・

 

「「「誰・・?」」」

 

私は困惑した、茶色の短髪に、青のシャツと茶色のスーツに黒のネクタイ。スーツの上から薄茶色のコートを羽織り黒の眼鏡を掛けた男がゆっくりと歩いてきた。私達全員硬直した、八神だとは判ってるがこれは既に別人だ

 

「もしかして・・龍也兄っすか?」

 

ウェンディが驚きながら尋ねると

 

「私以外に誰が居る?どうだ完璧だろう?幻術魔法で変装した見たのだが・・どこかおかしいか?」

 

体を見ながらそう言う八神?に

 

「いや。大丈夫や、兄ちゃんじゃあ行こか?」

 

私達は本局に向かって行ったが

 

「・・それにしても本当別人見たいやね」

 

車の中ではやてが八神を見ながら言う

 

「ふむ・・そうか、だがこれくらいやっておかないと面倒だからな・・・」

 

顎の下に手を置きながら笑う八神に

 

「それにしても、私とティアまで本局に行く理由は何ですか?」

 

八神の後ろの席からスバルが尋ねると

 

「何だ聞いてないのか?スバルとティアナにも試験を受けて貰う、Aランク昇格試験だからな」

 

スバル達も試験を受けるのかと思ってると

 

「聞いてないですよ!!何時決まったんです!!」

 

ティアナが詰め寄り八神に尋ねると

 

「2人が私を撃墜した日だが?なのはから聞いてなかったか?おかしいな?ちゃんと話しておいたのだが?」

 

・・・待て、今信じられない単語があったぞ

 

「八神、お前はスバル達に撃墜されたのか?」

 

信じられなくて尋ねると

 

「ああ、クロスシフトでな、はは・・まさか二人に撃墜されるとは思ってなかったが・・やはり天雷のデバイスは強力だな・・・いやこの場合2人のコンビネーションが良かったんだな」

 

とからからとおかしそうに笑う八神だが、その2つ後ろの席では

 

「龍也様を撃墜するとは身の程を知りなさい、このオレンジ頭」

 

ティアナにソルエッジを向けるセッテ

 

「だまれこの病み娘、龍也さんに私達の力を見せただけよ」

 

睨み合う二人と

 

「スバル、やったな!龍也を撃墜したのか、おっしゃあ!!私も頑張らないと」

 

「いやー凄いっすね、龍也兄を撃墜っすか。スバル凄いっすよ」

 

二人に褒められて

 

「いやー、私1人じゃ駄目だったよ?ティアが居たから・・・って2人とも何してるの!!」

 

振り返りながらスバルが絶叫する、ふと振り返ると

 

「はは、此処で私が貴方を地獄に落として差し上げましょう・・オレンジ頭」

 

「やれるもんならやって見なさい。その前に私が貴方の頭を打ち抜いて上げるわ・・病み娘」

 

二人ともデバイスをお互いの喉と頭に突け付けている・・ティアナとセッテの相性は最悪の様だ。

 

「うん?どうしたんだ?何かあったのか?」

 

その騒ぎに気付いた八神が振り返った瞬間

 

「「いえ、何でも無いですよ?」」

 

一瞬で待機状態に戻し笑う、セッテとティアナを見て

 

「そうか・・それなら良いが・・」

 

と前を向いた瞬間2人は同時に拳を繰り出した

 

「ちッ・・此処で気絶させてやろうと思ったのに・・」

 

「残念ね、私龍也さんに近接戦闘を教えて貰ってるの、この程度なら止めれるわ」

 

お互いの拳をぶつけながら

 

「いつか蜂の巣に(切り裂いて)してやる(差し上げましょう)」

 

お互いに睨みあう2人を見ながらクアットロが

 

「あらあら。八神兄様も厄介な人物に好かれましたね・・ガキンッ!!・・あらら怖いわね、お2人さん」

 

厄介と言った瞬間2人の拳がクアットロに向かうが、それを受け止めながら笑うクアットロ・・判っててからかうから性質が悪い

 

「ですが・・そんな事では八神兄様に嫌われますよ?八神兄様は喧嘩とかが好きではないですから」

 

とニコッと笑うクアットロの言葉を聞き

 

「・・っちっ・・決着はいずれ、龍也様が居ない所で付けて差し上げます。ティアナ」

 

「ふん、それはこっちの台詞よ、セッテ」

 

お互いに距離をとって座りなおす2人を見ながら

 

「うふふ、やっぱり八神兄様に嫌われるという言葉が効いたみたいですね」

 

と笑うクアットロ・・やはり姉妹間で一番策略家なのはクアットロなのかもしれない・・・私はそう思った

 

 

 

「ふう~車はやはり疲れる・・ベヒーモスで来れば楽だったな」

 

車から降り背伸びしながら言うと

 

「そんなら、帰りはそれで帰ろ。サイドカーにヴィータ乗せて後ろに私乗せてねぇな」

 

とはやてが笑いながら言うが

 

「「異議あり!!」」

 

ティアナとセッテが異議を申し立てる・・なんだ2人は意外と仲が良いのか?(逆です、2人の仲は最悪です)

 

「部隊長権限で却下、今日私とヴィータは兄ちゃんのバイクで帰ります。これは既に決定しました」

 

うう~と睨み合う、はやて達を見ながら

 

「はやて、私はレジアスの所に行くから。レジアスとの話しが終ったらここら辺で待っているからな?」

 

「了解。私らもここら辺で待ってるわ」

 

はやて達が試験場に歩いて行く中、私は逆に受付に歩いて行った(ちゃんとみあげのケーキを持っている)

 

「すまないがレジアスゲイズ中将に会いたいのだが?」

 

「アポイトメントはありますか?」

 

と冷静に受け答えをする、隊員に懐から隊員賞を見せながら

 

「管理局機動六課所属 八神龍也だ。私が来たと言えば会ってくれると思うが?」

 

一瞬だけ幻術を解除して素顔を見せる、すると隊員は慌てた素振りを見せながら

 

「も、申し訳ありませんでした、八神中将。レジアス中将は執務室に居られます」

 

敬礼しながら言う隊員に

 

「ありがとう、ああ・・それとこれは後で皆で分けて食べなさい。・・私が居ると言うことはそれで内緒にしてくれよ?」

 

懐から作っておいたクッキーを手渡し、シーというジェスチャーをする

 

「あっ、はい判りました。ありがとうございます」

 

そう言って頭を下げる、隊員の横を通り過ぎてエレベータに乗りレジアスの部屋に向かった

 

コンコン!

 

「入るぞ?」

 

ノックしてから部屋に入る

 

「うん?誰だお前?」

 

首を傾げるレジアスに

 

「私だ私。すまないが勝手に座らせてもらうぞ?」

 

幻術を解除してソファーに腰掛ける

 

「龍也、どうしたんだ態々変装などして?」

 

驚きながら同じようにソファーに腰掛けるレジアスに

 

「前本局に来たら、若い魔導師に囲まれて疲れたのでな。今回は変装してきた。それとこれはみあげだ」

 

作っておいたケーキを手渡す

 

「ほう、ありがとう、わしはこれが好きでな」

 

と笑うレジアス、作って来たのは甘さ控えめのチョコケーキ(それでも私は食べれないが)でレジアスがこれが好きなのだ

 

「所で如何したんだ?急に何か様でもあったのか?」

 

「チンク達の魔導師ランクを測るために本局に来る事になったからな、ついでに話しでもと思っただけだ」

 

と話をしていると

 

「どうぞ」

 

オーリスが紅茶を淹れて私の前に置くが

 

「オーリス・・いや・・ドゥーエだな?私を騙そうな等と十年早い」

 

そう言うと

 

「ふふ、ばれると思いましたがやって見たかったんですよ」

 

ISを解除して元の姿を見せる、長い金髪の美しい姿に戻りながらソファーに腰掛ける

 

「やはり八神様が凄いですね、完璧だと思ったんですが・・・」

 

自分に淹れた紅茶を飲みながら首を傾げるドゥーエに

 

「人にはその人だけしか出せない気配がある。姿形はオーリスだったが、感じる気配で判ったんだ」

 

どうして判ったのか説明していると

 

「おお、チンクとノーヴェの試験の結果が来たぞ」

 

ディスプレイに映し出されたのは、陸戦AA-と陸戦A+と表示された。チンクとノーヴェの顔写真だった

 

「ふふ、チンク達もやるわね。いきなりAAランクとは恐れ入るわ」

 

と楽しげに笑いケーキを口に運ぶドゥーエに

 

「はは、これでスカリエッティの娘だと言うから驚きだ、あの馬鹿と天才は紙一重を地で行ってる様なやつだからな」

 

と笑うレジアスの元に次々情報が来る

 

「クアットロが指揮のAA-、セッテは空戦A+、ウェンディも空戦A+。ふむなかなかやるじゃないか」

 

楽しげにモニターを展開し、ケーキを食べながら微笑むその姿はまるで孫思いのお爺ちゃんのようだ

 

「龍也・・今わしの事をお爺ちゃんのようだと思ったか?」

 

横目で睨んでくるレジアスに

 

「気のせいじゃないか?」

 

と誤魔化す為に笑うが

 

「まぁ良いがな・・」

 

と笑いモニターを見ると

 

「次は六課の隊員か。どうなんだ実力の方は?」

 

次の受験者のティアナの事を尋ねて来るレジアスに

 

「実力は申し分ない、高い状況判断に戦局眼に指揮も出来る、私は次期エース候補だと思ってるよ」

 

素直にティアナの能力を言うと

 

「絶賛するじゃないか、辛口のお前にしては珍しいな」

 

と笑うレジアスに

 

「仮にも私を撃墜したんだ、そのくらいの評価は当然だ」

 

スバルとのコンビネーションは素晴らしい物がある。間違いなくティアナとスバルはエース級の実力がある

 

「なんと・・この子は八神様を撃墜したのですか」

 

驚くドゥーエに

 

「スバルとのコンビなら完璧だ、多分なのはも撃墜できるんじゃないか?」

 

あのコンビネーションははっきり言って脅威だ。多分セレスとユニゾンしていても大ダメージは必須だからな

 

「ほうほう。それは素晴らしいな」

 

と話をしていると試験が始まった、大量のガジェットが現れるが

 

『モード、ショットシュート!!』

 

華麗に空を舞いながら的確に撃墜していく。そのうち一機がその散弾を回避して迫ってくるが

 

『ストライクダガー!』

 

ライフルの先が取れ大型のナイフになり、それを駆使して破壊する

 

「ほほう、やるじゃないか。しかし書類には陸戦とあったが?」

 

確かにレジアスの手元の書類には陸戦と書いてあるが

 

「私のデバイスの一つと融合してな、今は空戦魔導師だよ」

 

華麗な機動を描くティアナを見ながらそう呟くと

 

『ブラスターショット!!』

 

残像が出来るほど高速で動きながら、高威力のブラスターを連射する。確実に打ち抜き数を減らしていく

 

『これで決まり!ハウリングブラスター!!』

 

ライフルが開き巨大な銃口が姿を見せ

 

ゴウッ!!!

 

なのはのスターライトよりかは劣るが強力な砲撃が放たれ、ガジェットを全て破壊した

 

『・・試験は終了です・・控え室で結果をお待ちください』

 

試験管が驚きながらそう言い、ティアナが控え室に戻っていくと同時に結果が届く

 

「空戦AA-・・殲滅戦及び支援に特化している。妥当な評価だな」

 

結果ティアナは一気に3ランクもアップした

 

「いやいや。これは逸材だな」

 

レジアスも笑顔で見ていると

 

『よっしゃああ!次は私だ!!』

 

腕を回しながらスバルが姿を見せる

 

「ナカジマ・・ゲンヤの娘か・・それでこの子は如何なんだ?」

 

プロフィールを見ながら尋ねて来るレジアスに

 

「ティアナ同様、実力は申し分ないだが少し・・猪突猛進だな・・またか・・」

 

映像では

 

『リボルバーブレイク!!』

 

高速でウィングロードの上を駆けながら拳でガジェットを粉砕して回っている、その内破壊出来なかった物が光線を放つが

 

『そんな物!!プロテクション!』

 

青い魔力壁を纏いそのまま突貫して行き、体当たりで粉砕する

 

「龍也・・これは少し所じゃないぞ?」

 

レジアスが呆れながら言うと

 

『一撃必倒!!ディバインバスターァァッ!!!!!

 

左拳でスフィアを保持し、右拳で加速をつけて撃ち出しガジェットを粉砕しているが

 

「なんて馬鹿げた魔力なんですか?」

 

ベオウルフと融合したマッハキャリバーは攻撃の瞬間に、爆発的に魔力を増加させる効果がある。これのおかげでカートリッジを使わなくてもかなりの破壊力がある。そんな事を思ってると

 

『おお。でかいなぁ・・』

 

今までチンクとノーヴェにしか出なかった、ガジェット・ドローンIII型 巨大な球体の機械が姿を見せる

 

『へへ・・これなら試せるね。相棒!カートリッジロード!』

 

マッハキャリバーから空の薬莢が飛び出し、それと同時にウィングロードを高速で駆ける

 

『クラスタースフィア!!!』

 

肩から散弾状のスフィアを連続で放つ、それはガジェットに確実に命中しガジェットの姿を青い魔力が覆い隠す

 

『でええええい!!!!』

 

気合の入った声と共に上空から踵落としを放ち、ガジェットを凹ませる

 

『これが私の新しい切り札だああっ!!!!』

 

左拳をガジェットに叩き込む

 

『はあああああッ!!!!』

 

ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドゴン!!!

 

連続で魔力を直接叩き込み続ける、その内装甲が大きく凹む

 

『これで決まりだあああッ!!!リバルバーブレイク!!!!』

 

大きく振りかぶりガジェットを青い魔力光と共に殴り飛ばす、吹っ飛んでいく途中で大きな爆発音と共にガジェットは消えた

 

『・・・・・・・はっ!?試験は終了です・・控え室で結果をお待ちください』

 

『はーい』

 

返事を返し控え室に戻っていくスバルを見ながら

 

「龍也お前何したんだ?」

 

額から汗を流しながら尋ねて来るレジアスに

 

「・・私に一撃入れたらいう事を何でも聞くと言ったら・・何故かかなり張り切って訓練を皆やり始めた・・」

 

そう言うと

 

「お前・・いや何も言うまい・・天然に何を言っても判らないだろうからな・・・」

 

呆れた様に言うレジアスの前のモニターに

 

「陸戦AA+・・破壊及び突貫に適している」

 

スバルは唯一AA+に昇格が決まった・・これはなんとも言えないな・・

 

「龍也、お前が発表して来い」

 

レジアスから結果の紙を受け取り演習場に向かう

 

「おっと・・変装を解除しないとな・・」

 

向かう途中で幻術を解除し、スバル達が居るであろう控え室に向かった

 

「龍也様。話しは終ったのですか?」

 

控え室ではスバル達とチンク達が居た

 

「ああ。終った。それと試験の結果も聞いてきた、はやて達と合流したら教える」

 

そう言い控え室を出ようとすると

 

「えいっす」

 

背中に重みを感じ振りかえる

 

「ウェンディ・・・何してる?」

 

「判んないっすか?背中にしがみついてるんっす」

 

何事も無いように微笑むウェンディ・・そうか・・こいつは抱きつき癖があったと思い。降りるように言うのを諦め歩き出した。

 

その間妙な寒気を感じたのは気のせいだろうか?(気のせいではなく、ティアナが原因です)

 

 

「おっ・・兄貴だ。背中はウェンディか。聞いてたけど抱きつき癖があるってのは本当みたいだな」

 

集合場所で兄貴に先導されてスバル達が姿を見せる・・兄貴の背にはウェンディが居る事に気付いたフェイトが

 

「どうして・・私は・・おんぶなんかしてもらったこと無い・・ブツブツ・・・」

 

うつむきぶつぶつ言い始めた、フェイトが怖ええ、それをなのはが宥めようとするが

 

「フェイトちゃん、落ち着いて。しょうがないよ、ウェンディは抱きつき癖があるそうだから・・でも私も憎いかも・・・」

 

黒化×2少しやばくないかと思ってると

 

「ヴィータ、はやて、試験は終ったぞ。所で・・なのはとフェイトが何か言ってるが大丈夫か?」

 

ブツブツと呟きながら暗黒オーラを撒き散らす、二人を指差しながらはやてに尋ねると

 

「大丈夫や、ほっとけば治るわ。で試験の結果はどうやったんや?」

 

なのはとフェイトを無視・・いや・・この場合ほおって置くのが正解だから。この行動は当たっている

 

「今から発表しようだがその前に・・ウェンディ降りなさい」

 

背中のウェンディに言うと

 

「ほいほい、了解っす」

 

案外さっと離れたウェンディを見て、

 

(案外簡単に降りるんだな・・もう少し嫌とか言いそうな気がしたけど・・)

 

私はそんな事を思っていた

 

「それではまずはクアットロから、指揮のAA-だ」

 

AA-・・中々凄いな

 

「ふふ、当然ですわ、八神兄様に指揮の取り方を教わったのですから」

 

と微笑み、本当に嬉しそうに笑っている

 

「次はチンク、陸戦AA-、本来ならプラスでも良いそうだが能力の所為でワンランクダウンだ」

 

だよなぁ。あの触れた金属を爆弾って厄介な能力だもんな

 

「むっそうか・・もう少し力を使えるようにならないといけないな」

 

チンクは素直って言うか向上心が強いみたいだ

 

「次はノーヴェ、陸戦A+。もう少し冷静に戦局を見るべきだな?」

 

そういうと視線をずらしながら

 

「私はそういうのは駄目なんだよ、周りを見るとかはどうも駄目だ、そもそもフェンリルの能力は広域凍結だぜ?下手すれば味方ごと凍らせちまうよ」

 

確かにノーヴェの広域凍結ははやて並みの威力がある、だけど制御がまだ甘いから味方にもダメージが出ちまうそうだ。だから近接もやるそうだ。それと近接戦闘の方が性に合ってるのも理由らしい

 

「それもそうだが、私もフェンリルは使った事がある。上手く制御できれば味方に被害は出ない。ようはノーヴェの頑張り次第だな」

 

「判ったよ、少しは制御できるようにする」

 

手を振り笑うノーヴェを見てから兄貴はセッテの方を向き

 

「セッテは空戦A+、状況判断、戦術どれも上だが、もう少し仲間の事を考える事」

 

指示は出すけど、実行するのは少しきついものが多いもんな・・だけどその分正確で、的確にその状況を打破出来るから。優秀な指揮官なのかもしれない

 

「そうですか・・もう少し気をつけて見ます」

 

案外素直に頷いたと思ったが。その視線は兄貴をロックオンしてる・・なんかセッテは危険な感じがするぜ

 

「次はウェンディ、セッテと同じ空戦A+、だが少しは騎士甲冑モードを使え」

 

ウェンディのバニシングバードはボードモードと騎士甲冑の二つの形態がある、万能タイプらしいがボードモードしか使ってなかった

 

「う~ん、あれはあんま好きじゃないんっすよ、でも龍也兄が言うなら仕方ないっすね、少しは使うようにするっす」

 

とうんうんと頷くウェンディの後ろから、ティアナが

 

「龍也さん、私とスバルはどうでしたか?やっぱり昇格できませんでしたか?」

 

不安げなティアナの頭を撫でながら

 

「おめでとう、ティアナは空戦AA-だ」

 

なっ・・一気に3ランクアップ!?なのは達も復帰して驚きながら

 

「冗談ですか?」

 

と尋ねるが、兄貴は首を振りながら

 

「いや、本当だ。ティアナは3ランクアップでAA-。更に登録を陸戦から空戦に変更になった。良かったな、おめでとう」

 

信じられないと言う表情から笑顔になり

 

「本当ですか!?やった!ありがとうございます。龍也さんの訓練のおかげです!!!」

 

兄貴に抱きついて喜ぶティアナ・・今回くらいは良いかと思うが

 

「すすすすまん。離れてくれ」

 

真っ赤になって離れるように言う兄貴。つうか兄貴はそういう耐性が低すぎる

 

「嫌です」

 

即答し離れる気配の無いティアナに

 

「てい!」

 

ガスっ!

 

「はうっ!!」

 

はやての手刀が命中し、鈍い音を立てる、涙目でうずくまるティアナと

 

「はぁ・・」

 

肩で息する兄貴・・つうか私が抱きついても平気なのに、スバルとティアナが駄目な理由は何だ?

 

「はぁ・・はぁ・・最後はスバル、4ランクアップの陸戦AA+だ・・」

 

「・・・・・はぁっ!!!4ランクアップ、嘘だろ!!」

 

私は思わずそう叫ぶと

 

「話しは最後まで聞け、だが私の権限で1ランクダウンでAA-にした。理由は・・ガシッ!!」

 

思い当たる伏しがあるのか逃げようとした、スバルの頭を鷲掴みにし

 

「私は言ったよな?デバイスの能力に任せて突貫するなと・・」

 

ああ、納得したぜ・・兄貴に何度も言われたもんな

 

「はははは。はいそのとととおりです・・・」

 

ガクガク震えながら頷くスバル、この角度からは見えないが兄貴はきっと怒ってる

 

「良いか?次あんな事をしてみろ・・・クイントさんに連絡するぞ」

 

顔が一気に青褪めるスバル。確か死んだはずの母親が生きてたとか・・まぁ兄貴が助けたそうだけど

 

「はい、わわわ判りましたから。お母さんには言わないで下さい」

 

よっぽど怖いんだなと思ってると

 

「さてと・・じゃあ六課に帰るか・・ベヒーモスセットアップ」

 

黒塗りの大型バイクが姿を見せる

 

「はやて、ヴィータ行くぞ、バイクで帰るんだろ?」

 

ヘルメットを投げわたされる・・それを被りサイドカーに乗り込むと

 

「「うう・・良いな・・」」

 

なのはとフェイトが言うがセッテも羨ましそうに見ている

 

「今度の休暇にでも乗せてやる、ほらフェイトは車の運転を頼むぞ」

 

兄貴はそう言うとバイクに乗り

 

「はやて、乗れ行くぞ」

 

「了解や」

 

はやてがタンデムシートに乗った所でベヒーモスで走り出した

 

第61話に続く

 


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