夜天の守護者   作:混沌の魔法使い

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今回は第69話までの投稿です

内容としては

第65話 ほのぼの
第66、67話 なのは魔改造
第68、69話 フェイト魔改造

といった内容でお送りします。今回からこういう簡単な説明を付けるつもりなのですが・・どうでしょうか?少しハ見やすくなるといいのですが・・それでは本編始まります


第65話

第65話

 

誕生日パーティーの次の日の演習場で

 

「もう終わりか?」

 

ブレイクモードで騎士甲冑を起動させたままで、目の前のセッテに問いかける

 

「はぁ・・はぁ・・まだです・・まだ私は・・負けていません・・」

 

ソルエッジを杖代わりに立ち上がるセッテの瞳はまだ負けを認めておらず・・強い意志の力があった

 

「行きますッ!!」

 

息を整え、踏み込みながらソルエッジを振るってくる

 

「ふっ・・」

 

左の篭手で受け流し。軽く肩に打撃を加える

 

「・・つ・・」

 

よろめき倒れかけるセッテに

 

「無茶をしても強くはなれんぞ?」

 

私の目から見れば、すでにセッテは限界を軽く超えている

 

「まだです・・私は龍也様を超える・・・貴方を護れるよう・・に・・」

 

グラッ・・意識を失い倒れかけるセッテを

 

「っと・・まったく・・気絶してまでソルエッジを放さないか・・」

 

気絶してまでソルエッジを放さないセッテを背負う

 

「まったく・・私の何処が良いんだ?・・セッテみたいな美人ならもっと良い男が居るだろうに・・」

 

気絶したセッテを背負いながら私はそう思う・・何故セッテはここまで私を慕ってくれるのか・・それが判らなかった

 

「八神・・セッテは?」

 

チンクが心配そうに駆け寄ってくる

 

「魔力の酷使で気絶してる・・少し休めば目を覚ますと思うが・・一応念の為にシャマルに見て貰うと良い」

 

気絶してるセッテを下ろしながら、チンクにセッテの様子を説明すると

 

「ったく・・この馬鹿は・・無茶しすぎなんだよ」

 

ノーヴェが心配そうに濡れたタオルをセッテの額に乗せる

 

「セッテの八神兄様至上主義も困った物ですわ・・私はセッテを医務室に連れて行きますわ」

 

クアットロがセッテを背負い演習場を後にした

 

「う~ん、セッテも無茶するっすね・・龍也兄次は私っすか?」

 

セッテの事を心配しつつも、次は自分かと尋ねるウェンディに頷く。チンクはノーヴェ達の情報をクアットロと共に纏めていたから今回は不参加・・ノーヴェはもう組み手をしたので終わり。残るはウェンディだけだ

 

「・・緊張するっす・・」

 

ウェンディは大きく深呼吸をしながらこっちを見ている。

 

「ええい・・行くっすよ!!セットアップ!!」

 

濃紺のバリアジャケットに、その足元には大型のボードがあった。これがウェンディのデバイス・・バニシングバード・・凶鳥を意味するが・・味方ならこれほど頼もしい物は無い・・防御・砲撃・近接・・マルチに対応する事が出来るからだ

 

「IS発動!!・・んで・・マッハインパルスッ!!!」

 

ISで浮上すると同時に。加速突撃してくる

 

「むっ・・」

 

サイドステップで回避するが

 

「まだまだっす!!」

 

即座にボードの機首を上げて、上空に向かい

 

「でええええいっす!!!」

 

私目掛けて急降下してくる・・あのスピードでの体当たりだ・・喰らえば大ダメージは必須だが・・

 

「当たると思ってるのか?」

 

後方に飛びそれを回避すると

 

「当たるとは思ってねぇっすよ!!私の狙いは・・ナイトモード!!」

 

ボードを騎士甲冑に変化させて、着地と同時に

 

「ストライクザンバーッ!!」

 

足の騎士甲冑から魔力刃を発生させて蹴りこんでくる

 

「!・・甘い・・」

 

驚きはしたが・・蹴りには切れが無く狙いも甘い。足を掴み

 

「うあっ!」

 

そのまま投げ飛ばす

 

「げふっ・・・酷いっ・・す」

 

体裁きの甘いウェンディはビルに追突して。気絶した

 

「・・・・私が悪いのか?」

 

気絶したウェンディを指差してチンクに尋ねると

 

「・・・私がもう少し体術を教えておく・・」

 

チンクの呟きに頷き・・ウェンディを背負いチンク達と合流し食堂に向かった

 

「龍也さん・・訓練は終った・・・何故ウェンディを背負ってるんですか?」

 

ティアナが鋭い目でウェンディを睨む

 

「訓練中に気絶したので。背負ってきたんだが・・何か問題があったか?」

 

気絶してるウェンディを下ろし、自分の朝食を取りに行ったが・・

 

「へっ・・此処は食堂っすよね・・・はっ!ティアナ・・・」

 

「良いわね・・龍也さんにおんぶしてもらって・・私とお話しましょう?」

 

「あああああああっ!!!」

 

ウェンディの絶叫が聞こえたが、私は振り返る事が出来なかった・・すまない・・私はお前を見捨てる事になる・・

 

「あううう・・酷いっす・・」

 

机に伏せてるウェンディは酷く消耗し

 

「嫉妬に狂う女は怖ぜっ・・」

 

ノーヴェは青い顔をして、震えていた

 

「くすくす・・」

 

ティアナは黒い笑みで笑っていた・・その笑みは何故か底冷えする恐ろしさがあった

 

(・・しかし何故?ティアナは怒ってるのだろう?)

 

私は何故ティアナがウェンディに怒ったのかが判らなかった・・

 

鈍感過ぎる男・・八神龍也。彼に想いを寄せる女性の気持ちに、彼が気付くのは何時の日になるだろう・・

 

 

 

「なぁ・・ヴィータ・・おかしくないか?」

 

自室で私服に着替えてヴィータに聞く

 

「私はそれで良いと思うぞ?兄貴に露出のある服を見せるのはマイナスだかんな」

 

二人で服を考える・・・誕生日パーティーの後に遊びに行くと約束していたので。もう直ぐ兄ちゃんが迎えに来るはずだ

 

「普通なら・・露出のある服は男の人好きそうやけど・・相手は兄ちゃんやもんな・・普通じゃだめやから」

 

それに普通ならもう少し人の好意に気付くもんやろ?まぁ・・気付かれるのは私が嫌やけど・・

 

仮に兄ちゃんが彼女を作ったと仮定しよう・・・ビキッ!!

 

「はやて!?どうした顔が怖いぞ!?」

 

ヴィータの声で正気に戻る・・仮定だとしても殺意が抑えられん・・まじでその女殺しかねんな・・

 

「なぁ・・ヴィータ。兄ちゃんは、どうしたら私の気持ちに応えてくれると思う?」

 

昔からなんどもやったやり取りだ

 

「そうだよなぁ・・私さ兄貴に好きだって言ったって言っただろう?でも兄貴は前のまま・・意識した素振りを見せねぇ・・どうしたら良いかなんて私にも判らねぇよ・・」

 

うーなんで兄ちゃんはあんな鈍感なんや・・と頭を抱えてると

 

「はやて?準備できたか?出掛けるぞ?」

 

扉の外から兄ちゃんの声が聞こえたので

 

「ちょっと待ってて・・今着替えとるで」

 

と返事を返し、出していた服をクローゼットに仕舞ってから

 

「おっしゃ!!ヴィータ行って来るわ!」

 

気合を入れて部屋を後にした

 

「兄ちゃん・・お待たせ」

 

部屋の外で兄ちゃんは腕を組んで待っていた

 

「いや・・そんなに待ってないから気にするな」

 

と笑う兄ちゃんの黒を基調とした服を着ていて、凄く格好良いと思う

 

「えへへ・・兄ちゃんと一緒に出かけるなんて何時振りやろか?」

 

二人で街に出掛けながら、私は笑顔で兄ちゃんに話しかけた

 

「そうだな・・昔はずっと二人だったからな・・」

 

その通りだ・・昔は私と兄ちゃんは二人だけで、ずっと二人で居るのが当たり前だった・・ヴィータやシグナムは良いでも。なのはちゃんやフェイトちゃんは余り好きやない・・二人は私から兄ちゃんを遠ざける・・そんなのは嫌だ・・兄ちゃんは私の兄ちゃんなんやから・・私の大好きな私だけの兄ちゃんなんやから

 

「・・兄ちゃん大好きや」

 

私の物だという意味を込めて、兄ちゃんの腕を抱き抱えて私が言うと

 

「やれやれ・・いい加減兄離れして欲しい物だ」

 

と言いながらも私の頭を頭を優しく撫でてくれる

 

「嫌や~私はずっと兄ちゃんと一緒に居るって決めたんやもん」

 

そうだ・・私はずっと兄ちゃんと一緒に居るんや・・誰にも渡さない・・兄ちゃんは私のなんやから・・

 

私は兄ちゃんの腕を更に抱きしめて笑いながら歩を進めた。

 

 

 

 

「んふふ~最高や」

 

私の腕をしっかりと抱え込んだはやては良い笑顔で笑っている

 

「歩きにくいんだが?」

 

余りに距離が近い為歩きにくいと言うと

 

「知らん・・私は歩きにくない」

 

取り付く島も無い様で更に抱きしめる力を強める、はやてに苦笑しながら、デパートへ向かった

 

「ふっふーん。兄ちゃん。これなんかどうや?」

 

婦人服売り場ではやてはどんどん試着して、私に感想を求めてくるが

 

「すまない・・私は余り良く判らない・・」

 

普通ならもっと気の聞いた事が言えるだろうが・・私には良く判らなかったので、正直に言うと

 

「そんなん判ってる。私が聞きたいのは、兄ちゃんはこういう服は好きかどうかや」

 

はやての着ている服を見る・・シンプルな物だがお洒落だ・・それに露出も少ないし・・はやての魅力は充分に引き出していると思う

 

「そうだな・・私はそういう服のほうが良いと思う」

 

返事を返すとはやては満足げに笑い

 

「そうか~、じゃあ私これ買うわ・・ちょっと待っててな・・」

 

はやてが着替えに戻った間に

 

「・・何かプレゼントを買うべきだな・・」

 

私は近くの装飾店に入り、はやてへのプレンゼントを購入し、綺麗にラッピングして貰ってから、はやての所へ戻った

 

「・・おっ・・兄ちゃん探したで?何処行ってたんや?」

 

婦人服売り場に戻ると、はやては服の入った袋を持って、少し怒ったような顔をしていた

 

「すまん・・少し買うものがあったから探しに行っていた・・」

 

「なんや・・そんなら私も一緒に捜しに行ったのに・・」

 

と笑うはやてと共に、再び買い物戻ったが・・

 

「所ではやての周りに人が居なかったが、どうしたんだ?」

 

はやての周りに綺麗に人が居なかったので尋ねると

 

「ナンパされそうやったから。ダガー投げた・・」

 

若干後悔という顔をしているので深くは聞かなかった

 

「次は何を買うんだ?」

 

デパートの中を歩きながら尋ねると

 

「えへへ・・ロケット!私とお揃いで買おっ!・・ペンダントもボロボロやしさ・・」

 

私とはやての首から下げられているペンダントは、8年前に買った物なので所々メッキが剥がれてしまっている

 

「そうか・・判ったでは行こうか?」

 

「うんっ!」

 

装飾店に入り、お揃いでロケットを探す

 

「いらっしゃいませ・・どのような物をお探しでしょうか?」

 

初老の店員が人の良い笑顔で尋ねて来る

 

「すいません・・そのお揃いでロケットを探してるのですが・・」

 

ロケットを探してると言うと

 

「さようですか・・判りました。良い品があります」

 

初老の老人が差し出したのは・・

 

「これは・・ベルカの十字架ですか?」

 

ベルカの剣十字をモチーフにされた、金と銀のロケットだった

 

「はい。その通りでございます、如何でしょうか?お気に召しましたか?」

 

そのロケットは私の目から見ても。美しい装飾が施されとても良い物だとは判る

 

「そうですね・・気に入りました。これ貰います」

 

「そうですか、■■■■■になります」

 

高いな・・だが買えない額じゃない

 

「判りました・・■■■■■ですね。これでお願いします」

 

支払いをすると少々お待ちください・・と言い消えた店員を見ていると

 

「兄ちゃん・・あんな高いの良いの?」

 

はやてが不安げに尋ねて来るが

 

「気にしなくていい・・私もあれは気に入ったからな」

 

と笑いはやての頭を撫でてると

 

「お客様・・こちらの方へお願いします」

 

呼ばれた方に行くと、カメラが置かれた部屋があった

 

「本店ではロケットを買われたお客様には、中に入れる写真もセットですので」

 

と笑う店員に促されはやてと並んで立つ

 

「それではそのままでお願いします・・カシャッ!!・・もう宜しいですよ。直ぐに現像しますので暫くお待ちください」

 

店員を待って二人で話して時間を潰してると

 

「お待たせしました・・どうぞ」

 

ロケットを手渡されて中身を見る

 

「綺麗・・」

 

ロケットの中の写真には、とても美しい笑顔で笑っているはやてと、それに寄り添う形で私が立っていた

 

「またのお越しをお待ちしています」

 

店の外まで見送られその店を後にした

 

「ありがとう・・兄ちゃん・・大切にするわ」

 

はやてはそのロケットを握り締め笑っていた

 

「そうだな・・私も大切にするよ」

 

金色に輝くロケットを握り締めた。誓いを・・はやてを護るという誓いを忘れぬ為に

 

 

 

「兄ちゃん・・そろそろお昼やから、何か食べよ」

 

ロケットを買って、ウィンドショッピングを楽しんでいたが、そろそろお昼だという事に気付き。兄ちゃんに言う

 

「そうだな・・何か食べるとしよう・・はやては何が良い?」

 

何にしようかな~と思い店を見ていると、一軒の店が目に止まった

 

「そうや!・・偶にはファーストフードでハンバーガーにしよか?」

 

偶にはこういうのも良いと思いそう言うと

 

「そうだな・・偶にはこういうのも悪くないな」

 

と笑う兄ちゃんと一緒にハンバーガーを食べた・・美味しかったと思うが、前に兄ちゃんが作ってくれた方が美味しかったと思った

 

「・・今度作ってみよう・・あのテリヤキバーガー」

 

兄ちゃんは何故か注文したテリヤキバーガーが気に入ったようで、そんな事を呟いていた・・それがおかしくて笑ってると

 

「むっ・・何がおかしいんだ?」

 

首を傾げる兄ちゃんの腕を抱き抱えて

 

「なんもおかしないよ、それよりはよ買い物行こっ!」

 

急に腕を抱き抱えられた、兄ちゃんは驚いたのか、目を見開くが

 

「判った、行こうな」

 

と微笑む兄ちゃんの腕を確りと抱き抱え歩き出した

 

「やっぱ・・兄ちゃんと一緒に居るのが一番楽しいわ」

 

夕暮れ時まで買い物を楽しみ、帰り道で私がそう言うと

 

「・・私としては早く兄離れして欲しいと思うがな」

 

と言う兄ちゃんに

 

「別に私は兄離れしても良え、でもそうやったら女として迫ります。私と兄ちゃんは従兄弟やからね。私は別にどっちでも良いで?」

 

兄離れしても良いが兄ちゃんを他の女に渡すつもりは無い、ならどんな手を使っても自分の物にするまでだ。妹ならそこまで変な事をするつもりは無いが、女としてならどんな手でも使う。それこそ薬でもなんでもだ・・

 

「・・今のままで良い・・」

 

疲れた様に言う兄ちゃんに頷き、二人でゆっくりと六課に戻って行くと

 

「ああ・・忘れる所だった、プレゼントがあったんだ」

 

そういって差し出された箱を受け取り

 

「開けて良え?」

 

開けて良いかと尋ねると

 

「勿論。開けて良いぞ」

 

兄ちゃんの了承を聞いてから箱を開ける

 

「綺麗やわ・・兄ちゃんこれ高かったやろ?」

 

紫色の宝石・・多分アメジストだ、それが大量に使われた花のブローチを見ながら尋ねると

 

「今まで渡せなかった、誕生日プレゼントだと思ってくれれば良い」

 

なんや・・兄ちゃん気にしてたんやな・・今まで誕生日プレゼントを渡せなかった事を・・

 

「そんなん気にせんで良かったのに・・でもありがとう!大切にするわ!」

 

渡されたブローチを大切にポケットにしまい。兄ちゃんの腕を再び抱き抱えた。

 

(ふふふ・・嬉しいなぁ・・これ大切にしないとな・・)

 

私はロケットとブローチを見ながら私はそう思った。昔からずっと一緒に居てくれた兄ちゃん・・ずっと護ってくれた兄ちゃん・・

私は兄ちゃんが大好きやっ!これからもずっと・・ずっと大好きや!私は絶対兄ちゃんから離れない!そう決めたのだから・・

 

 

 

「喜んでもらえて良かったな・・」

 

はやてと別れ、自室で休憩しながら私はそう呟きながら。紅茶を一口飲み

 

「ふふ・・はやてはあの花の花言葉に気付くかな?」

 

はやてがあの花の花言葉に気付くかと思っていた。気付けば気付いたで大変だとは思うがそれでも良い。と思い笑っていると

 

「王よ、どうなされたのです?その様に笑っている等と、何か良い事があったのですか?」

 

問いかけてくるセレスに

 

「ふふ・・ああ・・今日はとても良いことがあった、久しぶりにはやてと二人きりだったんだ」

 

と言うとセレスは柔らかい笑みを浮かべ

 

「それはそれは良かったですね、どうでしたか?はやて様と共に居た時間は?」

 

と尋ねるセレスに

 

「そうだな・・とても楽しかった・・はやてと共に居るときは一番心が安らぐ・・なにせはやては・・私に光をくれた者だからな」

 

と笑う。父さんと母さんが死んで絶望の淵に居た私を救ってくれたのは誰でもない、はやてだ。私ははやてには言葉で言い切れないほど感謝していると言うと

 

「王よ・・私に名の意味を覚えていますか?」

 

と問いかけてくるセレスに

 

「ああ、覚えているとも・・空の上から見守る者・・天界の青き風・・セレス・・違うか?」

 

と答えるとセレスは満足げに頷き

 

「私はその名に恥じぬように、貴方と貴方の家族を護る事を今一度誓います」

 

と頭を下げるセレスの姿は間違いなく騎士だった・・

 

「判った、セレスの誓いしかと。この胸に刻んだ。これからも天雷の騎士としての活躍に期待している」

 

と言うとセレスは微笑みながら

 

「はっ!お任せください!我が名と誇りに懸けて」

 

と頭を下げてセレスは溶ける様に消えた・・

 

「やれやれ・・心臓に悪いな・・」

 

セレスの得意技だとは知ってるが・・やはり心臓に悪いと思ってると

 

「兄ちゃん・・起きてるか?」

 

はやてがノックしてから入ってくる

 

「うん?どうしたはやて?」

 

あのブローチの花言葉に気付いたのかと思ったが・・違うようだった

 

「あんな?兄ちゃんが私の兄ちゃんになってくれた日は、一緒に寝る約束やったやろ?でもあの時は一緒に寝れなかったから・・今日一緒に寝よう思ったんやけど・・駄目?」

 

と尋ねて来るはやてに

 

「別に良いよ・・じゃあ一緒に寝ようか?」

 

「うんっ!」

 

笑顔で頷くはやてと一緒にベッドに横になった

 

「なぁ・・兄ちゃんあのブローチの花の花言葉って何?」

 

布団に包まりながら尋ねて来るはやてに

 

「秘密だ・・」

 

教える訳には行かない・・此処で教えたら私のアイデンティティは崩壊させられてしまうからだ

 

「んーそうか・・じゃあ自分で調べるわ」

 

と笑うはやてを見ながら私は

 

(あの花の名はゼラニウム・・花言葉は・・君ありて私の幸せ・・)

 

あの花言葉を教える訳には行かないからな・・はやての事だからプロポーズやねっ!とか言いそうだしな・・と思いはやてを見ると

 

「むにゃ・・むにゃ・・兄ちゃん大好きや・・」

 

疲れていたのか直ぐに眠ってしまった、はやてに苦笑しながら髪を撫でる

 

「ふふふ・・・いい加減、兄離れしてくれると良いんだけどな・・」

 

と思いながら、私も眠りに付いた。

 

決して色褪せる事の無い誓いを胸に・・私は剣を振るおう・・大切な家族を護る為に・・

 

 

第66話に続く

 


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