夜天の守護者   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです

今回は第80話までの投稿です
内容は
第75話 ヴィータ 魔改造後編
第76話 FW陣VSハーティン
第77話 シグナム魔改造
第78話 インターミッション
第79話 エリオ魔改造 前編
第80話 エリオ魔改造 後編

でお送りいたします、なおバカテスも更新してきたのでよろしければお願いします


第75話

第75話

 

「おらぁっ!!」

 

大きく跳び上がりながらネクロ目掛け、アイゼンを叩き付ける

 

「ぬうっ!舐めるな!!」

 

右腕の爪でアイゼンを弾き飛ばし、即座に左の爪を振り下ろしてくるが・・

 

「へっ・・当たるかよ」

 

即座に後ろに跳び回避し

 

「おらよ!お返しだ!!」

 

がら空きの腹にアイゼンを叩き込み、即座に距離を取る・・

 

「ぐう・おのれ・・魔導師・・風情が・・図に乗るなッ!!!サイコキャノンッ!!」

 

痺れを切らしたのか、背中の砲塔から放射線状に広がる砲撃を放つネクロ

 

「ちぃ!・・こんな技まであったのかよ・・プロテクション!!」

 

背中の砲塔は砲撃用だと思ったが・・こんな器用な事も出来たのかと舌打ちしながら、プロテクションで防ぐ

 

「喰らえっ!!ブースタークローッ!!」

 

プロテクションを砕こうと、鋼鉄の鉤爪が迫ってくるが・・

 

「喰らうか!」

 

アイゼンを下から振るい鉤爪を弾き飛ばす

 

「ぬう・・」

 

バランスを崩しながら後ろに飛ぶネクロに

 

「へっ・・LV4も大した事ねぇな?」

 

アイゼンを肩に担ぎながら言う・・こういう気の短い奴にはこういう挑発が一番効くからだ

 

「ぬううう・・貴様!!調子に乗るのもいい加減にしろよ!!・・良いだろう・・俺の全力で貴様も!!守護者も!!叩き潰してくれる!!」

 

その言葉と同時に奴を赤い魔力が包み込んでいく・・ちっ・・挑発が裏目に出たか・・私がそう思っている内に奴を包み込んでいた赤い魔力が消え・・奴の姿がはっきりと見えた・・

 

「貴様如きに・・俺が・・ダークマスターズのカーズ様が全力を出すとはなっ!!!」

 

漆黒の甲冑が血の様な赤に染まり・・背中の砲塔が一回り巨大化し、奴が身に纏う魔力がさらに暗く・・淀んだ物になっていた・・だが・・それでも負ける気はしない・・何故なら・・

 

「へっ・・そうかい・・だけどな!!私だって負けるつもりはねぇんだよっ!!」

 

そうだ・・私はもう二度と負けない・・私は決めたんだ・・兄貴を護る・・ずっと一緒に居るってなっ!!

 

私は両手でアイゼンを握り直し、カーズ目掛け全力で振りかざした

 

ガキーンッ!!!

 

甲高い音を立ててアイゼンとカーズの爪がぶつかる、・・押し勝っていたのは私だった・・

 

ビキッ!!

 

音を立ててカーズの爪に皹が入る・・

 

「馬鹿なっ!!俺の爪が砕けただと・・」

 

驚愕の声を上げるカーズの腹に

 

「おらあっ!!ぶっ飛びやがれっ!!!」

 

全力でアイゼンを叩き込む

 

ドガッ!!

 

鈍い音を立ててアイゼンがカーズの甲冑を砕く!!

 

「馬鹿なっ!!この俺が・・このカーズ様が・・負けているだとっ!!」

 

腹を押さえながら後退するカーズ・・私がこいつに負ける筈が無い・・人って言うのは・・護りたい者がある時・・何倍も力が跳ね上がるんだ・・こいつみたいに破壊や殺す為に力を奴に負ける筈が無いのだ

 

「ぐううう・・!!はっ!!馬鹿めっ!!守護者の事を忘れてたな!!

 

奴の砲塔が倒れている兄貴の方を向く・・兄貴は気絶している・・防ぐ事は出来ない・・私は慌てて兄貴の方に向かった

 

「くっくっくっ・・どうやら俺の勝ちの様だ!!貴様ら人間は誰かを護る等という心の所為で死ぬのだ!!回れ!!悪意の無限力よ!!」

 

奴が詠唱に入る・・ちっ・・間に合うか?距離が離れすぎている・・兄貴から遠ざける為に奴を吹っ飛ばしたが・・それが完全に裏目に出ている・・兄貴の方に向かっている、その間にも奴の詠唱は続く

 

「憎悪と殺意に呑まれ!!漆黒の世界に消えよ!!テトラクテュス・・グラマトン・・」

 

奴の体を漆黒の・・いや・・闇だ・・闇色の魔力が包み込む・・そして・・

 

「消えろ!!アイン・・ソフ・・オウルッ!!!」

 

背中の砲塔から闇色の砲撃が放たれた・・それは真っ直ぐに兄貴に向かって進んで行く・・

 

「やらせて・・堪るかぁぁっ!!!」

 

ギリギリのタイミングで兄貴の前に回り込む事が出来た、私はカートリッジで魔力を強化し、即座にプロテクションを発動させ奴の砲撃を受け止める・・

 

(ぐっ・・不味い・・威力がありすぎる・・)

 

カートリッジで強化した魔力のプロテクションなのに・・奴の砲撃を受けて徐々に壊れていっている

 

(負けられない・・ここで私が倒れれば・・)

 

私の後ろには兄貴が居る・・ここで私が倒れれば兄貴は死ぬ・・そんなのは嫌だっ!!

 

「負けて・・負けて堪るかぁぁぁっ!!!!」

 

防御はこれ以上不可能・・なら弾き飛ばす!!大きく踏む込みながらアイゼンで砲撃を弾き飛ばそうとするが・・押し返される・・

 

「こんなもんに負けて堪るか!!・・私はもう誰にも負けねぇっ!!」

 

その叫びと共にアイゼンを全力で振るい、奴の砲撃を弾き飛ばした

 

ドゴーンッ!!!

 

弾き飛ばした砲撃がビルを砕き消滅させる・・どうやら強制消滅系の魔法だったようだ・・

 

「馬鹿な・・俺の砲撃を弾き飛ばしただと・・?」

 

信じられないと言いたげに言うカーズに

 

「あいつ・・一度ならず二度までも兄貴を殺そうとしやがったな・・許さねぇ・・アイゼン!!カートリッジロード!!!」

 

カートリッジが飛び出し、アイゼンが形を変えていく・・

 

「迅雷・・覚醒・・」

 

アイゼンがギガントフォルムに変化すると同時に騎士甲冑が更に変化する・・蒼い甲冑からは柔らかな光が放たれ、背中の翼は一回り巨大化し・・髪がその色を変え白銀に染まる・・それと同時に頭の中に声が響く・・

 

『護って・・王を・・私の代わりに護って・・』

 

「そうか・・お前が風の騎士か・・」

 

さっきから頭の中に響く柔らかな女性の声に返事を返す

 

『そう私は風の騎士・・もう戦う力を持たぬ・・存在・・でも私は王を護りたい・・だから貴女に力を貸す・・だから王を護って』

 

懇願するように繰り返し、王を護ってと言う声に

 

「判ってる・・兄貴は私が護るからよ・・お前の力も貸してくれ・・」

 

『判った・・私の力を全部貴女に預ける・・だから王を護って・・お願い・・』

 

その声と共に女の声は完全に消え、代わりにギガントフォルムのアイゼンを、更に紅色の魔力が包み込み更に巨大な姿になる・・・

 

「行くぜ・・フルムーンメテオ・・・」

 

カーズ目掛けアイゼンを

 

「インパクトッ!!!」

 

振り下ろした・・

 

「ウォオオッ!!この俺が・・ダークマスターズのカーズがぁぁ・・こんな・・・」

 

ズガーンッ!!!!!

 

隕石が落ちたような音と共にカーズの姿は消えて行った・・

 

「はぁ・・はぁ・・くっ・・勝った・・これで兄貴をシャマルの所に連れて行ける・・」

 

私は魔力の消費のしすぎて揺れる視界のまま、兄貴を担いでなのは達と合流する為に合流ポイントに向かった・・

 

 

 

 

ヴィータの姿が消えてから数分後・・クレーターの中心が動き・・次の瞬間カーズが姿を見せる

 

「はぁっ!・・はぁっ!!危なかった・・直撃の瞬間に地面に潜らなかったら俺は死んでいた・・」

 

直撃の瞬間、ブースタークローで地盤を砕き落ちた・・そのおかげでまだ俺は生きている

 

「魔導師・・次は・・次は負けん・・今度は俺が勝つ・・ジオガディス様の為に・・」

 

まずはパンデモニウムに戻って傷の回復が最優先だ・・俺が立ち上がった瞬間

 

「おやおや・・まだ生きていたのですか?」

 

ニヤニヤと笑いながらヴェノムが俺の前に着地する

 

「ヴェノム・・助けに来てくれたのか?」

 

助けに来てくれたのかと思い尋ねると

 

「助ける?・・はて?何の事でしょうか?我らに敗者は必要ない・・私は後始末に来たのですよ」

 

手に鞭を具現化するヴェノム・・そうか・・俺を殺しに来たのか・・

 

「ふんっ!!調子に乗るなよ・・ヴェノム・・貴様が俺に勝てると思っているのか!!」

 

俺は爪をヴェノム目掛け振り下ろす

 

「やれやれ・・その様な体で私に勝つつもりですか?・・片腹痛いですね」

 

爪をサイドステップで回避し、俺の腹に連続で蹴りを叩き込むヴェノム

 

「ぐぅ・・サイコキャノンッ!!」

 

ヴェノムに放射線状に広がる砲撃を放つが

 

「やれやれ・・射程だけの汚い技・・そんな物で私を捉えようとは・・悪い冗談ですね」

 

跳躍しサイコキャノンを回避し、俺の顔を蹴りつけるヴェノム

 

「くっくっくっ・・大人しく死んでくれれば・・これ以上痛い思いはしなくてすみますよ?」

 

嘲笑うように言うヴェノムに

 

「どうせ・・貴様の事だ・・俺は実験材料にするつもりだろう・・俺はそんな不様な死に方はせんっ!!」

 

唯で死ぬつもりは無い・・こいつの実験材料になるくらいなら・・俺は自らの手で死ぬ

 

「全てが貴様の思い通りに行くと思うなよ・・オーバーカタストロ・・」

 

俺が自爆技を発動させようとした瞬間

 

「くっくっくっ・・いやいや・・ここまで私の思う通りに行くとは・・正直驚きですよ・・さよならですねカーズ・・キメイラ・・食事の時間です」

 

そうヴェノムが言った瞬間

 

ズガンッ!!!

 

「がっ!!・・ば・・か・・な・・」

 

俺の体を漆黒の腕が貫いていた・・

 

「ぐるるる・・」

 

ドクンッ!!ドクンッ!!

 

自爆の為に溜めた魔力が、俺を貫いている腕に吸い取られていく・・

 

「くそ・・俺は・・こ・・ん・・な・・」

 

俺は最後まで言葉を紡ぐ事無く・・意識は途絶えた・・

 

「くっくっくっ・・これでキメイラは真の完成を迎える事が出来る・・」

 

消えていくカーズを見て笑うヴェノム・・その顔は狂気に染まっていた・・

 

「ぐるるるる・・・があああああっ!!」

 

カーズを吸収したキメイラが雄たけびを上げると同時に、キメイラの体を漆黒の魔力が包み込む・・そして漆黒の魔力が消えた瞬間

 

「があああああっ!!!」

 

雄たけびを上げるキメイラ・・だがその姿はさっきまでの物と違っていた・・つぎはぎだらけでバラバラだった体色は、漆黒に染まり…その背にはカーズの背負っていた砲塔が現れ・・最後にキメイラの背中と両腕と頭にカーズの甲冑の特徴を持った、半透明のオーラが現れる

 

「ぐるるる・・ぐおおおおっ!!!」

 

キメイラは空を見ながら咆哮する・・

 

「はは・・はっはっはっ!!!完成だ!!私の最高傑作が遂に・・遂に完成したっ!!!」

 

ヴェノムは狂ったように笑いながら

 

「さぁ!キメイラ!帰りますよ・・何時までもこんな所に用はありませんから」

 

ヴェノムが指を鳴らし、漆黒のゲートが現れる

 

「くっくっく・・この力があれば・・守護者など・・恐れる事はありませんね・・」

 

ヴェノムとキメイラは漆黒のゲートに入り、闇に溶ける様に消えて行った・・

 

 

 

 

「兄貴・・」

 

医務室のベッドで眠っている、兄貴の額の汗を拭う・・なのはと合流し直ぐに六課に戻り、シャマルに見て貰った・・命に別状は無いそうだが・・暫くは絶対安静だそうだ

 

「また・・兄貴に護られたな・・」

 

私はまた兄貴に護られた・・護る為に力を付けたのに・・結局私はまた護られた・・まだ私は弱い・・

 

「うっ・・・」

 

苦しそうに呻く兄貴の額の汗を拭う、幾ら兄貴でもプロテクションも無しに砲撃の直撃を受けたんだ・・そのダメージは計り知れない

それから一時間ほど兄貴の様子を見ていると

 

「うっ・・・ヴィータ?・・どうしたんだ?そんなに泣きそうな顔をして・・」

 

兄貴が目を覚まし、私の頬に手を当てながら尋ねて来る

 

「兄貴・・良かった・・ぐすっ・・」

 

兄貴が目を覚ました事で緊張の糸が緩んだのか、涙が溢れだす

 

「どうしたんだ・・泣いて?」

 

どうしたんだ?と尋ねる兄貴に

 

「どうしたんじゃねぇよっ!!兄貴が死んじまうかもしれないと思って!!怖かったんだよ!!」

 

と怒鳴ると兄貴はすまなそうに笑い

 

「すまないな・・また心配させてしまった様だな」

 

すまないと言いながら、私の髪を撫でる兄貴に

 

「違う!・・どうして!!兄貴は私は責めないんだよ!!私が油断したから・・あいつの砲撃を・・馬鹿・・えっ?」

 

こつんと力無く兄貴の拳が額に当たる

 

「何処の世界に妹を責める兄が居るんだ・・兄は妹を護る物なんだぞ?」

 

と力無く笑い兄貴は私を抱き寄せる

 

「えっ・・」

 

突然抱きしめられた事に驚いていると

 

「心臓・・動いてるだろ・・大丈夫私は死なないよ・・」

 

トクン・・トクン・・と兄貴の心臓が動く音が聞こえる

 

「本当だ・・動いてる・・」

 

当たり前の事なのに・・思わず口にしてしまう

 

「当たり前だ・・私はそう簡単に死なない・・だから安心しろ・・」

 

安心しろと言いながら私の髪を撫でる兄貴に・・私はもう涙を我慢する事が出来なかった

 

「ああああっ・・ぐすっ・・うう・・あああああっ・・・」

 

兄貴の胸に顔を埋めて涙を流す

 

「大丈夫だよ・・私はここに居る・・」

 

優しく私の背を撫でる兄貴にまた涙が溢れ出す・・私は涙が枯れるまで泣き続けた・・

 

「・・ふぁああっ・・」

 

私は大きく欠伸をした・・泣いて泣いて泣き続けた所為か、私は強烈な睡魔に襲われていた

 

「眠いのか?・・ほらおいで」

 

ベッドの横を叩く兄貴に

 

(ど・・どうしよう・・小さい時(クレアの成長プログラムをコピーされる前)は普通に寝てたけど・・今は凄く恥かしい・・)

 

多分これがクレアに会う前なら、迷う事無く兄貴に抱きついて寝ていただろう・・でも今は恥かしい気持ちの方が強い

私がどうしようと迷っていると

 

「どうした?眠いんじゃないのか?」

 

と尋ねて来る兄貴・・そりゃ眠いけど・・暫くどうしようか迷う・・自分のベッドで寝るか・・ここで兄貴の隣で寝るか・・でも待てよ・・兄貴は怪我してる・・一緒に寝たら不味い・・あっ・・でも一緒に寝たい・・

 

「なぁ・・兄貴は体痛くないのか?」

 

兄貴に怪我は痛く無いのか?と尋ねると

 

「うん?体?・・少し腕が痛い程度だな・・大して問題無い」

 

痛くない・・なら大丈夫だよな・・私はそう判断し

 

「じゃあ・・一緒に寝る・・」

 

私はそう言ってから、兄貴の体に抱きつきベッドに横になった

 

「兄貴・・おやすみ・・」

 

「ああ・・おやすみ・・ヴィータ」

 

兄貴が私の頭を優しく撫でる・・私はそれだけで幸福感に包まれ、とても幸せな気持ちで眠りに落ちた

 

 

 

「ヘルズ・・ハーティーンを呼んで来い・・」

 

王座に腰掛けながら、ヘルズにハーティーンを呼んでくるように指示を出す

 

「はっ・・了解しました・・暫くお待ちを・・」

 

頭を下げると同時にヘルズの姿が掻き消える・・暫くすると

 

「ジオガディス様・・ハーティーンを連れて来ました・・」

 

ヘルズとハーティーンの姿が現れる

 

「ご苦労・・ヘルズは下がれ・・」

 

下がるように言うと

 

「はっ・・了解しました・・」

 

ヘルズの姿は闇に溶ける様に消えて行った・・

 

「さて・・ハーティーン・・次はお前に出撃してもらいたい・・」

 

ハーティーンに出撃するよう指示を出す

 

「・・了解した・・」

 

短く返事を返し、ハーティーンは王座の間から消えた

 

「これで良い・・ハーティーンの戦闘力を一度見ておきたいからな・・」

 

ハーティーンの目的は守護者に勝つこと・・だから危なくなれば逃げる筈・・だから丁度良いのだ

 

「デクスシリーズの完成品・・その力どれ程の物か見せてもらおう・・異端の騎士・・ハーティーンよ」

 

これからの戦いの戦力になるのかどうか見極めさせてもらうぞ・・ハーティーン

 

 

 

 

「出撃か・・守護者も居ないというのに・・」

 

守護者はカーズの攻撃を受けて戦闘できる状態ではない筈だ

 

「まぁ良い・・守護者の仲間と戦えば判るかもしれない・・」

 

遺跡で科学者の戦いを見てから、自分では説明できない感情が渦巻いていた・・

 

「護る存在・・それがあるから・・守護者と科学者は強いのか?」

 

俺は知りたいのだ・・どうして自分が傷ついてまで誰かを護ろうとするのか

 

「俺の心に空いた穴は・・どうすれば埋まる・・護りたい者を見つければ埋まるのか?・・それとも守護者を殺せば埋まるのか?・・俺の心の渇きはどうすれば癒える?・・俺は何なのだ・・」

 

遺跡で少女の幻を見てからずっと考えていた・・俺は何の為に存在しているのかと・・

 

「知りたい・・俺は・・俺は・・どうすれば答えを得れるのだ・・誰でも良い・・俺に教えてくれ・・」

 

日に日に強くなっていく・・心の渇き・・俺は知りたい・・俺の生まれた意味を・・

 

『それは貴方自身が見つけないと・・』

 

!!俺の目の前に遺跡で見た少女の幻が現れる

 

「お前は・・お前なら判るのか?俺の生まれた意味を・・」

 

少女に問いかけようとすると

 

『ううん・・私じゃ判らないよ・・ハーティーン』

 

少女は悲しげに笑う・・そうだ思い出した・・俺は昔彼女に尋ねたのだ

 

『でもきっと、いつか判る日が来るよ!・・ううん・・私も一緒に考えてあげるよ!』

 

と笑う彼女の姿に手を伸ばす

 

『んっふふ・・ハーティーンの手は暖かいね・・』

 

そうだ・・彼女は俺の手が暖かいと良く言ってくれた・・この戦うしか出来ない俺の手を・・

 

『ハーティーンは何時も私を助けてくれる・・ハーティーンは私のヒーローだね!・・あっでもお兄ちゃんも・・私は大好きなんだ』

 

彼女は何時も自分にはお兄ちゃんが居ると良く話してくれた・・俺は彼女の話を聞くのが好きだった・・

 

『ハーティーン、お兄ちゃんが呼んでるから私もう帰るね・・また会おうね、ハーティーンッ!!」

 

彼女は笑いながら帰って行った・・それ以来俺は彼女に会ってない・・いや・・俺が忘れてしまったんだ・・

 

俺の体の完成と同時に、俺の記憶の一部が抜け落ちてしまった・・だが俺は思い出す事が出来た・・だから信じられる・・彼女の言葉を・・

 

「また会おうね・・か・・ふっ・・そうだな・・お前に会えば判るかもしれないな・・俺の生きる意味が・・」

 

俺はそう呟きパンデモニウムを後にした・・孤独の騎士は答えを得る為に空を舞う・・彼は見つける事が出来るのだろうか・・自身の生まれた意味を・・それは誰にも判らない・・それを見つける事が出来るのは・・誰でもない彼だけなのだから・・

 

 

第76話に続く

 

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