夜天の守護者   作:混沌の魔法使い

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第83話

第83話

 

「うう・・ここは・・兄ちゃん!!・・うおっ!!」

 

起きると同時にはやてに抱きつかれ驚き大声を上げる、はやては私の胸に顔を押し付け

 

「うう・・兄ちゃん2日も起きへんかったから・・もしかするとこのまま起きないんじゃないかって・・思って・・」

 

泣きながら言うはやての背を撫でながら

 

「そうか・・心配掛けてすまなかった・・」

 

はやてに謝っていると

 

「兄貴っ!!」

 

ドンッ!!

 

「ごふうっ・・」

 

完全な不意打ちでヴィータの突撃を喰らい、息が詰まる

 

「ううう・・良かったっ!!良かったよぉっ!!」

 

泣きながら抱きつくヴィータとはやての姿に

 

(ごほ・・ごほ・・痛いとは言えんか・・)

 

突撃された痛みをじっと堪えるしかないと判断し、2人が泣き止むのを待つことにした

 

10分後、シャマルの登場により2人の抱きつきは終った・・その代わり説教タイムに突入した・・

 

「良いですか!!お兄さんは怪我をしてるんです!!そんな力一杯抱きついたら・・傷口が・・っきゃあああっ!!血がっ!!」

 

シャマルの指差す方を見る・・シーツは真紅に染まっている・・

 

「ああ・・道理で痛いと思った・・」

 

そう呟き私は意識を失った・・私が目覚めたのは2時間後の事だった・・

 

「「ズーンッ・・・」」

 

起きるなり物凄い落ち込んでいるはやてとヴィータに

 

「良いですか!!2人ともお兄さんが好きなのは判ります!!ですがお兄さんの体の事も考えて行動してください!!」

 

怒りの形相で説教しているシャマルの姿があった・・

 

「あー・・シャマル?・・私は大丈夫だから・・・そんなに怒らなくても・・」

 

落ち着くようにシャマルに言うと、シャマルは

 

「お兄さんは黙っててください!!」

 

私も怒鳴られ黙り込んだ・・それから20分シャマルの説教は続いた・・

 

「まったく・・あの2人は・・」

 

シャマルはぶつぶつと呟きながら私の傷の手当てをしている・・私は手当てが終るのを待っていると

 

コンコン

 

ノックの音と共に扉が開き

 

「シャマル今良いか?」

 

シグナムが姿を見せる

 

「シグナム?・・別に良いわよ?」

 

シャマルが手当てを終え、良いわよと言うとシグナムが私のベッドの前に立つ

 

「兄上・・起きていたのですか・・気分はどうですか?」

 

気分はどうか?と尋ねて来るシグナムに

 

「全然平気だな・・ただ少し血が足りんかもしれん・・」

 

さっきの出血の事を思い出しながら言うと、シグナムは

 

「りんごを買って来ましたが・・食べられますか?」

 

りんごを見せるシグナムに

 

「大丈夫だ・・貰うとしよう・・」

 

りんごの籠に手を伸ばそうとすると

 

「待ってください・・私が切りますから・・」

 

自分で切るというシグナムを見ていると

 

「痛っ・・・」

 

りんごではなく自分の指を切っている・・

 

「・・やっぱり・・私が切ろう・・」

 

シグナムの手からりんごを取り、皮を剥く・・その間シグナムは

 

「私は・・駄目な騎士だ・・」

 

かなり落ち込んでいた・・

 

「はい、切れたぞ・・シグナムも食べると良い」

 

りんごを差し出すとシグナムは

 

「いえ・・仕事の途中で抜け出して来たので・・これ以上居るとテスタロッサが怒るので戻ります・・」

 

シグナムは落ち込みながら医務室から出て行った・・

 

「ふむ・・今度包丁の使い方でも教えてやるか・・」

 

そう呟きながらりんごを口に運んだ・・うん・・甘い・・今度アップルパイでも作ろうか・・籠一杯のりんごを見ながら、アップルパイでも作ろうかと考えていた頃・・はやての部屋では

 

 

 

カタカタ・・

 

キーボードを叩く音が響く・・先程グリフィス君に捕まり強制的に仕事をさせられている・・横目で睨むと

 

「睨んでも駄目です・・仕事が終ったら、八神中将の所に行って良いので・・今は仕事してください・・」

 

冷や汗を流しながら言うグリフィス君を見ながら

 

(ちっ・・確かに私が悪いから大人しく仕事せんとな・・)

 

2日間仕事してなかった、私が悪いので大人しく書類を整理し・・書類整理から1時間後・・

 

「終ったで・・兄ちゃんの所に行って良い?」

 

睨みながら言うとグリフィス君は

 

「どうぞ・・それとこれを持っていって下さい・・」

 

グリフィス君はお見舞いの品であろう、お菓子を差し出してくる

 

「おおきに・・兄ちゃんにちゃんと伝えておくわ・・」

 

そのお菓子を受け取り、私は医務室に向かった

 

「はやて様ですか・・どうしましたか?」

 

兄ちゃんのベッドの隣にセレスさんが腰掛けていた

 

「うん・・兄ちゃんのお見舞いに来たんやけど・・・兄ちゃん寝てるん?」

 

兄ちゃんの顔を覗き込むと、穏やかな寝息を立てている

 

「先程お眠りになりました・・なんなら起こしましょうか?」

 

起こそうか?と尋ねるセレスさんに

 

「うん、良いわ・・暫く兄ちゃんの寝顔でみさせて貰うから・・」

 

そう呟きセレスさんの真向かいの椅子に座る

 

「子供みたいな顔してるなぁ・・」

 

私はそう呟いた・・無防備に眠る兄ちゃんの寝顔を見ているとセレスさんが

 

「私は・・こんなに穏やかな王の寝顔を見た事がありませんでした・・」

 

そう呟くセレスさんに

 

「私はよう見るけどなぁ?」

 

首を傾げながら言うとセレスさんは

 

「私が王に出会った頃は・・王は悲しみの黒い衣で心を覆ってました・・」

 

黒騎士の時の事やなと思い黙り込んでセレスさんの話を聞く

 

「王は何時も悲しそうにしておりました・・だから今の王の姿を見るのがとても楽しいです・・」

 

穏やかに笑うセレスさんに

 

「そうかぁ・・セレスさんは兄ちゃんが落ち込んでいる時の事しか知らんのか・・」

 

セレスさんの顔を見ながら言うと、セレスさんは

 

「私だけではないですよ・・クレアもシャルナもアイギナも王の悲しみの姿しか知りません・・きっと今の王の姿を見たら驚くでしょう・・」

 

笑いながら言うセレスさんに

 

「兄ちゃんの守護騎士さんか・・会って見たいなぁ・・」

 

どんな人達なのか気になると言うと

 

「いずれ会えますよ」

 

穏やかに笑うセレスさんと話しながら兄ちゃんが起きるのを待っていた・・

 

 

 

 

「うーん・・限界かな・・」

 

私はそう呟きながら考え事をしていた・・

 

「元々射撃魔法とかは苦手だしねぇ・・本当どうしようか・・」

 

私は元々射撃とかは苦手で、格闘戦が出来るようにシューティングアーツを学んでいたが・・それに限界を感じていた

 

「どうしようかな・・龍也さんならアドバイスを貰えると思うんだけどな・・」

 

今龍也さんは医務室で療養中・・尋ねに行くのも気が引ける・・

 

「うーん・・ノーヴェに聞きに行こうかな・・」

 

ノーヴェは龍也さんに格闘技を教わっていたと言っていたので、聞きに行くならノーヴェしか居ないと思い、チンクさん達の部屋に向かった・・

 

「ああ?・・龍也の格闘戦の資料?・・あると思うけどよ・・ちょっと待っててくれ・・」

 

ノーヴェはどうやら寝ていたようで、少し苛ついた素振りを見せながらも資料を探してくれた

 

「ああ・・ほれ・・これだよ・・でも龍也の格闘戦はかなりレベル高いから参考になるとは思えないけどな・・」

 

そう言うノーヴェからCDを受け取り

 

「ありがとうノーヴェ、今度アイスでも奢るよ」

 

アイスを奢ると言うと

 

「楽しみにしとくよ・・私は眠いから寝るぜ・・ふぁあああっ・・」

 

欠伸をしながら部屋に戻って行くノーヴェと別れ自室でCDを見る

 

「隻腕の時の龍也さんだ・・」

 

映像の龍也さんは触れたら切れる様な鋭い気配を纏っていた・・

 

ヒュンッ・・

 

「早い!」

 

踏み込みが全然見えなかった・・例えるなら閃光という表現がぴったりだ

 

ズババババッ!!

 

落ちてくる木の葉に拳を叩き込む・・すると

 

バッ・・・

 

全て塵となり消える・・

 

「とんでもないよ・・」

 

龍也さんは剣と言うイメージが強いがそれ以上に格闘戦も超一流なのだ・・

 

「でも・・参考になるね・・」

 

映像の龍也さんは魔力を纏っている・・

 

「うーん・・こうかな?・・」

 

見よう見まねで魔力を纏ってみるが・・

 

「うーん・・弱いなぁ・・」

 

私のは薄っすらと見える程度で、龍也さんのはハッキリと見える・・

 

「収束の仕方が違うのかな?」

 

色々と試行錯誤する

 

「欲張って全身でやろうとするから上手く行かないんだ、まずはピンポイントで・・」

 

足や腕に魔力を収束する

 

「つぅ・・・何・・今の感覚・・」

 

上手く行ったと思った瞬間、激痛が走り収束が消える・・

 

「何か違うのかな?・・うーん・・」

 

考え込むが判らない・・

 

「うー駄目だ!!今度龍也さんに聞こう・・」

 

今度龍也さんの魔力の収束の仕方を聞こうと思いながら、映像の龍也さんの動きを見る

 

「機神拳・・」

 

ヒュンッ!!

 

龍也さんの姿が掻き消え・・神速の速さの拳が繰り出される・・

 

「うーん・・凄い・・これが私の目指す最高の場所・・」

 

格闘戦しか出来ない私が目指す為の頂点・・それがこの映像の龍也さんだ・・

 

「目指す所が判ってるから・・楽だね・・」

 

目標地点は判っているのだ・・後はそれを目指していけば良い・・私はそう思いながらCDプレーヤーの電源を切った・・

 

 

 

 

「ううん・・良く寝たな・・」

 

私が目を覚ますとセレスと目が合う

 

「おはようございます、王よ・・気分はどうですか?」

 

気分はどうだ?と尋ねて来るセレスに

 

「大分良い・・」

 

返事を返すとセレスは

 

「今はやて様がお粥を作りに行ってます・・もう少ししたら戻ってくると思いますよ?」

 

はやてがお粥を作りに行っていると教えてくれる、そこで認識する

 

「そう言えば・・腹が空いているか・・」

 

そう呟き起き上がろうとすると

 

「まだ駄目です・・大人しく横になっていてください・・」

 

セレスにベッドに押し戻される

 

「判ったよ・・大人しくしてるよ・・」

 

大人しくベッドに横になりセレスと話をしていると

 

「ん~兄ちゃん起きたんか~今お粥が出来た所やで」

 

はやてが小さな土鍋を持ってきながら笑う

 

「それでは王、私は失礼致します・・」

 

そう笑いセレスは溶ける様に消えて行った・・それを見たはやては

 

「始めて見る訳や無いけど・・心臓に悪いなぁ・・」

 

そう呟きはやては私の前に土鍋を置き、小皿に中身を取り

 

「ふぅ~ふぅ~はい兄ちゃんあーん」

 

スプーンをこっちに向け笑うはやてに

 

「1人で食べれるぞ?」

 

と言うと

 

「良いの、私がやりたいんやから!」

 

笑うはやてにお粥を食べさせてもらっていると

 

「兄貴~」

 

「兄上」

 

シグナムとヴィータもそれぞれ何かを持ってやって来る

 

「偶にはこういうのも良いな・・」

 

龍也がはやて達に囲まれている頃、医務室の外では

 

「「何か入りずらい雰囲気・・」」

 

お見舞いの品を持って来たが、医務室に入れないなのはとフェイトの姿があった・・

 

第84話に続く

 

 

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