第91話
龍也さんとハーティーンがヘルズと上空で戦闘するのを確認してから、私達もネクロとの戦闘を開始する・・
「キキキッ・・・」
ネクロの大半はLV1でちらほらとLV2が居るのが目で確認出来る、数は多いが所詮はLV1、2・・私達の敵ではない・・早く全て倒して、ヘルズと戦ってる龍也さん達も応援したい・・だから一気に片付けようと思う
「フェイトちゃん・・一気に行こうか?」
「そうだね・・」
フェイトちゃんも同じ考えなのか頷き、2人同時にフォトンとアルフォースモードに変化する
「前衛頼むけど・・大丈夫?」
フェイトちゃんに前衛を出来るか?と尋ねると
「大丈夫、龍也に剣の使い方は教わったから」
そう微笑み、右手のブレスレットから魔力刃を出すフェイトちゃんを見て
(そう言えば・・フェイトちゃん・・龍也さんに付きっ切りで剣の使い方教えて貰ってたな・・今思うと凄く羨ましいな・・)
そんな事を考えていると、LV1が飛び掛ってくる・・
(丁度良いや・・ネクロに八つ当たりしよ・・)
そんな事を考え、背後に浮いているクリスタルを2個操作して飛び掛ってくるネクロにぶつける
「「ギャッ!!」」
がら空きの所にクリスタルの体当たりを喰らい吹っ飛んで行く、ネクロから直ぐに視線を外し、ディバインシューターをスタンバイする・・横目でフェイトちゃんを見ると
「アーク・・セイバーッ!!」
魔力刃から金の刃を飛ばし、LV2を次々両断している・・
(あっちは大丈夫そうだね・・)
30体居るLV2はフェイトちゃんに任せても大丈夫だろう・・私は70体居るLV1を確実に仕留めていこう・・そう判断し・・クリスタルを4つを的確に操作しLV1を一箇所に集め
「ディバイン・・シューターッ!!!」
4つのクリスタル全てからディバインシューターが放たれ、雨の様にLV1に降り注ぎLV1を全て消滅させる・・それだけではなくコンクリートやビルに無数の穴が開いてしまった・・私は目の前に惨状を見て・・
「今度・・もう少し訓練しよう・・」
もう少しフォトンモードでの戦闘訓練をしようと決意した・・実際の所私では有り余る程、フォトンの力は強いのだ・・そんな事を考えていると
「Vウィング・・ブレードッ!!!」
体ごと回転し、巨大な金色の魔力刃を飛ばし最後のLV2を切り裂き消滅させた、フェイトちゃん大分使いこなしてるな・・そんな事を考えていると、フェイトちゃんが私の前に着地する・・その顔は少し怒っている様に見える
「なのはっ!!私に恨みでもあるの!!!2発ディバインシューターが掠ったけど!!!」
フェイトちゃんの赤いマントに2か所穴が開いていた・・
「ごめん・・まだ上手く制御出来てなくて・・」
100%私が悪いので素直に謝ると
「もうっ!!気をつけてよねっ!!仲間に撃たれて撃墜なんて私嫌だからねっ!・・それに上手く制御出来てないなら、龍也に頼んで訓練して貰ってよ!!私だって仕事の合間に頼んで訓練してもらったんだからねっ!!」
そう怒鳴るフェイトちゃんに謝っていると
「うう・・ん・・はっ・・ここは・・」
漆黒のプロテクションに護られていたラグナが目を覚ます、それと同時にプロテクションが消える、私達が近付くと
「そうだ・・ハーティーンが助けてくれた・・そうですよねっ!!」
私達に凄い剣幕で尋ねるラグナに頷くと、その場に蹲り
「良かった・・良かったよぉ・・ハーティーン・・生きてたんだ・・」
ポロポロと涙を流すラグナの前に立ち、私達は龍也さん達の戦っている場所を見上げた・・
キンッ!!キンッ!!!
甲高い金属同士がぶつかる音が響き渡る中
「くく・・はっはっは!!!どうしたのですか!!2人掛りで・・私に手傷1つ負わせられないのですかっ!!!」
ヘルズの挑発の声が飛ぶ・・それに
「くっ!!調子に・・乗るなっ!!」
ハーティーンが飛び出すが
「猪のようですねぇ?」
ひらりと回避し、剣を投げつけるヘルズ、それは的確にハーティーンの右肩に突き刺さる・・私は剣を投げ、一瞬動きの硬直したヘルズに一気に接近し剣を振るうが
「ふふふ・・甘いですね?」
空気に溶ける様にヘルズの姿が消え
「トランプ・・ソードッ!!!」
私の遥か上空から無数の剣が雨の様に降ってくる
「くっ!」
何とか直撃は防ごうと、迎撃に出るが・・
「ぐうっ・・」
左足に1本剣が突き刺さる、それを引き抜き治療をしていると
「ふふ・・いかに守護者、剣帝とは言え・・私の前では無力ですね・・」
左手に美しい装飾が施された剣を持ち、右手に3本の剣を構えたヘルズは挑発するように言う・・悔しいがヘルズの言うとおりだ・・私達の一撃は全て鮮やかに回避され、一撃一撃のダメージは低いがヘルズの攻撃は確実に私達の体力を奪っている・・このままではジリ貧だと考えていると
(守護者・・聞こえるか?)
隣のハーティーンが念話で話しかけてくる、私も
(聞こえるが・・何のようだ?)
「トランプソードッ!!」
再び雨の様に降り注ぐ剣を弾き飛ばしながら返事を返すと
(良いか?ヘルズの能力は瞬間転移と重力制御・・重力制御を使ってない以上、まだ俺達には打つ手がある)
私と同じ様に剣を弾き飛ばしながら、念話で話しかけてくるハーティーンは
(あいつは攻撃受けると同時に転移し、こちらの攻撃を回避する・・だがそれには多少のラグがある・・お前なら見切れる筈・・俺が攻撃するから、そのタイミングを掴め・・良いな・・)
捲くし立てるようにハーティーンは言うと、菊燐という変わった形の刀を振りかざしヘルズに向かって行った
キンッ!!キンッ!!
ヘルズの剣と菊燐が火花を散らす
「ふんっ!!」
ハーティーンがヘルズの短剣を弾き、胴を狙って刀を振るうが
ヒュン・・
一瞬ヘルズの姿が消え、刀を振り終わると同時に同じ場所にヘルズが現れ、剣を振るう
キンッ!!
ハーティーンは右の刀でその短剣を弾く・・成る程・・そのタイミングか・・注意深くヘルズとハーティーンの戦いを見ながら、ヘルズの姿が消えるタイミングを覚える・・まだだ・・まだ早い・・ヘルズが姿を消しながら短剣を投げつける、それをハーティーンが弾くのを見ながらタイミングを合わせる
タンッ・・タンッ・・
一定のリズムで姿を消すヘルズ、恐らく無意識の物であろう・・だがヘルズのトランプソードでリズムが一定であるというのを巧妙に隠している・・だがこうして見る事だけに集中すれば・・そのタイミングを掴むのは・・
「容易いっ!!」
剣から魔力刃を飛ばす
「ぬっ・・」
その魔力刃はヘルズの足を捉える、その隙にハーティーンが一気に肉薄する、私もここでヘルズを仕留める為向かって行った・・
まいりましたね・・私とした事が・・
上下左右から迫る、守護者と剣帝の弾きながら、己の無策を恥じていた・・昨日剣帝が生きていると知り、街を監視していたのは正解だろう・・復活して直ぐに始末しようとしたが・・圧倒的に手駒が少なかった・・連れて来たネクロは死神とエースオブエースに撃破され、私自身も足に傷を負い若干スピードが低下している
(やれやれ・・LV3か4をもう少し連れて来ておくべきでしたね・・)
直撃は防いでいるが、このままではジリ貧だ
(剣帝に執着しすぎましたか・・守護者の事を完全に視界から外していたのはミスでしたね・・)
自分らしく無い行動を恥じていると
「水流・・爪牙ッ!!」
水を纏った剣を振り下ろしてくる、守護者の一撃をバックステップで回避すると
「菊燐・・三の型・・氷雪華っ!!」
闇色の氷の華が迫る
「くっ!」
左から小型の重力球を打ち出し、その華を迎撃する・・もう出し惜しみをしている場合では無い
「グラビティブレイクッ!!」
左手から重力波を打ち出す
「むっ・・・」
剣帝と守護者は軽く回避したが・・狙いは2人ではない・・私の狙いは・・
「!!!」
私の狙いに気付いたのか、守護者がマントを翻し降下していく・・守護者が向かう先には・・エースオブエース達が居る・・この遥か上空からの攻撃に気付くのは回避出来ない所になってからだ・・守護者なら味方を助ける為こう動くと判っていた・・あっというまに姿の見えなくなった、守護者を見ていると・・
「黒狼撃っ!!」
一瞬で剣帝が私の懐飛び込み、半月状の軌道を描きながら菊燐を振るってくる、少し軸をずらして転移し、即座に剣を振るうが
「甘いっ!!」
素手で受け止め、即座に蹴りを放ってくる
「ぬぅっ・・」
反射的にガードするが威力を完全に殺せず後方に弾かれた様に飛ばされる、それと同時に剣帝も後方に跳びお互いに体制を立て直し・・
「ふふふ・・やはり貴方は変わっていない・・あの時と・・私の仮面に傷をつけたあの時から何も変わっていない・・」
私が笑いながら言うと
「ふん・・どうかな?・・俺はまだジョーカーを切っていない・・忘れたか?俺の最強の剣の事を・・」
それさえ使えば勝てるという確信を持っているのだろう、勝ち誇ったように言う剣帝に
「いいえ・・忘れてなど居ませんよ?・・どうです?折角なら呼んで見てはどうですか?」
背中の鞘から8本の剣を抜きながら言うと
「良いだろう・・俺の剣で貴様の呪われた命に終止符を討ってやろう・・来い・・王龍・・」
左手を掲げ最強の相棒を呼ぼうとする剣帝だが・・直ぐに顔色が変わる・・
「っ!!・・馬鹿な・・」
困惑する剣帝に
「くく・・はは・・はははははっ!!!」
嘲笑の意味を込めて笑いながら・・
「はは・・気付いてないのですか!!貴方の魔力の波長はかつて剣帝と違う!!今の貴方がどれほど呼ぼうが王龍は貴方の声に耳を傾けないっ!!!」
剣を投げながら言う、剣帝の最強の武器・・それは当時の科学力の全てと神王によって作られた、半自立型龍型デバイス王龍だ・・あれはそのままでも充分な戦闘力を誇るが、最大の特徴は甲冑と融合する事により、剣帝の能力を格段に跳ね上げる事だ・・だが今の剣帝の魔力の波長では、主として認めて貰えないのだ・・だから王龍は目覚めない・・自身の最大の武器を失っている事に気付いた剣帝は目に見えて動きが鈍っている・・その隙を突いて
「堕ちなさいっ!!」
上空から魔力を伴った踵落しを放つ
「ぐあっ!!」
頭から地表に落下していく、剣帝を見ながら
「・・もう少し手傷を負わせておく方が得策ですね・・守護者は後回し・・今は剣帝をもう少し傷めつけておきますか・・」
私はそう呟き、剣帝の後を追う様に降下していった・・だが後に悟る事になる・・深追いをすべきではなかったと・・
ヘルズの放った重力波を空中で受け止めるが・・
「ぐっ・・」
思ったより威力があり、若干ダメージを受けながら地表に向かって行く・・
「龍也さんっ!?」
下でなのはの困惑の声が聞こえると同時くらいに漸く、重力波の勢いを殺せ、なのは達の手前に着地する・・それと同時くらいに
「ぐうっ・・・」
呻き声と共にハーティーンが落下してくる、受け止めようと動き出す前に
「ふっ・・」
短い為の呼吸と同時にハーティーンが体制を立て直し、ラグナの手前に着地するが・・
「ぐっ・・」
ダメージが大きいのか膝を付く、ハーティーンに
「大丈夫っ?」
ラグナが近寄ろうとすると
「大丈夫だ・・それより早くこの場から離れろっ!!」
手で近寄ろうとするラグナを制し、ここから離れろと言うと立ち上がり私の横に立つ、ハーティーンに
「回復してやろうか?」
ふらついている、ハーティーンに回復するか?と尋ねると
「問題ない・・この程度なら勝手に治る・・」
そう言うとハーティーンの傷に漆黒の魔力が集まり、怪我を治していくそれを見て
「レアスキルか?」
見た事の無い現象に驚きながら尋ねると
「そんな所だ・・さてと・・守護者・・どうやってヘルズを退ける?」
ヘルズをどうするかと尋ねて来る、ハーティーンに
「私に協力する気はあるか?」
そう尋ねると
「ふん・・協力するも何もお前は俺に仲間になれと言ったのを忘れてるのか?」
鼻を鳴らしながら言うハーティーンに
「忘れてないさ・・では・・私に協力して貰おうか・・」
どうするかと話していると
「トランプソードッ!!!」
上空から14本の短剣が降り注いでくる、それを目で確認しながら・・
「手筈通りに頼むぞ・・」
話した作戦通りに頼むというと
「抜かせ・・貴様こそミスるよ・・」
あくまで高圧的な態度を保ったまま、ハーティーンが飛び上がりながら降り注ぐ短剣を弾き飛ばし始める
「さてと・・久しぶりだが・・錆付いてくれてるなよ・・」
そう呟き魔力の収束を始め・・暫くすると私の周りに
フォンッ・・
機械で出来た、蝙蝠の様な、鳥の様な物が12機浮かび上がる
「ガンファミリヤ・・錆付いてなかったか・・」
セレスとの訓練で使えるようになったが、私は射撃は余り趣味では無い為今まで禄に使ってなかったが・・こういう状況では役に立つだろう・・
「・・捉えた・・」
意識を集中させ、上空で戦っているであろうヘルズとハーティーンの動きを読み・・完全に捕捉したところで・・
「行けっ!!!」
私の前に飛び回るガンファミリヤ達を打ち出した・・
「キィッ!!キィッ!!」
ファミリヤ達が縦横無尽に飛び交い、ヘルズに魔力弾を打ち出す
「くっ・・ちょこまかと・・」
ヘルズは短剣でファミリヤを打ち落とそうとするが・・そんなへまはしない・・細かく操作を繰り返しヘルズの意識をハーティーンから完全にこちらに向ける、ある程度ヘルズがハーティーンから離れた所で
「ブラック・・トルネードッ!!!」
左右の刀の構え、高速回転をしながらハーティーンがヘルズに突っ込む
「くっ・・」
短剣をクロスさせその突撃を受け止める・・回転が弱まると同時に竜巻の中から
「龍鳳・・天嚇ッ!!!」
無数の漆黒の魔力刃が飛び出す
「ぐっ・・あああっ・・」
無数の魔力刃に切り裂かれながら後退して行くヘルズに
「次元を破壊せし・・無限力よ・・呪われし命に安らかな終焉を・・・」
ガンファリヤ達を自分の周りに集め、複雑な魔法陣を作り上げ
「アキシオン・・バスター・・」
魔法陣全体が蒼く光り輝くと同時に
「デッドエンドシュートッ!!!」
全力で砲撃を打ち込む
「なっ・・ぐあああああっ!!!!」
絶叫と共にヘルズが砲撃に呑まれると同時に、私の魔力で上空の雲が全て吹き飛んだ・・
「とんでもない砲撃を放ってくれる物だな・・」
私の横にハーティーンが現れ、その砲撃を見て呆れたと言う口調のハーティーンに
「ここであいつを仕留めておきたかったからな・・全力で撃ったしな・・」
正直自分でも驚いていると言うのが本音だ・・本気で砲撃を撃ったのは実際これが初めてだ・・まさかここまでの威力とは私も思っても居なかったのだ・・だがここまでやればヘルズを仕留めたと確信していたのだが
「・・はぁっ!!・・はぁっ!!!・・やれやれ・・・とんでもない砲撃をしてくれますね・・」
ボロボロのヘルズが左腕を押さえながら現れる・・ボロボロの姿のままヘルズは
「やれやれ・・重力魔法で迎撃しなければ・・今頃私は消滅してましたよ・・」
そう呟き、左手の剣を背中の鞘に戻し
「・・やれやれ・・私1人で貴方達2人に挑んだと言うのが間違いでしたね・・・・今日の所はこれで失礼致しますよ・・」
ヘルズはそう笑いながら空気に溶ける様に消えて行った・・
「仕留め損ねたか・・そう簡単には行かないか・・」
ダークマスターズの将と言うだけはあるか・・そんな事を考えながらハーティーンと共になのは達の元へ降下して行った・・
「ハーティーンッ!!!」
着地したハーティーンにラグナが飛びつく、それを抱き止めながら
「やれやれ・・」
溜め息を吐きながらも微笑みながらラグナの頭を撫でる、ハーティーンに
「私達は六課に戻るが・・お前はどうする?」
ハーティーンに尋ねると
「とりあえず、俺も六課とやらに行こう、俺が知る限り事でジオガディスの事を教えてやる」
そう言い放つハーティーンになのはが
「どうして、貴方がジオガディスの事を教えてくれるんですか?・・言い難いですけど貴方はジオガディス側じゃないんですか?」
警戒の色を瞳に写しながら言うなのはに
「確かに俺はお前達から見ればジオガディス達とたいして変わらんだろう・・俺が信用できんというならそれでも構わん・・俺には俺の使命がある・・それを果たす為にはお前達に信用されまいと俺はお前達と剣を合わせるだけだ・・」
鋭い眼光で言うハーティーンを見ながら
「大丈夫だ、なのはハーティーンは信用出来る、そこまで警戒する必要は無いさ・・それにそんな事を言うと怖い敵が増えるぞ」
そう言いながらハーティーンの後ろに居るラグナを見ると
「うううっ・・・」
頬を膨らませなのは達を睨んでいるラグナに
「大丈夫だ、私はハーティーンを信用している、だからそんなに睨まないでくれ」
そう言うと、ラグナは睨むのを止め
「それなら良いです・・」
ぼそりと呟くラグナを連れて、私達は六課へと戻って行った・・ここに予言にあった剣帝は蘇った・・
第92話に続く