今回は第98話までの投稿です、内容としてはこうなっています
第95話 エリオ魔改造 後編
第96話 インターバル
第97話 シグナム 弱体化前編
第98話 シグナム 弱体化後編
でお送りします
第95話
「はああっ!!」
斧を振りかざしながらネクロが迫ってくる、僕はその一撃を防ごうとした瞬間・・その余りの光景に驚いた・・
スパン・・
受け止めた先から斧が無いのだ・・いや正確にはストラーダが斧を切断したのだ、ネクロも信じられないのか
「馬鹿な・・俺の斧が・・」
自分も驚き停止していたが、ネクロより先に立て直しストラーダを振るった
「が・・ぁ・・ば・・か・・な・・」
その一撃は簡単にネクロを両断し消滅させる・・消えていくネクロを見ながら
(・・なんて・・パワーだ・・グランドとデュナスとは比べられない・・)
自分でも驚いてしまう・・この新しい騎士甲冑は強すぎる・・全力を出せばどうなってしまうか全く判らない・・僕がそんな事を考えていると
「貴様っ!!よくもパワーを!!」
背中の山から炎を吐き出しながら突進してくるネクロを見て、回避しようとしたが
「!!」
後ろを振り返り回避を出来ないと悟った・・僕の後ろではキャロとルーテシアが倒れていたのだ・・多分この騎士甲冑を具現化させるには恐ろしいほどに魔力を消費するのだろう・・だから魔力の消費で昏倒してしまったのだろう、僕はそう判断し即座にストラーダを手放し
「でやあああっ!!!」
「おらああああっ!!!」
真っ向から向かって来るネクロの巨体を真正面から受け止めた・・
「逆上せ上がったな!!力で俺に勝てると思うなよ!!」
ググッ・・ネクロの体が沈み込み、更に力を感じたが・・それだけだった・・僕の体は一mもそこから動いていなかったのだ・・僕は膝蹴りをネクロの腹に叩き込み、そのまま蹴り抜いた
「がはっ・・」
苦悶の声を上げながら跳ね上がったネクロに両腕の銃口を向け
「ポジトロン・・レーザーッ!!!」
螺旋状に収束された魔力波を打ち込んだ
「がああああっ・・・」
その魔力波に飲み込まれていくネクロを見ていると・・背後から
「ダークネス・・ウェーブッ!!」
漆黒の砲撃が迫ってくる、反射的にストラーダを掴み振るう・・それはさっきと同じ様に簡単に消し飛んだ・・その光景を見ながらヴィルヘリヤは
「・・凄いわね・・まるで守護者並みね」
笑っているがその目は強い殺意の色が浮かんでいた・・ヴィルヘリヤは底冷えする笑みを浮かべながら
「まぁ仮に力が守護者並みだったとしても・・坊やには経験が無いわ・・だから・・簡単に・・」
そこまで言うとヴィルヘリヤの姿が掻き消え、背後から
「こういう手に簡単に引っ掛かる・・ナザルネイル・・」
その声を聞いた瞬間、反射的に体勢を低くし横っ飛びに飛んだ・・目標を失ったヴィルヘリヤの黄金の右手は瓦礫の山に突き刺さった・・そして次の瞬間僕は信じられない物を見た・・
ジュワアアッ・・
音を立てて瓦礫が溶けていったのだ・・僕が驚き目を見開いているとヴィルヘリヤは
「うふふ・・私の右手は何でも溶かす・・何でもね・・一撃でも掠ればそこから坊やの体は溶けるわよ・・さあ・・何処まで持つかしらっ!!」
ドンッ!!
ヴィルヘリヤの姿が消える、それと同時に後方に気配を感じストラーダを振るう
ガキーンッ!!
甲高い音を立ててストラーダとヴィルヘリヤの右手が交差する
「あはは・・良い反応よっ!!坊や・・でも何時まで付いて来れるかしら!!」
その声と同時に再びヴィルヘリヤの姿が消える・・僕もフラッシュムーヴを発動させ、ヴィルヘリヤの後を追った・・
ガキーンッ!!・・キンッ!!キンッ!!
目で追うのがやっとという速度の中、何度も何度も僕とヴィルヘリヤの獲物が交差する・・何回打ち合ったか判らない・・でも何回目かの打ち合いで僕は自分の右足に違和感を感じた・・
(・・そうか・・あの傷は治ってないんだ・・)
洗脳を解く為に切り裂いた右足は何も治ってはいないのだ・・この新しい騎士甲冑が恐らく痛みを軽減してくれていたのだろうが・それも限界なのだろう・・僕は一か八かの賭けに出ることにした
ザッ・・
フラッシュムーヴを止めたのだ・・もうスピードでは敵わない・・ならば破壊力で上回るしかないのだ
「カートリッジロード・・」
ストラーダの柄から薬莢が飛び出す、それと同時にストラーダの穂先を3色の魔力光が包み込み巨大な魔力刃となる
「成る程ね・・一か八かの賭けに出たのね・・良いわ・・そういうのは嫌いじゃないわよ」
姿は見えないがヴィルヘリヤの楽しげな声が聞こえた・・だが僕には笑う余裕なんて無い・・掠ればそこから体が溶かされてしまう・・文字通り・・これは命をかけた賭けだ、僕は意識を集中させヴィルヘリヤが来るのを待った・・
ガッ・・
右後方のビルの方から音が聞こえる・・だがそれだけでは無い上下左右から音が聞こえる・・音で撹乱しながら襲うタイミングを計っているのだろう・・僕は目を瞑りながらお父さんの言葉を思い出していた・・敵の姿が見えないとき・・高い確率で
ダンッ!!
後ろから襲ってくると!僕は気配を頼りに後ろにストラーダを振るった・・
ガキーンッ!!
甲高い音を立てて僕の右手からストラーダが弾き飛ばされる
「惜しいわね・・考え方は合ってたんだけどね・・遊びはもう終わりよっ!!」
ヴィルヘリヤが向かって来る・・デバイスも無い・・もう駄目か・・諦めかけたが
「まだ・・諦めるわけには・・行かないんだぁっ!!」
左腕に魔力を集中させると同時に地を蹴り駆けだした・・
「ナザルネイルッ!!!」
「紫電一閃ッ!!!」
お互いに渾身の魔力の魔力を込め拳を繰り出した・・
ブシュッ!!
左頬から鮮血が飛び散る・・それと同時に凄まじい痛みが襲ってくる、体が溶け始めると思ったがそれだけだった・・僕の左手はヴィルヘリヤの胸を貫いていた
「・・私の敗因は・・貴方を・・坊やだと侮った所ね・・私が死んだからナザルネイルの効果は消えるわ・・でも・・私を殺したのは間違いね・・守護者達が戦っている・・ヨルムンガンド・・あれはね最大攻撃のために魔力を溜めてるの・・ヨルムンガンドがその魔力解放すれば・・クラナガンなんて簡単に消し飛ぶわ・・ふふふ・・結局何にもならなかった・・わね・・坊・・や・・」
そう呟きながらヴィルヘリヤは消えて行った・・僕は直ぐにキャロとルーテシアを抱え
「早く・・お父さんに伝えないとっ!!」
お父さん達が居る場所に向かって行った・・
「グルルル・・グオオッ!!!」
突然ヨルムンガンドが凄まじい雄叫びを上げ、それと同時に凄まじい速さで魔力を収束しながら
「アルティメット・・フレアッ!!」
巨大な口を開き出鱈目に火球を吐き出し始める
「なっ・・」
ヨルムンガンドの咆哮に驚き、動きが硬直してしまったヴィータにその1つが向かって行く・・私は即座にヴィータと火球の前に回り込み
「蒼龍・・月牙ッ!!!」
蒼い魔力刃を飛ばし、火球を両断する・・私は上空に居るなのはとフェイトに
「なのは!!フェイト!!1回下がれ!!」
こっちまで下がる様に指示を飛ばす、直ぐに頷き下がってくるなのはとフェイトにシグナムを見ながら、ヨルムンガンドを見る
「グルルル・・グアアアアアッ!!!」
さっきまでと違い、出鱈目に炎を吐き出し尻尾を振り回すヨルムンガンドの姿を見ながら
(・・おかしい・・どうしたんだ急に・・)
急に暴れ始めたヨルムンガンドに驚いていると、上空から凄まじい魔力を感じ新しい敵かと思った瞬間
「お父さん!!早くあいつを倒してください!!あいつの目的はクラナガンを消し飛ばすことなんです!!」
その魔力の持ち主は、見たことの無い騎士甲冑をエリオだった・・エリオは背中にキャロとルーテシアを背負いながら焦った様子で声を掛けてくる・・
「はぁ・・はぁ・・この作戦が成功すると・・クラナガンなんて簡単に消し飛ぶ・・そうなんです・・だから早く・・ヨルムンガンドを・・」
そこまで言うと膝を着いたエリオにフェイトが駆け寄った瞬間、フェイトの顔色が変わり
「酷い・・ネクロにやられたの?」
右足に簡単な治癒魔法を掛けながら尋ねるフェイトにエリオは
「・・自分でですよ・・フェイトさん・・敵に操られちゃって・・もう少しで・・キャロとルーテシアを・・殺しちゃう所だったんですよ・・」
血の気の無い顔で言うエリオの横を通りながら
「全員、全力でプロテクションを張れ、一撃で決める」
セレスを呼び出しながら言うとシグナムが
「兄上!!幾らなんでも無茶ですよ!!」
シグナムだけではなく、なのはとフェイトも無茶だと言う、私は一度だけ振り返り
「私がやると言ったらやる・・良いからプロテクションを張っていろ」
それだけ言い、私はヨルムンガンドに向かって歩き出した
「お待たせ致しました・・」
セレスが私の隣に立つ、私はセレスを見ずに
「ユニゾン・・いけるな?」
そう尋ねるとセレスは静かだが確りとした声で
「当然です・・」
私は軽く微笑み
「ならば行くぞ・・あれは目障りだ・・」
セレスとユニゾンを行う・・即座に騎士甲冑が変化する、白銀に輝く鎧とその背に生えた、龍の様な翼・・目の前に現れたには美しい刀身を持つ白銀の剣を握りながら
「パラディンモード・・」
私は剣を握り締め魔力を収束させる・・私は頭上に剣を掲げ
「九頭・・招来・・」
魔力で作られた9体の龍が具現化する・・私が剣を正眼に構えるとヨルムンガンドは
「カタストロフ・・・デストロイヤーッ!!!」
超巨大な熱線を吐き出そうとしていた・・私は即座に駆けだした・・
無茶だ・・幾ら兄上でも1人では倒せる訳が・・無茶だ・・無理だと思うだが・・だが心の何処かで兄上なら・・と思ってしまった・・
「九頭・・龍陣ッ!!!」
「カタストロフ・・デストロイヤーッ!!!」
兄上が剣を振り下ろすと8匹の龍が一斉に突撃して行き、ヨルムンガンドの魔力波とぶつかった・・
「グギャアアアッ!!!」
凄まじい悲鳴が響き渡る・・8匹の龍はヨルムンガンドの巨体を貫いていたのだ・・動きが硬直しているヨルムンガンドに
「はああああっ!!」
兄上が龍と共に突撃して行き・・次の瞬間白銀の閃光がヨルムンガンドを両断した・・
「グルルル・・・ゴアアアアっ・・・・」
最後に咆哮を上げヨルムンガンドは一瞬で粒子となり消えた・・
カシャンッ・・
兄上は剣を鞘に戻し、こちらに歩いてきた・・その姿は神々しいまでに力強かった・・私がそんな事を考えていると、兄上は
「エリオ達が心配だ・・すまんが先に戻る、なのは達はチンク達と合流してから戻ってくれ・・」
それだけ言うと兄上は気絶していたエリオ達を抱き抱え転移した・・私達は
「あれが龍也さんの本気・・私達とは比べようが無いね・・」
ぼそりと呟く高町の言葉に私は
(・・兄上が本気を見せてくれたのは良かった・・どれほど力の差があるのか判ったからな・・)
私は兄上を護ると決めたのだ・・だから目指すべき場所が判ったのは本当に良かった・・私がそんな事を考えているとチンク達が合流してくる・・私は簡単に事情を説明し、チンク達が納得したところでヘリが到着し私達はヘリに乗り込み六課へと戻って行った・・
第96話に続く