雁夜おじさんに憑依してしまった大学生   作:幼馴染み最強伝説

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キャス孤の口調とかテンションとか何気に難しい………

やっぱり予備知識ないと加減わかりませんね。でも、頑張ります!




そのシリアスをぶち殺す!

「はぁ〜、なるほどなるほど。既に聖杯は汚染されていて、誰の願いでも破滅の未来しか待っていないから、その聖杯を破壊するために聖杯戦争に参加したんですか」

 

「最終的にはな」

 

キャス狐(サーヴァントは色々区別つかない)の陣地作成スキルによって、見事にリフォームされた間桐の部屋の一室で、お茶を啜りながら、俺はキャス孤と話をしていた。隣り合わせで。

 

陣地作成スキルってキャスター固有のものじゃなかったか?というツッコミをしたら

 

『それがなんでかあるんですよ。しかもワンランク上になってますし。きっとご主人様が普通じゃないからですね〜』

 

と満面の笑みで言った。可愛いけど腹が立ったから頭にチョップを落としたのはいうまでもない。それとこれとは話が別なのだ。

 

「それでだ、サーヴァント。そろそろなんでバーサーカーじゃなくて、お前が出てきたのか、説明して欲しいんだが」

 

イケメン魂に惹かれて、とかわけのわからない事を言っていた気もするが、魂にイケメンとかあるのか?

 

「えーとですね。ご主人様もご存知の通り、ご主人様と私にはなーんの接点もありません。無さすぎて、いっそ清々しいくらいです。ですから、本来ならばご主人様のお望みの通り、バーサーカーが召喚されるはずでした………ご主人様の心の声を聞くまでは」

 

「心の声?」

 

「はい。ご主人様がどれ程の決意を持って、この聖杯戦争に望もうとしているのかを偶々聞いちゃったんです。そしたらもう魂ふぇちの私はキュンキュンきちゃいまして、バーサーカーを座に押し戻して私が出てきました」

 

んな、無茶苦茶な。

 

思わずズッコケそうになった。だってしょうがないじゃん。割り込んで入ってくるんだから、それなりの野望を持って出てきたのかと思ったらこれだぜ?想定外すぎる。

 

「じゃあ、聖杯にかける望みは……」

 

「まぁ、ぶっちゃけないですね、はい。私はご主人様に惚れちゃったので、勝手に来ちゃっただけなので。強いて言うなら……いえ、強いて言わなくても、私の望みはご主人様と結ばれる事です!」

 

「結ばれる?ようは家族になろうって事か?」

 

「はい!あ、でも家族といっても意味合いは違いますよ?構図的にはご主人様が旦那様、私はその妻という意味であって、けして家族のように親しい仲とかそういうのじゃありませんから!そんなラノベのキャラみたいなボケは待ってませんよ?というわけで、ご主人様!結婚しましょう!」

 

「いいよ」

 

「軽っ⁉︎恐ろしいほど軽い!さてはあれですか!一夫多妻を狙ってる感じですか⁉︎別に嫁の一人や二人変わらないって感じですか⁉︎許しません!許しませんよ、一夫多妻なんて!斯くなる上は奥義、その名も一夫多妻去勢拳を……」

 

失礼な奴だな。求婚しておいてそれはないだろ。

 

「一夫多妻なんてしねえよ。そんなモテる風貌に見えるか?」

 

「ええ。それはもう」

 

あ、そうなんだ。結構普通の顔してると思うけどね、雁夜おじさん。

 

「と、ともかく安心しろ。一夫多妻はしない。そんな甲斐性はない」

 

彼女いない歴=年齢の俺にそんなクオリティの高い事が出来るわけないだろうが。リ○さんくらいのレベルにならないとハーレムなんて築けない。

 

「ただ、籍を入れるのはいつでも良いが、式を挙げるにしても戦争が終わった後になるぞ」

 

「せ、積極的ですね、ご主人様」

 

そりゃまあ、未来設計は大事だからな。

 

「ま、まさか肉食系女子と謳われたこの私が押し負けるなんて…………でもでも、これはこれでアリなのかも!」

 

「ブツブツ言ってるところ悪いけど、取り敢えずサーヴァントって呼び辛いから、何か別の呼び方にしていい?」

 

もちろん、家の中だけでの呼称だが。

 

作戦会議をするにしたって、サーヴァントサーヴァント言ってたら、キャス狐の事を言ってんのか、他の奴のこと言ってんのか、わかんなくなる。というか、ゲシュタルト崩壊を起こす。

 

「サーヴァントでもタマちゃんでも、勿論ハニー♪でもOKです♪ご主人様に限りますけど」

 

タマちゃんて……モロ真名から取ってるじゃねえか。個人的な事情はどうした。

 

「じゃあ俺はご主人様でもマスターでもカリヤでもいい。勿論ダーリンでもいいぞ。ハニーに限るけどな」

 

「はうっ⁉︎」

 

油断しきっているところにカウンター。ははは、いうだけならタダなのだよ。こういう押せ押せ系なキャラは守ると勢いづくから引くと見せかけて押し戻しつつ、押し倒すに限る。というか、俺は主導権を握られるのが嫌いなんだ。

 

「さてと、話は逸れたが、俺もハニーも聖杯にかける望みはこれといってないわけだ。という事は最悪、聖杯を消し飛ばすとしても問題ないわけだな?」

 

「あるとすれば、この身体は霊体ですので、聖杯が無くなっちゃうと維持できないんですよね。後、ご主人様。真顔でハニーはやめて下さい。夢が壊れちゃいますから」

 

となると目下の目的はキャス孤の受肉か。

 

なんか受肉の為の良い方法とかあったかなぁ………わからないが、それはおいおい探していこう。

 

今はともかく疲れた。

 

英霊召喚に蟲掃除。久しぶりにMPを半分以下にしてしまった。

 

「疲れたから今日は寝る。何かあったら起こしてくれ、ハニー」

 

「わかりました、ダーリン♪」

 

………こいつ早くも適応しやがった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キャス孤を召喚して三日が経過した頃。

 

アサシンがアーチャーこと英雄王ギルガメッシュのゲートオブバビロンによって屠られた。

 

「まーた、派手にやられちゃいましたねぇ〜。オーバーキルですよオーバーキル」

 

「そりゃそうだ。アーチャーの実力を見せるにはちょうどいいだろうからな」

 

「ダーリンは何か知ってるんですか?」

 

「知らないさ。ただ、言峰綺礼と遠坂時臣は過去師弟関係にあった。マスターとして言峰綺礼が目覚めたその後は袂を分かったという事にはなっているが、どうにもきな臭い。おそらく、あれはアサシンが倒されたと見せる為の『演出』だ。…………後、ダーリンはやめろ」

 

「えぇ〜、良いって言ったのはご主人様からですよ?構いませんけど。それはそうと、アサシンのあれってどう考えても木っ端微塵、四散霧散してるように見えたんですけど」

 

「アサシンのクラスにはごく僅かな例外を除いて、山の翁こと『ハサン・サッバーハ』が呼び出される。どの時代の、どの世代のハサンが呼ばれるかはわからないが、宝具に身代わりか、あるいは分身の出来る能力の持ったハサンと考えるべきだろうな」

 

とここまでは原作知識。

 

原作と同じ行動をとった以上、綺礼の持っているアサシンは十中八九百の貌を持つハサンだろう。

 

いつまで経っても動く気配のない参加者に発破をかける役割と、そしてその争いの最中に溢れるサーヴァントの情報を死したと思われるアサシンで収集しようとする魂胆だったはずだ。

 

だが、あれは聖杯の器たるアイリスフィールにはわかる事であるし、なにより誰かが言っていた気がするが、対応が早すぎるんだ。いくらギルガメッシュのゲートオブバビロンが広域殲滅だからと言って、あれだけ早い段階でバビロン叩き込めば、訝しむ人間くらいは出てくる。

 

「まぁ、あの金ピカがどれだけ強くても、ご主人様の愛が漲る私にはどう足掻いても勝てませんけどね」

 

「あぁ、それで思ったんだが、なんでお前は万全な状態じゃないのに、あんなにステータスがえげつない事になってるんだ?お前の万全は九本の尾があるはずだろ?」

 

三本しかないのに既にステータスがチートな件。もう宝具抜きで殴り合いしたほうが早いんじゃないかな?だってバビロンとか普通に掴み取りしそうだもん。バーサーカーじゃないのに。

 

「それが私にもよくわからないんですけど、おそらくご主人様が正規の魔術師ではなく、正真正銘の魔法使いであるからだと思います。本来なら制約だとか複雑な事情もありますし、一本だけのピーキー状態なんですが………細かい事はどうでもいいですね♪」

 

「確かに。細かい事はどうでもいいか。取り敢えず召喚した奴もされた奴もイレギュラーのお似合いコンビって事だな」

 

「あ、今のもしかして新手の愛の告白ですか!そんな遠まわしに言わなくても、ご主人様と私はお似合いの夫婦ですよ♪キャー」

 

壮絶な解釈だな。今のは相性が良い的な意味合いで言ったんだが…………まぁ、いいか。多分、キャス孤相手に細かい事を言い出したら負けなんだ。ツッコミに回ったら負け。これ覚えておこう。

 

「それで今後の方針だが「雁夜おじさん?」桜ちゃん」

 

キャス狐が五月蝿かったせいか、寝ぼけ眼を擦りながら、桜が部屋を訪れた。

 

トイレかな?そういえば、桜の部屋とトイレの中間地点くらいにこの部屋があるんだよな。

 

「まだねないの……?」

 

「もうすぐ寝るから、桜ちゃんもおやすみ」

 

そう言って頭を撫でるが、桜は動こうとはしない。

 

まさか立ったまま寝たのか?なんて考えていたら、桜は口を開いた。

 

「おじさん…………どこかとおいところにいっちゃうの?」

 

「え?」

 

「せいはいせんそうっていうまじゅつしのたたかいをおじさんもするんでしょ?」

 

「な⁉︎」

 

なんでそんな事を……

 

桜にはいつも聞かれないように配慮していたはずだ。

 

その為にキャス孤は当然ながら、臓硯と話している時も………まさか、あの蟲ジジイ。桜に聖杯戦争に俺が参加することを漏らしてやがったな。

 

「桜しってるよ?せんそうってたくさんのひとがいっぱいいたくて、かなしいおもいをするんでしょ?それにおじさんもさんかするの?」

 

「………ああ。どうしても、参加しなくちゃいけないんだ」

 

「それはおじさんがまほうつかいだから?」

 

「うん。おじさんは強い魔法使いだから、この戦争で誰も痛い思いをしなくて済むようにしなくちゃいけないんだ」

 

次回の聖杯戦争を起こさないために。

 

次回の聖杯戦争になれば、もしかしたら魔法使いである俺ではなく、桜に令呪が宿る可能性がある。それは僅かな数パーセント程度しかない確率だが、それでもならない保証なんてどこにもない。

 

原作で慎二が桜から令呪を受け取ったように『偽臣の書』を受け取ることが出来れば、話は別だが、臓硯亡き今、その手は使えない。

 

ならば、今回の聖杯戦争で終わるべきだ。

 

冬木の大災害も起こさせない。第五次聖杯戦争も起こさせない。これ程最善の手はない。

 

「………やだ」

 

「桜ちゃん?」

 

「やだよ!桜をおいていかないで!もうはなればなれになるのはやだ!」

 

今までに聞いたことのないくらい大きな声で桜は言った。その事に呆気にとられていた俺だが、すぐに桜の瞳から大粒の涙が零れている事に気付いた。

 

「ひぐっ……まほうはつかえなくてもいいから……うぅ…………さくらをおいていかないで……おじさん」

 

嗚咽を漏らしながら、桜はとめどなく涙を流す。

 

………最悪だな、俺。

 

何も話してないから、子どもに心配させて、不安にさせて、泣かせてしまった。

 

血が繋がってなくても、親としては最低だ。養育者としてクズだ。

 

「大丈夫ですよ、桜ちゃん」

 

「ひぐっ……ふぇ?」

 

「サーヴァント?」

 

気づけば、座っていたはずのキャス狐が桜を抱き締めていた。

 

先程までの軽い雰囲気は何処へやら、完全に年相応の大人びた雰囲気を醸し出している。

 

カリヤさん(・・・・・)は私が護ります。私もこの人も誰よりも強いんです。ですから、桜ちゃんは何も気にしなくても良いんです。絶対にこの人だけは桜ちゃんの所へ帰しますから、ね♪」

 

「おねえさんが?」

 

「桜ちゃんと同じくらい、私にとっても、大切な人なんです。お姉さんが絶対にこの人を護るから。桜ちゃんは帰りを待っててくれるだけでいいの。だから安心して」

 

言い聞かせるように発せられるキャス狐の声は心の奥底にまで響いてくるような、それでいて全身を優しく包み込むような声音だった。

 

その言葉に桜は安心したのかはわからないが、もたれかかるようにして。キャス狐の腕の中でまた眠っていた。

 

「悪いな、サーヴァント」

 

「いえ。私としてもあれは本心です。ぶっちゃけ負ける気なんて全くしませんし、ご主人様と私が組めば向かうところ敵なしです。でも、確率はゼロじゃありません。もしかしたらコンマ数パーセントで負けるかもしれません。主人公補正的なものを持ってる相手には勝てません。あれって確率論無視してますから。でも、例え負けるような事があっても、ご主人様だけは五体満足で桜ちゃんの所へ帰します。それが私の……サーヴァントの務めですから」

 

そう言って微笑みを浮かべるキャス狐は本当に美しかった。

 

生まれてこのかた、心の底から目を奪われるなんて事は一度たりとてなかったが、彼女の笑顔に俺は目を奪われた。

 

「…………いや、帰ってくるのは俺だけじゃない。お前も一緒だ」

 

俺だけでは意味がない。割り込みとはいえ、呼び出したのが俺で、俺を選んだのがキャス狐であるなら、俺は選ばれた人間らしく、キャス狐の求めたマトウカリヤとして振る舞うだけだ。

 

「桜ちゃんに俺が必要なら、俺にはお前が必要だよ。ましてや、マスターとサーヴァントといえど夫が妻に護られて終わるなんて桜ちゃんの教育に悪いだろ」

 

「ご主人様………」

 

「聖杯戦争には勝つ。お前の身体も手に入れる。俺達の聖杯戦争はこの家に二人揃って帰ってくるまでが聖杯戦争だ。だから、令呪は使わないがお前に命令する。タマモ、俺の前から消える事は絶対に許さない。お前には俺と添い遂げてもらう。俺が死ぬ時までな………わかったな?」

 

会ってまだ三日しか経ってないのに何言ってんだという感じだが、何時不測の事態に陥るかわからない以上、今の内言っておくに限る。

 

俺もキャス狐同様に負ける気なんて更々ないが、何かの間違いで令呪のある左手ぶった切られたりしたら終わりだし、起源弾が当たったら本格的におしまいだ。魔術回路自体元々機能しているかわからないとはいえ、機能していた場合、キャス狐に魔力を送れなくなる。

 

「わ……」

 

「わ?」

 

わ、ってなんだ。

 

「ワンモアプリーズ!最後の台詞をもう一度!キャーーーー☆キタキタキタキター!ご主人様!い、今のは俺の嫁宣言と見て、間違いありませんね!」

 

うおっ⁉︎

 

いつも通りの……いや、いつも以上のハイテンションに超びっくりした。

 

「どうなんですか!違うんですか⁉︎」

 

「ち、違わない……ぞ」

 

「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!これはもう録音ですよ!というか、互いの愛を確認したところで次は育みに行きましょう!具体的には◾︎◾︎◾︎◾︎(自主規制)しましょう!霊体ですから子どもは出来ませんけど、気持ち良くはなれます!ほら!ゲームで腹ペコ王とブラウニーがヤッてたやつ的に!」

 

「テンション高えよ!わかったから!でも今日は無しにしよう!な!な!」

 

いい感じの雰囲気で終わってるから!わざわざ自主規制に持っていく必要ないから!

 

「じゃあ明日にしますか!明後日にしますか!それとも毎日にしますか⁉︎」

 

「そこまで盛ってねえよ!頼むからシリアスな空気を返してくれ!」

 

「あっはっはー!特技シリアスブレイクの私にシリアスな空気を維持しようってのが間違いなんですよ、ご主人様!というか、我慢出来ません!食べていいですか⁉︎」

 

「今日はやめろっつってんだろ!ストップ!」

 

「あ、あれ?動けない?」

 

よ、よし、止まった。今のうちに………

 

「こんな魔法!愛の前にはぁぁぁ無力!」

 

バキンッ!

 

というまるでそげぶしたときみたいな音とともにキャス狐は普通に動き出した。嘘だろ⁉︎効かないならまだしも自力でぶち破る奴があるか⁉︎

 

「ご主人様!諦めてBed inしましょう!」

 

目がマジすぎる⁉︎こんな事なら雰囲気に流されてあんなこと言うんじゃなかった!やっぱその時まで黙っとくべきだった、チクショウ!

 

聖杯戦争開始から三日。

 

まだ何もしてないのに死ぬかと思いました。

 

 




活動報告にあったのですが、基本的にキャス狐の介入するSSはキャラの性質上、主人公が押されてばっかりという描写ばかりらしいので、こっちは押しつ、押されつの関係でいきたいです!押し倒される関係よりも押し倒す関係がいいな!

そんなこんなで皆さんお待ちかねのキャス狐のステータス。

クラス:従者

真名:玉藻の前

身長:163cm

体重:49kg

スリーサイズ:86/57/84

属性:中立・悪

特技:シリアスブレイク

ステータス
筋力EX/耐久EX/敏捷EX/魔力EX/幸運EX/宝具EX

宝具:???

本来は呼ばれる筈のない存在。
カリヤの魂に惹かれて、本来呼ばれる筈のランスロットを押しのけて現れた。
本来なら呼ばれたとしても様々な条件により、能力がピーキーすぎて扱い辛い存在であるが、カリヤが特殊な存在であるためにその他諸々をぶっちぎって三尾で出現した為にピーキーじゃなく、チートとなった。
基本的に行け行けドンドンの肉食系ではあるが、きっちり反撃は食らう模様。

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