門と人と鬼と   作:布人形

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平日には必ず一話投稿するように心掛けたものの三日坊主な感じで終わってしまうとは。

おお、なんともなさけない……。

いや、理由はあるんすよ。
ちょっとFFメビウスに嵌っちゃって「GATE?しらんなぁ」な状態だったんですよ。

言い訳っすね。すいませんorz

8/12 蛇足を追加


第五話

村長からは感謝の言葉を言われ、炸裂音のした方向を見るとガタイの良い緑のおっさんがニッと笑みを浮かべて親指を上げている。褒められてる……よな?とりあえず親指を上げると言う行為を返しておく。

「よくやった」ということなのだろうか。

その後馬と馬車は邪魔に置かれ、馬車の列は再びノロノロと動き出した。

 

プラチナブロンドの少女の乗る馬車にセラーナと自分が挟むように馬車の列に合わせて歩く。

離れようにも先程馬の動きを一時的に固定した魔法、”念動力”について絶賛質問中故に中々離れられない。

プラチナブロンドの髪型にショートボブ、無表情の少女ことレレイ・ラ・レレーナ。一言で表せば不思議ちゃん、だろうか。

服装(ローブ)や手に持ってる杖などを見る限りどうやら魔法使いのようだ。

 

「さっきの魔法、どうやった?手を握るだけで発動する魔法なんて見たこと無い。他にもどんな事が出来る?」

 

プラチナブロンドの髪色を少し濁したような瞳と無表情がじーっと兜越しに向けられる。

その瞳は心なしかキラキラと輝いているようにも見える。随分と熱心な事だ。

どーすっかな……黙ってやり過ごす。なんて事は出来そうにないのである程度、分かる範囲で説明するとしよう。

 

「そういう魔法の唱え方をする所から来たんだ。事情があって今は話せない。この魔法は手元に引き寄せたり、引き寄せたものを投げつけたり出来るんだ。かなり早くな」

 

どうよ、地域の交流で身に付けたこの地での会話力は!

 

「もの?それはどの大きさまでのものを操ることが出来る?人や虫、竜も出来る?オレンジ色の立方体も気になる」

 

スルーっすか……。質問の多さに若干の頭痛を感じつつ、レレイの質問に答えていく。

 

「そうだなー。片手で掴めて持てる大きさなら大抵は。命ある者には余りかからないかな。死にかけやなら多少の制御が出来るかもしれない。

大きさは分からん。この二つの立方体は多分この魔法を象徴してるんじゃないか?遠くにある物を引き寄せ、物を飛ばす魔法。ってな感じで」

 

まぁスカイリムでも念動力なんて知ってるのはウィンターホールド大学の先生方ぐらいだろう。

野外授業と称してドラウグルの遺跡にほっぽり出されたのはいい思い出だ。

その遺跡で後|(のち)にマグナスの目という巨大な球体を持ち帰った後は大学で色んな騒動があって、大学は乗っ取られるわ、跡形もなく吹き飛ばされそうになるわで大変と一括りにするのは無理がある程だ。

一悶着片付いた所でなんやかんやアークメイジされたが、そもそも自分魔法なんて得意じゃなくて、大抵のことを剣と弓、物理で事無きこと得たのをあの先生方は知っているのだろうか。

 

そんな思い出を思い出しながらレレイの質問に答えること数時間。

馬車の列から落伍者が出たり(落伍した馬車の荷は燃やされた)、泥濘(ぬかる)みに嵌った馬車を押し出したりして数時間。

 

列を成す馬車は絶望的な雰囲気を醸し出しながらゆっくり、ゆっくりと進んでいく。

自分やセラーナと同じように徒歩で馬車の横を歩く者がいるが、彼らは鍛えられた兵士や自分達のような旅人や冒険者ではない。

一日と言えど時間の限りを歩いた者に代償として訪れ、気力と体力を奪う疲労。

いつもより一段と日差しの強いと思える太陽の光が降り注ぎ、その光が人間の体から汗を絞り出して水分を奪い、飢えと乾きを生み出す。

炎竜という災が訪れ、それが何時自分達に襲いかかるか分からない恐怖。

村を捨てた自分達はこれからどうするか、という不安感。

馬車の列のあらゆる所から小言ではあるが神様に助けを求める声や赤ん坊の虚しい鳴き声が響き、聞こえる。

 

……誰か助けて。

 

誰も答えることなくただ虚しく聞こえる縋る声。

 

……神様、どうかお助けを。

 

不安と恐怖の絶望と神様という希望に縋り付きながら。

自分とレレイの会話も次第に言葉少なくなり、負の感情に包まれた雰囲気に巻き込まれ、やがて沈黙が訪れる。

列の前後を見れば歩く者、馬車に乗る者どちらも俯き項垂れている。

 

物思いに耽けていたようでふと、俯き加減の顔を上げて前方を見据える。(何を思っていたのかは忘れてしまった)

乾いたオレンジの地面に幾つかの薄い雲に何処までも潜れそうなほど深い海に似た青い空。

馬車の列が止まり、列の先からは僅かな喧騒が聞こえてくる。

 

―――また落伍者が出たのか?

 

疑問が浮かび喧騒が無くなる。疑問の答えが言葉として列の先から運ばれてきた。

 

……ロゥリィ様。ロゥリィ様が来てくださった。

 

……エムロイの使徒だ。

 

……あぁ神よ。

 

エムロイ?ロゥリィ?新たな疑問が生まれこの地での"神"という要素の疑問が自身の頭を掻き回していく。

呼び捨てを許された馬車に乗る不思議ちゃんことレレイに答えを得ようと疑問を投げかける。

 

「なぁレレイ、ロゥリィとかエムロイの使徒とかってなんだ?」

 

レレイは目を見開いて真偽を確かめるように兜の中のこちらを見ている。……何か不味いこと言った?

 

「本当に知らない?私はあなた達が何処から来たのかが気になる。とても興味深い。」

「本当に知らない。今まで宗教にはあまり興味がなかったんでね」

 

"形だけで祈って適当に恩恵を得てました。かみさまちょろいん"なんて事は口を裂かれて片腕無くして下半身吹き飛ばされて生き延びたとしても言えないだろう。

列の先から再び聞こえる喧騒をよそにレレイは説明を始める。

 

「エムロイとは死と狂気と戦争と断罪を司る神。ロゥリィ、本名ロゥリィ・マーキュリー。彼女はは亜神(あじん)と呼ばれる人の肉体を持ったまま神としての強力な力を得た存在。彼女は人間とは比にならないくらいの生を続けている。」

 

ふーっと一息ついてからレレイは説明を続ける。

 

「エムロイの使徒は黒いドレスに近いものを神官服として、日常は知らないが常にハルバードを持っている。彼女も例に及ばず黒い神官服にハルバード。エムロイの使徒として認識するにはとても分かり易い」

 

なるほどなぁ。亜神ってのは要は人の形をした神で無茶苦茶強い奴ってことか。

 

「亜神は皆気まぐれ。いかなる金銀財宝を積んでも、命を差し出してもその気を曲げるのは不可能だと言われている。」

 

気まぐれと聞いて凶暴な鳥の頭を模したようなデイドラの兜の中で小さく呻きシェオゴラスの姿が脳裏をよぎる。今の己の顔はきっと苦虫を噛み潰した様な表情をしてるだろう。

 

 

シェオゴラス、狂気と乱心を司る神で狂気の王子とも呼ばれるデイドラの神。彼はその司るものを表す(そのものと言って良い程)かのように気の上がり下がりが激しく、常に表と裏が入れ替わっているような人物()でマシな言い方をして"超ハイテンションお爺ちゃん"、悪く言えば"支離滅裂無茶苦茶野郎"だ。

その気まぐれさ故に人に絡んでは手助けしたりしつこく邪魔をしたりと、例え助けてもらう前提で関わったとしても「なんだこいつ」と言った感じであまり良い気はしないだろう。

苦虫を噛み潰した様な表情をする理由はこうだ。

 

(このクエストを未プレイな人の為に)細かな説明は省くが、城から繋がってるウン百年閉ざさされているらしい棟に行って、幽霊が出るらしいからちょっくら調べてみようぜ。だがまぁ何もなかったので「何も無かったし帰るか」と思った矢先に「帰るならワイの親友助けてからにしろや」と、シェオゴラスに誘拐され、3つの謎解きを終わらせて親友の心を安らげて終わりというものだ。

親友の心を救って現世に戻る時に放ったシェオゴラスの一言

「一期一会のトゥルットゥー!」

……わけがわからないよ。

 

 

気まぐれという単語から始まった思い出の意識を遠ざけて再び俯き気味だった顔を上げる。

すると相当思い出に耽っていたのかレレイがコンコンと杖の柄頭(?)で馬車の上から何度が肩を突いてくる。

 

「一時的に返答が無く顔が俯いていた。何か嫌の事を思い出したのなら申し訳ない。」

「ん、あぁ、別に大したことじゃないからいいよいいよ」

 

微動だにしない真っ直ぐな視線に少したじろぎながら馬車の進みに合わせながら歩を進める。

列は夕暮れを過ぎ、夜が闇として光のない世界を作るまで避難民の列は進み続けた。

 

夜になれば列は止まる。溜まった疲労を少しでも多く抜く為、暗い雰囲気から逃げるように多くの人々が馬車や路上で眠りに就いた。

時折赤ん坊の泣き声が響いたり女が泣いて男が慰めてるような会話も聞こえるが、誰も咎めたり注意する者は居ない。皆疲れきって居るのだ。

この馬車の列が何処まで進み、そこまで進み続けた結果どのような事が起こるのか一抹の不安を抱えながら、自分とセラーナは荷を背負ったまま互いに身を寄せ合い。レレイの馬車の車輪の足元でもたれるように二人して眠りに就いた。

 

蛇足:夜になるまでレレイを弟子とするカトー老師は終始下心丸出しでセラーナを口説きまくったとか。

対するセラーナは最初こそは質疑応答してたものの結果が分かるなりスルーを決め込んだとかなんとか。




アークメイジ(物理)ェ……

次は炎龍っす。
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