テレンテテテテン、テレンテテテテン、テレンテテテテテテテテンテンテン♪
どうもみなさんお久しぶりです!
さて、今回はサブタイトルからわかる通り大阪へ帰省しているナオキとそれに付いてきた絵里の日常回です!それではさっそくどうぞ!
「ん、朝か……」
翌日、ナオキはスッキリしたように目を覚ました。それは久しぶりに充分な睡眠を取れたことが本人にもわかるような感覚であった。
ナオキはふと隣に目を向けると絵里はいなかったため、とりあえずリビングに向かった。
「あ、やっと起きたわね。何時だと思ってるの?」
「え、もうそんな時間なのか?」
「時計見てみなさい」
ナオキはリビングでクーラーにあたっていた絵里に言われて、壁にかかっている時計に目をやった。すると時計の針はてっぺんにふたつの針が重なりかけていた。
「もう12時じゃん……」
「本当よ。お
「……すいません」
ナオキは渋々絵里に頭を下げると、机に置いてあったラップがされているお皿をレンジで温めた。そのお皿の上には目玉焼きとベーコンが盛られていた。そして温めが終わるご飯をお茶碗に盛ってからそれらを持っていき席について昼ご飯を食した。
この時間にもなれば樹木とトウマも仕事に行っているためこの家には不在だ。そのためこの家にはナオキと絵里の2人だけ。2人は毎日するような会話をして盛り上がっていて、特別何かあるわけでもなく時間だけが経過していった。
「なぁ、絵里」
「なに?」
「……なんでおれ達って大阪に来たんだ?なんでおれは帰省することになったんだ?」
「さ、さぁ……?」
絵里もナオキの質問に首を傾げる。こういう時間を過ごしているとそう思いたくなるのも仕方がない。そして2人はどこかそわそわした気分にもなっていた。
「落ち着かない……」
「そ、そうね……」
「……ちょっと出かけるか?」
「いいわね、散歩!行きましょう!」
「よし、じゃあ準備するか!」
ナオキは早速立ち上がって部屋に行き、パジャマから普段着へと着替えた。絵里はナオキを部屋から追い出してから私服に着替えはじめた。
「絵里遅いなぁ……」
ナオキは玄関で靴を履いて暇そうにしながら出かける準備をしている絵里を待っていた。ナオキ自身、こんなことは何度か経験しているため「いつものことか」と割り切って待っているのだが…………
「慣れないよなぁ……」
ナオキはそういうと両手を床につけて天井を見上げてため息を吐いた。
───20分後
「お待たせ〜」
「やっと来たか……さ、行くか」
絵里がやっと来るとナオキは立ち上がってから背筋を伸ばして、絵里が靴を履き終わると2人は家を出た。
ナオキと絵里は特に行き先もなくナオキの実家がある街を歩いていた。住宅街はとても落ち着いていそうな雰囲気だが、商店街の方に進むと賑やかな声が聞こえてきて活気がある街だと感じる。
「あら、もしかして香川さんところのナオキくん?」
「はい、そうですけど……」
「あ、やっぱり!?大きなったな〜!私のこと覚えてるか?」
「………あっ、もしかして喫茶店のおばちゃん!?」
「そうそう、覚えててくれたんやね〜」
しばらく歩いたところでナオキに声をかけたのは、住宅街の中にある喫茶店の人であった。この人はナオキのことを小さい頃から知っていて、よく休日に樹木と来ていた時に良くしてもらっていた。さらにナオキが懐いていたので樹木やトウマがいない間には預かってもらったりもしていて、香川家とにとってはとてもお世話になっていた人なのである。
「あら、そちらの方は?」
「はじめまして。絢瀬絵里と申します」
「一応おれの彼女だよ」
「えぇ、そうなん!?あの小さくて可愛かったナオキくんが彼女をね〜……おばちゃん嬉しいわ〜」
「その話はしないでくださいよ〜」
「でも確か東京では頑張ってるんやよね?樹木ちゃんからは話聞いとるよ〜」
「またあの母親は……」
ナオキは近所の人に自分のことをペラペラ話す樹木の姿を想像しておデコを右手の親指、人差し指、中指で押さえた。絵里はそんなナオキを見ながら同情していたが口からは苦笑いの声しか出なかった。
「久しぶりにお茶でもしていく?ちょうど暇やったのよ」
「ほんならそうさせてもらいます。絵里もええよな?」
「…………ナオキ、関西弁戻ってる」
「……ほんまに?」
「ふふっ……行きましょうか」
そして喫茶店のおばちゃんの誘いでナオキと絵里はその喫茶店に入って休憩することにした。ナオキはおばちゃんと話しているうちに関西弁が戻ってしまったが直ぐに治った。ナオキだけに。
サインを描いて喫茶店を出たナオキと絵里は商店街の方に向かって足を進めた。さっきも聞こえてきていた活気ある音は、商店街に近づくにつれてより大きく聞こえてきた。
この商店街にはナオキも昔はよく樹木と一緒に来ていた。ナオキは商店街の入り口、雰囲気にどこか懐かしさを感じていた。そして様々な店の呼び込みを懐かしそうに聞きながら目的のお店に向かった。
「ナオキ、なにか買うの?」
「あぁ、折角だしお母さんとお父さんにご馳走しようと思ってな」
「へ〜、なにを作るか考えてある?よかったら手伝うわよ」
「ありがとう。実は、"あれ"を作ろうと思ってな」
「あれ?」
ナオキが絵里に"あれ"の正体を教えると、絵里は「ハラショー!」と両手を合わせて言った。思い立ったが吉日、2人は早速その料理の材料を買いに色んなお店に向かった。
────夕方。
「さて、作るか!」
ナオキの母親と父親がそろそろ帰って来るであろう時間に向けてナオキは絵里の監修の元、あるものを作り始めた。
まずは味の素と本だしで作っただし汁に、小麦粉と卵と山芋を混ぜて生地を作る。
「生地から作るのね〜」
「あぁ、これは生地から作るのが1番美味しいからな」
「確かに。イチから作るのは面倒だけど、だからこそ美味しい料理が出来るのね」
「その通り!」
そして次は4分の1に切ったキャベツをみじん切りにする。
しかしこのナオキ、みじん切り初挑戦ともあり少し緊張していた。
「ナオキ、大丈夫?」
「あ、あぁ……みじん切りってこんな感じだよな?」
「違うわ、先に芯を落とすの。それからキャベツを縦にしてから千切りをするの」
「みじん切りなのに千切り……?」
「………家庭科の授業受けたことある?」
「い、いやぁ〜あんまり覚えてなくて」
「もう、しっかりしてよね」
「すみません」
ナオキは絵里に怒られながらも芯を落としたキャベツを慎重に千切りにした。絵里はスピードが遅くて少しイライラしていたが、初心者なら仕方ないだろうと笑みを浮かべながら息を吐いた。
そして次に千切りにしたキャベツの方向を変えて切る。
「それで最後は包丁の先端を左手で固定して、柄を持っている手元を動かして更に細かくしたら完成よ」
「なるほど、そうやればいいんだな!ありがとう」
さらに千切りにしたキャベツを更に細かく切り刻む。
トントントントン……と包丁が木のまな板との音が心地よく感じながらナオキは手を動かした。
「───よし。あとはキャベツと生地を混ぜるだけ……」
最後に前もって作っていた底が深い鍋に入っている生地とみじん切りにしたキャベツを混ぜ合わせる。
さぁ、みなさんご一緒に!
────レッツ・ラ・まぜまぜ〜!
「ハラショー!完成ね!」
「あぁ!さて、次はホットプレートの準備だ!」
続いての作業はホットプレートに移行する。ホットプレートにお肉を3枚ほど並べてそれを両面焼く。今あるホットプレートの大きさ的に3つ分のスペースがあるのでさらに6つのお肉を並べた。
そして先程作った生地を円形になるようにお肉に乗せる。これであとはちょうどいい具合に焼けるまで待つだけ。
──さぁ、これは何を作っているのでしょうか!正解はこのあとすぐ!
──ガチャ
「「ただいま〜」」
「お、ちょうどいいところに」
「ごめんなさい。すぐにご飯作る……あら?」
ちょうどナオキが焼いていたそれをひっくり返した時、トウマと樹木が帰ってきてリビングの扉を開けた。
「おっ、この匂いは……!」
トウマはリビングに入るなり、ナオキが焼いていたものの香ばしい匂いに反応して鼻をピクピクとさせた。
──お分かりいただけただろうか?
ナオキが作っていたのは関西名物、いや、大阪名物と言ってもいい、大阪に来たならこれを食べなきゃ損!
その名は………君の名は────!
「そう、お母さんとお父さんが好きな"お好み焼き"だよ」
「ナオキが生地から作ったんですよ」
「そうなのか!?凄いじゃないか!」
「いつの間にそこまで料理ができるようになったの?ママ嬉しいわ〜!」
「ちょっ、引っ付くなって!!」
樹木が嬉しそうに自分の頬でナオキの頬をスリスリとすると、ナオキは恥ずかしそうに樹木を突き放そうとしていた。
「もうそろそろじゃないのか?」
「あ、そうだった。……よっ!」
ナオキは仕上げにいい具合に焼きあがったものをひっくり返した。これでお好み焼きの完成だ!
「……美味しそうだな」
「早くスーツから着替えたら?そうじゃないと食べさせないよ」
「そうよ、トウマさん。先に頂いてますからね」
「「「はやっ!?」」」
樹木に続いて着替えて席についたトウマを迎え、ナオキは出来上がったお好み焼きをお皿に盛ってトウマに渡した。
───だが実はまだお好み焼きの完成ではない。最後の仕上げが残っている。
焼いている途中、机の上に用意しておいたお好み焼きソースとマヨネーズ。これをお好み焼きの上にかけて、それをスプーンで全体的に広げる。そしてさらに青のりと鰹節をひと掴みずつお好み焼き全体にかける。これらの調味料はお好みでどうぞ。お好み焼きだけになぁ!
「えぇ!?ソースだけじゃなくてマヨネーズもかけるの!?」
「あぁ、美味しいぞ?俺ので試してみるか?」
「い、いいの?」
「いいぞ」
「ねぇ、ナオちゃん。私達も早く食べていい?」
「あ、忘れてた。では……」
「「「「いただきます!」」」」
ついに実食の時間。4人は手を合わせて感謝の気持ちを込めながらそう言った。トウマと樹木は「待ってました」と言わんばかりにお好み焼きをひと口サイズにお箸で切ってからそれを口の中に含んだ。
「「美味しい〜〜〜!」」
「……よかった」
ナオキは両親が自分の作った料理を「美味しい」と言ってくれて嬉しかったのか、安心したように息を吐いてボソッと呟いた。
「さて、じゃあ絵里もこのお好み焼きを……はい」
「えっ、あっ、ありがとう……はむっ……」
絵里は少し戸惑いながらもナオキがお箸で持っているひと口サイズのお好み焼きを口に入れてもらった。そしてそれを口の中でしっかりと味わいながら食べた。
「あらナオちゃんダイタ〜ン」
「はっ!?」
「親の前で彼女に"あーん"をするとは、お主なかなかやりおるな」
「べ、別にそんなつもりじゃ……」
ナオキはトウマと樹木に"あーん"したことを指摘されたことで恥ずかしくなったのか、頬を赤くして右手人差し指で右の頬を掻いた。
この仕草はナオキの照れた時に見せる癖でもある。それを今でもしているナオキを見たトウマと樹木は「自分達の息子は相変わらずだ」と心の中で呟いて安心したような笑みを互いに浮かべた。
「うん、美味しい!ソースとマヨネーズの合わさった味がしっかり焼かれたお好み焼きととてもマッチしてるわ。それに青のりと鰹節がさらに味を引き立てている……!10ハラショーよ!」
「それはよかった。そっちにもかけるか?」
「かける!」
「はいはい」
絵里もお好み焼きにソース以外にもマヨネーズ、青のり、鰹節をナオキ達と同じようにかけて食べた。そしてナオキは自分のものを食べながら新しいお好み焼きを作り始めた。
みんなも機会があればこの味を体験してみよう!以上、何分かかるかわからないクッキングでした!
───夕食後。
ナオキはお皿などを洗いながらビールで疲れを癒している両親を見て懐かしみを感じていた。ふと先程まで両親が使っていたお皿に目をやると、それにはカスも残っておらず、両親が綺麗に隅々まで食べ尽くしたことがわかった。ナオキにとってそれは嬉しいことでもあったが
「ふふっ、よかったわね」
「あぁ……」
ナオキの付近で洗い終わったお皿を拭きんで拭いている絵里が囁くとナオキは嬉しそうに返事をした。
そして洗い物が終わったナオキは手を拭きながらTVを観て和んでいる両親の姿を見てひと言、本当は声に出したいがその声を喉でクッと止めて心の中で呟いた。
『よかった。これで少しは親孝行できたかな?』
────そして大阪帰省の日が早くも2日目が終わろうとしていた。
次回へ続く……
ありがとうございました!
みなさん何を作っていたか正解できましたか?私はホットプレートでお好み焼きを焼いたことはありますが、ナオキくんみたいに生地から作ったことはありません。生地とかは母が作ってくれますね。因みに我が家のホットプレートは……なんと!!!たこ焼きも出来るんです!!!またお好み焼きもたこ焼きもやりたいですね!え?お好み焼きなんてお店で買うか冷凍のものでいいだろう?いやいや、自分でやるからこそいいんですよ!大きさだって自由ですからね!
そういえば大阪とか関西で作るお好み焼きは今回ナオキくんがしていた「混ぜ焼き」が主流みたいで。そんな名前があったなんて知りませんでした。
それにみなさん、最後の方の"あれ"気づきました?「ナオキの付近で洗い終わったお皿を拭きんで拭いている絵里」のところ。実はですね、「付近」と「拭きん」でかけているんですよ!!
それでは次回もお楽しみに〜!恐らく大阪編ラストで〜す!