ラブライブ!〜1人の男の歩む道〜   作:シベ・リア

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はいどうも!妄想作家のシベリアです!
さて、今回も今までのストーリーの振り返り!総集編って言った方がかっこいいですかね?
前回は映画編だったので、今回はその続きからです!読み返しててとても懐かしかったです。それではどうぞ!



Another way「これまでのラブライブ!〜1人の男の歩む道〜アフターストーリー編」

 

───最後の一年のはじまり編

 

 

───4月。

音ノ木坂学院では入学式が行われた。穂乃果の妹の雪穂、そして絵里の妹でおれの義妹の亜里沙も今日から音ノ木坂学院の生徒だ。そして2人は早速アイドル研究部に入ってくれた!

新2年生の真姫、凛、花陽は新歓ライブに向けての練習をして、新3年生の穂乃果、海未、ことりも6月の第3回ラブライブ!の閉会ライブに向けての練習に励んでいた。卒業していった絵里、希、にことも集まって10人で練習もしている。

 

始業式でおれは生徒会長としてみんなの前で挨拶をやり遂げた。μ'sのライブで何度も人前で話したから結構慣れてきたところがある。

3年生のクラスも穂乃果、海未、ことりと一緒になるなんて思いもしなかったなぁ……あとヒフミの3人も。それに担任の夕暮童子先生は絵里が3年生のときの担任でもあり、理事長に代わって音ノ木坂学院アイドル研究部の顧問となった。

 

次の日、生徒会室にある訪問者がやって来た。マシュ・ライト、新入生だけど入学式前に行われた学校案内を受けてなかったからそれを受けたいと言いにきてくれたカナダ出身の女の子だ。何はともあれ、おれは新入生歓迎会の日にこの子に学校案内をすることになった。

そして新入生歓迎会の日、学校案内を終わらせたおれはマシュに新歓ライブの宣伝をしてから真姫、凛、花陽の元に向かった。

新歓ライブは大成功だった。披露したのは『Hello,星を数えて』と『START:DASH!!』の2曲だ。最初は0人だった講堂。しかし、今はこうして満員のお客さんが来てくれている。そんな新歓ライブのお客さんの数を見て、μ'sの活動の成果を感じた。

 

新歓ライブからしばらく経ったある日、おれ達は部室で新入部員の歓迎会をした。

入ってくれたのは雪穂と亜里沙に加えて、福田真癒美、奥村瑞希の4人だ。真癒美はダンス経験もあるらしく、童子先生の提案により屋上で凛とダンス対決をした。しかしと言うかやはりと言うか、結果は凛の勝利だった。でもこの勝負が真癒美の中の闘志に火をつけた。

 

1年生のみんなの練習もいよいよ本格始動した。おれもついつい熱が入ってしまった。

屋上で休憩していた時、後ろから視線を感じたおれはゆっくりと屋上を出た。そして屋上へ続く階段で、やっぱりあの子がいて呼び止めた。その子はマシュ。新歓ライブの時、キラキラした目でライブを見ていたから気になっていた。そしておれはマシュを勧誘した。少しの勇気を出せば、たった一歩踏み出すだけで道は開ける、それをマシュに伝えたかった。

 

「わ……私は……したい……スクールアイドルがしたいんです!あの講堂でのライブで踊っていた先輩方の姿を見ていて、なんだか不思議な気持ちになって……なんであんなに輝けるのか……そして私も輝きたいって……!

だから、私をアイドル研究部に入れてください!」

 

こうしてマシュはアイドル研究部の一員となった。

 

そして訪れた第3回ラブライブ!決勝の日。おれ達μ'sは最後のライブの日を迎えた。そのライブを1年生達も観てくれていた……μ'sが伝説になった瞬間を。

帰ったおれと絵里を出迎えてくれた亜里沙は1年生で決めたことを教えてくれた。

 

『私たちもμ'sに負けないぐらいの"輝き"を目指そう』

 

 

 

 

───この想いをアナタに編

 

 

新しい生活に慣れてきて、μ'sのラストライブも終わった頃、おれ達アイドル研究部はある重要なことを決めようとしていた。

それは、音ノ木坂学院アイドル研究部所属のスクールアイドルのグループ名である。

μ'sはおれ達10人のグループ名。他の誰のものでもないおれ達10人のものという認識だ。そしてこれからのこの学校のスクールアイドルの名前は同じもの、つまりはみんなで受け継いでいくものが好ましい。

そしておれはピンときてある名前を思いついた。その名は………

 

───Shooting Stars

 

スクールアイドルは限られた時間の中で輝く存在だ。その輝きは古いものから新しいものへと変わっていって、また新しいものへ変わっていく。それが流星群みたいだなって思ったから、流星……"流れ星"って意味の"Shooting Star"を複数にして、"Shooting Stars"って考えたんだ。

その案にみんな賛成の声をあげてくれ、おれ達のグループ名は『Shooting Stars』となった。

 

定期試験も近づく中、海未が参加する『日本道場最強決定戦』の練習にも力が入ってきておて、ほぼ毎日のように園田道場で汗を流している。………それに"あのこと"にも。

おれは絵里にあるサプライズを計画していたんだ。それが、絵里をあんなオモイにさせるなんて……今でも少し、後悔している。

 

 

そしてやってきたテスト最終日。

テストが終わったあと、おれとことりは一緒に教室を出てまた"あの"練習をした。絵里にバレそうになったこともあったけど、なんとか隠し通せている。

そしていよいよ"あの"本番の日を迎えた。

その日は朝から道場で海未と練習をした。今回は窓を閉め切って練習をする『閉め切り稽古』をした。夏の暑い中にするから結構キツいてけど、極限まで追い詰めた状態でする練習は確実に成果が出る。

道場での練習が終わって希とにこが絵里を連れ出してくれている間に、おれは家で準備を始めた。練習の通りに野菜を切って、具材を煮込んで、ことりとにことした練習を思い出しながら作っていく。練習は本番のように、本番は練習のようにとはよく言ったものだ。

そう、おれが計画した絵里へのサプライズ。それは料理だ。料理の知識や技術が全くない、ゼロなおれは前々からことりやにこの協力のもとで基礎の基礎練習を重ねた。まだ不慣れなところもあり、指を切ってしまうことは何度かあったが、それでも絵里のためにという想いがおれの背中を後押ししたようだった。

───完成した料理はカレー。隠し味には絵里が好きなチョコレートを使った。そんなカレーを振舞って、「美味しい」と言って貰えた時はとても安心した。

そしてことりとにこに教えてもらえなかった料理に大切な調味料というものを絵里から教えてもらった。その名は、愛。しかし、その調味料はもう既に入っていたらしい……なんか照れるな。

翌朝にはおれの目標だった絵里の弁当を作ってあげることが出来た。今回のサプライズは大成功と言ってもいいだろう。これがおれから絵里へのゼロからの愛だった。

 

絵里に料理を振舞った日から数日後、おれはことりのにこに絵里に作ったのと同じやり方で作ったカレーをお礼として振舞った。

そしておれが食器とかを洗い終わった後だった。

 

「私………ずっと前から………ナオキくんが小さい頃に、東京にいたときから……!!

ナ……ナオキくんのことが、好きでした!!」

 

───突然だった、ことりから想いが伝えられたのは。

ことりからの告白は断ったが、ことりの涙の理由(わけ)を聞いておれの中ではさらなる不安が湧き上がってきた。

おれには絵里がいるからという理由で、みんなからの告白を何度も断ってきた。告白をするみんなも断られるとわかっていたが、それでも告白してきた。きっとそれはとても辛いことなんだろう。ことりも言っていた通り、告白をしておれとの関係が怖いのもわかる。だってそれはおれもある意味一緒だから。おれも告白を断ってみんなが傷つくのが怖いんだ。

そしてもし、このことを絵里に言ったら絵里は傷ついてしまうんじゃないか?そんな絵里を想っての考えが、後にあんな事態を招いてしまうなんてこの時のおれは思いもしなかった。

 

 

テストの返却、修業式も終わっていよいよ待ちに待った夏休みだ。

その日に親戚の奈々おばさんから電話があって、おれのいとこである桜内梨子ちゃんをしばらくの間預かることになった。亜里沙はとてもはしゃいでいたけど、絵里はなんだか緊張していたし、それに若干梨子ちゃんに対して嫉妬していた。

 

梨子ちゃんが来た次の日、梨子ちゃんを真姫に会わせるために音ノ木坂学院に連れて行った。梨子ちゃんはピアノを習っているみたいだし、真姫に会えばこれからのためになるかもしれないし。

真姫は梨子ちゃんの弾く音に興味が湧いたらしく、真姫と2人で音楽室で梨子ちゃんの曲を聴くことになった。曲目は『空』、梨子ちゃんが好きな曲らしい。それに、屋上での練習の休憩中に、梨子ちゃんのピアノの音色が聞こえてきて疲れていたみんなを癒してくれた。

 

そしていよいよ夏合宿の時期がやってきた。

水着も持ち物の中に入っていたけど、おれはあいにく水着を持ってはいなかった。なので休日に絵里と買いに行くことになった。ついでに絵里の水着も。

おれが選んだデザインは即刻却下されたが、絵里が選んでくれたものを買った。

おれの水着を買ったあとは絵里の水着の番だ。絵里の為とはいえ、女性用水着コーナーに入るのは少し抵抗があった。でも絵里の水着姿を拝めたので満足だ。

それからもしばらくショッピングモールをまわって絵里とのデートを楽しんだ。

そして月曜日、いよいよ夏合宿の舞台である西木野家の別荘に向かうのだが、1年生達にはアイドル研究部恒例(?)の"あれ"を告げた。

 

「では、これから1年生もだが、アイドル研究部全員は……"先輩禁止"だ!!」

『先輩禁止〜〜!?』

 

 

行きの電車の中、1年生達は早速"先輩禁止"に翻弄されていた。おれも童子先生の言葉に翻弄されたけどな。

別荘ではおれと童子先生は2階にある個別の部屋に、他のみんなはリビングで寝ることになっていた。

ちなみに初日はみんなで海で遊ぶことになっている。みんなそれぞれ海を楽しんでいる中、おれは椅子にもたれてぼーっとしていた。これがおれの海の楽しみ方だ。

そして"それ"はお昼ご飯を食べ終わった後に起こった。バレーボールがおれの顔面に直撃して、その反動で真姫のお腹にダイブしてしまった。これは大分まずい、ダイブだけに。まぁ、当たり前だけど、その後真姫に思いっきり頬をビンタされた。

 

晩ご飯の後、おれはお風呂に入ることにした。真姫の別荘のお風呂はとても大きかった。そんなお風呂を独り占めに出来て幸せな気分になっていた中、更衣室のカゴの中に女性用のパンツを見つけてしまい、それはそっと元の場所に戻しておいた。

部屋で絵里との電話が終わった後、真姫が来て勉強を教えてくれと言ってきたから、おれは真姫がわからないところを解説した。その後真姫は問題を解いていたから自分の作業をしていた。でも真姫は今日1日で疲れたのか寝てしまっていたので、ベッドに寝転ばせた。そしてトイレから帰ってきたおれは、海未に海に沈められた。

 

次の日からはいよいよ練習が始まる。あ、おれは無事に救出されて生きています。

合宿2日目、3日目の練習メニューは海未が考えていた。みんなはそのメニューを見て絶望していた。まぁ、気持ちはわからないでもないけどな。

2日目の晩ご飯は別荘の冷蔵庫にあった1枚3000円もするステーキだった。

次の日の早朝、みんなを起こさないように外に出たおれは去年の夏を思い出しながら海を眺めていた。そして珍しく早く起きて来た穂乃果から……

 

「穂乃果ね、ナオキくんのことが好きだったの。気が付いたらずっとナオキくんのことを見てた。最初は憧れてるだけかと思ったんだ……でもそうじゃなかった。

私、ナオキくんのことが好きなんだって……!」

 

……告白された。

ある程度は予想はしていた。また誰かから告白されるかもしれないなと。びっくりしたのもまた事実だ。でもおれは、誰から告白されたとしても、この関係を崩したくはない。そんな思いを背負い、ハッキリと自分の気持ちを伝え、断った。

 

その日の練習中、マシュが足をくじいてしまうというハプニングもあったが、みんなに出来たてホヤホヤの新曲、つまりShooting Starsのデビュー曲を初お披露目した。その次の日からはついに新曲のダンス練習、歌の練習が開始された。練習をしながらの改善にはなったけど、これもまたみんなで作っていく感じがして良い。

曲の練習が続いて、ついに合宿最後の夜、みんなでBBQをして盛り上がった。雨が降ったけど穂乃果が気合いで晴らしたのは流石に信じられなかった。世の中何が起こるかわからないもんな、うん。童子先生もお酒を飲み過ぎて、"音ノ木坂の酒呑童子"モードになったりもしたな。

BBQの後はみんなで花火をした。そしておれは真姫に呼び出されていたから、真姫の隣で線香花火を見ながら耳を顔の見えない真姫に傾けた。

 

「私ね、ずっと前からナオキのことが好きだったの。仲間としてじゃなくて、一人の恋愛対象として好きなの……」

 

なんとも真姫らしい告白だった。でもそんな真姫に対してはある願いがあった。それは、「好きな人と結婚して欲しい」ということ。勝手な考えだけど、真姫は政略結婚とかそういうのに一番近そうだからそこだけが心配だった。楽しい花火の時間もあっという間に終わってしまった。

そして色々あった合宿もついに終わりを迎え、おれ達は東京に帰った。

 

久しぶりの自宅でおれは安心したのか知らぬ間に寝てしまっていた。絵里と梨子ちゃんも前より仲良くなっていた気がする。

その日は合宿の思い出話で持ち切りだった。色々絵里からは責められたけど、やっぱり絵里といる時が一番落ち着いた。

 

合宿から帰ってきてしばらく練習は休みの期間になっていた。そんな中、一応リーダーである凛と一緒に備品の買い出しにショッピングモールに向かった。

凛と買い物をしていると、妹がいたらこんな感じなのかなと考えてしまう。いい意味で騒がしいし、元気だしな。

買い出しが全て終わると、凛が屋上に行きたいと言い出したからそこに向かった。でもおれは高いところが苦手だ。屋上の入り口付近から動こうとしなかったら、凛が壁にもたれて凛らしくもなく黙って夕日を眺めていた。

 

「凛の中ではね、ナオキくんは……特別な存在、なんだよ?」

 

そんな凛の口から放たれたのは告白の言葉だった。だけど、告白を断った後の凛はいつも通りだった。だからおれもいつも通りにした。

凛はきっと強がっていると直感的には感じていた。でもおれはそれ以上何も言わなかったし、あくまでいつも通りにした。それが正解なのかはわからないけどな。

 

また別の日、おれと絵里は近くで開催される夏祭りで浴衣デートをすることになった。浴衣は海未の家で貸してくれることになっていた。亜里沙と梨子ちゃんは穂乃果の家で借りるみたいだ。

海未の家で浴衣に着替えていざ絵里と夏祭り浴衣デートへ。絵里の浴衣はやっぱりよく似合っていた。こうして絵里と夏祭りに行くのはおれが昔東京にいた時、大体幼稚園に通っている時以来だ。

射的をして、焼きそばを食べて、金魚すくいをいて、そしてかき氷を買って小さい頃に絵里と見つけた寺の裏山で花火を見た。

2人っきりで花火を見れると思っていたのに、まさかにこ、希、梨子ちゃんを含めたShooting Starsのみんなも来るなんて思いもしなかった。

この日はみんなにとっていい思い出になっただろうし、梨子ちゃんとまた一緒に夏祭りに行こうと約束もした。

 

そしてさらに別の日、絵里、亜里沙、梨子ちゃんと4人で西木野病院が支援しているホテルのプライベートビーチに行った。

おれは相変わらずのんびりとさせてもらっていた。昼過ぎからは遊んだけど。スイカ割りをしたり、ビーチバレーをしたり。梨子ちゃんも亜里沙ちゃんとはしゃいでいて、とても楽しそうだった。もちろん、絵里とも楽しい時間を過ごさせてもらった。

梨子ちゃんと話している時に、梨子ちゃんが真姫のことを尊敬の意を込めて"先生"と呼んでいることがわかったし、今回の本目的は絵里と過ごすこともあったけど、何より、もうすぐ帰ってしまう梨子ちゃんの思い出作りだった。

 

次の日、おれと絵里が作った料理を梨子ちゃんに食べてもらった。でもどこか亜里沙ちゃんの様子がおかしかった。最初は辛いからだろうかと思っていたけど、絵里からその理由を聞いて合点がいった。

さらに次の日、この日から練習を再開する予定だったけど、急遽梨子ちゃんのミニ演奏会が催された。それが開かれる音楽室にはShooting StarsのメンバーだけではなくOGである絵里、希、にこも揃っていた。

その日、梨子ちゃんが弾いてくれたのは『空』だけではなかった。μ'sの曲で梨子ちゃんが気に入ったという『ユメノトビラ』をなんと弾き語りで披露してくれた。真姫曰く、この曲をみんなに聞いてもらいたくて集めたらしい。

そして最後には亜里沙から梨子ちゃんにバレッタが贈られた。梨子ちゃんは早速それをことりに付けてもらって帰って行った。

校門まで梨子ちゃんを見送った時、梨子ちゃんから言われたことがとても嬉しかった。

それは……

 

「私ね……この音ノ木坂学院を受験して、ここの生徒になる!」

 

別の日の練習の帰る時、ロッカーの中に朝にはなかった物があった。それは手紙で、送り主は花陽だった。内容は……

 

「私はあなたのことが好きです。仲間として、友達としてじゃなくて、1人の男の子として好きです」

 

告白だった。花陽はみんなのように直接伝えられず、手紙という形を取ったんだろう。返事はいらないと書いてあったけど、しっかりと返事を書いて花陽のロッカーに入れた。

そしていよいよ、日本に存在する道場の中での最強を決める大会、『日本道場最強決定戦』の日がやってきた。この日のために海未は血のにじむような特訓をしてきた。その成果を見せるときだ。この大会で海未は園田道場の跡継ぎに相応しいことを両親に示さなければならない。もちろん、この日はみんなで海未の応援に来ている。

海未は日舞、弓道でトップの成績を収めてこの大会の優勝候補として話題になった。

そして優勝が決まる剣道の決勝戦。その相手は無名の選手でここまで海未と同じ無敗で勝ち進んでいる白鉄大地という人物だった。その勝負は"最強"を決めるに相応しい戦いだった。おれも試合を見ている時に瞬きを忘れていた。

結果はもちろん、海未の勝ちだ。これで園田道場は日本最強の道場として名を轟かせた。相手の無名道場も同じぐらいに。

そして試合が終わった後、おれは控え室に足を運んだ。前に海未から「優勝したら聞いて欲しいことがあるから聞いて欲しい」と言われていたからそれを聞くためだ。そんな海未の口から出た言葉は……

 

「ナオキのことが……好きなんです!」

 

告白だった。

この告白をもって、おれはμ'sの全員から好意を向けられていたことがわかった。そして、この"問題"は急激に加速した。

 

朝、おれは悪夢にうなされて目を覚ました。それは、絵里に捨てられてしまう夢だった。今でも思い出すだけで気分が悪くなる。あんな夢、2度とごめんだ。でも、この夢は不幸にもこれから起こることの暗示だったんだ。

練習中、希から届いたメッセージを見ておれは飛ぶように自宅に帰った。

帰ると、絵里は部屋で涙を流していた。

 

「ナオキ、私に隠してることとかない?」

 

───図星だった。

 

「なんで黙ってたのよ。みんなに告白されたこと……」

 

───絵里のために黙っていた。

そうすぐ言えばもしかしたらこんな展開にはならなかったはずだ。

 

 

「ずっと、ナオキが隠し事してるのかなって心配だった。しかもその内容がみんなから告白されたことだなんて、そんなの不安になるに決まってるでしょ!ナオキの分からず屋!私の気持ちぐらい考えてよ!!」

 

「おれが絵里の気持ちを考えてない?

………バカ言ってんじゃねーよ!おれは絵里が傷つくと思ってこのことを黙ってたんだよ!絵里の気持ちを考えないわけないだろ!?おれは……おれは、絵里のために……!!」

 

「だから私のためになってないのよ!私は告白されたことぐらい言って欲しかったのよ!あのときの料理のサプライズは嬉しかったわ。でもこんなサプライズなんて嬉しくない!確かに言わない方がいいことだってあるわ。でもこんなこと隠されてたらなにかまずいことがあるんじゃないかって不安になるはずでしょ!?」

 

「だからおれは絵里にそう思って欲しくなくて……!」

 

「だったら言えばよかったじゃない!言ってもし私が落ち込んだりしたら……慰めたらおしまいな話じゃない!ナオキが私を一番愛してるって証明してくれれば済む話じゃない!!」

 

───おれと絵里は、はじめて怒号を交えて本音をぶつけた。これが2人にとって初めての喧嘩だった。

そして絵里は止めるおれの手を振り払って……外に出ていってしまった。

おれはすぐにでも追いかけたい。追いかけて謝って今まで通り仲良くしたい。でも、おれの体を、絵里を泣かせてしまったことから来た罪悪感が押さえ込んでいて動かなかった。

そんな時に帰ってきたのは亜里沙だった。亜里沙はおれに対して怒っていた。いや、怒ってくれた。亜里沙にビンタされるなんて思いもしなかったけどな。

 

「お義兄ちゃん、亜里沙はなんで追いかけないのって聞いてるの。喧嘩したのかもしれないけど、喧嘩するお義兄ちゃんとお姉ちゃんなんて私見たくない!私は仲の良いお義兄ちゃん達が好きなのッ!!」

 

そう、仲良くしたいのはおれだけじゃない。絵里も、亜里沙も同じように思っている。

おれはそんな気持ちを、絵里への最大の愛を力に変えて立ち上がった。

───おれは走った、みんなに電話しながら色んなところに。マンションの近くの公園や秋葉周辺を走り回った。人の視線なんてどうでもよかった。そして音ノ木坂学院の前にいた時、電話をかけていた希から絵里を見たとの情報を得て、希の住んでいるマンションの近くにある公園まで猛ダッシュした。絵里に早くこの想いを伝えたい、その一心で。

そしてその公園にちゃんと絵里がいた。おれは気づいたら絵里に抱きついていた。

 

「おれはあのことを絵里に言ったら絵里が傷つくと思ったんだ。だから隠してた。でも本当は違った。絵里が教えて欲しかったって怒ったときに気付いたんだ。

おれはまだ絵里の気持ちをちゃんと理解できてなかった。全然わかってなかった。だから絵里を傷つけて、嫌な思いをさせて……泣かせてっ、おれは最低だ!ごめん、絵里……!」

 

切らした息を吐くのと同時におれは絵里に自分の想いを伝えた。

 

「あ、謝らないといけないのは私の方よ……ナオキは私のために黙ってくれていたのに、私気付いてたのに、ナオキに酷いこと言っちゃったもの……!ごめん……ごめんなさい……!!」

 

おれと絵里は無事に仲直りできた。

おれは絵里をこれから先何があろうとも、何が起ころうとも愛し続けることをこの()()()()の下に誓った。

 

次の日、おれは絵里を除くμ'sのみんなからお叱りを受けた。そして罰として絵里と2人で西木野病院所有のリゾートホテルに行くことになった。しかも貸し切りで。

ホテルには泊まる部屋に露天風呂はあるし、色んな種類の温泉、ゲームセンターやカラオケとかの娯楽施設もあった。絶対高いよな、ここ。

その日の昼ご飯は明らかに高級なお寿司だった。そしてその容器を返しに厨房に行った時、ここには居ないはずのμ'sのみんながいた。どうやら、ホテルを貸し切りにするには一筋縄では行かなかったようで、追加条件としておれ達が泊まっている間にホテルの手伝いをすることになったらしい。本当は隠れながらするつもりだったらしいけど、この機会に堂々と手伝いをしてくれと頼んだ。その方がみんなにとっても動きやすいだろうしな。

それに、絵里との関係が上手くいっているのも、少なからずみんなの協力があってこそだから。

 

色んな娯楽施設で遊んで汗をかいたおれ達は温泉に向かおうとしたところに海未が現れた。そして温泉の前に食事をすることになったんだけど、場所は高級レストランだった。

初めての高級レストランに緊張していたけど、他のお客さんがいなかったのが幸いだった。メニューはいわゆるフルコース料理だったけど、あまりお腹いっぱいにならなかった。

レストランでの食事が終わり、次はお待ちかねの温泉だ。でも、貸し切りだと思って入った温泉にはホテルの支配人の梅島さんがいた。そこで梅島さんからされたのは奥さんと別れた理由だった。それは些細な喧嘩だったらしい。おれは梅島さんの気持ちを考えると、その話をしている時の梅島さんの顔を見れなかった。そんな話をしたのも真姫からの頼みだったらしい。そして梅島さんから伝えられた言葉は今でもおれの胸に残っている。

 

「だからね、君たちには選択を誤ってほしくない。お互いにお互いを理解して、お互いがお互いのことを考えて、過ごしていってほしい。そう私は思う。決して、私の、私達のようなことにはなって欲しくない……」

 

温泉から出たおれ達は湯冷ましに近くの散歩道を歩いた。冷たい風がとても気持ちよかった。

部屋に戻り、備え付けの露天風呂に2人で入ることになったけど、そこで綺麗な星空を眺めた。そしてその後は2人っきりで夜をゆっくりと過ごし、翌日チェックアウトをした。

また来れるといいなぁ……

 

そしてついにShooting Starsのファーストライブの日がやってきた!この日のために練習をしてきたみんなも上手くやれるか不安になったりして緊張していた。でもその張り詰めた緊張を解いてくれたのは童子先生だった。

おれ達はμ'sの時と同じように全員で掛け声をしてライブに望んだ。そう、13人全員で。

放送席で機材を触る時、ヒフミなど有志で集まってくれた音ノ木坂学院のみんなも準備を手伝ってくれたんだ、必ず成功させる!と心の中で誓った。

Shooting Starsのたった1曲のファーストライブ。その曲はおれ達のデビュー曲だ。この曲からおれ達の"輝き"は始まる。

その曲名は……『Shooting Stars〜流れ星のように〜』

ファーストライブは大成功!ここから音ノ木坂学院アイドル研究部所属、Shooting Starsの長い道が始まる……!

 

だけど、ファーストライブの成功を喜んでいるおれ達に衝撃的なことが知らされた。

 

「実は私……マシュ・ライトは急なのですが、11月にカナダに帰ることになりました……!」

 

それはマシュが11月にカナダに帰ってしまうということだった。本当は来年に帰る予定だったらしいんだけど、急遽11月に帰ることになったらしい。

だけどおれは、新歓ライブを見てスクールアイドルに憧れて、そしてアイドル研究部に入ってスクールアイドルになったマシュを知っている。だからこそ、おれはそれが許せなかった。

マシュのカナダへの帰国を止めようとするおれをみんなは止める。だけどおれの気持ちは収まらなかった。そんなおれを止めたのは、いや、止めてくれたのは他でもないマシュだった。マシュはおれに「カナダでもスクールアイドルを続ける」と約束してくれた。

 

「後悔、しないか?」

「しません」

 

そうはっきりと真っ直ぐ見つめられてこう言われちゃ、おれも折れるしかなくなった。

さらにマシュのお別れライブもすると決まったおれ達はさらに心をひとつにした。

 

 

 

───ゴールまでの一歩編

 

 

9月、いつも通りの日常を過ごしていたおれは理事長に呼び出された。成績のことで呼び出されたと思っていたけど、実際は違った。それは、10月末に音ノ木坂学院を共学にするかどうかを決める会議が行われることが決まったということだった。ついにおれの模擬男子生徒の役目の最終段階だ!

そんなおれにお母さんから突然の帰省命令の電話が来た。しかも絵里と一緒にだ。まぁ、おれにとっては少し都合が良かったんだけど、その理由はまた後程。

 

そして大阪に帰ってきたおれ達を迎えたのはお母さんだった。いい加減ベタベタする性格をなんとかして欲しい。恥ずかしくてしゃーないねんまじで。

久しぶりの実家はなんだか落ち着くものがあった。お母さんとお父さんとも話が出来て、ちょっとだけど嬉しかったし。でも酒が入ったこの2人だけは相手にしたくなかった!!

 

次の日、おれはお母さんとお父さんに料理を振る舞うべく商店街に絵里と出掛けた。

商店街に向かう途中に昔からお世話になってる喫茶店のおばちゃんと再会して、喫茶店でゆっくりすることになった。でもおばちゃんと話している時は関西弁が戻ってしまっていた。

買い出しから家に帰って来ていざ調理開始!作る料理は両親の好物の大阪名物お好み焼き!しっかり生地から作るぜ!おれの手作りのお好み焼きをお父さん、お母さんも美味しいと言ってくれて嬉しかった。東京にいて親孝行なんて出来なかったから少し申し訳なく思っていた節はあった。だからこれがちょっとした親孝行になればいいな。

 

その次の日、両親の勧めもあって絵里とデートをしていた。場所は新世界。通天閣を真ん中に広がっている有名なエリアだ。

新世界で絵里と仲良くデートしていたんだけど、たこ焼きを食べているおれにまさかの刺客が襲いかかった。

───泥棒だ。

おれは盗られた鞄を取り返すべく気づけば走り出していた。あれは盗られてはいけない、そう考えると不思議と力がみなぎってきた。そして泥棒も捕まえて、荷物も取り返した帰り道、絵里は「なんで必死に荷物を取り返そうとしていたのか」と疑問をぶつけてきた。至って普通のことなんだけど、絵里はおれの表情を見てただ事では無いと考えたらしい。もう隠しきれないと思ったおれは絵里に白状した。

───鞄の中に入れていた"あの紙"を渡して。

 

「絵里、その……まだ書けないところは勿論あるし、まだタイミング的には早いかもしれない。でも、おれはそれぐらい本気だ。だから………そこに名前を書いてくれないか?出すのはもうちょっと後になるかもしれないけど」

 

「そんなのっ……書くに決まってるじゃない、バカっ……!」

 

その紙とは、婚姻届だ。

卒業式の日、絵里の両親に渡されたその紙をおれは大切に持っていた。大阪に帰省することになった時、おれの両親にサインしてもらういい機会だとも思った。だから都合が良かったんだ。

絵里に『妻になる人』の欄に名前を書いてもらい、おれと絵里は"共に歩む"ことをこの紙に誓った。出すのはまだ先になるけどな。

そしておれ達は翌日に東京に帰った。

 

大阪から帰ってきて数日後、おじさんからおれと絵里にあるパーティーに参加するように言われた。そのパーティーは有名企業の社長さん達が集まるらしく、次期ラブライブ!運営委員会の会長とその奥さんにも参加して貰いたいとのことだった。

おれはスーツに、絵里はドレスに身を包んでパーティー会場となっている高級ホテルにおじさんとおばさんと共に足を踏み入れた。

パーティーでは色んな有名企業の人に声をかけられた。この機会にラブライブ!運営委員会の大きさを知ることが出来た。

そして会場の外で休憩している時に、静岡県沼津市の旧網元の名家の娘、黒澤ダイヤちゃんとルビィちゃんに出会った。しかもダイヤちゃんはμ'sみたいなスクールアイドルになりたいと言ってくれた。こういう志を持ってくれる子がいてくれることがとても嬉しかった。おれ達がやってきたこと、おれ達が歩んできた道がこうやって未来のスクールアイドルに影響していることが嬉しかった。

 

「───なら、限られた時間で必死に輝いてみろ。それはきっと君にとって良い体験になると思う。おれ達が経験した『輝き』を手に入れてみろ」

 

おれはダイヤちゃんと握手を交わした。

伝説のスクールアイドルの1人として、未来のスクールアイドルの1人に。

そしておれはこの出来事を経験してある目標が出来た。それはおれがラブライブ!運営委員会会長となった時にしたいこと、つまり"夢"だ。

 

「────おれ、運営委員会の会長になったら、日本全国のスクールアイドルを見に行きたい」

 

 

 

これが、今までおれが歩んできた道です。

 

そしてそんな歩んできた道も、ついに"最終章"を迎える……!

 

 

 

 

 

 

次章予告!

 

 

 

 

「ではこれより、音ノ木坂学院の今後についての会議をはじめます」

 

 

ついに物語は最終章に突入!

 

 

「みんな、全力で輝いてこい!」

 

 

ついにやってくる"ラブライブ!"

 

 

「みなさん、ありがとうございました!!」

 

 

仲間との別れ。

 

 

 

「なんで私達、勝てなかったんだろう……」

 

葛藤。

 

 

 

 

そして────

 

 

 

 

 

「ふざけないでください!!!!!!」

 

────衝突。

 

 

 

 

「絵里、ここでしようか」

 

 

これまで歩んできた道、その先に待つ未来は………!

 

 

 

 

ラブライブ!〜1人の男の歩む道〜

 

 

最終章〜みんなで歩いた道、これから歩く道〜

 

 

 

 

「私達は、Shooting Starsを……脱退します」

 

 

 

 

 

───次回よりスタート!

 

 





ありがとうございました!
総集編いかがだったでしょうか?
これをお読みになってもっと詳しく読みたい!と思った方は是非、1話ずつ読んでみてください!
その前にひとつお知らせを。
『ラブライブ!〜μ'sとAqoursとの新たなる日常〜』を書かれている薮椿さんの企画に参加していて、自分が書いた物が12月11日に投稿されます!是非そちらも読んでくださいね!一味違う作品になってるんじゃないでしょうか?
さて、次回からはいよいよ最終章!現在絶賛執筆中ですので、お楽しみに!!!
それではみなさん、さよーならーー!!!
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