ラブライブ!〜1人の男の歩む道〜   作:シベ・リア

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みなさん、ついにこの時がやってきてしまいました。最終回を投稿して終章と感覚を空けたくないと思いましたので昨日と続けての投稿になりました。
日にちは違えど投稿時間は序章と同じです。あとがきに自分の思いは書いてありますので是非最後までお読みください。

それでは『ラブライブ!〜1人の男の歩む道〜』のラスト、終章のはじまりです。




終章〜これから歩む道〜

──おれ達が卒業してから、凛・花陽・真姫は3人での活動を開始した。3人は毎月ライブに臨み、さらにShooting Starsのライブの手伝いはもちろん、他のスクールアイドルの前座を務めた。しかし、ラブライブ!には参加しなかった。その年に行われたラブライブ!には新入生を迎えた新星Shooting Starsが参加したからだ。

 

『第5回ラブライブ!優勝は………音ノ木坂学院スクールアイドル、Shooting Stars!』

 

『ワァ────!!』

 

そしてみんなは見事、前回のリベンジを果たして優勝した。会場で実際にパフォーマンスを観たが、おれが見ない間にみんなは確実に成長していた。それこそあの時と比べ物にならないくらいにな。

 

凛達も無事卒業してそれぞれの道を歩んだ。

あ、そういえばいとこの梨子ちゃんは音ノ木に入学した。合格発表の時にはわざわざ家まで合格を報告しに来てくれた。今にも泣きそうな顔でとっても嬉しそうだった。

そうそう、花陽を継いで部長には雪穂がなったみたいだ。

 

 

「──伝説のスクールアイドル、μ's。それは、この音ノ木坂学院で生まれました」

 

「そしてμ'sはこの学校を廃校から救い、ラブライブ!という大会で優勝するまでに……

私達Shooting Starsはその想いを受け継いで今まで活動してきました」

 

「さらに、μ'sを中心としたスクールアイドルの力によって、ラブライブ!はドーム大会を開かれるまでになり」

 

「今年もまた、ドームを目指して予選が開始されることになったのです!」

 

「「「「そして、μ'sの最後のライブは──!」」」」

 

 

そういえば、亜里沙はみんなで新入生にμ'sのことを教えるんだって張り切ってたな。なんだか恥ずかしいな……あはははは。

 

新入生は共学になったことにより前年度よりもさらに多く、音ノ木もまた新しい道を歩んでいる。理事長曰く、音ノ木坂学院の人気は盤石なものになっているから私が生きている間は安心できそうね、だとさ。

 

 

──そんな音ノ木を卒業したおれ達μ'sもそれぞれの夢に向かって、共に歩んだ道からそれぞれの道へと歩んでいった。

 

 

 

 

穂乃果は卒業した後、実家の『穂むら』を継ぐために料理とその営業を学ぶことができる専門学校に進んだ。

 

 

「す、すみませ〜ん!遅れました〜!」

 

「高坂さん、またですか!」

 

「あはははは〜すみません……」

 

「高坂さん、また新しいお饅頭考えてたの?」

 

「う、うん。気付いたら朝で……」

 

 

ちゃんと卒業して穂むらで働けたら饅頭を買いに行ってやるか。

 

 

 

ことりはTDLに行った1週間後にアメリカに留学して、今もまだアメリカで服飾の勉強をしている。出発の日はしっかりみんなでことりを見送った。あの時見送らず引き留めた分、今回は背中を押そうとみんなで決めたんだ。

 

 

「(日本語訳)ことり。ことりは卒業して日本に帰ったらどうするの?」

 

「(日本語訳)うーん、私は日本でお店を出したいなって!色んな服とかアクセサリーを売ってみたいんだ〜!」

 

「(日本語訳)それはいい夢ね!応援するわ!」

 

「Thank you!」

 

 

いつか帰ってきた時はみんなでご飯を食べに行きたいな。

 

 

 

 

海未は卒業後、体育大学に進学した。なんでも、日本道場最強決定戦の後に推薦入学の誘いが来たらしくて、園田道場を継ぐためにもさらに体を磨くために進学を決めたらしい。

 

 

「園田さん……ですよね?」

 

「はい……って貴方は、白鉄(しろかね)さん!?貴方もこの大学に?」

 

「うん、あの後に推薦が来たんだ。僕にも来たってことは園田さんにも?」

 

「その通りです。道場のことはお聞きしています。良かったですね、存続できて」

 

「園田さんのおかげだよ。あの時の試合を見た大きな会社がスポンサーになってくれたんだ。その時のお礼を兼ねてお昼でもどうですか?」

 

「いいですね、喜んで」

 

 

あいつのことだ、きっと余裕で卒業するだろうな。ちゃんと友達ができるといいけど……大丈夫だろう。

 

 

 

西木野病院は名前を変えて『西木野総合病院』になった。"総合"と付いたことで今までできなかった治療も出来るようになったらしい。院長を継ぐことが決まっている真姫は推薦で入れるところ、自力で西木野大学の医学部にトップの成績で合格した。これにはおれも含むみんな驚いていた。

 

「──これで合ってますか?」

 

「流石は西木野さん、正解よ」

 

『おぉ───!』

 

「西木野さん流石っ!」

 

「べ、別にこれぐらい普通よ……後で教えてあげる」

 

「いいの?ありがとう!」

 

というか海未より真姫の方が友達ができるか心配だ。逆にあの性格なら嫌われてもおかしくないけど……1人友達ができれば大丈夫そうだな。

 

 

 

凛は1年遅れで海未と同じ体育大学に入学した。凛は将来陸上選手になりたいらしく、スクールアイドルでの経験から推薦を勝ち取った。

 

「ハァ、ハァ、ハァ……!」

 

「星空さん、また新記録よ!」

 

「ほ、本当ですかっ……!?ありがとうございます!」

 

「これなら次の記録会はレギュラーに入れても問題なさそうね。流石の運動神経だわ」

 

「やったにゃ〜!凛、頑張ります!」

 

凛のことだ、陸上ほぼ未経験でもすぐにレギュラーを獲得しそうだ。試合があればみんなで見に行きたいな。

 

 

 

希は神田明神で数年手伝いをしてお金を貯めて、自分で占いの館を開いてしまった。これがなんと大繁盛して、瞬く間に『タロットを得意とする占い師 のぞみん』として世間に名を馳せた。

 

「──おふたりの相性は抜群でしょう。結婚するなら今しかない!」

 

「そ、そんな……!」

 

「ありがとうございます!早速式場を探します!」

 

「ちょ、ちょっと……!」

 

「お幸せに〜」

 

それに1番相談が多いのは恋愛系らしい。2人の相性やら運命の人やら色々。それはどうやらおれと絵里のことが関係してるらしい。

 

 

花陽とにこはどうしたって?それはもうすぐわかると思う。あ、噂をすればなんとやらだな。

 

「お〜い!にこ、花陽〜!」

 

「あ、ナオ……社長。お疲れ様です」

 

「お、お疲れ様です!」

 

「なんだよ。おれ達の仲だから今までの呼び方でも気にしないって言ってるだろ?」

 

「こっちが気にするのよ……です!社長になったんだからもう少し自覚してくださ〜い」

 

「はいはいわかりましたよ、人気アイドルのにこさん」

 

「ふ、2人とも〜……」

 

おれは正式に就任式を終えてラブライブ!運営委員会の会長になった。おじさんは退任した後後見人として残ってもらった。

そしてラブライブ!運営委員会の事業拡大のために名前を『スクールアイドルカンパニー』通称『S.I.C.』に変えて、おれは社長になって、おじさんには後見人の意味も込めて再び会長になってもらった。

にこと花陽はこの会社所属のアイドルのメンバーのうちの1人だ。名前は『THE LEGENDs』と言って、メンバーは学生時代にスクールアイドルを経験した人をスカウトやオーディションで募った。それには普段の人柄も考慮に入れるため、直接ライブを観に行ったりしている。もちろんおれだけでは手が回らないので時々他の人にも頼んでいる。

 

「社長、やっぱりここでしたか」

 

「あぁ、美書子(ひしょこ)さん。どうかしましたか?」

 

「今日はこの後近くの学校へスクールアイドルの練習の見学の予定が入っています。早く準備してください」

 

「わかってますよ。ちょっとみんなの様子を見たかっただけです。それじゃあみんな、レッスン頑張ってください」

 

『はい!』

 

美書子さんはおれの秘書で、フルネームを新戸 美書子(あらと ひしょこ)さんと言う。名前から時々"秘書子さん"とからかわれている。と、いつも厳しくスケジュールを管理してくれています。それだけじゃなくてお茶とかコーヒーも出してくれるし、ほとんどおれに付きっ切りだ。逆に少し申し訳なくなるが「これも仕事なので」と言われてしまっては何も返せない。

 

 

 

 

──夕方、おれは仕事を終えて絵里の待つ家に帰る。『香川』と表札があるその家は3階建てで、時々学校を終えた梨子ちゃんが遊びに来たりするが今のところは絵里と2人暮らしだ。屋上も作って夜空を見上げながらバーベキューをしたりできるし、ただその景色を眺めてぼーっとしたりできるからお気に入りだ。

そう、この家はあの時"おれ"から見せてもらった幻と一緒。つまりあの時の"おれ"はやっぱり未来の住まいを見せてくれたんだ。なんかあの時は不思議な体験をしたな。

 

「あら、ナオキ。そんなところでどうしたの?」

 

「絵里。買い物の帰りか?」

 

「えぇ。今から作るから待っててね」

 

絵里は大学を卒業後、仕事にはつかずに家でおれを支えるために家事をしてくれている。いわゆる専業主婦ってやつかな?

 

「重いだろ?持つよ」

 

「ありがとう」

 

おれが絵里が持ってたスーパーの袋を持ち、絵里はカバンから家の鍵を取り出してドアの鍵を開けた。

 

「……絵里、ただいま」

 

「おかえりなさい、ナオキ」

 

今日もまたこの2人の愛の巣に帰って来た。おれと絵里は同じ道を今歩んでいるんだと強く感じる。

 

──みんなそれぞれの道を歩んでいる。おれ達が共に過ごした期間はとても短いものだった。でもその時間はかけがえのないもので、これから先思い返すことが何回もあると思うし、忘れることは決してない。ずっとおれの、おれ達の中にその思い出は残り続ける。

 

だからこそおれはこの先ずっとスクールアイドルを、"ラブライブ!"を残してみせる……!

ラブライブ!はおれ達がみんなで歩んできた道そのものなんだから───。

 

 

 

 

 

────ナオキが歩む道はその命尽きるまでずっと先へと続いていく。

 

 

 

─『ラブライブ!〜1人の男の歩む道〜』 完結─

 

 




みなさん、本当にありがとうございました。
この作品は自分が考えていた、言い方を変えれば妄想していた世界そのものなのです。なので途中からは完全にオリジナルとなっていて、原作キャラが出てこないなんてこともありました。しかし今まで書いてきたお話、展開は自分がずっと妄想していたことを書いてきたに過ぎません。そんな人の妄想を読んでくださり、誠にありがとうございました!

ここでひとつ、みなさんにどうしても伝えたいことがあります。
まだこの先のことについて考えてはいるのですが、何故ここで物語をひと区切りつけたかと申しますと、この作品は私の第1作目です。そんな作品を長く続けるわけにはいかない、いい加減ひと作品ぐらい完結させたいという理由もあります。ですが1番大きな理由はこの物語は「ラブライブ!」だからなんです。だからナオキくんが高校を卒業して学生を、スクールアイドルを終えればその「ラブライブ!」というスクールアイドルの物語は終わりを迎えるのです。なのでこうして完結という道を選ばせて頂きました。
なのでもしこの続きを書くとしたら別作品になります。ただ、この件に関しては現在も色々検討中です。書くかもしれないし、書かないかもしれません。また書くと決定しましたらツイッターや活動報告でお知らせしようと思います。

『ラブライブ!〜1人の男の歩む道〜』

総文字数、おおよそ104万3900字。
投稿日数、おおよそ3年10ヶ月。
総話数、200話。

これにて完結です。
是非、続編をお待ちください!

本当にありがとうございました!
感想など永遠にお待ちしております!

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