ラブライブ!〜1人の男の歩む道〜   作:シベ・リア

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※内容を一部変更しました


第28話「希の望みはμ’sの望み」

 

UTX高校……

会議室……

今日は2週間後に控えた第2回ラブライブ!東京地区予選決勝の4チーム…

 

UTX高校のA-RISEのリーダー綺羅ツバサと生徒会長の渡辺千代子、

 

御茶ノ水第一高校のEast heartのリーダー東水音と生徒会長の東音美、

 

目黒学園のMidnight catsのリーダー江戸川黒子と生徒会長の佐藤・アリス・沙織、

 

そして音ノ木坂学院のμ’sのリーダー穂乃果……の代理の絵里と生徒会長のナオキが集まっていた。

 

「皆さん集まっていただいてありがとうございます…今日は予選決勝を共に戦う4チームの顔合わせするために集まってもらいました……」

渡辺は言った。

 

(男おれだけ…………)

ナオキは不安を感じていた。

 

「でも結局来週会えるでしょう?なんで今日なの?」

音美は言った。

「ま、いいじゃないですか…それにその為でもありますしね…」

ナオキは言った。

「なんでなのですか?」

アリスは言った。

「それはですね、来週のはテレビやネットで中継もするので打ち合わせみたいな感じで…」

「なるほどでーす」

アリスは手を合わせた。

「それでは本題に入りましょうか…」

渡辺は話を始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それでは皆さん、これでおひらきにします…ありがとうございました」

「ありがとうございました」

 

 

「終わったー……」

ナオキは言った。

「ナオキくん……だったわね……」

渡辺が近づいてきた。

「はい!渡辺さん…」

 

「それに……元音ノ木坂学院生徒会長の絢瀬さんも……」「お久しぶりね……」

渡辺と絵里は睨み合った。

「え?なに……火花散ってるんですけど……ツバサさん…どういうことですか?」

「わ…私にも……」

ツバサは苦笑いした。

「ふん、よくもまぁ…廃校にならずに済んだわね…残念だわ…うちのところの生徒が増えると思ったのに」

「ふん、μ’sをなめないでちょうだい……まぁこれからは?あなたのところの生徒がうちに来るかもですけどね」「さぁ…どうかしらね?」

「わからないわよ…予選決勝までは」

「そのようね…ま、A-RISEが勝つに決まってるんだけど」「ふん、μ’sが勝つに決まってるわ」

 

(なにこれ怖い………)

ナオキは思った。

 

「それでは失礼するわね…渡辺さん」

「えぇ…また会いましょう…絢瀬さん」

 

 

 

 

UTX高校前……

「なぁ絵里、渡辺さんと何かあったのか?」

「別に…ちょっと嫌いなだけよ」

「はっきり言うなー」

ナオキと絵里は話していた。

2人はマンションにむかって歩いていった。

 

 

 

 

 

そして1週間後……

「さーて今日は第2回ラブライブ!東京地区予選決勝に出場する4組みのチームの皆さんに来てもらいましたー!」

リコはいつも通りのハイテンションだ。

「それでは出場チームを紹介しまーす……

まずは1位のA-RISE!!続いて、2位のEast heart!!3位のMidnight cats!!そして最後は4位のμ’s!!

以上4チームが予選決勝で戦います!それでは1チームずつ話を聞いていきましょう!まずはμ’sから!」

穂乃果はリコにマイクをむけられた。

 

「あっ…はい!私たちはずっとラブライブ!優勝を目標に頑張ってきました!なので!私たちはこの大会で優勝します!」

するとたくさんのシャッター音と歓声が響く。

「あれ?」

「す…すすすすごい!いきなりでました優勝宣言!」

 

 

(穂乃果……言いやがった……)

4校の会長は端で待機していた。

3校の会長の目がナオキの方にむいた。

(視線が怖い……)

「ナオキくんいい度胸じゃない…」

渡辺は怖い顔で言った。

「アハハハハ……(4人とも怖いよ……タ゛レ゛カ゛タ゛ス゛ケ゛テ゛ェ~!!)」

 

 

 

「チョットマッテテー」

「花陽いきなりどうしたのよ?」

「いや、だれかが『タ゛レ゛カ゛タ゛ス゛ケ゛テ゛ェ~!!』って言ってたような……」

「気のせいよ…」

花陽とにこは話していた。

「ついに……ここまで来たんや……」

希は言った。

 

その後Midnight catsとEast heartのも終わり……

「そして最後はA-RISEだ!!」

リコはツバサにマイクをむけた。

 

「はい…この予選決勝は本戦に匹敵するほどのものになると思いますが………勝つのは……A-RISEです」

そしてまた歓声とシャッター音が響く。

 

 

「勝者はA-RISEで決まりですね…」

渡辺が言った。

「NoNo……Midnight catsが勝ちまーす」

アリスが言った。

「ふん…East heartが勝つのよ」

音美は言った。

「いやいや……μ’sが勝たせてもらいますよ」

ナオキが言った。

はやくも会長たちの間で火花が散っていた。

 

 

 

 

その後音ノ木坂学院……

部室……

「穂乃果!なんで堂々と優勝宣言しちゃってるのよ!」

にこが言った。

「いやーつい……」

穂乃果が言った。

「実際目指してるんだしいいんじゃない?」

真姫が言った。

「怖かった……」

ナオキは言った。

「よしよし……」

絵里はナオキの頭をなでた。

「曲の指定はないみたいですが…」

海未は言った。

「私は新曲がいいと思う」

にこは言った。

「そうだな……その方がいいかもしれないな…」

ナオキは言った。

「ウチは……このメンバーでラブソングを作ったらいいと思うんや」

希は言った。

「ラブソング!?」

9人は声を合わせていった。

「そういやμ’sにはなかったな…ラブソング…」

「確かに……」

ナオキと穂乃果は言った。

「なんでなかったんだろう?」

花陽がそう言うとみんなが海未の方をむいた。

 

「な…なんでこっち見るんですか……」

海未は言った。

「だって作詞は海未ちゃんなんやし…それに海未ちゃんは恋愛経験ないしな…」

「なんでないって決めつけるんですか!?」

すると穂乃果とことりとにこと花陽は詰め寄った。

「あるの!?」

4人は声を合わせていった。

「え…いや…その……」

「あるにゃ!?」

凛も加わった。

「凛まで……」

海未はどんどん壁に追い詰められていった。

 

「ラブソングやったらえりちとナオキくんに任せとけば大丈夫やね!」

希は言った。

「は!?」

絵里とナオキは声を合わせていった。

「それもそうよね…付き合ってるんだし…」

真姫は言った。

「とりあえずえりちとナオキくんが中心で進めていこ?」希は言った。

「そうだねー」

「海未ちゃんには後で聞こうっと」

穂乃果とことりは言った。

「とりあえずえりち、ナオキくんに好きって言って!」「は!?」

「カメラまわすからねー」

「ちょっと希!」

「よーいスタート!」

 

(いきなりなんかはじまった……)

希と絵里以外はそう思った。

 

「え…えーっと…」

「ん?」

絵里が照れながら言った。

(かわいい………)

ナオキはそう思った。

「す……好き……よ///」

絵里は顔をあかくしながら上目遣いで目をウルウルさせながらナオキにそう言った。

「お……おれも……好き…だよ……///」

ナオキは顔をあかくして言った。

(可愛すぎるだろ……)

そして顔を押さえてそう思ったナオキであった。

 

 

 

その後、ナオキはみんなのシュミレーションの相手にふりまわされた。

 

 

With花陽……

「これ…受け取ってください!

「チョコか…ありがとう…」

「はい……」

「中に白米が入ってる……でもうまいな…」

 

 

With真姫……

「はいこれ…はやく受け取りなさいよ……」

「ありがとう…」

「べ…別にみんなにあげてるんだから勘違いしないでよね…」

「お…おう……」

 

 

With穂乃果……

「はいこれ穂乃果から!」

「ありがとう…」

「……」

「……」

「ほらセリフ!」

「セリフ?」

「裏に書いてあるでしょ?」

「裏?…ほんとだ……えーっと……毎年すまんなー」「こ…今年のは……少し違うんだよ?」

「そうなのかー、どう違うんだー?」

「わかるでしょ……本命だよ……」

「ハラショー」

「もう!感情こもってない!もう1回!」

「えーー!」

 

 

Withことり……

「はいこれバレンタインのチョコです!」

「ありがとう…」

「うまく出来てないかもだけど……」

「そうか?ことりは料理上手だからうまいと思うけどな………うん!うまいよ!」

「そう?」

「ああ!」

 

 

With凛……

「はいこれ!凛特製のバレンタインチョコにゃー!」

「ありがとう…」

「頑張って作ったんだー」

「へー凛の手作りはレアだな」

「なにそれー、まるで凛が手料理しないみたいな言い方!」

「違うのか?」

「ちーがーいーまーすー!!シャーー!」

「わわわ…わかった!わかった!すまんかった!」

 

 

With海未……

「練習お疲れ様でした」

「お疲れ様」

「その……これ…いつも頑張ってるご褒美です」

「これは?」

「その…今日はバレンタインと聞いたので…チョコを……」

「そうか…ありがとう…」

「いえ…いつもビシバシ稽古をしているのでたまには…と思ってですね」

「これからも指導よろしくな」

「はい…(恥ずかしいです……)」

 

 

With希……

「はいこれ!バレンタインチョコ!」

「ありがとう…」

「でもまだ完成じゃないんや」

「ほえ?」

「いっくよー!希パワーたーっぷり注入…はーいぷしゅ!」

「………ん?」

「ナオキくん!セリフ!裏に書いてあるよ!」

「またか……え?これやるの?」

「そうや!もう1回いくよ!希パワーたーっぷり注入…はーいぷしゅ!」

「い……いただきましたーー!!」

「よろしい」

 

 

 

Withにこ

「はいこれ…」

「ありがとう…」

 

 

 

 

「あ…バッテリー切れた」

希が言った。

「なんでよ!?」

 

 

 

「つ……疲れた……あと腹いっぱい……」

ナオキは部室でぐったりしていた。

「お疲れ様ですね…」

海未は言った。

「なんでおれなんだよ…希…」

「だって男じゃん、しかもこの学校で唯一の」

希は録画した映像をみながら言った。

「でもなんにも決まらないねー……」

穂乃果は言った。

「やっぱり新曲は難しそうだね…」

ことりは言った。

「でももう少しだけ頑張りたい気もするわね」

絵里は言った。

「絵里ちゃんは反対なの?」

凛は言った。

「反対って訳じゃないけど……ラブソングは有利と思うのよねー…」

「絵里?」

真姫は不思議そうに言った。

「明日また集まって決めよう!穂乃果の家で!」

穂乃果は言った。

「じゃあ、みんな資料になるもの持って集合な」

「はい!」

「ナオキ…私、希とよるところあるから先帰ってて」

「あぁ…わかった…(こりゃ怒ってるな…)」

「それならナオキは私たちについてきて」

真姫は言った。

「あぁ…」

ナオキは1年生と一緒に帰った。

 

 

 

「ねぇ、絵里…怪しいと思わない?」

真姫はジュースを吸って言った。

「なんで?」

花陽は言った。

「あれだけ積極的なのがよ」

真姫は言った。

「それだけラブソングが歌いたいのかな?」

凛は言った。

「ナオキくんは何か知ってる?」

花陽は言った。

「いや……おれはなにも…」

ナオキは言った。

「ナオキにも話してない…か……」

真姫は言った。

「もしかして!?『悪かったわねー今まで騙して』」

凛は立ち上がって絵里のモノマネをした。

「はらしょー…」

花陽は言った。

「あのメンバーに絵里ちゃんが加わったら勝てっこないよー」

「そんなわけないでしょ…」

「なら…どうして……」

(もしかして……希の……)

ナオキは考えていた。

「ナオキ?」

「あ…あぁ…何なんだろうな……とりあえず帰ろうか…みんな家まで送るよ」

 

 

 

ナオキは3人を家まで送っていった。

 

 

西木野宅……

「あら真姫おかえりなさい…あら?あなた……ナオキくん?」

郵便物を取った真姫のお母さんは言った。

「あ、西木野先生!お久しぶりです!」

ナオキは言った。

「真姫からは聞いてたけど顔を合わせるのはほんとに久しぶりねー」

「そうですね」

「真姫を送ってくれたの?」

「はい、すぐ暗くなるので…ちょうど1年生とでかけてましたので」

「ありがとうね、またいらっしゃいね」

「はい!じゃあな真姫」

「うん…」

ナオキは帰っていった。

 

 

「ふーんナオキくんかっこよくなったじゃない……真姫、付き合っちゃえば」

「な…ママ!何言ってるのよ!ナオキには彼女もいるのよ…それに私はナオキのことそういう風にみてないし!」「ふふっ……さ、晩御飯にしましょう」

2人は家に入っていった。

 

 

 

絵里と希は2人で帰っていた。

「えりち…」

「どうしたの?」

「ちょっと強引すぎやない?」

「そうかしら…でも、ずっとやりたかったことなんでしょ?」

「うん……ほんと、おせっかいなんやから……」

 

 

 

マンション前……

「あ、絵里」

「おかえりなさい…」

「タイミングぴったりだな」

「そうね……」

「絵里…何怒ってるんだ?」

「別にー」

絵里は頬を膨らました。

「怒ってるだろ?」

ナオキは絵里の顔を覗いて言った。

「………もう……」

「ハハハ…あかくなった」

「知らない!」

絵里は足早にマンションへ入っていった。

「ちょっ…待ってー、なんで怒ってんだよー」

ナオキは追いかけた。

「なによ…デレデレしちゃって…」

「デレデレ?…………あぁ…あのシミュレーションか……それで怒ってたのか?」

「…………うん……」

「そっかー…………」

ナオキは絵里を抱きしめた。

「ちょっと……」

「ごめん……絵里の気持ち…わかってなかった……おれはダメダメだな……悪かった…」

「え…ええ……わかった、許してあげるわ……」

「ありがとう……」

「じゃあね、ナオキ!また明日」

「また明日!」

2人は部屋に入っていった。

 

 

 

 

翌日……

高坂宅………

「とりあえず、一人ひとり言葉を出していこう」

ナオキは言った。

「うーん………」

みんな考えた。

 

 

「好きだ!愛してる!……うーん、こんなんじゃないよねー」

穂乃果が言った。

「好きっていう気持ちをどう表現するかだから…ストレートな穂乃果には難しいかもね……」

絵里は言った。

「じゃあ参考に恋愛映画でも見ようよ!」

ことりが言った。

「恋愛映画かー……」

穂乃果は言った。

「どんな映画なん?」

希は言った。

「よく知らないけど…お母さんとお父さんがデートで映画館でみたっていってた」

「へー……」

「たしかファーストキスしたとか言ってたなー」

「ロマンチックやん!」

 

 

 

そして映画が始まった。

穂乃果と凛は開始10分で寝てしまった。

「ううう………」

「かわいそう……」

ことりと花陽と絵里は泣きながら言った。

「なによ……安っぽい話しね」

にこは泣きながら言った。

「にこっち、涙出とるよ…」

希が言った。

「絵里もなに泣いてんだよ…」

「感動的でしょ?」

「ま…まぁ……」

「ううう……」

海未は端っこで言った。

「海未どうしたんだ?怖くねーぞ」

「そうだよ……感動的なシーンだよ?」

ナオキとことりは言った。

「わかってます……恥ずかしい…」

 

そしてシーンはキスしようとするシーンへ……

 

「ああ!」

ことりと花陽と絵里は言った。

 

絵里はナオキの手を握った。

「絵里…」

「なに?……あ……」

2人は顔を合わせた。

映画のシーンでは顔が近づいていった。

「絵里………」

「ナオキ………」

ナオキと絵里の顔も近づいていった。

 

「ぐはっ!!」

「ナオキ!?」

 

もうすぐキスする…というところで海未はナオキに座布団を投げ、テレビを消して、電気を付けた。

「恥ずかしすぎます!破廉恥です!そしてナオキと絵里も!!こういうことは人前でするものではありません!!」

「ナオキくん……気絶してる……」

花陽は言った。

「え!?ちょ…ちょっとナオキ、大丈夫!?」

絵里が近づいていった。

「もう海未ちゃん、手加減なしやん……」

「ナ…ナオキが悪いんです!」

「ふえ?」

「終わったにゃ?」

穂乃果と凛が起きた。

「とりあえず…また決め直しだね……」

ことりは言った。

 

「待って!もう新曲は無理じゃない?これだけやって全然決まらないんじゃ完成が遅れて時間がなくなっちゃう!」

「でも……」

「実は私も思ってました……私たちの全力をぶつけたい……」

「それは…」

「そうやね…」

「希!?」

「今までの曲の方がええかも知れん……今見たらカードもそう言うとったし…」

「まって希…あなた……」

「ええやろ…一番大事なのはμ’sなんやから」

「……わかったわ……」

「それならなんの曲やるか今決めよう!」

穂乃果が言った。

 

 

 

しばらくしてナオキは起きた。

「………ん……いてててて…」

「あ、おはよう…ナオキ…」

「ん?…おはよう…おれどうしたんだ?」

「海未の座布団で気絶してたのよ…」

「そうなのか……あれ?なんで絵里の顔が上に……それになにか柔らかい……あ……」

 

ナオキは気づいた…絵里に膝枕されてることを…

 

「お目覚めやねー……」

希がそう言うとみんながニヤニヤしていた。

「な……な…………絵里…ありがとう……」

ナオキは顔をあかくした。

 

 

「曲は『No brand girls』にしたよ」

花陽は言った。

「新曲は?」

「みんなで相談してやめたの」

ことりは言った。

「そっかー……」

「ナオキも起きたし、解散しましょう……」

そしてその日は解散した。

「凛、花陽…先帰ってて…」

「待て、真姫……」

「なによ?」

「おれに任せて先に帰ってろ」

「……わかったわ……」

絵里と希は一緒に帰った。

その後ろをナオキは追いかけた。

 

 

「希…本当にそれでいいの?」

「うん……」

「ずっとやりたいって言ってたじゃない……」

「なにをやりたいんだ?」

「ナオキ!?」

絵里は言った。

「希…話してくれ……」

「ほんとになにもないよ……」

「嘘つけ……まぁ、大体察しはついてるけどな……」

「そうなの?」

「あぁ……『10人でなにかしたい』ってことだろ?」

「流石ナオキね……」

「じゃあ、ウチの部屋で話そうか……」

「あぁ…」

 

 

3人は希の部屋に行った。

「お邪魔します……1人暮しなのか?」

「うん……両親の仕事の都合でずっと転校続きだったの……」

「それでね……ここに来てやっと居場所が見つかったって喜んでたの…」

「もう……」

「希……話してくれるか?」

希は黙り込んだ。

「……ナオキの言う通りよ……」

「えりち!」

「ここまで来てなにも話さない訳にはいかないでしょ?」「おれの言ったとおりって……『10人でなにかしたい』ってことか?」

「うん…それが希の夢だから……」

「夢?」

「その夢が…ラブソングってカタチになればよかったんやけど…」

「どうしてそこまで……」

「μ’sは……うちにとって…奇跡やから…」

「奇跡?」

「そう……μ’sは奇跡……」

希は自分の過去の話をした。

 

 

 

 

『ウチは転校続きだった。

 

「今日からこのクラスに入ることになった希ちゃんです、みんな仲良くしてね」

 

でもすぐ転校するから友達は出来ずにいたの……

家に帰れば1人だった…

 

でも大阪の小学校に転校したときに…

あれはそこに転校して3日たった金曜日だったかな…

 

「えっと……希ちゃん…だっけ?何読んでるの?」

 

ある男の子が声をかけてきたの……

 

「これは……占いの本……」

「占い?なにそれ?」

「占いも知らないの?」

「うん!知らない!」

「ふふっ……」

「あ、やっと笑った」

「え?」

「ずっと笑ってなかったから心配してたんだー」

「心配?私のことを?」

「うん!僕もこの前転校してきたんだ」

「どこから?」

「東京だよ!」

「東京?」

「うん!音ノ木坂小学校ってところから来たんだ!」

「音ノ木坂?東京のどこにあるの?」

「えっとー……わからない!でもね近くに神田明神ってのがあるの!」

 

(神田明神……音ノ木坂……か……お母さんに聞いてみよ…)

 

「あら?君は転校生の……あ、希ちゃんと仲良くなったの?」

「あ、先生!そうだよ!『友達』なんだ!」

「友達……いいの?」

「え?当たり前じゃん!」

 

知らんまにウチは泣いててな…

 

「わわわわわ!な…泣かせちゃった?ご…ごめんなさい!」

「ううん…嬉しいから泣いてるの…あなたは悪くないよ…」

「そういえば君…」

「なに、先生?」

「なんでここにいるの?ここは4年生の教室よ?3年生の君がなんで?」

「え…3年生なの?」

「あれ?言ってなかったっけ…」

「うん」

「この前の朝ねートイレ行ってて帰るときに朝の会みてね、転校生かーってなってそれで来たの!」

「ほんとに好奇心旺盛ね…」

「うん!」

(なにこの子……おもしろい…)

「2人ともはやく帰りなさいよ」

「はーい」

「ねぇ、希ちゃんは他に友達いないの?」

「………うん……」

「それならね!自分のこと『ウチ』って言えばいいんだよ!」

「なにそれ?」

「なんかねーその方が友達出来やすいってママが言ってたんだ!」

「ふーん……また使ってみようかな」

「うん!」

 

そしてその日は帰ったの……

家に帰るとお母さんがいてね、神田明神のこととか聞こうとしたの……でも……

 

「ただいまー!あ、お母さん!あのね!」

「希…ごめんなさい…日曜日に引っ越すわよ」

「え……」

 

(これから楽しくなりそうだったのに……)

 

「いやだ!」

「え…」

「いやだ!今日、友達できたんだ!だから嫌!」

「希…友達できたのね…はじめて……だから嫌なのね……」

「うん……」

「ごめんなさいね……もう決まったことなの……」

「そんな………」

 

今までにないくらい早い段階での転校だった………もうその子には会えない……

(名前…なんだっけ……聞くの忘れた……また…会えるといいな……)

 

そして日曜日……

 

「いくぞー」

「さ、希…行くわよ」

「うん…」

 

お父さんの車に乗り込んだその時…

 

「希ちゃーーーん!」

「え?この声は…」

「希ちゃーん!」

「ちょっと待って!」

「わかった…行っておいで…」

「うん!」

 

ウチは車から降りた。

 

「希ちゃん……」

「ごめんなさい…こんなにはやく…なんで知ってるの?」「先生から昨日聞いたんだ…それに…これ、渡そうと思って…」

「これは……タロットカード……」

「あ、そんな名前なんだ……お母さんが商店街のくじでもらったんだけど占いはしないからいらないって……」

「ありがとう……大事にするね!」

「うん!元気でね!『ウチ』使うんだよ!友達……できると思うから!」

「うん!バイバイ!!」

「うん!!バイバイ!希ちゃん!」

 

ウチは大阪を去った。

 

でも……その後も友達はできなかったんや……

 

そしてウチは高校生になってその男の子が話していた音ノ木坂というところへ入学することにして1人暮しをはじめたの……

 

それがここ、音ノ木坂学院……

 

そして………

 

「みなさんはじめまして、絢瀬絵里と言います……よろしく…」

 

初めてであった…自分を大切にするあまり、周りと距離を置いてみんなとはうまく溶け込めない……ズルができない……まるで……ウチと同じような人に……思いは人一倍強く、不器用なぶん……人とぶつかって……ほんでウチは頑張って声をかけようとしたんや……

 

「あの!」

「あなたは?」

「わ……私………(そうだ、あの男の子が教えてくれた……あの言葉……)ウチ、東條希」

 

それがウチとえりちとの出会い……

 

その後も、同じ思いを持つ人がいるのに…どうしても手を取り合えなくて……

 

にこっちは……ずっとひとりで頑張ってたのにな……

 

真姫ちゃん見た時も熱い思いはあるけどどうやって繋がっていいかわからない……

 

そんな子が………あと2人いた……

 

μ’sポスターを見ていた花陽ちゃん、

トイレで口紅塗ろうとしてた凛ちゃん……

 

それを大きな力で繋げてくれる存在が……

 

穂乃果ちゃん、海未ちゃん、ことりちゃんやった……

 

ナオキくんにも協力してもらってμ’sができた………

 

必ずカタチにしたかった……この10人でなにか残したかったんや……

 

たしかに…歌というカタチになれば良かったのかもしれない……

 

けど…そうじゃなくてもμ’sはもうすでに大きなものをとっくに生み出している……

 

ウチはそれで充分……夢はとっくに……』

 

 

 

そこまで話すと希はコップを見つめていた……

そしてそんな希の脳裏に浮かぶのは……

ひとりで食べていた食事も……ほむまんに変わって……

μ’sのみんなで笑って食べる………

そんな光景……

 

 

「一番の夢はとっくに………だからこの話はおしまい…」

 

 

「え……ちょっと待ってくれ……まさか……」

 

「思い出した?」

 

 

 

 

「あぁ……あぁ…思い出した!希って……あの希ちゃんなのか?」

「え?その子ってナオキなの!?」

「そうやで……やっとナオキくん気づいてくれた……証拠もあるで……」

すると希はタロットカードを入れるケースを出した。

 

その裏には………『かがわなおきより』と書かれていた……

 

「そうか……ごめん……はやく気づかなくて…全然気づかなかった……たしかに転校してきた年上の女の子に話しかけて、それですぐに転校することになって、お母さんがくれたタロットカードをあげた……そして名前教えてなかったからケース裏に名前を書いたんだ…そうだ…言った……『ウチ』って使えば友達が出来やすいって」

「そうや…ちゃんと友達もできたしな…でもそのくせにえりちとかのことはすぐ気づいたやろ?」

「だって…それは…」

「わかってるよ……ウチ、大阪に修学旅行で行って、ナオキくんに会って、あのときにはもう気づいてたんや……眩しい笑顔を見たら……すぐにわかった……」

「ならもっとはやく言ってくれればよかったのに……」「あのときはえりちとナオキくんのこともあったからなー」

「………なら尚更……だな……謝らしてくれ…気づかなくてごめん……あとこの会話……真姫も聞いてた…」「え?」

希は驚いた。

ナオキはスマホを取り出した。

「だから真姫…今から希のとこにみんなで集合だ…そこに凛と花陽もいるだろ?」

「ええ……みんないるわよ」

「じゃ、また後で」

「まさか、みんなをここに集めるの?」

「いいだろ1度くらい……希、あのときの言葉忘れたか?さっき自分で言ってたろ…『友達』なんだからさ」

「……うん……」

 

 

 

「てことで希のために希の部屋に行くわよ」

真姫はみんなに言った。

「希ちゃんひとり暮らしなんだー」

「初めて知りましたね」

「うん…」

穂乃果と海未とことりは言った。

「希ちゃん…そんなこと考えてたんだ…」

「それなら尚更だにゃ!」

花陽と凛は言った。

「そうよ!……希の望みはμ’sの望み……よね」

にこが言った。

 

 

 

 

そしてみんなが希の部屋に集まった。

「よし、曲作りするぞ」

「はーい」

「みんなの言葉を紡いでか……でもなかなか出てこないよね……」

花陽は言った。

「あ、これって……」

真姫は棚にあったμ’sの写真を見つけた。

 

あの講堂でのライブの後の、10人の集合写真……

 

「あ!」

希はそれを取り返して隠した。

「そういうの飾ってるなんて意外ね」

にこは言った。

「別にええやろ………友達……なんやから……///」

希は顔をあかくして言った。

「希ちゃん……」

ことりが言った。

「かわいいにゃー!」

そう言って凛は希に飛びついた。

希は枕で凛を防いだ。

「もう…笑わないでよ!」

「話し方かわってるにゃ!」

そんな希を絵里は後ろから抱きしめた。

「暴れないの……たまにはこういうこともないとね……」絵里は言った。

「もう………」

 

(そっか……希はあの希ちゃんだったのか……あのときとは変わったな…そりゃあ気づかんわ…あのときとは違って輝いてたからな……)

ナオキは小学校時代の希を思い出した。

 

「あ、見てー!!」

穂乃果は雪が降っているのをみてそう言った。

「よーし!外にいくにゃー!!」

凛は走り出した。

それに続いてみんな走っていった。

 

 

そしてみんなは近くの公園で広がった。

「綺麗だなー……」

「えぇ……」

 

みんな…空を見つめた……そして……

 

 

 

「想い……」

穂乃果は雪を受け止めて言った。

 

「メロディー……」

花陽も……

 

「予感……」

海未も……

 

「不思議……」

凛も……

 

「未来……」

真姫も……

 

「ときめき……」

ことりも……

 

「空……」

にこも……

 

「気持ち……」

絵里も……

 

「勇気……」

ナオキも……

 

「好き………」

希も言った。

 

 

そしてこの10人の言葉を紡いで新曲を作ることにしたμ’sであった……

 

 

 

 

 

次回へ続く……

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