千冬さんはラスボスか   作:もけ

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これは「もしかしたらこんな事もあったかもしれない」という妄想の産物です。
本編には影響しません。
それをご了承のうえお楽しみください。


真耶先生の個人レッスン

 入学式が月曜日。

 

 次の火曜日にクラス代表の試合が決まり、その放課後から箒ちゃんに稽古を、のほほんさんには座学を手伝ってもらっている。

 

 稽古は初日こそ二人きりだったけど、道場は剣道部も使うわけで、お邪魔する形で練習に参加させてもらった。

 

 箒ちゃん以外にも立ち会いをさせてもらったり、みんなとても親切で、入部も勧められたけどさすがにそれはお断りさせてもらった。

 

 やっぱり剣を握らないのに籍を置くのは厚かまし過ぎるだろう。

 

 座学の方は、基本的な構造や機動は分かってきたけど、実物が来てみないと分からない部分も多くちょっと心配。

 

 ISは初期状態のものを装着、個人登録(フォーマット)を行ってから、ある程度稼働してデータを蓄積することで最適化(フィッティング)され、第一次移行(ファーストシフト)を経て初めて搭乗者個人のISと呼べるものになる。

 

 ここからさらに稼働を積み重ねていくと低確率だが第二次移行(セカンドシフト)が成され、さらにさらに低確率で単一仕様能力(ワンオフアビリティ)が使えるようになるという。

 

 これらはISのコアに知能ともいうべきものと自己進化が組み込まれているためで、各々のISがその搭乗者と一緒に最善を求めて行くからだとされている。

 

 だからISはただの機械ではなくパートナーとして扱われる。

 

 自分の機体にどんな単一仕様能力が発動するのか興味津々で夢は大きく持ちたいけど、先ばっかり見てても仕方がないから、まずは第一次移行が目標だ。

 

 専用機が来たらねっ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 現在、土曜日の放課後。

 

 真耶先生にお願いして一週間分の復習も兼ねた補講をしてもらっている。

 

「どうですか? 織斑くん」

「はい、問題ないです」

 

 外見の幼さとイジられてオロオロしてる愛らしさが目立つ真耶先生だけど、さすが教師というか、教えるのが丁寧で上手い。

 

 個人レッスンというシチュエーションのせいで、いつもよりその豊満な胸部に目が奪われちゃうけど、それでも理解が進むのは間違いなく真耶先生の指導力のおかげだ。

 

 うぅ……不純な目で見てごめんなさい。

 

 でも思春期男子とはそういう生き物なのです。

 

 つまり先生の魅力が僕を惑わすのがいけないのです。

 

 えぇ、責任転嫁ですがなにか?

 

「……斑く……織む……」

 

 姉さんだって胸は大きいけど、いつもキチっとした格好してるから印象は常にカッコイイだ。

 

 でも真耶先生は狙ってるのかバストが強調された服ばかり……見るなって方が無理だ。

 

「織斑くんっ!!」

「は、はい」

「ちゃんと聞いてますか? ぼ~としてちゃダメですよ」

 

 可愛く”めっ”とされてしまった。

 

 え、なにその可愛さアピール。

 

 誘ってますか?

 

 …………乗ってみようかな。

 

「真耶先生のせいです」

「えっ?」

「真耶先生が僕を惑わすんです」

「な、何を言ってるんですかっ!?」

「真耶先生の魅力で気が逸らされるんです」

 

 そう言って胸を凝視する。

 

 真耶先生はその熱い視線に気付いて慌てて胸を隠す。

 

「お、落ち着いてください、織斑くんっ!! 教師をそんな目で見てはいけませんっ!!」

 

 凝視する。

 

「ダ、ダメです」

 

 凝視する。

 

「お、織斑くん」

 

 凝視する。

 

「み、見ないで……」

 

 半泣きになる真耶先生を凝視し続けていると、耐えられなくなったのかしゃがみ込んでしまった。

 

 仕方ない、イジメるのはこのくらいにしておこうと思いフォローするために近づくと、こちらの存在に気付いてビクっとした後、様子を窺うように涙目の上目使いでこっちを見上げてきた。

 

 ぐはっっっっ!!

 

 なんだこの可愛い生き物はっ!?

 

 これが年上とは思えないっ!!

 

 その時、今まで感じたことのない感情が自分の中に生まれた。

 

 体の中心から熱が拡がり、じっとしていられず叫びだしたくなる。

 

 沸々と湧いてくるこの感情は

 

     ”イジメたい”

 

 ゴクリと生唾を飲み込み、手を差し伸べながら思い切って名前を呼んでみる。

 

「真耶」

 

 真耶の目が驚いたように見開かれる。

 

 それを優しい笑みで見つめ返しながら

 

「イジメてごめん。ほら、立って」

 

 恐る恐る差し出してきた手を取り、立たせる。

 

 距離が近いせいか、名前で呼ばれたせいか、真耶の顔が真っ赤だ。

 

 まだ手は離さない。

 

「お、織斑くん?」

「一夏」

「えっ?」

「名前で、呼んで欲しいな」

 

 真耶の手をゆっくり持ち上げていく。

 

「い、一夏、くん」

「なあに、真耶」

 

 視線は外さないまま

 

     ちゅっ♪

 

 真耶の手の甲に軽く口づけをする。

 

「 っ!? 」

 

 プシュ~~っと、限界だったのか、真耶が頭から煙を出して倒れてしまった。

 

 やりすぎちゃったかな。

 

 横たわる真耶先生を見つめる。

 

 でも、なんだろう、この達成感。

 

 自分の中でいけない何かが目覚めてしまった気がする。

 

 とりあえず、そのままにはしておけないので保健室に運ぶ。

 

 もちろんお姫様だっこでっ!!

 

 土曜の放課後ということもあり廊下に誰もいなかったのは助かった。

 

 保険の先生がいなかったから無断でベットを拝借。

 

 眼鏡を外し、皺になるといけないのでジャケットを脱がす。

 

 そこで一旦逡巡して手が止まるけど、

 

「これは、このままだと窮屈で寝苦しいだろうからで、決してやましい気持ちがあるわけじゃないんだ」

 

 と自己弁護して意を決する。

 

 ベットに腰掛けた状態の真耶先生の正面に立ってる僕は抱きしめる体勢で背中に手を回し、指先の感触を頼りにブラジャーのホックを外す。

 

 外した途端、その大きな膨らみがタユンと揺れたのを密着している体から感じて、鼓動が激しくなる。

 

 自制心を最大限発揮してなるべく見な

 

「柔らかそう」

 

 い様にしながら真耶先生をベットに寝かせ、スカートのホックを外してファスナーを下ろす。

 

 シャツ越しに水色が透けている様に見えたけど、確認する前にタオルケットをかけてしまう。

 

「これで大丈夫かな」

 

 ワザとらしく溜め息なんてついていると真耶先生が寝言で、

 

「ダメです~~、私は先生、教師と生徒でなんて、えへえへ、いやんいやん」

 

 うん、いつも通りだから大丈夫だな。

 

 それにしても大胆なことしちゃったな。

 

 ブラジャーとかじゃないよ?

 

 あれは介抱しただけ。

 

 教室での件ね。

 

 あれ、フォローとか出来る?

 

 というか、どんなフォローをしたらいいんだろう?

 

 ベタに夢オチとかダメかな。

 

 いや、別に後悔とか全然ないし、むしろ続けたいくらいだけど、真耶先生が無理そうだからなぁ。

 

 教室でも僕は目の前の席だし、目が合うだけで「あうあう」されてたら姉さんに何されるか……。

 

 真耶先生か……。

 

 この場合、僕は年上好きになるのかな?

 

 イジメられてる時の真耶先生は年下にしか見えないんだけど。

 

 他だと、眼鏡に巨乳か……。

 

 う~~ん、この場合、僕は実はSだったってのが一番しっくりくるんだけど。

 

 でも、こんな気持ちになったの初めてだから正直よく分からない。

 

「う、ううん、あ、あれ? ここは……」

 

 おっ、真耶先生が起きた。

 

「織斑くん、私、どうして……」

 

 けど、状況がまだよく分かっていないみたいだ。

 

「夢? あ、あれ? でも……」

 

 絶賛混乱中だな。

 

 夢オチにするのもいいけど、やっぱりここは正直にいこう。

 

「真耶先生は教室で倒れちゃったんですよ。覚えてないんですか?」

「えっ!? じゃ、じゃあ、やっぱり……」

 

 先生の顔が赤くなっていく。

 

「真耶先生っ!! そのことで相談があります」

 

 ちょっと大きな声で意識をこっちに向けさせる。

 

「な、何でしょう」

「僕、可愛い真耶先生を見てたら、イジメたいって気持ちが止められなくなっちゃって……僕、変なんでしょうか」

「なっ!? えっ!? そ、それは、私には……よく……分かりません」

 

 動揺する先生。

 

「他の人には恥ずかしくて言えないし、こんなこと相談できるの真耶先生しか……」

 

 正面から見つめる。

 

 先生は最初こそあたふたしていたけど、頼られる教師という自覚が勝ったのか

 

「分かりました。先生に任せてください。織斑くんが間違った道に進まないように一緒に頑張っていきましょう」

 

 まだ顔は赤いけど、そこには頼れるお姉さんの笑顔があった。

 

「ありがとうございます。真耶先生」

「いいえ、私、先生ですからっ!!」

 

 ドンっと叩いて大き過ぎる胸を張る。

 

 もちろん自然と目がいく……が、両頬に手が添えられ視線を上げさせられ、目が合う。

 

「ダメですよ? お・い・た・は」

 

 ズキュンッ!!

 

 何かが胸を貫いた音が確かに聞こえた。

 

 自分の優位性を演出した大人の余裕の笑みを浮かべる真耶先生。

 

 その”背伸び感”がたまらず背筋がゾクゾクする。

 

「は、はい」

「よろしい♪」

 

 自分でも恥ずかしかったのか顔を真っ赤にして照れている。

 

 僕の中の何かがまた動き出す。

 

「真耶先生」

「なんですか、織斑くん」

 

 ”真耶”の手を取り

 

「これからは二人の時は名前で呼んでください」

 

 見つめる。

 

 息を飲み固まる真耶

 

「真耶」

 

 催促する。

 

「い、一夏、くん」

「はい、よくできました」

 

 デジャヴが働いたのか手に力が入るが、次はそこじゃない。

 

     ちゅっ♪

 

 真耶のおデコにキスをした。

 

 意味不明な聞き取れない絶叫をあげて再度ベットに倒れこむ真耶先生。

 

 次、目を覚ました時は、夢と現実どっちで認識するのかな?

 

 顔を真っ赤にして混乱してる真耶先生を想像して幸せな気持ちになりながら保健室を後にした。

 

 これは背伸びした二人のイタズラ勝負なのかもしれない。




真耶先生のエロ可愛さはバグキャラ並みだと思いますw
年上なのにM属性、眼鏡、巨乳、女教師……完璧じゃないかっ!!
ゲフンゲフン、ちょっと熱くなりました。

次は、試合前日の話です。

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