ベル君が生き倒れを拾ってきたのは間違いだっただろうか   作:ウンニーニョ

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まえがき

さて、書かないとかいいながら書いちゃってますよ。

コメントをくれた方もいたのでがんばっちゃいますよ。

劣等生を楽しみにしていた下さる皆様も安心を。
クライマックスに向けてがんばっちゃいますよ。


兎との絆編
生き倒れの少年


ザーーーー

 

ここは世界の中心の町から一番離れた場所。

雨が降りしきる中、一人の青年が血だらけで地に平伏していた。

 

ああ。やっと死ねる。

 

青年はある出来事で親を殺した。 その出来事のせいで家族を失った。 

そして青年は旅に出た。 力も何もかもなくして旅に出た。

旅の中でいろいろな人に触れた。 しかし、青年はいつも孤独だった。 

 

そして今、終わりを迎える。

 

 

 

「クロよ。これで終わりにするわけにはいかないな」

 

 

父さん…

 

 

「お前の心は凍りきってしまっている。 ワシがお前をそうさせてしまったのだが、親としてこのまま死なせるわけにはいかないさ。 望んでいないかも知れないが、親とは子の幸せを願うものさ。 あんな事を頼んでしまったワシがいえたことじゃないか? さぁ、時間だ。 よき仲間に出会えることを願っているよ」

 

そう言うと老人は青年に向けて手をかざす。

すると青年に鎖が絡みつき、そして少年を中心に時計の針が逆巻きに回った。

 

「すまないな。力を貸してもらって」

 

老人がそう言うと後ろから青年が現れる。

 

「いいですよ。おじい様のたのみですし。 …彼に幸福が訪れんことを」

 

 

☆★☆★

 

 

 

 

ここはオラリオ。

神々と冒険者で賑わう町。

この町には世界で唯一ダンジョンがあり、そこで取れる資源で賑わい世界の中心と呼ばれるようになった町

 

そのダンジョンの前に血まみれの少年(、、)が倒れていた

 

「わー。生き倒れだね」

 

「ケッ。ほっとけ。雑魚が身の丈を考えずにダンジョンに潜ったんだろ。」

 

「ベートは酷いねー」

 

「じゃあお前が助けてやれよ」

 

「それはしないけどさ」

 

アマゾネスの少女と狼男の男が一瞥し過ぎ去っていく。

その2人に限らずダンジョンを出てきた冒険者は少年に声をかけることもなく過ぎ去っていく。

ダンジョンの中で命を落とすことはよくあることだ。冒険者にとって日常の一ページ。家族(ファミリア)の一員でもない限り気にも留めない。

 

「大丈夫ですか」

 

このようなお人よしでもいない限りそのまま死んでいくだろう

 

「…まだ、息がある」

 

 

☆★☆★

 

 

バンッ

と勢いよくドアが開いた。

 

「ベッルく~ん。お帰り~。どうだった? とは言えまだ冒険者になって数週間しかたっていないんだ。ボクは君が帰ってきてくれただけで___」

 

「神様!!」

 

「ど、どうしたんだい? その子は!?」

 

白髪に赤目のウサギのような少年、ベルに神様と呼ばれた少女は振り返るとベルの担いでいる少年を見て驚きの声を上げる

 

「ベル君、こっちに寝かせて」

 

少女はこの廃墟とも言えそうな協会にある唯一のベットに少年を寝かせるようにベルに言う。

つまりはベルも、この神様と呼ばれている少女もお人よしということだ。ベットが血で染まることなど気にしていない。

服を脱がし、包帯を巻いて行く。

そこで、少女は背中に何も描かれていないことに気づく。

 

「危ないよ、これは。ベル君、この子、恩恵を受けていない。」

 

「え?」

 

恩恵を受けていないということは冒険者ではないということだ。

冒険者でないということは《ステイタス》で能力が底上げされてないということ。

つまりは回復力も弱い。

ベルは治療をすればまだ助かるかもしれないと思いここへ運んだ。

しかしそれは冒険者であることが前提の話だ。

部屋に沈黙が続く。

包帯を巻き終えたもののこのままだと少年は命の炎を燃やし尽くすだろう。

 

その時、少女がゴロンと少年をうつ伏せに寝かせるようにひっくり返す。

 

「か、神様?」

 

「ベル君、ボクは今から神としてやっちゃいけないことをするよ」

 

少女の目は決意に満ちていた。

苦肉の策。

冒険者でないと助からないのなら冒険者にしてしまえばいい。

しかし通常、人が神に冒険者にしてくれと頼み、神がそれを受け入れることで人は冒険者になる。

神からスカウトする場合もあるが、どちらにしても双方の承諾あってのことだ。

なぜなら冒険者には死が付きまとうから。

だから神は一方的に人を冒険者にはしない。

しかし少女は今から、この死に向かう少年の承諾を得ずに冒険者にすると言っている。

普通なら止めるところだ。しかし今は少年の命がかかっている。

ベルは何も言わずにコクンとうなずく。

 

もし少年が目を覚ましたとき、そのことで怒ったなら謝ろう。冒険も、精一杯フォローしよう。

 

少年がそう心に誓う中、少女は右の人差し指を針で刺し血を垂らすと少年の背中に指を走らせる。

しばらくして、少年の背中には少女、神ヘスティアの紋章とステイタスが刻まれ、少年はこのヘスティア・ファミリアの2人目の冒険者となった。

 

 

 

冒険者となったことで少年は何とか命をとりとめた。

今はヘスティアが額の汗をぬぐい看病をしている。

ベルはというとヘスティアに疲れているだろうからと言われ、渋りながらもソファーで眠りについている。

 

ヘスティアは汗をぬぐい終わると先ほど彼に刻んだステイタスを思い出す。

 

クロノス・ヴァレスティ

 

Lv.1 

 

力:I19

 

耐久:I9

 

器用:I20

 

敏捷:I20

 

魔力:I12

 

《魔法》【】

 

《スキル》【封印の鎖】

『この封印はクロノス・ヴァレスティの氷が溶けて行くにつれて断ち切ることができる』

そして、ステイタスの回りには12本の鎖が絡みついたような装飾がみられる。

自分の紋章には鎖なんて使われていないし、ベル君のステイタスにはもちろんこのような装飾はない。

 

 

「いったい何者なんだい君は…」

 

眠る少年にヘスティアはそう問いかけた。

 

 




あとがき

どうだったでしょうか?

まったく別物? そうかもしれません。 人物設定など生かしつついい物にできたらとおもいます。 応援よろしくおねがいします。

感想やアドバイスもお待ちしています。
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