ベル君が生き倒れを拾ってきたのは間違いだっただろうか 作:ウンニーニョ
クロは何故今の様な状況になっているか分からないがとりあえず良かったと思う。
今日はリリとのパーティを認めてもらうためにヘスティアに初めてリリを紹介する事になっていた。
バイトで遅くなったヘスティアの席をベルとクロが取りに行っている間に話は終わっており、リリとヘスティアは意気投合した様にはにかみあい、ヘスティアはベルとリリはクロと腕を組んでいる。
リリを見て改めて今回の自分の行動はらしくなかったと思う。
繋がりを作りたくないと言っておきながらあの行動。
人はやり直せる
あれは自分に言い聞かせた言葉ではないだろうかとも思う。
…もう、あのスキルも無いしな
☆★☆★
リリやヘスティアと別れ、ベルもギルドへ行くと言うのでクロは一人でホームへ帰る途中だった。
「あっ、クロじゃないか! おーい、クーロー!」
前から手を振ってやって来るのは前に一度パーティを組んだ事がある少女、ハクアだ。
別に呼び止められる仲でもなかったとおもうのだが。なとどクロが考えていると、ハクアは既に近くまで来ており、笑顔で話し掛けてきた。
「クロ、ちゃんと槍は買ったの?」
話していると何となく分かってきた。
話したくて仕方なかったのだろう。この様子だと何人かは犠牲になっていそうだ。
なんでもこの間ついにLv.3になり、今度の遠征から参加できる事になったのだそうだ。
「ハクアさん、この人誰なんすスか?」
「え? ああ、コイツはクロ。 この間パーティを組んだ【ヘスティア・ファミリア】の冒険者だよ」
ハクアの話が途切れたところで隣から誰かが話に割り込んできた。
クロがそちらに視線を向けるとハクアより少し背が高いくらいの
「【ヘスティア・ファミリア】…ッスか?」
「クロ、コイツはジェノス。」
「よろしくお願いします。Lv.2! のジェノスと言います」
「…よろしく」
レベルを強調し威圧するかの様に言ってくるジェノスにクロは溜息が出そうになるのをこらえながら答える
「クロさんはレベルいくつなんスか?」
「Lv.1」
「クロはまだ冒険者になって一月しかたってないからな。でもコイツの槍さばきはすごいんだ」
クロの答えを聞いたジェノスはハクアの言葉など無視し、あからさまに態度に出して話しだす。
「Lv.1ッスか? はぁ、ハクアさんも大変ッスね初心者のお守りさせられるなんて」
「お、おい! ジェノス!」
「だってそうでしょ? さっきパーティを組んだっていってましたけどハクアさんは優しいから頼まれたら断れなかったんでしょうけど、調子に乗るから断ったほうがいいッスよ」
「わ、悪いなクロ、また今度ゆっくり話そう。 ま、またね」
これ以上何を言って否定してもジェノスがヒートアップしそうだと感じたハクアは話を切り上げてもう行く事にする。
去り際にクロがかけてくれた「遠征頑張れよ」という言葉に笑顔で返事を返して去って行く。
ジェノスも一緒に去ろうとするが、思い出したように途中でクロのところへ戻って来ると
「雑魚が【ロキ・ファミリア】に
睨みをきかせながらそれだけ言うとハクアの歩く方へと戻って行った。
残されたクロはため息を吐き歩きだす。
特に気にするような事でもない。自分が駆け出しなのは本当だし、彼のようにプライドが高いヤツもいる。しかしあれを聞いているのは疲れる。
彼のようなヤツはファミリアの力を自分の力と勘違いして死なないか心配である。そこまで考えて自分には関係ないかと考えるのを止め、帰路についた。
☆★☆★
ハクアはホームに帰って来るとため息をつき、自分の部屋へと向かった。
クロと別れてからの帰り道、どんどん気分が落ち込んでいった。
レベルが上がった事、遠征に行ける事に舞上がっていく先々で話していたのだが、あんな事になるなんて…
帰り道はジェノスが話しかけてきたが返事を返す事もなかった。
同室であるジュラとレフィーヤが入って来た。
「ハクア、何かあった?」
レフィーヤが、心配したのか尋ねてくる。
ハクアは今日あったことを全部話す。
「お姉ちゃんはクロが好きなの?」
「別にそう言うんじゃないけど、あんな事になっちゃって…ジェノスにしても、ついてきたいって言うから連れて行っただけだったのに…」
「確かに、ファミリアの名前をブランド化しちゃってる人がいるのは確かだよね…」
しかしこの問題はこの三人で話した所で仕方がない事だ。
しかし、ひとしきり愚痴をこぼしたらハクアはスッキリしたのかいつもの調子に戻り、三人は食事をしに降りて行った。
あとがき
些細な事ながら都合上、6話《フィリア祭の騒動》のハクアがLv.2になってからの期間を半年から一年半に変更しました。