ベル君が生き倒れを拾ってきたのは間違いだっただろうか 作:ウンニーニョ
祝UA10000突破。ありがとうございます。
これからもよろしくお願いします。
では、本編どうぞ。
「ファイアボルト‼︎」
オークを含むモンスターの群れをベルとクロはものの数分で殲滅する。
リリがモンスターの死骸を一箇所に集め、器用に魔石を取り出していく中、ベルは自分の魔法の使用頻度について、リリに相談している。
的確に答えていくリリの話を聞きながらクロは物思いにふける。
現在地は10階層。
最近、ベルはアイズ・ヴァレンシュタインに特訓を受けているらしく成長が目まぐるしい。
一方自分はどれだけステイタスを更新しようとも成長しない。
それに、この槍での戦い方でさえ過去に見たレナスの戦い方を真似ているだけでこれ以上の成長は無い。
仲間と共に成長したいと言う思いは贅沢なのだろうか?
そんな思いを抱きながらまた湧きはじめたモンスター達を屠っていった。
☆★☆★
バキリ、と。
ヘスティアのカップの取っ手が割れた。
「あー。神様のカップって結構使ってましたっけ?」
ヘスティアがじっと見下ろし、クロがそう話しかる前でその取っ手がバラバラになって散っていた。
ヘスティアはクロとベルを交互に見てステイタスの更新を提案する。
まずはクロから行い紙に書き写していく。
しかし更新前と全く変わらないステイタス。それを見てクロはため息を吐いた。
その間にベルのステイタスの更新が終わるとヘスティアは静かに口端を痙攣させた。
「うわっ……。神様、ごめんなさいっ、僕らもう行きます! クロ君、急がないと‼︎」
「ああ」
そう言って出ようとした二人をヘスティアは呼び止める。
ベルは急いでいて聞こえなかったのか止まらなかったがクロはドアの前でヘスティアの方を向く。
「クロ君、これ…」
ヘスティアがベルのステイタスの情報をクロに見せる。
クロはそれを見て目を見開く。
成長著しいのは勿論だが問題は敏捷。《SS:1049》 普通ステイタスの最大値は《S:999》とされているのだからコレは…
「……限界を超えてる?」
「クロ君、キミは自分が成長しない事に悩んでいるね?」
ハッと顔を上げるクロにヘスティアは続ける。
「ベル君はヴァレン何某というはるか上を見続けるから自分の限界を考えないんだ。だからってコレは普通ありえないんだけどね。でも、君も過去に縛られるだけじゃなく、今の君の成長を望めばきっとベル君のように成長できるはずさ」
ヘスティアが言っている通りになるとは限らない。
しかしクロにはそれだけで十分だった。
今の家族と共に成長できる可能性がある、その希望だけで。
「さあクロ君、ベル君がまってるぜ!」
「はい! 神様、行って来ます‼︎」
クロはとびきりの笑顔でヘスティアに挨拶するとベルを追ってホームを飛び出した。