ベル君が生き倒れを拾ってきたのは間違いだっただろうか 作:ウンニーニョ
いやー、投稿に間が空きました。
申し訳ない。
楽しみにしていてくれた皆様、
安心してください。 エタって無いですよ笑
では本編をどうぞ。
「ねえクロ君、ダンジョンに行く前にちょっといい?」
バベルにあるダンジョンへの唯一の入り口。
その前にあるフロアにパーティであるクロ、ベル、リリ、ヴェルフが集合するとベルはクロへそう話しかけてきた。
「ほら、ヴェルフ」
「お、おう…」
どうやら用があるのはヴェルフらしく、ヴェルフは頭を掻きながら話し始める。
「その…なんだ。この前の戦い方を見てお前の戦い方には防具が邪魔になるってのはわかる、 あんな槍の使い方は初めて見た。だけどな、この前のインファント・ドラゴンみたいにダンジョンでは思いもよらない出来事が起こるんだ。……だからな、コレなんだけどよ…」
ヴェルフはクロへ光を反射しないマットブラックのライトアーマーを差し出す。
「俺が持ってる中で一番軽くて強度のある素材で作ったライトアーマーだ。 使ってみないか?」
「ありがとう」ヴェルフの言葉にクロはそう言って笑顔で受け取りライトアーマーを装備していく。
クロは素直に嬉しかった。
確かに今は圧倒的なレベルでダンジョンを攻略していたファミリアのエースではなくLv.1の下級冒険者だ。
不測の事態に対応できずに命を落とす事も十分にあり得る、いや、実際ミノタウロスに2回遭遇した時も運が良かっただけ、インファント・ドラゴンもベルのスキルが無ければ一撃で倒す事などあり得ず、周りにいたパーティ達と乱戦になれば最悪やられていたかもしれない。
何より、仲間が自分の戦い方を見て自分の為に作ってくれたのだから。
「似合いますよ、クロ様‼︎」
リリの嬉々とした言葉に続きベルも褒め言葉を送り、ヴェルフがニヤリと顎を撫でる。
クロは照れくさそうに笑うとダンジョン攻略へと皆を急かした。
☆★☆★
13階層、横薙ぎに振るわれた槍がヘルハウンドの首を両断する。
槍と共に遠心力を付け回転し次のヘルハウンドの顔を半分に切り裂き絶命させる。
炎を吐き出そうとしている個体の右眼に金属矢が突き刺さり、怯んだところで命を刈り取る。
前衛のヴェルフとクロを中衛のベルがフォローし(主にヴェルフとのコンビネーション)クロの攻撃の隙を後衛リリが全体を見ながらカバーする。
11、12階層を攻略するこの一週間でこのパーティのにわか仕込みの連携も上がり、隊列を組んでの攻略も様になってきた。
さすがこの階層から中層と呼ばれるだけあってこれまでの階層とはモンスターの数も違ってくる。
息つく暇も無く襲いかかるモンスターを倒し続けるのにも限界がある。
ポーションも残り隙ない事だしこの群れを倒し終わったら今日は切り上げようか。
そう思っていた時だった。
6人組のパーティが近づいてきたかと思うと後ろに引き連れたモンスターを置いて去って行ってしまった。
自身のパーティを守る為に仕方のない行為かもしれないが、押し付けられたパーティは苦戦を強いられる事は間違いなく、あまり勧められた行為ではない。
しかし他人よりも仲間の命を優先させるのはパーティリーダーとしては当然の行為であり、押し付けて行ったパーティリーダーはそうせざるを得ないと考えたのだろう。
だが、そのおかげでクロ達はピンチに陥ったわけだ。
長期戦になればなるほど集中力は磨耗していきそこからミスの連鎖が起こり全滅するパーティもある。
「退却します! クロ様、ヴェルフ様っ、右手の通路へ、早くッ‼︎」
不味いと考えたリリは指示を飛ばした。