ベル君が生き倒れを拾ってきたのは間違いだっただろうか 作:ウンニーニョ
地上ではクロ達の捜索隊が編成された。
1日明けても帰ってこないベルとクロを心配し、ヘスティアはギルドにファミリアの全財産を報酬にしてクエストを発行し、知り合いであるミアハやタケミカヅチに情報がないか聞きに来ていた。
そこで分かったのは【タケミカヅチ・ファミリア】のパーティが自分の子にモンスターを押し付けて帰ってきたと言う事実。
子との繋がりで生死だけは分かるものの、どのような状況かは分からない。
その上中層が最後の目撃情報だ。
いつこの繋がりが切れてしまうか分からない恐怖。
クエストを見てやって来たヘルメスの助言もあり、ヘスティアは禁忌を破りダンジョンへ向かう事を決めた。
しかし今決まっている捜索隊のメンバーではヘスティアやヘルメスという
責任を感じ捜索隊に加わった【タケミカヅチ・ファミリア】の冒険者達6人に【ヘルメス・ファミリア】のアスフィ・アル・アンドロメダの7人だ。
ヘルメスが助っ人を探してくると言って出て行ったが期待はしないほうがいいかもしれない。
ヘスティアがそんな事を考えていた時にヘルメスは帰って来た。
しっかりと助っ人を連れて。
連れてきたのは3人、1人は覆面の女性
彼女はLv.4の冒険者で相当な実力者だと言う。
そして残るはヘルメスが彼女を連れて来る時にであった2人。
ヘファイストスと椿。
彼女らはヘスティアに荷物を届ける為にヘスティアのホームの前に居た所をヘルメスが見つけ事情を
ヴェルフもいる事だしヘファイストス、椿も気になる案件なのだ。
そして捜索隊に椿も加えてメンバーは整ったと息巻き、ヘスティアが自分も行く事を話した時、ヘファイストスの表情が変わった。
そこは掻い摘んだ内に入ってなかった事であり、神がダンジョンに入る事は許されていない禁忌である。
「ヘスティア、本気なの?」
ヘファイストスの言葉に「当然じゃないか!」と返すヘスティアの瞳は自分に武器を作ってくれと言ってきた時と同じ瞳で子を思い、テコでも動かない意思を宿していた。
ヘファイストスはため息を吐くと出発の前にヘスティアに仕事をさせる。
ベルの持つ漆黒の短刀と同じ刻印を今日持ってきた物に焼き付ける最後の工程。
別室にてその工程を終わらせると捜索隊はクロ達を探しにダンジョンへと出発した。
☆★☆★
ハクアは親友であるレフィーヤの手を引き、あるテントへ向かっていた。
アイズが3人の冒険者を助けたと聞いたのだ。
その1人が白髪の冒険者と聞いたのだから驚いた。
彼は一週間ほど前には10階層そこそこを探索していたはずだ。もちろんパーティである彼も。
あの時はLv.1だったが、ミノタウロスを倒したのだしレベルアップしたのだろうとあたりをつけ、もしかしたら知り合いである彼もレベルアップしているかもしれない。
その辺りの話を聞きたくて、でも1人では恥ずかしくて、親友を引っ張ってここまで来た。
そしてテントのカーテンをくぐる。
そっとあたりを見回すと3人がベットで寝ている。
アイズが座って見ている横にそっと近づき顔を除くと髪の白いミノタウロスを倒した冒険者。
その隣に私たちに助けを求めて来たサポーター。
そして、最後の1人が……
そこには自分が予想した黒髪の冒険者では無く、赤髪の冒険者が寝ていた。
「アイズさん、もう1人…いませんでした?」
ハクアの問いにアイズは首をかしげる。
それを見て不安にかられたハクアは一番近くのサポーターの少女を起こそうと揺する。
「クロ様…逃げてください…」
レフィーヤが止めようとした時、少女は譫言のようにそう口にする。
それだけで2人は顔を見合わせ走り出した。
自分達のよく知る少年がまだダンジョンに取り残されていると悟ったから。
ダンジョンへ向かう途中、ベートとティオネ、ティオナに声をかけられレフィーヤがハクアに先に行くように伝える。
レフィーヤが説明するとベートらもレフィーヤと共にハクアを追いかけた。