ベル君が生き倒れを拾ってきたのは間違いだっただろうか 作:ウンニーニョ
クロはアスフィと共にリヴィラの街へと向かっていた。
突如現れた黒い
それを遠巻きに見ていたベル達が助ける為に戦場へと向かって行ったのを高台の上からクロは見ていたのだ。
クロも向かおうとしたがヘルメスの後ろに控えていたアスフィに止められた。
「あなたの武器は槍だと聞いています。あなたは武器も持たずにあそこへ向かう気ですか? 」
クロは今丸腰だ。地上へ戻る準備はしていた為、胸の光を返さない黒いプロテクターと腕のインディゴライトのプロテクターを装備しているものの、【ロキ・ファミリア】の後続部隊について行く予定だった為、出発の時にベルの担当を借りる予定だった。リヴィラの街では槍もぼったくり価格だった為地上に戻ってから購入する予定だったからだ。
クロは少し迷った後、奥歯を噛み締めベル達の所へ行こうとした。
そんなクロにアスフィは声を掛け呼び止めた。
緊急事態の為リヴィラの街の武器屋を説得して無料で武器を提供させるから一緒に来いと。
そして今リヴィラの街へ向かっているのだ。
リヴィラの街が見えてきた時、2人の前を人影が遮った。
褐色の肌のハーフドワーフの女性、片目を眼帯で隠した彼女は2人を、いやクロを見るとニヤリと口角を釣り上げた。
「よう少年、私を覚えているか? 」
「バベルで武器を進めてきた人だろう? 今はそんな話してる場合じゃないんだ! 行こうアンドロメダさん」
話を聞かずに先を急ぐクロを見てアスフィは驚いた。彼女は【ヘファイストス・ファミリア】の椿、オラリオで最高の鍛治師の1人だろう。
武器を求めている状況下で彼女を無視して行くと言う世間知らずさに反応が遅れてしまった。
「少年、そう話を急ぐな。私は今お主に必要な物を与えてやれる」
椿の言葉にクロは足を止め、そして振り返った。
「コレはヘスティア様に頼まれて私と主神様が作り上げた最高傑作だ。時間はかかったが今少年に必要なのは槍なんかでは無くコレだ」
椿が肩に担いでいた物に巻かれていた布を剥ぎ取った。
それを見てクロは目を見開いた。アスフィが考えるように顔をしかめているのは当然の反応だろう。
そこに現れたのは漆黒の大鎌。
この世界で使われたことのない武器。
農作業で使われる手のひらサイズの鎌、それを槍ほどの長さに大きくした物。
差し出された大鎌をクロが受け取ると刃に書かれたヒロエグリフが赤く光ったようにアスフィには見えた。
クロは手に馴染ませるように大鎌を回すとアスフィに話しかける。
「アンドロメダさん____」
「あなたはそれで行けそうですね。私はリヴィラの街へ向かいます」
クロの言葉を遮ってアスフィはそれだけ行って街へ向かって行く。
椿もする事があると去っていった。
そしてクロもアスフィに頷き、椿に感謝し、己の新しい相棒を手に仲間達の元へと急いだ。