リリカルオリヴィエSacred   作:ころに

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―――少しだけ休んで、溜めて、これからがさぁ本番。

【前回のあらすじ】シュテル登場。先生爆誕。クラウス、天に舞う。


Memory.11:幕間の休息地

 私――高町なのはは現在危機的状況に瀕していました。

 今、私達が居るのは我が家の憩いの場である居間です。

 

「父さん。言われた通り、あの子は俺の部屋に寝かせて来たよ」

「あぁ、ありがとう、恭也。すまんな」

「いいさ」

 

 目の前でお父さんとお兄ちゃんが短くやりとりをして、それからお兄ちゃんが私達の後ろに回りました。

 後ろを見れば、お兄ちゃんとお姉ちゃんが優しく微笑んでくれました。

 お兄ちゃん達の背には扉があります。

 逃げ場は完全に封鎖されていました。

 私は諦めの心境で居間の窓側に置かれたソファーに並んで座るお父さんとお母さんへと目をやります。

 お母さんは相変わらずの優しい笑顔を向けてくれていました。

 お父さんというと腕を組んだまま、口を真一文字にしながら浅く眉を立てた真面目な表情で私を見ていました。

 隣を見ます。シュテルが居ました。

 彼女は私の視線に気づくと、相変わらずの無表情で一言。

 

「何見てるんですか。はやく言い訳を考えなさい、駄ナノハ」

 

 うわあ、辛辣!辛辣だよ、この子!?

 あと今、言い訳しろってハッキリ言っちゃったよ!?

 自分からさりげなく言い訳してこの場を逃れるっていう選択肢を投げ捨てちゃったよ!?

 

「えと……」

「なのは」

「あぅ」

 

 お父さんの声が私の身を震わせて、逡巡していた意思を立ち止まらせました。

 だけど、お父さんは表情を変えずに、こう続けました。

 

「言ってみなさい。俺はお前を信じるよ」

「―――」

 

 お父さんの言葉が私の身を震わせて、しかし逡巡に足踏みしていた意思を前に進ませました。

 だから私はもう1度横を見て、シュテルが頷きを返してくれるのを確認すると、

 

「えとね……」

 

 そう前置きをして、一拍の間を作りました。

 皆が私に注目するのが解ります。

 ですが私は耐えました。

 注目に押し負けず、慌てない為に深呼吸をしてから、

 

「実は――」

 

 覚悟を決めて、

 

「私、魔法少女になったの……!」

 

 簡潔に、且つ、一気に事実を述べた。

 すると両親達はそれぞれの表情を保ったまま頷いてくれました。

 果たして、私の言葉は通じたのでしょうか?

 疑問に思い、後ろを向くと、お兄ちゃん達も笑顔で頷いてくれました。

 横を向くと、シュテルも満面の笑顔で頷いてくれまし――え、なにそれこわい。

 

「あぁ、解った。解ったとも、なのは」

 

 見た事もないシュテルのオリジナル笑顔に戦々恐々としていると不意に耳に声が届きました。

 声の出所は腕を組んだままのお父さんでした。

 お父さんは2度、3度と頷いて立ち上がって片手を上げながら壁際に移動すると、

 

「なのは、少し待っていてくれ。なのは以外集合……!!!」

 

 シュテルを含め、皆が素早くお父さんの下に移動して円陣を組みました。

 

「どうしよう、お父さん、なのはがファンタジックな発言を……!?」

「慌てるな、美由希。あの年頃には良くある事だ。まだ軌道修正は十分可能な筈だ……!」

「そうね。ふふ、なのはも可愛らしい事を言うようになったわね……衣装とか用意してあげるべきかしら?」

「それじゃあ俺は忍に頼んでステッキでも用意して貰うべきだろうか……?」

「まったく、まだまだお子様ですね。魔法少女だなんて……ファンタジーやメルヘンじゃあないんですから」

 

 おいこら待つの、そこのファンタジーとメルヘンの塊。

 というか、

 

「全部丸聞こえだよ!?」

 

 気にせず皆はそのまま数回言葉を交わすと解散して再び素早く元の配置に移動しました。

 それから全員が生暖かい笑みを私に向けてくれました。なんだか視線が痛いです。

 

「なのは……」

「なにかな、お父さん?」

「お父さんはいつでもお前の味方だからな」

「信じる気ゼロパーセントだよ、これ……!」

 

 あまりの信頼に思わず膝と手を床について嘆く私の横でシュテルが片手の親指を立てました。

 心なしかやり切った顔をしているような気もします。凄く撃ち抜きたいです。

 

「うー……!こ、こうなったら実際に変身してみせ……あれ?レイジングハートは?あれ?」

 

 最終手段と変身してみせようと思ったのですが、肝心要のレイジングハートが見つかりません。

 全身をぱたぱたと叩いてみますが、あの赤い宝石の感触はどこからも感じられませんでした。

 顔を青くした私が身を固めていると、隣でシュテルが私の様子から悟ったのか、顎に手を当てながら、

 

「あぁ、あの子ならあなたがへし折った後、その場に放置されていましたよ」

「えぇ!?ちょっ、気づいたなら拾っておいてよぉ!?」

 

 迫ると彼女は両手で私の体を押し退けるポーズをとって、

 

「まぁまぁ。あれなら先生(レーラァ)が拾っておいてくれているでしょうし、明日にでも取りにいけば良いでしょう」

「うぅ、ごめんねレイジングハート……」

 

 へし折ってしまった相棒に謝罪しつつ、天を仰ぎます。

 相棒は天でその身に太陽光を反射させながら、

 

『そんな事より敵を撃ち抜きたい』

 

 とか左右に光沢のある身を振りながら言ってました。

 あんなキャラだったっけなぁ、あの子……。

 というか、思い切り折っちゃったけどレイジングハートって勝手に直るのかなぁ。

 

「……レイジングハート?」

「あぁ、あなたの仰っていた魔法のステッキの名前ですよ。ナノハのお兄様」

 

 お兄ちゃんの首を傾げる動作に付いて来た言葉にシュテルは振り向きながら応えました。

 彼女は胸元から青紫色の宝石を取り出すと、

 

「ルシフェリオン起動」

『了承』

 

 瞬間、真紅の光に宝石とシュテルの手が包まれました。

 変形する光によって形成されるのは1本の杖。

 私がつい先程まで持ち、共に戦っていたレイジングハートと色彩以外が瓜二つのデバイスでした。

 

「とまあ、この様な杖の事です」

「……」

 

 今度は皆がシュテルに注目していました。

 ついでに私も、出来るなら早くやってよ、と半目を向けましたが無視されました。

 皆の視線は私の時とは違って驚きの色を含め、目は見開かれていました。

 全員が共通して抱いている感情はきっと、驚きなのでしょう。

 そしてその想像通りの感情を乗せた言葉が来ました。

 

「え?本物……?」

 

 お姉ちゃんが皆を代表して疑問符を浮かべながらシュテルへと問いかけてきます。

 シュテルはその言葉に対して首肯を返し、

 

「えぇ。本物ですとも……まぁ、詳しく話しても良いのですが……」

 

 彼女はルシフェリオンと呼んだ杖を振ると再び宝石の状態へと戻してから、顎に手を当てて頷きを1つ。

 一息の間の分だけ思案したかと思うと、頷きを連続させ、

 

「出来れば詳細については、全員揃っていた方からの方が良いですね」

 

 全員、という単語から連想出来るのは、あの金髪で両目の色が違う子達の姿でした。

 やはりあの子達も魔法関係者なのかな?と私までもが疑問符を頭の上に乗せてしまいます。

 ですが、ともあれ、とシュテルは前置きをして、僅かに腰を上げて座り直して姿勢を正すと、

 

「とりあえず私や上の階で寝ている彼が何者か程度は話しておこうと思います――えぇ、魔法についても」

 

 全員を見渡してから、シュテルは一礼。

 暫しの間を持って前を向き、驚きから復帰して真摯に話を聞こうと腕を組むお父さん達を見て、

 

「信じ難い事ばかりだとは思いますが、どうかご静聴していただきますようお願い致します」

 

 そうして語り始めました。

 

「まずは申し遅れました。私の名はシュテル・ザ・デストラクター」

 

 一手目として自分が何者であるかという事を。

 そして続けての二手目としては、

 

「実は私はナノハの生き別れの妹で……」

「あら、いつの間にか士郎さんと私の愛の結晶が更に追加されてしまったのかしら……?」

「無意識に生み出してしまっていたとは……これが俺達の愛のなせる業か――!?」

 

 平然と嘘を吐かないでくださいシュテルさん。

 というか、それ私がシュテルと会った時に言ってたから二度ネタだよ!

 お母さんとお父さんもノリノリで対応しないで!?

 

  ●

 

 命からがら妙な空間から脱出し、無事帰ってきたのは記憶に新しい。

 その珍妙空間では生きた心地がしなかった為か、反動として天上の地にも見える我が家の居間の中央で車椅子に腰を下ろした私と瓜二つの女の子が唐突に顔を上げた。

 

「むっ!?」

「ん?王様どうしたん?ベッドの用意なら出来たで?」

「いや……今、臣下からメッセージが届いてな」

「メッセージについてはもうツッコミ入れんけど、臣下って私以外にも居ったん?」

「うむ。2人程な」

「ははぁ……初めて聞いたわ。どんな子達なん?」

「お堅いのとお馬鹿なのだ」

「流石王様の臣下やなぁ……」

「ふははは、もっと褒めるが良い」

 

 褒めてないんやけどなぁ、と私こと八神(やがみ)はやては半目を王様に向けた。

 

「で?メッセージっちゅーのはなんて書いてあったん?」

「おぉ、待て。今開く」

 

 王様が左手の人差し指で眼前の宙をなぞると、なぞられた位置に半透明の黒い板が出現した。

 それは空中投影型の操作パネルも付いたウィンドウや。

 

「うわぁ。もうなんでもありやなぁ」

「ふふふ、格好よかろう?で、えーっと、メッセージだが……これだ」

 

 どれどれとはやては王様と一緒にウィンドウを覗きこむ。

 ウィンドウ上に展開されたメッセージの内容は、

 

『タカマチケ、シンニュウカンリョウ。アス、シュウケツスベシ シュテルヨリ』

 

 といったカタカナで構成された短い文やった。

 それを見ると王様は満足げに頷いた。

 

「うむ。まずはシュテルが目覚めたか。相変わらず仕事も速い。流石だな」

「シュテルって人が王様の臣下なん?」

「そうだ。ついでに言うならお堅い方だ」

「お堅い方かぁ……で、『タカマチケ』ってなんや?敵の秘密基地かなんかか?」

「いや、とある菓子作りの店を営む一家の住居だな。読む限りでは明日そこに来いという事のようだ」

「ふぅん。行くん?」

「うむ。行かねばなるまい。恐らくはそこに我が同志も揃っていよう」

「私は?」

「お前を残しては我が動けぬ。心配でもある故な」

「心配……そか」

 

 はにかみながら頷いて王様の言葉を噛み締めると私は王様の座る車椅子の取っ手を握り、急旋回。

 

「うおぉっ。な、何をするのだ、小鴉。危ないであろう」

「えへへ、ごめんなぁ」

 

 心配、かぁ。

 王様には悪いけど心地良い言葉やな。うん。

 

「ま、とりあえず明日出かけるなら、しっかりお風呂入って、はよ寝て備えよか」

「む……そうだな。では」

「うん。お風呂はいろ。勿論一緒にな?」

「うむ。洗うのは任せるぞ」

「はいな。お任せやでー」

 

 車椅子の車輪が回る音を残して、私と王様は家の奥へと姿を消すのだった。

 

  ●

 

 水橋花楓(みずはし かえで)さんの住居のダイニングルームには現在4人の人影がありました。

 そして私の目の前では2人の女性が笑い合いながら並んで座っていました。

 彼女らの手には1つずつ銀色の円柱が握られていました。

 光沢を持ち、表面に絵や文字がプリントされた円柱の正体は、缶ビールでした。

 ちなみに私――オリヴィエ・ゼーゲブレヒトと隣に座るクラウスが持つコップには牛乳が入っていました。

 牛乳美味しいです。牛乳をいっぱい飲めばいずれ私も――なんですかクラウスその憐みに満ちた目は。

 

「ぷっはー。いやぁ、ごめんねぇ。急な話だったからこんなんしか用意出来てなくてさ」

「いえ、こちらこそ急に来たのにビールまで出して貰っちゃって……すいません」

 

 酔いに頬を赤くして気分を良くした水橋さんが隣に座る女性の肩に手を回します。

 肩を回された側である女性こと先生(レーラァ)は苦笑も頭を下げて突然の訪問に対する謝罪をしました。

 ですが、お酒の入った水橋さんは缶に残ったビールを一気に飲み干すと、

 

「なはは、気にしない気にしない。ま、少しの間住居を貸すくらいならなんの問題もないわよ」

 

 そんな風に楽しげに言ってのけました。

 ちなみにこれまでの経緯を説明すると、

 

 ・私達はあの毛玉との後、水橋さんの住居へと帰った。

 ・水橋さんに先生を紹介する。

 ・驚かれると思ったけど、水橋さんは既に突発的事態に慣れたのか、普通に家に招き入れてくれた。

 ・少しの間、住ませて欲しいと先生が言うと、水橋さんは事情も聞かずに快諾して突然の酒盛り開始。

 

 といった感じでした。

 いきなりの酒盛りは、同居人が増えたお祝いらしいです。

 でもそんな無条件の好意に先生も違和感を覚えたのか浅く眉尻を下げて、

 

「うーん……私、自分で言うのもなんですけど怪しい者ですよ?疑わないんですか?」

 

 そう言う先生の格好は相変わらずの白を基調としたバリアジャケットです。

 普通に見れば怪しさ満点なのですが、しかし水橋さんは気にした様子もなくしみじみと、

 

「襲ってくる毛玉よりはマシそうだしねぇ……」

「えぇっと……」

 

 遠い目をしだした水橋さんへの対応に困った先生がこっちを見てきます。

 

「私と会う前、例の毛玉に襲われてたみたいで……」

「あぁ、成程……それはトラウマにもなるよね、うん……」

 

 先生は水橋さんに向き直ると、慈母の如き微笑を見せて、

 

「もう大丈夫ですよ。この街と皆は私が守りますから」

「くぅー、頼もしいわね。この子ったら!」

 

 先生に抱きつく水橋さん。

 わぁ、と慌てながらも楽しげな先生。

 それらを見てから、私は隣に居るクラウスへと視線をやりました。

 

「……寝ましょうか」

「あぁ、そうだな……」

 

 酒盛りが開始されてから置いてけぼりな私達なのでした。

 

……ん?なんだか後ろから振動が伝わって来ています……?

 

 振り向けば私の背後に置かれた白と黒の表紙を持った本が床の上を小さく跳ねていました。

 本は身を震わせながら、淡い青の光に包まれていました。

 

「なんだか曙光の魔導書が妙な光を……えと、これは……メール、ですか?」

「メール機能付きだったのか、その魔導書……」

 

 えー、と口を横に開いたクラウスに対して、みたいですね、と私も内心驚きながら頷き、魔導書を開きました。

 そこには、

 

「やぁ」

 

 少女漫画みたいな目を持った顔が白紙の中に描かれていました。

 ついでに喋っていました。

 だから私は、本を閉じました。

 空気を圧縮する音が響き、後に残るのは背後から聞こえる女性達の談笑の声です。

 それらをBGMにしながら、私はクラウスへと視線を送り、

 

「クラウス……」

「あぁ……とりあえずメール確認は、明日にしておこう。うん」

「そうですよね。私は悪い夢を見ているのかもしれません。えぇ、早く寝ま――」

「いきなり閉じるとは失礼だね、少女よ!挨拶には挨拶で返す!基本だよ!」

 

 勢いよく開いた魔導書が少女漫画目のフェイスがドアップで目の間に迫らせて来ました。

 私はそれを密着する寸前でキャッチ。

 走り出しました。

 窓を開けました。

 そして、魔導書を上段に振り被り、

 

「あ、ちょっ、オリヴィエ!?」

「んぁ?オリヴィエちゃん、どうかしたの?」

「って、オリヴィエちゃん、その本に描かれてるのって」

「スタァァァップ!スタァップだよ、少女よ!落ち着いて話せばわかる!そう今こそ対話の時(トランザム)!」

 

 了解しました、と私は極上の笑顔で魔導書から響く声に応じました。

 そう。趙公なんとかさんの声に応じる為、虹色の光を腕にまとわせた上で、

 

「撃ち出せ青春――ッ!」

「フッこれが若さゆえの過ちぃ―――――!」

 

 ブン投げました。

 えぇ、窓の外に。豪速でした。

 衝撃波が発生させながら空へ往く魔導書はやがて星となりました。

 それを見送ってから、恐るべき魔本が帰って来ない事を確認して、

 

……よし!満足です!

 

 ではと私は振り向きました。

 何故か皆さんが大きく肩を跳ね上げました。

 なんで皆さん、引いているのでしょうか?

 ともあれとりあえずは――、

 

「さぁ、クラウス。スッキリしましたし、寝ましょう」

「……えと、あれ……良いのか?今思いっ切り曙光の魔導書を――」

「良いんです」

「そ、そうか?でもあれが無いと困るだ――」

「良いんです」

「あ、う、うん?でも――」

「良いんです」

「あ。はい」

 

 流石クラウスです。物分りが良くて助かります。

 というわけでなんとも言えなそうな顔になったクラウスを引っ張りながら、私は居間の入り口へと歩いて行き、

 

「それでは水橋さん、先生、おやすみなさい」

「あー……おやすみなさいっす」

「えーっと……うん。おやすみ。ちゃんと布団かけて寝なさいよー」

 

 振り向いて礼をすると苦笑付きで水橋さんは就寝前の挨拶を返してくれました。

 その隣で先生も手を振り、おやすみ、と言ってくれました。

 うん。今は心が晴れ渡っていると思える程、清々しい気分ですし、良い夢が見れそうです。

 そんな涼やかな気持ちのまま、私はクラウスを連れて居間を後にするのでした。

 

「いいのかしらあれ……」

「あーうん……多分、良いんじゃないかな……勝手に戻って来るだろうし」

 

 私には何も聞こえませんでした。

 えぇ、聞こえませんでしたとも。

 

  ●

 

 一面に広がった黒に一線の白が走る。

 黒を真っ二つに割った白は徐々に上下にその面積を広げ、僕の網膜を刺激して来た。

 白は光の色だった。

 光の正体は僅かに開かれた窓から吹く風にその身を揺らめかせるカーテンの隙間から差し込む朝日の陽光だ。

 それらを知覚すると同時に散漫していた意識が段々と集束を始める。

 どうやら僕は現在、仰向けに倒れているようだった。

 目の前には見知らぬ天井があり、柔らかく身を包むのは高級という感想を抱く布の感触。

 僕が上半身を起こそうとする力に対して押された分だけ背にしてたベッドが軽く反発を返す。

 以前何度か発掘中の事故で怪我をして病院のお世話になった事はあったが、その時に借りた病院のベッドはこんなに質の良いバネを使っていた事はなかった。

 それにこの部屋からは病院独特の薬品の匂いも感じない。

 つまり此処は病院ではない、という事だ。

 では、果たして此処はどこなのだろうか?

 

……昨日、僕は……。

 

 上半身を起こしながら、ぼやけた視界と寝ぼけた頭を覚醒させようと軽く思考を走らせる事から始める。

 まず思考が至るのは、黒い毛玉の事だった。

 そう。僕は昨夜、ジュエルシードによって生み出されたおぞましい怪物と対峙したんだ。

 一度は逃してしまった怪物を今度こそは封印しようと単独で挑み、

 

……結局、負けて……それで……。

 

 目を細くしてまるで母の様に優しく笑いかけてくれた女の子の姿が唐突に脳裏に浮上した。

 陽光の様に暖かな表情を僕へと向けてくれる彼女の名は、

 

……そうだ、なのはさんは!?

 

 なのはさん。

 そうだ。僕は間一髪のところで彼女に命を救われたんだ。

 額に片手を当て、記憶の中から昨夜の出来事を掘り起こす。

 なのはさんと僕は数度しか顔を合わせていない。

 だというのに彼女の事は心に強く刻まれ、印象に残っていた。

 だから目を閉じればすぐにでもその姿は思い出せる。

 艶のある栗色の髪を白いリボンを使って頭の両側、高い位置で結んだ髪型の少女。

 記憶の中の彼女はその大きめのくりくりとした瞳に僕を映しながら背に両手を回してきた。

 そのまま力強く両腕で僕を抱くように、締め付けるようにして、

 

……あれ?その後どうなったんだっけ?

 

 駄目だ。そこで綺麗に記憶の糸が途切れてしまっている。

 ここから先はどうやっても、思い出せない。

 両腕を組んで唸ってみてもそれは同じだ。

 一体何があったのだろうか?

 なんだかとんでもないものを見てしまった覚えがあるのだけど、詳細を思い出す事が出来ない。

 でも何故だろうか。

 詳細を思い出してしまうと何か色々なものを背負わなければならなくなってしまうような予感がする。

 そんな風に僕の危機感を刺激する何かを見てしまったような気がするのだ。

 例えば、

 

「そう……例えるなら、この僕の隣で寝ているなのはさんの赤裸々な姿を見てしまったとか……」

「んにゃ……」

 

 小さく溜息を吐きながら、隣で寝息を立てる女の子を菩薩の如き心持ちで見守る。

 嗚呼、どうやら僕は未だに夢の世界に意識を浸したままらしい。

 でもなければ薄い桃色の布団から口元に笑みを浮かべながら安らかに眠るなのはさんの顔が見える筈がない。

 状況を理解すればおのずと次に取るべき行動も見えてきた。

 だから僕は目覚める為に早急と言える速度で自分の頬を抓ってみた。目覚めなかった。

 どうやら夢ではなかったようだ。

 さぁ、僕、現実を見よう。

 

「どうしてなのはさんが此処に……いや、此処はもしかしてなのはさんの家なのか……?」

 

 両手で痛くなる頭を抱えながら再び思考に速度を持たせて走らせ始める。

 此処が彼女の家なのだとしたら、彼女が居る事にも納得出来る。

 恐らく僕は彼女に救われた直後に気を失ったのだろう。

 そして僕の心臓が未だに脈動を続けている事から察するに、僕が気絶している間になのはさんの勝利という形であの毛玉との決着はついたと推測出来る。

 その後、心優しい彼女は倒れた僕を放っておく事も出来ず、自分の家に連れ込んだといった感じだろうか?

 でもそうだとしたら、

 

……1人であの怪物を倒したという事に。うわぁ。

 

 僕は布団に抱かれながらその内側で身を丸める彼女を見ながら、内心で驚愕していた。

 出会ったその時から彼女に宿る強い魔力を感じてはいたけども、まさか1人であの毛玉を退けてしまうとは。

 

……想像以上に凄い子だったんだなぁ。

 

 間違いなく天才と呼ぶに相応しい逸材だろう。

 あれ?そういえばその天才に手を貸していた筈のレイジングハートはどこへ行ったのだろうか?

 昨日まで苦楽を共にしていたあの赤い宝がの影も形もない事に僕は首を傾げてしまう。

 なのはさんがどこかへしまってしまったのだろうか?

 レイジングハートに話を聞ければ現状把握がだいぶ楽になるのだけども……。

 

……まぁ、無い物強請りをしても仕方がないか。

 

 とりあえずこれからどうするべきか。

 なのはさんを起こして状況を聞くのが一番確実且つ簡単な方法だけど、彼女の良い夢を見ていそうな可愛らしい寝顔を見ると起こすのが悪いような気がして来る。

 とてもではないが、この子の安眠を妨げる事は僕には出来そうにない。

 ではどうする?と疑問を己に投げかけて再度思考の海に沈もうとした、その時だった。

 

「んにゃ……?朝……?」

「あっ」

 

 なのはさんが寝ぼけ眼を擦りながら体を起こし始めたのだ。

 彼女にかぶさっていた布団がずれ落ち、彼女の姿が露わになる。

 前をボタンで留めるタイプのパジャマの胸元をはだけさせた姿の彼女はまだはっきりとはしていないであろう視線で1度窓の外を見て、部屋の中を1周させ、最後に僕を見た。

 すると急に彼女は瞳を丸くすると、ぱちくりと何度か瞬きをして、

 

「あっ、ユーノ君だ」

「え、あ、はい。ど、どうも……!」

 

 名前を呼ばれて反射的に背筋を伸ばして全身を硬直させてしまう。

 対して彼女は表情を柔らかくして、記憶にあるものと同様の優しい笑みを浮かべると僕へと身を寄せ、

 

「夢じゃなかったんだね……うん。おはよう、ユーノ君」

「あ、わっ、え、えと、その、お、おはようっ!」

 

 ぎゅっと抱きしめられた。

 

……あわわわ!?ああああ、あの、そんな格好で密着されると、は、恥ずかしいのですがっ!!?

 

 なんて面と向かって言える筈もない僕は駄目男です、はい。

 ふふふ、いいさ。笑いたくば笑ってくれ。僕はヘタレなんだ……!

 そうしている間にも背中に回された腕に力が込められ、

 

……あれ?なんだろう?似た光景をどこかで見た事があるような……?

 

 どこでだろうなぁと天井を見ながら記憶を探ると出て来るのはなのはさんの赤裸々な姿。

 

……うわあ、ぼくはいったいなにをもーそーしているんだはれんちだぞ。

 

 しかしながらやはり脳に刻まれた過去から出て来るのはなのはさんの赤裸々な姿。

 

……え?なにこの魔法少女変身中とでも言わんばかりのシーン……!?

 

 いやいやまさかと否定しても心中に深く焼き付けられたなのはさんの赤裸々な姿。

 

……まさか……あれは……。

 

 正確には思い出せないが、裸のなのはさんが僕に抱きついているシーンが記憶の奥底から甦って来た。

 同時に首の関節がまるで錆びついたしまったかのように動作がぎこちなくなる。

 背筋を冷たいものが走り、全身の関節が凍てつく錯覚を起こす。

 だが僕は彼女に問わなければならない。

 故に天井に向けていた顔を嫌な予感という錆びに邪魔されながらも下ろし、僕に擦りつくなのはさんへと向ける。

 しかしどう問うべきだろうか。

 馬鹿正直に心中に浮上した彼女の姿を述べるわけもない。

 混乱する頭で逡巡していると、不意に視界の下の方で彼女が顔を上げた。

 視線は真直ぐ僕の瞳を射抜き、そして、

 

「責任、とってね?」

 

 咲いた花ばかりのような明るい笑顔でそんな言葉を僕へと豪速でサーブしてきた。

 対して僕はその言葉に打撃され、衝撃で全身が数百メートルは吹き飛んだように感じられた。

 だが現実として、僕は動いていない。今のは精神的なダメージを受けた事によって発生した幻覚だ。

 衝撃の幻覚と共に突きつけられた現実を僕は認識し、納得し、理解し、結果として両手で顔を覆った。

 目を閉じれば瞼の後ろに現れるのはスクライアの里を出る時に見送ってくれた家族代わりの皆の姿。

 "そういう知識"を教えてくれた発掘チームの先輩達が清々しい笑顔で親指を立ててくれた。去れ。

 先輩達を跳ね除けた族長を先頭として彼らが向けて来る優しげな眼差しが、今は痛い。

 

「皆ごめん、僕は悪い子になってしまいました……!!!」

「にふふ、責任感の強いユーノ君はこう攻めるに限るよね」

 

 なんかあざとい内容の小声が聞こえたような気がしますが、気のせいでしょう。

 ともあれ僕は里の皆に謝罪しながらも彼女のご家族が朝ご飯に呼びに来るまで、なのはさんに抱きつかれ続けるのでした。

 

   ●

 

 その後、ユーノの寝ていた高町恭也の部屋に忍び込んで、さりげなく添い寝した事がバレ、

 両親から女の子たるもの云々となのはがお説教を喰らったのはまた別の話である。

 

   ●

 

 私――水橋花楓は現在、己の務める会社のオフィスに居た。

 オフィスの中、私が腰を下ろすのはそれなりの大きさを持った灰色のデスクを幾つも並べ、

 その間をパーティション区切って出来た狭い空間の1つだった。

 目の前にあるのは、見慣れた自分のデスクだ。

 その上に置かれているのは出社時に同僚から渡された新商品のアイデアをまとめた資料だった。

 A4サイズの紙束をめくる。

 

……む。

 

 同時にこみ上げてきたあくびに広がりそうな口を隠す為、私は口元に手を当て、

 

「ふぁ……」

「あや?どうしたんです、先輩。お疲れのようですね?」

「ん?」

 

 眠気に細められる目を肩越しに後ろへ向ける。

 視線の先には肩程まで伸ばした黒髪に3つの三角形を連ねた形の髪飾りを付けた後輩が立っていた。

 柔らかな笑顔を私に向ける彼女は私の1つ下の後輩で北条実時(ほうじょう みとき)という。

 小柄な彼女は小首をゆっくりと傾げると、

 

「昨日いきなり休んでたので皆、心配してましたけど、何かあったんですか?」

「あぁ。ごめんごめん。迷惑かけちゃった?」

「いえいえ。先輩は有休を溜めに溜めてますし、ちょっとくらいなら大丈夫ですよ。ただ――」

「ただ?」

 

 実時は柔らかな笑顔の中、目を弓の形にしたまま、

 

「先輩が唐突に休むだなんて珍しいですから……素敵な殿方とでも出会ったのかなぁ、と」

「私に?」

「はいな。仕事人間な先輩が逢引をしていたとあれば皆大騒ぎですからね。それで、どうなのでしょう?」

「あぁ、なるほど……それを聞きに来たと。皆その手の話が好きねぇ……」

 

 私は実時の言葉に苦笑しながら資料に目を落とした。

 なにこの『スパイシーアイス 俺の青春の汗味』って。

 

……企画部の奴らまた変態的な商品を世に送ろうとしてるわねぇ。

 

 まあ面白そうだし、後で承認しておこう。

 チャレンジャー精神をくすぐるのか、こういう商品は意外とヒットするものなのだ。

 

……さて。

 

 資料に目を通しながらも、実時の疑問にどう返答すべきかを思案する。

 後ろでは後輩がやはり柔らかな笑顔を浮かべて私の右斜め後ろに立ち、応答を待っていた。

 聞くまで動かないつもりだろう。

 この後輩の事だから仕事はキッチリ進めているだろうし、注意する者も居ない。

 となると、彼女を退けるには回答しなくてはならない訳だが、

 

……さて、どう答えたものかしら?

 

 一昨日――帰宅途中に化物と遭遇して、魔法の存在を知って、化物と戦う子ども達を保護した。

 昨日――子ども達の服を揃える為にデパートへと繰り出していた。

 今日――昨日子ども達が連れて来た美人さんと酒盛りしていたら何時の間にか朝になっていた。そのまま出社。

 うん。とりあえず馬鹿正直に言える筈もないのは確かだ。

 だかと言って嘘を吐くのも、一応心配してくれている皆に悪い気がする。

 ならばぼかしつつも出来る限りの事実を伝えよう、と私は意思を決め、口を開いた。

 

「ちょっと子ども達の生活に必要なものを揃える為に時間が欲しくてね」

「え?」

 

 戸惑いの声が耳を打った。

 

……ん?私は何かおかしな事を言ったかしら?

 

 化物とか魔法の事は一切述べていない筈なのだけど……。

 椅子ごと振り向いて視線を実時に移せば、彼女は驚き顔で目を見開いていた。

 

……うわ、いつも笑顔の実時にしては珍しい表情ね。写真でも撮っておこうかしら?

 

 そんな風に思っている最中に実時が再起動を果たした。

 瞬間、身を前傾にしてコチラとの距離を詰めて来た。

 唐突と呼べる間の接近に私は思わず仰け反りながら後退してしまう。

 

「ちょ、近い近いっ!?」

 

 なんだなんだ、とオフィス内に居た皆がパーティションから顔を覗かせて私達に注目する。

 しかしそんな状況でも実時は気にせず、詰め寄って来た勢いのまま私の肩を掴むと、

 

「ああああ、あの、せ、先輩……!?」

 

 これまた珍しく声を震わせながら、眉を立てて私と目を合わせた。

 その真剣な様子に気圧されて、私の表情筋がかなり引き攣っているのが解った。

 

「な、なによ?」

「そ、その……こ、子ども、居るんですか!?」

「え?」

 

 彼女の良く解らない疑問に対して、更にクエスチョンマークを重ねてしまう。

 "子ども"という単語に彼女は反応したようだがまさか、

 

……子どもが"居る"かどうか聞くって……この子、もしかして子どもが大好き、とか?

 

 脳裏に浮かぶのは、クラウスの顎に手を当て、自分の方へと顔を向けさせている実時といった構図だ。

 

『ふふふ、良いのよ。クラウス君。お姉さんに全部任せなさい』

『いけないよ、お姉さん。俺の魔力がこのままじゃマックスしてブレイカー状態に……!!!』

 

 アカン。

 あわよくば私を通して子ども達と仲良くなりたい、とか考えているのだろうか?

 まさかこの優秀な後輩にショタコンやロリコンの気が……!?

 

……いや、決めつけるな、私。そうとは限らないでしょ。

 

 私は降って沸いた疑念を額に手を当て、頭を振る事で払った。

 まずは彼女と言葉を交わしあうべきだ。

 でなければ誤解が不和を呼び、不和が更なる誤解を生む事となりかねない。

 そう。私は後輩を信じる。

 

「大丈夫よ、実時」

「えっ?」

「あの子達は、良い子達だから」

 

 だからきっとショタコンやロリコン疑惑がある貴女とも良い関係を築ける筈だから。

 そう思いながら私は実時を安心させる為に笑顔を見せて、

 

「だから安心して」

「先輩……」

 

 言葉を受け止めた実時は強く頷く。

 そして顔を上げた時にはもう既に見慣れた何時もの柔らかな笑顔を浮かべていた。

 良かった。私の熱意を籠めた言葉は無事彼女の心に届いていたようだ。

 

「失礼しました、先輩。取り乱してしまって……訳有り、なんですね?」

「え?」

 

 確かに訳有りな子ども達だけど、まさか今の会話だけでそれを察したのだろうか?

 なんて高性能な後輩だろうか、なんて思っていると彼女は頷きを1つ。

 私の瞳を真摯な表情で真っ直ぐ見つめて言った。

 

「でも困った事があれば私達に相談してくださいね」

「え?あ、うん。ありがとう」

 

 うぅむ。ここまで気を使ってくれるとは、やはり良い後輩だ。信じて良かった。

 クラウスにとっては貞操の危機鴨しれないけど。

 

「では、先輩。長く話し込んでしまいましたが、今日も宜しくお願いしますね」

「ん。こちらこそ。じゃ、お互い頑張りましょ」

「はい。それでは」

 

 実時は手を振りつつ、踵を返して去って行く。

 その背を見送り、周りに集まっていた皆を手を振り伸ばして散らしてから、深く息を吐いた。

 不可思議な事のない現実に戻り、落ち着いて来た心中に沸いて来るのは、

 

「あの子達、今頃何してるかなぁ……」

 

 私を救ってくれた少女達への心配の念だった。

 無茶な事、してないと良いんだけど。

 

「って、ん?メール?」

 

 ふと携帯のフレームについた小さなモニタにメールの受信を知らせるマークが付いている事に気づいた。

 なんだろう、と疑問に思い携帯を開いて確認してみれば、そこには、

 

「オリヴィエちゃんから?……えぇっと、夜は、高町家に集合?」

 

 言葉に出して、首を傾げる。

 

……オリヴィエちゃん、携帯なんて持ってなかったわよねぇ?

 

 見た事のないアドレスと覚えのない家の名前が書かれたメールを眺め、そんな思う私なのであった。

 

   ●

 

 その後、電話で直接オリヴィエちゃんに確認してみたら、これも魔導書の能力らしいとの事だった。

 魔導書のメール機能、普通の携帯にも送れるのね。

 もはや魔法って言っておけば何でもありなんじゃないかしら?

 ちなみに更にその後、何故か慈愛に満ちた笑みを携えて子持ちの社員の方が次々とやって来た。

 子育てのコツとかシングルマザーでもやっていける秘訣とか色々教えて貰った。

 一応お礼は言っておいたけど、皆、一体どうしたというのだろうか?

 原因も解らないし、謎は深まるばかりである……。




まずはここまで見てくださった方々に最大限の感謝を。

うぅむ、スランプが止まらない。
なんだか大体の作品で10話くらいまで来るとスランプに陥りますね。
我が子たる親知らずとの1週間に渡る壮絶な格闘モードでアチョー入ってた影響でもあると思うのですが、ぐぬぬ。

そんなわけで今回は幕間の話でした。
オリヴィエとクラウスの影が薄くなっていますが、もうしばらくはなのはさん達のターンかも。
あと1話、2話後くらいに紹介回みたいのをやる予定ですので、、
それまではこのキャラはどうやって出て来たの?どういう情報を持っているの?
という疑問の解決は暫くお待ちを……!

あと、よければご感想、ご指摘などいただければ幸いです。

それでは、皆さん。また次回!
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