リリカルオリヴィエSacred   作:ころに

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―――チャージしすぎた結果がこれだよ!

【前回のあらすじ】同志集結寸前。なのは、既成事実作成に勤しむ。花楓さんシングルマザー認定。


Memory.12:台風少女がやってきた

 澄んだ空があった。

 青の色がどこまでも広がる雲一つない晴天と呼べる空だ。

 空の頂点には燦々と輝く太陽があり、差し込むような陽光が地上を照らしていた。

 降り注ぐ光の先は世界のあまねく場所にだが、現在その恩恵を享受する存在の1つとして白亜の建物があった。

 幾つもの長方形を組み合わせた様な形状の建築物の側面にはいくつもの窓が備え付けられている。

 汚れ1つない窓の向こうにはタイルの敷かれた廊下が見え、窓側とは反対の壁には等間隔で扉が存在していた。

 その扉の先には大きめの空間が在った。

 それは幾人もの人間を余裕を持って収めることが出来るほどの大きな部屋だ。

 室内には幾つもの机と椅子が並べられており、現在それぞれの席には幼い少年少女達が腰を下ろしている。

 彼らは机の上にノートを広げ、鉛筆を片手に自分達の前方の壁の大半を占める黒板の内容を書き写していた。

 ここは少年少女達が日々学業に励む場――名を私立聖祥大学付属小学校といった。

 その一室である教室に、その子どもは居た。

 白いリボンを使い頭の両サイドの高い位置で髪を結った制服姿の少女――高町なのはだ。

 

 

  ●

 

 

「はふぅ」

 

 全身を包む空気の暖かさに体の力が自然と抜け、少しばかりだらけてしまいます。

 心地の良いリラックス状態の中、私はあまりの気持ちよさに溜まらず小さな吐息を漏らしました。

 左手にある窓から私を照らすように降り注ぐ太陽の光に目を細めながら、

 

……平和だなぁ……。

 

 今この瞬間、平和な時に対する飾り気のない実直な感想を漏らすのでした。

 視線の先にあるのは窓の外いっぱいに広がる綺麗な青空。

 その中央では太陽さんが今日も元気に輝いて、私の居る教室を照らしてくれていました。

 ほどよいぽかぽかとした陽気に体温を僅かに上げながら、私は再び吐息を漏らし、

 

……本当に平和だなぁ。

 

 先程と同じ感想を噛み締めながら、視線を教室の一面、私の前方となる方向へと向けました。

 そこには壁の面積の大半を占める黒い長方形――黒板がありました。

 黒板の前では現在、白いワイシャツに紺色のタイトスカートといった服装の女性が教鞭を振るっています。

 彼女が楽しげに私達へと語りかけるのを聞きながら、私は思わず苦笑してしまいます。

 こんな幸せな平和な時の中、苦笑を浮かべてしまう理由は、

 

……これを平和って感じられるなんて、変なのかな?

 

 昨日までの自分とのあまりにも違い過ぎる差異を感じているからでした。

 きっと昨夜に起きた非現実的な戦いを実体験した結果なのでしょう。

 今までの自分なら気にもせずに過ごしていたはずの日常がとても平和なものに思えてしまうのです。

 ですが、そんな強い違和感を私は別段悪いものとは感じませんでした。

 胸に心地良い違和感を感じたまま、私は昨日の事を思い返します。

 

……いきなり大人の私から助けてって言われて、魔法を知って、"彼"と出会って。

 

 始まりは唐突――いえ、もしかしたら大人の私が活躍する夢を見始めた頃から始まっていたのかもしれません。

 兎にも角にも結果として私は魔法の力を得て、私にとって大切な"彼"との出会いを得る事が出来ました。

 だから悪い気はしません。むしろ良い事だらけなのではないでしょうか。

 そう思えば、この心境の変化は、

 

……うん。悪くはない。悪くはないよね。

 

 そう心中で呟きながら私は黒板へと目を向けます。

 そして爪先で床のタイルを軽く何度か叩きながら黒板に書かれた内容をノートに書き写し始めました。

 

……うーん。

 

 爪先で音を立てないように、しかしこの胸を焦がす火種を抑える為に床を小突きます。

 そんな焦燥感のようなものに駆り立てられた私の脳裏を過ぎるのは、

 

……うー、はやく学校終わらないかなぁ。

 

 などという今まで思った事もない考えでした。

 別に授業がつまらないわけではありません。

 むしろこうして授業を受けて新しい知識を得るのは楽しいと言えます。

 ですが、私の胸の内では今1つの欲求が猛威を振るっていました。

 

 その欲求とは――昨夜出会った"彼"ことユーノ君のことを愛でたいという禁断症状的欲求でした。

 

 どれくらい愛でたいのかと言うと――兎にも角にも凄く、とても、えらく愛でたいのです。

 語彙が足りない気もしますが、言語能力が崩壊する程愛でたいのです。

 太陽を見たり別の事を考えて気を逸らしていましたが、そろそろ我慢の限界です。

 もう今すぐにでも愛でたいのです。すぐさま愛でたいのです。もう辛抱堪りません。

 抱き締めて頬に口づけをしながら愛でたいのです。それで真っ赤になるユーノ君を更に愛でたいのです。

 満更でもない表情なんて浮かべられた日には私もどうしてしまうかわかりません。

 えぇわかりませんとも。

 すぐにその服に手をかけてしまうかもしれませんけど、その後はわかりませんとも。

 我慢の限界を突破したらもう何も怖くない状態で多少アチョー入ってしまうのは間違いありませんが。

 嗚呼、いけません。

 そんな事を考えていたらまた禁断症状が出て来ました。

 

……くぅ、落ち着いて私のユーノ君ラブパワー!

 

 片腕を抱くようにして暴れ出そうとする凶悪な感情を押さえつけます。

 数秒程苦悶の表情を浮かべて腕を押さえていると、漸く気持ちが落ち着きを見せ始めました。

 

「ふぅ」

 

 安堵に吐息を漏らします。

 危なく溢れ出る愛が間欠泉の如き勢いで噴出するところでした。

 両隣りの子達が怪訝な表情を向けて来ましたが笑って誤魔化しました。

 奇怪な行動をとってしまいましたが、ギリギリセーフです。問題はありません。

 などと安心していたら、黒板の前の先生が私に視線を向けている事に気づきました。

 彼女は首を傾げながら心配の色を含んだ表情で私に向かって、

 

「えぇっと、高町さん、大丈夫?調子が悪いんだったら先生に言ってね?」

「あ。はい。ありがとう御座います」

 

 心配する言葉をかけてくれました。

 ですが私は別に調子が悪いわけではありません。

 そう。心配してくれている先生を安心させる為にも強いて言葉を選ぶならば、

 

「大丈夫です。ちょっととある子への愛が漏れ出しそうになっただけなのでっ!」

 

 瞬間、教室の空気が凍りついた――ように感じられました。

 あれ?皆何故か目を見開いてコッチを見ていますが、何があったのでしょうか?

 

「え?愛……?」

 

 声に周囲を見渡していた視線を戻せば、そこでは先生が眉尻を下げた困惑の表情で首を傾げました。

 えぇ。愛です。私の今の言葉に一切の嘘偽りはありません。

 故に私は問い返して来た先生に対して神妙な顔で頷き、

 

「はい、愛です!」

 

 ただ真っ直ぐに両の拳を握って言葉を放ちました。

 対する先生は私の言葉に困惑の表情をフラットに正して、口元に手を当てて何か思案を始めたようでした。

 流石は大人の女性です。私の気持ちをきっと汲みとってくれたのでしょう。

 先生は落ち着いた様子で一度目を閉じると、

 

「……そう」

 

 フッと儚げな笑みを浮かべるとゆったりとした動きで窓の方へと歩き出しました。

 数歩で窓際に辿り着くと先生は窓の縁に手をかけて、空を見上げて、

 

「愛なのね……ふふ、そう。愛ならば仕方ないわね……愛、かぁ……」

「先生!?先生がなんか知らないけど崩れ落ちた!?」

「駄目だったんや!彼氏いない歴イコール年齢の先生に愛とか言っちゃ駄目やったんや!」

「嗚呼!?追撃のせいで先生が窓枠に体を預けてグッタリし始めた!?」

「せ、先生帰って来てェ―――!?」

「メティーック!メディーック!!!」

 

 えぇっと、何があったのでしょうか?

 なんだか先生が燃え尽きて真っ白になってしまっています。

 

……でも、チャンスかな?

 

 干された布団みたいな状態になっている先生には悪いですが、今が好機です。

 今ならば、安心してユーノ君成分を補充する事が出来ます。

 故に私は迷わず行動を開始しました。

 勿論この教室に彼は居ませんが、ユーノ君成分を微量ながらも補充する方法はあるのです。

 だから私はその方法を実践する為に心に言葉を作り、

 

『ユーノ君、聞こえる?』

 

 彼に想いよ届けと願いながら言葉に出さずに語りかけました。

 昨夜得た魔法の力の1つ。離れた相手と言葉を交わさず思念をもって話す技術――念話です。

 私の送った思念への返事はすぐに返って来ました。

 

『あ、は、はい!?な、なにかな、ななな、なのはさん!?』

 

 頭に可愛らしい声が直接響きます。

 どうやら初めての自分からの念話は成功したようです。

 夢から得た知識を元にやってみたのですが、人間やれば出来るものなのです。

 

……あぁ、ユーノ君の声だ。癒されるよぅ。

 

 はふぅと熱を持った吐息を一つ。

 堪えきれず至福の表情を浮かべてしまいます。

 しかしいやんいやんと顔を左右に振って時間を無駄にしている場合ではありません。

 今はユーノ君成分を少しでも多く摂取せねばならないのです。

 だから私は会話を続ける為に、心中で言葉を紡ぎました。

 

『ごめんね。いきなり話しかけて驚かせちゃったかな?』

『あ、いや、今ちょっと洗い物のお手伝いをしてて。少しびっくりしたけど気にしないで』

『え?』

 

 私は彼の放った言葉にはて?と首を傾げてしまいます。

 

『洗い物?』

『うん。今、翠屋っていうお店……ってなのはさんは知ってて当たり前か』

 

 うん、と私は小さく頷きます。

 翠屋は私のお父さんとお母さんが経営するご近所ではそれなりに有名な喫茶店です。

 そんな高町家運営の翠屋で彼が洗い物をしているという事はつまり、

 

『お店のお手伝い、してくれてるんだ?』

『うん。シュテルさんと一緒にね。暫く居候させて貰う身だし、少しは役に立たないと』

 

 午前中はアルバイトの人も予定が噛み合わずにいないらしいから折角だし、と彼は言葉を続けました。

 ふむふむ、と私は彼の言葉に頷きます。

 ちなみに彼の言う通り、彼とシュテルは暫く私のお家に居候する事になりました。

 その過程で魔法や昨日夜遅く出て行って戦闘に巻き込まれた事なんかも全部お父さん達に話したのですが、

 

……意外に皆、すんなりと理解してくれたよね。

 

 説明してくれたシュテルの口の巧さもあったのでしょうが、私の家族の剛胆さも大したものだと思います。

 魔法を見ても、

 

『あらあら、お料理や掃除に役に立ちそうね』

『メニューの幅が広がりそうだな』

『剣術のトレーニングに使える魔法もあるのか?』

『勉強が楽になる魔法とかないかな……!?』

 

 などと何とも平然と受け止めてしまうのですから。

 ちなみに血走った眼でシュテルの肩を掴んでいたお姉ちゃんはお兄ちゃんに粛清されました。

 ともあれ、そんなこんなで魔法の説明を終えたシュテルは続けて昨日の夜に行われた戦闘の事も話始めたのですが、

 

……流石に止められたなぁ。

 

 そんな危険な事に関わるのは許可しかねる、とお父さんには言われたのですが、

 

……"先生"っていう人が居てくれて、助かったよね。

 

 私がどうしてもユーノ君の力になりたいとお願いしたのと、これからは魔法を使える大人の"先生"という人が一緒にジュエルシードを探してくれるという事で何とか、

 

『無暗に戦闘に参加しない。魔法の練習も主に自衛の為にする。夜は出歩かない事』

 

 という条件付きではありますが、魔法に関わる事を許して貰えました。

 ついでにユーノ君とシュテルの居候も許して貰えました。

 ユーノ君は私の部屋に!と主張したのですが、却下されました。神は死んだ。

 

『あれ?なのはさん?大丈夫?』

『……ハッ!あ、ごめんごめん』

 

 いけません。思考が別の方向に飛んでしまっていました。

 えぇっと、今は何の話をしていたんでしたっけ?

 ああそうです。確かユーノ君が翠屋のお手伝いをしてくれているのでした。

 思い出すと同時に、ふーむ、と私は思考を巡らせます。

 

……たぶんユーノ君から言いだしたんだろうなぁ。

 

 恐らくはアルバイトの人が居ない事を聞いた彼はお店が忙しくなると察して手伝いを申し出たのでしょう。

 別段誰に言われたのでもなく、当たり前のように行動に移したのでしょう。

 "私"の記憶の中の彼なら多分そうするでしょう。

 そして、昨夜私を巻き込まない為にたった1人で戦っていた私の記憶にある彼もきっとそうするでしょう。

 そう。未来でも現在でも変わらず彼は、

 

『真面目なの』

『あ、当たり前の事をしているだけだよ?』

 

 返って来た言葉もこれまた生真面目なものでした。

 まぁそこが彼の良いところなのです。

 だから私はからかったりはせず、1度話を別の方向へと逸らす事にしました。

 

『そういえばシュテルは今何をしてるの?』

『えぇっとなんだか桃子さんに何か頼まれておつかいに行ったみたい』

『おつかいかぁ。お店の場所とか大丈夫なのかな?』

『どうだろう……なんか凄い慣れた感じだったし、大丈夫だと思うんだけど』

 

 まるでこの町に何年も住んでいるようだった、と彼は感心したように言います。

 もしかして彼女も昨夜現れた大人の私と同様に未来からやってきたのでしょうか?

 だとしたら、彼女と私は一体どんな関係だったのでしょうか?

 ううむ。気になる事がいっぱいです。帰ったら色々聞いてみるとしましょう。

 と、思うとほぼ同時に鐘を模した電子音が黒板の上のスピーカーから流れ出し始めました。

 授業の終わりを知らせるチャイムです。

 

「せ、先生チャイムが鳴りましたよ!」

「駄目だ!先生グッタリとしたままだよ!誰か復活の呪文を!」

「ザオラル!ザオラル!」

「アンキモ!アンキモ!」

「それ復活の呪文じゃないわよ!?え、えぇっとこういう時は――」

「あ、解った!ささやき、いのり、えいしょう、ねんじろ!」

「私は灰になった」

「「「「せ、先生ぇええええええええええええええ―――ッ!?」」」」

 

 ってうわぁ、先生がクラスメイトの皆に囲まれながら何故か真っ白に。

 えぇっと、一体何があったんでしょうか?

 

「こ、こやつ、原因のくせに何やってるんだろう皆みたいな顔をしてるわ……!」

「なのはちゃん、恐ろしい子……!」

 

 アリサちゃん、すずかちゃんもなんで劇画調になってるの……?

 うーん。ユーノ君成分を補充できたはいいけどなんだかその間に何かがあったようで――、

 

「状況が混沌とし過ぎてて把握出来ないの……」

『原因はお前だぁ―――!?』

 

 

  ●

 

 

 時は流れて生徒の意見が満場一致した叫びが響いてから暫らくの時間が経った頃。

 時刻は昼時。

 とあるファミレスにて、

 

「ハンバーグ、美味いなぁ」

「本当に美味しいですね!ジャガイモはふはふで……」

「いやぁ。こうして見てると本当に子どもねぇ……」

「実際子どもですよ?ちょっと大人びてはいますけどね」

 

 水橋家はのほほんと外食と洒落込んでいた。

 本日も海鳴市は平和である。

 

 

  ●

 

 

 お昼です。

 小学生にとって大切な栄養補給と学友と友情を育む為の時間がやってきました。

 しかし目的の達成は困難――そんな事に、私は今更気づいてしまいました。

 大変です。エマージェンシーです。大問題発生です。世界の危機です。

 

「なのは、どうしたのよ。そんな必死に鞄を漁って」

「大丈夫、なのはちゃん?顔色悪いよ?」

 

 そんな風にそれぞれの手にお弁当箱を持ったアリサちゃんとすずかちゃんがやってきます。

 2人の親友は私を心配した表情を浮かべてくれていますが、私の冷や汗は止まる事を知りません。

 そうして鞄をガサゴソと漁ること数十秒。

 私はゆっくりと顔を上げ、2人へと向き直ると、

 

「……お弁当、忘れちゃった」

「あら、珍しい」

「えっ!?」

 

 沈痛な面持ちで告げると2人ともそれぞれの驚きの顔で言葉を受け止めてくれました。

 うう、いつもはお母さんから直接受け取るのに今日はドタバタしてて忘れちゃったよぉ。

 

「にゃはは。し、仕方ないし、何か近くで買ってこようかな」

 

 この高町なのは、一生の不覚です。

 ですが私の不屈の心はそれくらいでは折れません。まだ半折れ程度です。

 というわけで、ちょっと近くで食料を調達しようと椅子から立ち上がったところで、

 

「ちょっと待った。買いに行くって言っても今の時間じゃほとんどの商品が買い尽くされてるでしょ?」

 

 私へと待ったをかけたアリサちゃんはウィンクしながら続けて、

 

「私達のちょっとずつあげるわよ?ね、すずか」

「うん。それくらいお安い御用だよ」

「2人ともぉ……」

 

 ふふん、と得意気に笑みを浮かべたアリサちゃんに慈愛に満ちた笑顔のすずかちゃん。

 これこそが、ユウジョウ!

 私の瞳には2人がまるで天使の如く映りました。

 やっぱり持つものは親友だよね。

 悪いとは思いつつも私は2人の逆らい難い言葉に甘えさせて貰おうと頷き、

 

「ありがとう、アリサちゃん、すずかちゃん。ごめんね。じゃあお言葉に甘――」

「失礼。駄ナノハはいますか?」

 

 ガラリと開け放たれた教室のドアとその向こうに現れた存在に、言葉を止められてしまいました。

 

「ん、何?なのはに何か用――え゙っ?」

「あれ?なのはちゃんの声が後ろからも――え?」

 

 呆然としていた私の様子を訝しげに思った2人も後ろを振り向き――そのまま固まってしまいました。

 なぜならそこには、

 

「ああ、いましたね。駄ナノハ」

 

 お弁当箱を両手に持ちながらスタスタとこちらへと向かってくる――、

 

「せっかくお母さんの作ってくれたお弁当を家に忘れてしまうとは、まったく……」

 

 私と同じ制服を着たシュテルの姿があったからです。

 

「え?なのはが2人?」

「わわ、そ、そっくり……」

 

 アリサちゃん達が慌てているけども、私の頭の中もそれに負けないくらい大慌て状態です。

 そんな混乱の渦中にいるにも関わらず、原因であるシュテルは知らぬ顔で私に片手に持ったお弁当箱を押し付けてきました。

 

「私の苦労分も味わって食べなさい。さあ、時間も惜しいですし、さっさと行きましょうか」

「あ、えと――ちょ、ちょっと待ちなさいよ!?」

「んんと、あの人は……なのはちゃんの――お姉ちゃん?」

 

 言うだけ言ってさっさと教室の外へと歩き出すシュテル。

 それを追いかけて走っていくアリサちゃん。

 頭上にハテナマークを大量に出しながら首を傾げて私に問いかけてくるすずかちゃん。

 どうして私のお姉ちゃん認定なのかはさておき、

 

……な、なんで。

 

 状況は混乱ここに極まれりといったところでしょう。

 とりあえず私は声に大にして、一言叫びたいです。

 

 なんで学校にシュテルが来てるの―――!?

 




ここまで見てくださった方々に感謝を。

おひさしぶりすぎますね…。
遅れてしまってすまんな。本当にすまん。
半場オタッシャ重点。

ひたすらに仕事まみれの日々ですが、
とりあえず第一部終了までゴリゴリ更新していきたいです…!

かなり久しぶりにSS書いたので短めで雑かもしれませんが、
暫らくはこんな感じになってしまうかと。ぐぬぬ。

それでは皆さんオタッシャデー!
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