Harry And Warriors   作:魅珠

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自サイトに載せていたものをある程度再編しての再掲載になります。


賢者の石
集う破壊者達


 ―――この世界がどういうもので、

この先の未来に何があるか知っていて、

その時から傍観者でいることを決めていたのに、

 

 な の に !!

 

 

 

 彼等は、ソレを壊そうと言った。

 

 

 

 

 

 序章 集う破壊者達

 

 

◇◇◇

 

 

 この世界に転生をして何年になるだろうか。二十四年だ。

 

 戦場で死んだ筈なのに、再び目が覚めたら自由に手足を動かせないわ、言葉は喋れないわで本当に何がなんだかで焦った。

 

 その反面、戦いのない平和な世界に転生していることに安心を感じた。どういう原理で、こんな奇妙な体験をしたのか謎であるが。

 

 スペインの一般家庭で育った私は人生をエンジョイいていた。

 

 前世では、物心ついた時には兵士として育てられ、訓練の日々。お洒落とか、恋とかそんな下らぬものに心を持っていかれる事は許されなかった。

 

 だが今はなんて素晴らしいことか!

 

 普通の女の子として今を生きている。友達だって沢山できた。近所の二十も歳の離れたお兄さんに初恋もした。

 

 そんな楽しい日々は、儚くも十一歳の夏に幕を閉じる。

 

 お母様の書斎にある難しい本を見ていたこともあり、普通の本屋には売っていないだろう奇妙奇抜的な挿絵とか小難しい用語とか薄々感じてはいたけど、こうも突き付けられてしまうと、あれだ。

 

 にっこーり笑顔の両親から私宛に届いた手紙を渡された。

 

 これもまた前世で見たことのあるモノといっても本の中でだが。

 

―――――――――

 

バレンシア州 ベテラ

マリネス通り5番地

 

エステル・アニア・トゥリエル様

 

―――――――――

 

 

「買い物は、いつがいいかしら♪」

 

 ルンルン気分のお母様……貴女、まさか魔女だったんですか。今、聞かされた事実に目眩がした。しかも純血ときた。マグルのお父様、よく結婚できましたね。幼なじみですかそうですか。

 ああ、私の平凡人生よサヨウナラ……

 

 そんな死刑宣告から十四年、私は此処、ホグワーツにて魔法薬学の助手をしていた。決して、あの根暗教授のパシリ的存在ではないことを覚えてもらいたい。

 

 まぁ、他にも変身術、薬草学も助手として手伝っているが。

 

 しかしメインはあくまでも魔法薬学だ。あくまでも。

 それも、もう終わるけど…。

 

◇◇◇

 

 必要の部屋にて。

 

 必要の部屋とは自分の目的に合致した道具や本などが満載の部屋であり、一般には知られていない。「あったりなかったり部屋」とも言われている。

 

 「目的」が変わるごとに、その内装や中にある道具も入れ替わるわけだ。

 

 八階にあるが、普段入り口はただの石壁である。入るためには、壁の前を三回歩き回りながら、自分の目的を心に強く思い浮かべる事が必要だとか。

 

 

「さて、本題に入ろうか」

 

 グリフィンドールカラーのネクタイを緩めながら、少年マリウスは言った。

 

 円形のテーブルには菓子やらバタービールが置かれ、囲むように数人の生徒と教授見習いが座っている。

 

 

 一九九一年六月、終業式前の最後の日。時刻は午後八時のことである。

 

◆◆◆

 

 それは神の悪戯か。

 

 まさか自分に二度目の人生が待っていようとは、思いもよらなかった。

 

 しかも、魔法という非科学的な世界とは笑える。まぁ、悪くもないが。

 

 前世というべきか、そうした仲間たちがいることを知った時は、どんなに嬉しかったことか。

 

 この世界の事は、一通り知っているつもりでいるが何分あやふやなことで不確か。某児童書小説はサラ読みした程度。

 

 そこで、俺は前世の記憶を持つ仲間たちを必要の部屋へと集めた。

 

 人が死にすぎなこの世界を救いたいとか何てエゴイズムか、自覚はしているつもりだが変えるつもりは毛頭ない。

 

 しかし若干一名乗り気ではない人もいるようだが。

 

「不満?」

「……」

 

 

 マリウスの問いにエステルは何も答えない。

 

 俺たちより一番先に、この世界に零れ落ちたエステルは何を思っているのだろうか。

 

「知っていて見殺しにするなんて私にはできないわ」

 

 マリウスと同じグリフィンドールのネクタイをした黒髪の少女マイラは言った。

 

「なぁなぁ」

 

 ハッフルパフの黄色のネクタイを、ただ首から、ぶら下げているのはマラドーナだ。

 

「どうした?」

「俺やユーロ、叢雲やチルドの立ち振る舞いとかってどうすればいいん?」

「正直、悩んでたんだ。それについて」

「ぶっちゃけ一番詳しいのはエステルだけじゃね?」

「まぁ、ね」

「歯切れが悪いぞ、エステル」

「む……否定はしないよ、チルド。でも、私が知るのは原作だ。大きく捩曲げてしまっては意味がないだろう。そうなったら私が持つ原作知識は意味を成さなくなる、違うか?」

 

 確かに一律あるが。

 エステルは、ため息をはく。

 

「私が言うのもあれだけど、あまり派手な動きは止めてくれ」

「でも、俺達はイレギュラーな存在だろう。もう既に此処にいること自体狂い始めてる」

 

 マラドーナの言葉にエステルは、眉をひそめた。

 

「……そうだな」

「素直だな」

 

 叢雲のツッコミで、これ以上話し合うのは無意味と判断したため、とりあえずは、この賢者の石編は大きな行動は起こさないことにしようと今日はお開きになった。

 

◇◇◇

 

 グリフィンドール寮への道をマリリと歩く。

 

「いよいよ始まるんだね」

「ああ、でも実際に行動するのは四巻から…炎のゴブレットからだな」

「私、彼等を助けたい」

 

 会ったこともない関わりのない人間が、そう言うのは可笑しいかな?と、マイラは言った。

 

 確かにここは物語の世界。

 

 でも目の前にいる彼等は、息をしている。動いている。本物の人間なんだ。作り物ではないのだ。

 

「俺たちの出来ることだけをすればいいさ」

 

 今はそれだけでいい。

 

◆◆◆

 

 ホグワーツが夏期休暇に入って一日が過ぎた。だが、しかし助教授である私にはそんな学生のように休みが長くないのだ。

 

 一週間は生徒たちのレポートの採点に追われ、更に一週間は新学期の準備に追われ、また更に一週間は、陰険根暗教授の使いっパシリにされるのだ。

 

「教授ぅー、まだですかぁ?早くこんな陰険なところからでましょうよ」

 

 黒いマントに黒いフードを深めに被りながら言う台詞ではないわな。今いる場所が場所なのだ。

 

 危ない奴らがいる、ノクターン横町。ああ恐ろしい!

 

 そんな私の駄々っ子な言葉に、眉間のシワが三割増しになるセブルス。

 

 個人的に使う研究材料を買うために付き合わされ、かれこれ二時間は経過してるとおもうよ。

 

「貴様はソレを持って先に帰ってもいいが」

「ぬぅー!」

 

 私は荷物運びかい!文句を言ってやろうにも一応、先輩なので口をつぐむ。悔しい。

 

「幸運の液体(フェリックスフェリシス)の材料を手配しといてやらんでもない」

「はい!荷物運びでも何でも喜んでいたします!!」

 

 高いんだよ幸運の液体の材料。これから先に起こるであろう様々な危険から、そのために必要なのだ。

 

 そんなの必要の部屋を使えばいいと思うが、やはり自分で作ってみたい。スラグホーン教授から昔頂いたことがあるが、ある人にあげてしまったため実際に試していない。

 

 材料が激高なうえ調合にかなりの時間を費やすという。

 

 はぁ……というか荷物なんて魔法で一振りすればいいんじゃ?

 

◇◇◇

 

 セブルスと別れた後、即行でダイアゴン横町のアイスクリームパーラーへ立ち寄る。

 

 ここのチョコミントアイスが1番のお気に入りなのだ。

 

 

 

「こんにちは、フローリアンさん。いつもの頂戴」

「おや先生こんにちは、わかりました暫くお待ち下さい」

 

 夏休みとあってか人通りも多く活気づいている。教科書を買いにきた生徒たち、新入生たち。

 

 若いっていいねぇ。

 

 

 おや、赤毛の集団が前を通ったが、ヴィーズリー家はこちらに気づくことなく通りすぎていった。今年はロン君が入学だっけ。

 

(実感が湧くというか、いよいよというか……)

 

◇◇◇

 

 新学期まで二週間。校長の召集により、ホグワーツで働く全教員と管理人が集められた。新任された先生の紹介だ。

 

 アルバスの横に一年振りに見た顔だが、最後に見た時よりも人格が変貌してないか?おどおどしてるし。

 

 クィリナス・クィレル

 

 闇に堕ちた憐れな人。

 

 今年から闇の魔術に対する防衛術を教えるクィレル先生だそうで。

 

 あのターバンの下にある寄生卿を妄想したら危うく吹きそうになった。

 というか、絶対ハゲだよね。髪の毛はどこいった。

 

 どもりが酷いし、性格変わったなぁなんてアルバスは、お見通しだろう。勿論、私もだ。

 

「(臭い)」

 

 クィレルから漂うニンニクの香りに顔をしかめた。

 

 

 




登場人物紹介

エステル・アニア・トゥリエル(24)
スリザリン寮出身
外見:シルバーブロンドのボブヘア、瞳は灰色、肌色は日本人に近い。白に近い褐色。
イギリス人(母)とブラジル人(父)のハーフ。母は純血、父はマグル。二人ともホグワーツOB
杖:梅の木、白鳥の羽 アニメーガス:?


マリウス・リベルタルジ(12)
グリフィンドール生
両親ともマグル
マリリと二卵性の双子、生粋のイギリス人
特技分野:バイオリン、防衛術
外見:深い青色(染め)で七三分け、碧翠色の瞳
杖:桜の木、孔雀の爪


マイラ・リベルタルジ(12)
グリフィンドール生
マクベスと二卵性の双子、生粋の(略)
特技分野:ピアノ、変身術
外見:黒髪ショートヘアにダークレッド色の瞳(アルビノ混じり)、マリウスより色白
杖:桜の木、孔雀の涙


マラドーナ・リッツ(15)
ハッフルパフ生
今年度監督生
クィデッチビーダー
特技:ギター、呪文術
外見:髪色ブラウンの長髪、普段は三つ編みにしている、金色の瞳
杖:蝦夷松の木、鷺の尾羽


チルド・レヴユン(14)
レイブンクロー生
非純血主義、純血名家レヴュンの次期当主
特技:変身術、魔法薬学
外見:セミロングの黒髪、黒色の瞳
杖:欅の木、朱雀の嘴 アニメーガス:鷹


ユーロ・アルテミス・ヴェルダ(16)
レイブンクロー生
貴族出身だが純血主義を嫌う名家の生まれ、両親ともに純血
杖:銀杏の木、大虎鶫の尾羽


アシュアランス・叢雲(13)
グリフィンドール生
日本人とアメリカ人のハーフ
二代目悪戯仕掛人、クィディッチ チェイサー補欠
杖:雪椿の木、ケツァルの羽
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