パズル&ドラゴンズ 〈Prism Walker〉 作:DOFO
「そういえばマスターってなんで追いかけられてたんですか?」
「ああ、それはな…」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ふぅ…今日もいい果実が採れたぜ」
森の奥深く、日が上がってからそれほど経っていない頃、ネフィは木についている果実をとっていた。その果実をリュックいっぱいに詰めるネフィ
「こらー!ネフィ!久しぶりに帰って来たと思ったらまた勝手に私の家の果実取ってきて!」
そこへ緑龍、ファフニールがやってきた。この森の主である
「少しぐらいいいだろ〜」
ネフィはファフニールの言葉を気にせず次々と果実をリュックに詰め、リュックがパンパンになった
「あなたは勝手に取りすぎなのよ!今日という今日は許さないから!」
ファフニールはネフィに向かって体当たりをしてきた。ファフニールの鋭い角がネフィを襲う
「おい!ちょっとまて、今日は武器も何も持ってきてないんだ!そんな攻撃防げねぇよ!」
ネフィはファフニールから逃げ出すように走った
「そんな言い訳は通用しません!ガイアブレス!」
「危ねっ!」
ネフィは飛び跳ねて木の枝に掴まり、ブレスを避けた。ネフィは反動を利用して飛び跳ねた
「こらー!待てー!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「と、言うことだ」
「マスターが全部悪いんじゃないですか!」
サクヤはネフィに怒った。悪かったな
「まあまあ、そんなに怒んなよ、説教くらうのはやだなんだよ」
ネフィはサクヤを宥めた
「もう、やめてくださいよ!」
「分かったって」
サクヤは落ち着くとネフィに質問をした
「そういえばマスター、これから行く町ってどんな所なんですか?」
ネフィは背中のリュックから果実を取り出し食べた
「ああ、俺の故郷だ」
しばらく歩いていると看板を見つけた
そこにはLhantと書かれていた
「着いたぞ、ここが俺の故郷、ラントだ」
町の入口からは五階建ての建造物や噴水などが見える。人口もそこそこだ
「ずいぶん大きな町ですね」
「ここは水が美味いし自然も豊かな場所だ、電気も電波もしっかり通ってるから俺はこの町が一番過ごしやすいと思ってるよ」
「そうなんですか」
そこへ、ネフィ達の元に一人の男が駆け寄って来た。
「おお、ネフィ帰って来てたのか!」
「昨日の夜、帰ってきてたよ」
唯斗は少し呆れた感じで言った
「それなら早く言ってくれればよかったのに」
「お前は昨日酒を飲んでただろ、折角探してやったのに酔いつぶれてて起こしても起きなかっただろ」
「へへ、悪いな」
ネフィが男と話してるとサクヤはネフィに訪ねた
「マスター、この方は誰なんですか?」
「ああ、紹介するよ、こいつは…」
「うぇ!?サクヤ!?」
男は驚いた口調で言った
「ああ、実はな…」
「俺の名は唯斗、よろしくな!」
男は先程の態度とは変わり、サクヤに挨拶をした。ネフィは少し呆れた顔をした
「まさか、四神を統べる神に会えるなんて、今日はついてるなー。よし、今日は朝まで飲み明かすか!」
「あ、あはは(汗)別にそう呼ばれているだけであって司る威厳なんてありませんよ」
サクヤは少し苦笑いになった
「こら、俺が説明しようと思ったのにお前はな、失礼だぞ」
「まあまあ、気にすんなって」
「てか、買い物にでも行ってたのか?」
ネフィは唯斗が持っていたネギがはみ出たエコバッグを見た。挽肉や玉ねぎ、じゃがいもなどが入っていた
「ちょっと買い出しにな」
「他のやつに任せればいいのに」
「今はちょっといないんだよ、それに買い物のついでにお前に会えるかと思ったからな」
「俺はついでかよ」
ネフィは少し呆れた様子をした
「そういえばお前、いつまでここに残るんだ?」
唯斗はネフィに尋ねた
「一週間くらいかな」
「そんな短けぇのかよ、もうちょっと居ればいいのに」
唯斗は少し残念そうな顔をした。ネフィはちょくちょく旅をするくせがある
「まあ、サクヤにも町の中を回らせたいんだがもっと旅がしたくてな。サクヤを置いていってもいいがまだ日が短いしな」
「そっか、まあ、頑張れよ」
唯斗はまたいつものことかと言うような顔をした
「そうだ、お前オオクニヌシの所に行けよ、会いたがってたぞ」
「そうだな、まだ会ってなかったしな」
「後で俺の所来いよ、ご馳走してやるからな」
唯斗はエコバッグをネフィに見せつけた、今日はカレーだろうか
「まあ、気が向いたらな」
「じゃあな」
唯斗は手を振り、走り去っていった
「あの、オオクニヌシって言ったらあの国作りの神、オオクニヌシですか?」
「ああそうだが?」
サクヤは不思議そうに尋ねた。オオクニヌシはこの街の市長のような存在だ
「どういったお知り合いなんですか?」
「まあ、俺の生きるすべを教えてくれた人、師匠みたいな人だ」
サクヤは少し驚いた顔をした
「そうですか、意外でした、気が抜けた人にしか見えませんでした」
「俺をなんだと思ってるんだ」
《オオクニヌシ宅》
サクヤは上を見上げた
「うわー、凄い大きいですね」
「あの親父、また家を大きくしたな」
その家は城をすこし小さくしたような建物をしており、周りは塀で囲まれていた
「お前が何処か行く度に暇になるんでな」
そこに国造の神・オオクニヌシがやってきた。サクヤはオオクニヌシを見てあいさつをした
「こ、こんにちは」
「まあ、そんなに緊張せずとリラックスしなさい」
「は、はぁ」
サクヤは少し落ち着いた様子をした
「おいオオクニヌシ、そんなに暇なら神の円卓会議に俺を使わせずに顔をだしたらどうだ?」
ネフィは少し機嫌が悪そうに答えた。ネフィはオオクニヌシに向かってリュックから出した果実を投げた
「なんだネフィ。そんな顔して、歳とったか?」
オオクニヌシはその果実をキャッチした
「そりゃとるよ」
ネフィは冷静に答えた
「今の時代、テレビ通話とかでも会議なんて出来るぞ?」
「神の円卓会議にテレビ通話は使わねぇよ!」
【円卓会議・・・それは神が半年に一回開く会議であり、この半年間で起こった事を話したりして対策を練ったりイベントなどの企画などをしたりする会議である】
ネフィはこのままでは本題に入れないと思い、話しを変えた
「やつがここ数年以内に動くそうだ」
オオクニヌシはさっきとは別に、真剣な表情になった
「……やはりか」
「ここもやばくなるそうだぞ」
オオクニヌシは表情を緩めて少し笑った
「まあ、想定の範囲だな」
その間、サクヤは少し戸惑っていた
「あの、マスター、やつってまさか…」
ネフィはサクヤの頭を撫でた
「サクヤは気にすることはない、神達が失敗しただけのことだ…」
「まあ、こんなところで話すのもなんだから中に入って旅の土産話しでも話そうや」
オオクニヌシは話しをそらし、ネフィ達を家へ誘い出した。朝から走っては長歩きして、立っているのも疲れてきたところだ
「悪いな、唯斗と飯食う約束してるんだ」
「じゃあ、また明日来な、新商品の味見もしてもらいたいし」
「俺は毒見かよ」
ネフィはオオクニヌシに別れるを告げることにした
「じゃあ、いきましょうか」
「おう」
オオクニヌシは自宅へ歩こうとしたとき
「あっ、ネフィ」
何か思い出したかのようにネフィを呼び止めた
「なんだよオオクニヌシ」
ネフィはめんどくさそうな素振りをした
「いい相棒、見つかってよかったな」
予想外の言葉だったのか、ネフィは少し真剣な顔をした
「じゃあな」
「おい、オオクニヌシ、まて!… はぁ…」
オオクニヌシは果実を食べながら自宅へ向かって行った。ネフィはため息をついていた
「マスター?」
「おっと、すまんサクヤ、じゃあ行くか」
「?はい…」
オオクニヌシの家から40分ほど歩いて唯斗の家についた。唯斗が家の前で椅子に座ってタバコを吸っていた
「遅かったな、晩飯に間に合ってよかったぜ」
「悪いな、商店街通ってしまったら色んなやつに話しかけられて」
ネフィはリュックを肩から降ろした
「マスターってあんなに知り合いが多いとは思いませんでした、てっきり唯斗さんとオオクニヌシさんだけかと」
「だから俺をなんだと思ってるんだ」
そうこう話していると美味しそうな匂いがしてきた。夕飯が出来たようだ
「マスター、夕飯ができましたよー」
家の中から女性の声が聞こえた
「おう、今行く。さっ、入ろうぜ」
ネフィ達は唯斗の家の中へと入っていった。そこには唯斗のモンスター、戦乙女・プリンセスヴァルキリーがエプロン姿で鍋を運んでいた
「おお、ヴァル久しぶりだな!」
「ふふ、お久しぶりです。今回はもう帰ってくるなんて早いですね」
「オオクニヌシのお使いに行ってただけだからな」
サクヤはヴァルキリーにあいさつをした
「あっ、私サクヤって言います」
「マスターから聞いてますよ、私はプリンセスヴァルキリーです」
ヴァルキリーは鍋を机の上に置き、鍋の蓋を開けた。美味しそうな匂いがする
「おお、今日はシチューか」
「ヴァルー、早くヴァルのシチュー食べたいよー」
唯斗は子供のようにはしゃいでいた
「マスター、慌てないでください。今分けますから」
ヴァルは全員のお皿にシチューを分けた
「では、皆さん姿勢を正して」
『いただきます』
ネフィは皿に乗ったシチューをスプーンで口にした
「おっ、ヴァル、また上手くなったな」
「ふふっ、ありがとうございます」
「ヴァルの料理は世界一なんだからな!当たり前だ!」
「本当に美味しいですね」
サクヤはヴァルキリーの料理の美味しさに驚いた。その時、ネフィはサクヤの耳に小声で話した
「…サクヤ、実はな俺が最初招かれた時に作ってもらったヴァルの料理はな、超絶まずかったんだ」
「本当ですか?」
サクヤは意外そうな顔をした
「ああ、実は俺と唯斗がな…」
その時、唯斗の形相がさっきとは比べ物にならないくらいの顔に変わった
「やめろー!その話しはするなー!」
ネフィとサクヤは唯斗の叫び声にビクッとなった
「ハァ…ハァ…」
「マスター…大丈夫ですか?」
唯斗が息切れをした。顔色も大分悪くなった。ヴァルキリーは唯斗の背中を摩ってあげた
「あ、ああ…悪い…」
スーハースーハー
「ま、ああいうことだ」
「...なんだかよくわかりました」
みんなは食事を終え、ヴァルキリーが食器を片付けに行った
「あっ、私も手伝います」
サクヤはヴァルキリーに駆け寄って来た
「あらっ、別にいいのに」
「いえ、色々話したいこともありますし」
「そう?じゃあお言葉に甘えて」
ヴァルキリーとサクヤは食器を運んで行った
「なあ、唯斗」
「なんだ我が相棒よ」
「俺はいつからお前の相棒になったんだ」
「20年前」
「俺達、生まれてないぞ」
ネフィは呆れた表情をした
「あいつは元気にしてっかな」
唯斗は昔の話しを持ちかけた
「…さぁな」
ネフィはリュックから紙袋を出して、唯斗に渡した
「ほらよ、土産だ」
「おう、サンキューな」
唯斗は紙袋を受け取った
「なかなか手に入らなかったから感謝しろよ」
「わかってるって」
唯斗は少しヘラヘラしていた
「で、次は何処に行くんだ?」
唯斗はネフィに訪ねた
「これから長旅になりそうだ」
「そっか…」
唯斗は少し残念そうな顔をした
「じゃあ、久しぶりに俺も旅に出るか」
「そっか。俺は東側を目指すけど、お前はどうするんだ?」
「それなら俺は途中まで一緒に行くか、大都市に行くんだろ?」
「まあな、色々と情報が欲しいし」
「お前がサクヤを相棒にして帰って来るとは思わなかったぜ」
「転んだ時につまづいたのが石じゃなくて卵だったんだよ、ただそれだけだ」
ネフィはむすっとした顔になった
「なんだそりゃ」
唯斗は相変わらずへらへらしていた
「それでお前は誰と行くんだ?」
「勿論ヴァルさ!」
「だろうな」
唯斗が笑みを浮かべた
「あと、実はな四日前天使が降ってきたんだ」
「天使?」
ネフィが疑いのある声で行った。天使とはどういったものだろう
「ああ、三日後みんな帰ってくるから見ておけよ」
「わかったよ、あっそうだ」
ネフィは急に思い出したかのように答えた
「明日、お前の所のヴァルにこの町をサクヤに案内してもらいたいんだがいいか?」
「別に俺はいいぜ、俺が悲しくなるだけだからな」
唯斗は平然とした顔をしたが言葉と顔が噛み合ってなかった
「お前は悲しいのかよ」
唯斗は椅子から立ち上がった
「だってよ!ヴァルいないと寂しいじゃん!俺ん家誰も居ねぇんだぞ!」
「よかったじゃねぇか、いつもうるさいとか言ってたじゃねぇか」
「落ち葉も山の賑わいって言うだろ!いないと寂しいんだよ!ヴァルー!」
唯斗は泣いた。しらんがな
「明日は俺と一緒に釣りに行こうな」
ネフィは唯斗を慰めた
「ええー、野郎と二人かよ」
「こいつ殴りてぇ」
そこへ片付けを終わらせてきたエプロン姿のサクヤがやってきた
「マスター、片付け終わりました」
「そっか。サクヤ明日はヴァルにこの町を案内してもらえ」
ネフィはサクヤの肩をぽんっと叩いた
「はあ…」
「唯斗もちゃんとヴァルに話せよ」
「うぅ…」
唯斗はまだ泣いていた
「サクヤ、俺ん家に案内するよ」
「わかりました」
唯斗の家から数分のすぐ着く所だった
「結構大きいんですね」
「部屋はほとんど使ってないがな」
ネフィ達は家の中へ入り、二階へ上がって行った。
「ここがサクヤの部屋だ」
「ん?」
サクヤは何かが気になった
「マスター、ここって誰か使ってたんですか?なんだか生活感がありますね」
棚に書籍や魔道書などが置いてあったり、たまドラの人形が置いてあったりしている。女子部屋のような雰囲気だ。以外とホコリが少なく、放置されていたわけでもなさそうだ
「あー、まあ気にしなくてもいいよ」
「マスターに仲間でもいたんですか?」
サクヤは少し笑いながら冗談ぎみで言った
「まあな、ここは最初の…俺の相棒と言えるやつが住んでたんだ」
「…そうですか、すみません」
サクヤはネフィに謝った
「いいんだよ、あいつだって今頃王様になってるんだから」
「王様!?」
ネフィから出た言葉にサクヤは驚いた
「まあ、気にすんなって」
「き、気になりますよ!」
サクヤはネフィの言葉が凄く気になっていた
「いいだろ、昔のことなんか」
「うぅ…」
サクヤは悔しがってた
「明日はヴァルが案内してくれるから早く寝な」
「はあーい」
サクヤは返事を返した
「じゃあ、おやすみ」
「はい、おやすみなさい」
ネフィは部屋の扉を閉めた
次話はヴァルとサクヤの町紹介です
ネフィと唯斗のエピソードが聞けるかも?