とある魔術の禁書目録 ~変わらない笑顔で~   作:桐生 乱桐(アジフライ)

11 / 79
またもや長くなってしまいました

相も変わらずですがどうかご容赦を

また誤字、脱字があったら気兼ねなくご報告を

では#7、どうぞ


#7 幻想御手<レベルアッパー>

懐かしい夢を見た気がする

 

それは先日の強盗事件を解決して、今度はアラタが黒子の担当となった巡回のとある日の事

先日の一件を経験して初春と二人で一人前になると宣言して以降、独断専行はだいぶ減っていき、ようやっと頼りになれる後輩になってきた気がする

 

「さて、今日はこんなもんでいいか…たまには俺も先輩らしくしないとな。おい、なんか食いたいものとかあるか?」

 

「アラタさんの経済状況を言ってしまえば、あまり奢られたくないですけどね…」

 

苦笑いと共にそういう黒子

ぶっちゃけ黒子に言われる通り金欠なのだが

 

「いいんだよ。…もうすぐお前も常盤台に行くんだからさ。入学祝い的な奴だよ」

 

「ふふ。そういうことにしといてあげますわ」

 

そんな事を言い合いながら黒子と共に歩く道すがら

まだ小さいころ、アラタも先輩の風紀委員と巡回していたころを思い出す

…その頃は自分に秘められていた力の事を知らず無邪気に振る舞っていたものだ

 

「…アラタさん」

 

歩きながら黒子が思い出したように問いかける

 

「ん?」

 

「どうしてあの時、わたくしを助けてくれたんですの? あの時はまだわたくしとも面識がなかったですし…無駄に首を突っ込まなくてもよかったんじゃ―――あたっ」

 

言葉の途中でポカリと頭にゲンコツを喰らった

軽い痛みと唐突なその衝撃に黒子は頭を押さえきょとんとした顔になる

そして自分を見やるその瞳は少しばかり怒っているようでもあった

 

「…二度とそんな事言うな。誰かを助けるのに、理由なんているか? お前も誰かを助けるのに、理由なんか選ばないだろう?」

 

「それは…そうですけど…あだっ」

 

そしてまたポカリと叩かれる

 

「どもるな。そこは言い切ってくれ。…あんとき犯人に啖呵切ったお前、かっこよかったんだぜ?」

 

「…え?」

 

「真っ直ぐ自分の信じた道は曲げない。…小学生なのに良い事言うな、おい」

 

そして今度は頭をわしゃわしゃと撫でる

わしゃわしゃと撫でながらアラタは続けた

 

「お前と初春は、今のところ二人で半人前だ。…はやく一人前になって、俺たちの背中を預けられるくらいにはなってくれよな」

 

ひとしきり頭を撫でた後、アラタは黒子の背中を優しく叩いて前を歩く

その背中は大きく、どこか優しさを纏っていた

 

(鏡祢…アラタ先輩)

 

思えば彼は無能力者(レベル0)と聞く

なのに能力者相手に堂々とした戦い方でいずれも圧倒してみせている一七七支部の実力者…

定例会等には出てくれないことが固法先輩の悩みらしい

 

どうしてあの人はああも強いのだろうか

あの人が能力者相手に圧勝している様を見ていると能力なんて関係ないのではと思ってしまうくらいだ

その強さに憧れると同時に強く黒子は惹かれた

そしていつか、あの人の隣に凛としていられるような風紀委員でありたい

 

「アラタさん、いえ、お兄様」

 

「は?」

 

「あら。いいではありませんか…年齢的にも妹ではありませんか」

 

「言ってる意味が分かんないだけど」

 

「構いませんわっ、わたくしに何か奢ってくれるのでしょう? わたくし今日は珍しく甘いものが食べたいですのっ」

 

◇◇◇

 

そんでその後はコンビニにで言ってアイスを買ってあげて黒子にやったのだが

 

「…今じゃすっかし慣れたけど…」

 

なんでお兄様なんて言うようになったのだろう

…まぁ気にしたって仕方ないか

 

「とりあえず、今は目の前の事件の整理整理っと…」

 

ベッドから起きてアラタは制服に身を通す

一人部屋の中で考えるのも寂しいのでアラタは外に出て歩きながら考えることのにした

 

 

一人道を歩きながらアラタは考えた

それは先日、殴り飛ばした虚空爆破事件の犯人、介旅初矢の事だ

昨日目の当たりにした爆発の威力はどう見積もっても大能力者(レベル4)相当だ

しかし書庫(バンク)に入っているデータをいざ見てみると介旅初矢は異能力者(レベル2)であることが発覚した

 

しかし自分が体感した爆発の威力は間違いなく大能力者ほどの力

短期間で急激に成長したか、同じように何らかの手段で自らの強度(レベル)を上げたのか

 

「考えられるとしたら、後者だな…」

 

数日前に天道から聞かれた言葉が頭の中で再生される

使用することで能力が上がるという夢のようなアイテム

 

幻想御手(レベルアッパー)

 

そんなものが本当にあるとは思えない

しかし異能力者のはずの介旅が大能力者相当に力を行使してる以上、否定はできないのだ

ふむぅ…と考え込むアラタの耳に聞きなれた声が届いてきた

 

「おーい、アラター」

 

「…ん?」

 

声の方向に視線を向けるとそこには美琴が手を振っていた

その隣には黒子もいる

アラタはそれに少し笑みを浮かべて美琴たちの方に向かって走って行った

 

「アラタもなんか考えてた感じ?」

 

「え? …なんでわかった?」

 

その一言に黒子がくすくすと笑いながら

 

「お兄様ったら、遠目からでも悩んでるって丸わかりでしたわよ?」

 

「…そんな顔に出てたのか?」

 

「ええ、そりゃもうはっきりと」

 

これは少し恥ずかしい

確かにものすごく熟考してはいたがそこまで顔に出ていたとは

 

「煮詰まってるなら、一度休んで頭切り替えましょ」

 

そんな言葉と共に美琴はふれあい広場のとある一角を指差した

その先にはちりんちりん、と風流な音と一緒にそよぐ氷の文字が

 

◇◇◇

 

「黒子は?」

 

「お姉様と同じものを。お兄様は?」

 

「俺も一緒でいいや」

 

美琴が財布をいじってる中、徐にアラタはちりん、と音を鳴らす風鈴を見やる

時折吹く風に小さく揺れ、涼しい音色を奏でていく

人間というものは不思議なもので、夏にこういった音を聞くとどこかしか涼しい気分になってくる

 

「…こういった音って、ほんと不思議だよなぁ」

 

「あぁ。共感覚性って奴?」

 

「…共感覚?」

 

疑問に思って聞き返そうとしたときタイミングよく店員さんが三つのイチゴ氷を差し出してきた

 

「どうぞー、イチゴ三つですね」

 

目の前の冷たい食べ物に黒子は少し目を輝かせる

美琴もそのイチゴを確認しながら再び小銭を探すべく財布に目をやりながらアラタの疑問に答えていく

 

「一つの刺激で、複数の感覚を得ることよ。…あ、ここ、割り勘だからね?」

 

「…え?」「…え?」

 

 

「つまりさ、赤い色を見たら温かく感じたり、逆に青い色を見たら冷たく感じたりするでしょう?」

 

「暖色、寒色とありますものね」

 

比較的日陰の多いベンチにて

かき氷をつまみつつ美琴による共感覚性講座中

語り方も分かり易く、聞いていて楽しいものがある

 

「となると、このかき氷も赤だな。イチゴの赤」

 

赤いシロップに果物のイメージを追加しているこのかき氷も立派な共感覚だ

 

「そゆこと。…ん~…!」

 

ぱくりとかき氷と口に入れ夏特有な状態になる美琴

やはり夏、それにかき氷と言えばそんなコンボは外せない

ちなみに別にかき氷でなくとも冷たい食べ物なら夏特有状態になれるのだが

 

「お姉様ったら…。…ん!? ん~…!?」

 

最初こそ苦笑いだった黒子だが少し量が多かったらしく、美琴以上の刺激に襲われているようだ

その証拠に彼女のトレードマーク(?)であるツインテールがなんかそれぞれ三つに分かれているほどである

 

「…ん~…、夏って感じがしていいね」

 

言っているアラタ自身も軽くそんな状態になりつつそう呟く

スプーンを持っている手で額に当てながら彼は白い雲の多い空を見上げる

ゆっくりと動くその雲は相変わらず自由だ

 

「御坂さーん、白井さーん、アラタさーん」

 

すると前の方から恐らく学校帰りの佐天が通りかかった

カバンを両手に抱え、彼女はこちらに歩み寄ってくる

 

「佐天さん」

 

「それ、美味しそうですねっ」

 

 

そんなわけでそのメンバーに佐天を交えて再びかき氷をつつく

ちなみに彼女はレモン味

そして例によって彼女も夏特有状態を満喫中である

 

「ん~~~!」

 

目を閉じながらバタバタと足をばたつかせる佐天

 

「それって、もはや夏の風物詩よね」

 

「わかってるけどやりたくなるもんな」

 

「あ! わかってくれますかアラタさんっ! …あ、御坂さん、それってイチゴ味ですか?」

 

「うん。よかったら一口どう?」

 

「あ!いいんですか?」

 

その一言を聞いた途端何故だか黒子の顔が驚愕に変わった

まるで何をしていらっしゃるのかお姉様、といいたげな表情

 

そんな黒子の心境を知ってか知らずか美琴は佐天の口元に自分のスプーンを持っていかせ食べさせる

そしてそれを口にして「んー…美味しいっ」と感想をもらしながら自分のかき氷をスプーンで崩しながら

 

「お返しにレモン味食べます?」

「ありがとう」

 

そう言って美琴は佐天の差し出したスプーンをぱくりと一口―――

 

「あああああっ!!?」

 

その瞬間に聞こえた黒子の絶叫

訳が分からず美琴は佐天のスプーンを口にくわえながら佐天と一緒に黒子の方を見る

当の黒子はぱくぱくと唇を動かし、わなわな震えている

 

「…どうした黒子」

 

「い、え…な、なにをしてるんですの…!?」

 

「…変な事聞くな? 見ての通りだろう、なぁ」

「え、えぇ…食べ比べ…」

 

アラタの問いかけに佐天は少しどもりながらそう応える

対する黒子は相も変わらず口をパクパクとまるで餌を食べる金魚のようだ

やがて何かを悟ったような表情をし、なにを思い立ったのかいそいそと美琴の前に立って自分のかき氷を一さじすくうとそれを差しだし

 

「そ、それではお姉様…わたくしとも関節キ―――もとい食べ比べを―――」

 

「お前美琴と同じイチゴだろ」

 

「…」

 

フリーズ黒子

直後自分の頭を地面にめっさ叩きつけながら

 

「馬鹿バカばか!! 黒子のばかっ!!」

 

…そっとしておこう

 

◇◇◇

 

「ところで佐天、今日初春はいないのか?」

 

ひとしきりかき氷を食べ終えてかねてから気になっていたことをアラタは聞いてみた

今日あってからもそうだが普段一緒にいる初春の姿がいないのだ

それを聞かれた佐天は「はは…」と苦笑いを漏らしながら

 

「夏風邪ひいて、今日休んでるんです。それであたしは、これから薬を届けに」

 

そう言って佐天はカバンからかさり、と紙の袋を見せる

それはよく病院とかで処方される風邪薬だ

 

「かなり悪いの?」

 

「大したことはないらしいんですけど…やっぱり、心配ですしね…」

 

美琴の問いにその風邪薬を見ながら佐天は呟く

すこしして佐天はハッとしたように美琴たちの方へ顔を向ける

そして申し訳なさそうに

 

「…あの、もしよかったら」

 

◇◇◇

 

「ってことで! お見舞いに来ったよーん!!」

 

「お邪魔しまーす」「お邪魔いたします―」「お邪魔します―」

 

佐天に連れられて一行は初春の寮へと訪問していた

あの時佐天に頼まれたのは一緒に初春にお見舞いに来てくれないか、というものだった

別に断る理由もないしそもそも友人の頼みを無下には出来ないので三人は快く承諾、案内され現在、三人は居間に腰を下ろしている

初春は今二段ベッドの上に寝ており、佐天が梯子を上って初春の熱を測っている最中である

 

「すみません、わざわざ…」

 

「気にすんなって。ちょっと動かないで…」

 

佐天は初春の耳に体温計を当て、彼女の現在の夏を測定する

一昔前はよく脇に当てて測定していたものだが最先端科学都市なこの学園都市ではそんなすごい体温計が出回っているとは知らなんだ

 

「三十七度三分…。まぁ微熱だけど、今日は一日寝てること。もーお腹出して寝ちゃだめだよー」

「佐天さんが私のスカートめくってばっかいるから、冷えたんですよ…」

 

その言葉に一瞬頬を赤くするも佐天はすぐ調子を取り戻し

 

「いやぁ、そりゃあだって、親友として初春がちゃんとパンツ履いてるか、気になるじゃないですか。ねぇ?」

 

直後がばぁ!!と初春が勢い良く起きる

 

「ちゃんと履いてます!! 毎日!」

 

「はいはい分かったから…。病人は寝て寝て」

 

美琴に笑み交じりでそう諭された初春は少しだけむっとしながらいそいそとまた横になる

ていうか男がいるこの状況の中そんな話題は避けるべきなのでは、とも思った

その後佐天が冷たいタオルを作成するべく台所に行ったとき再び初春が口を開く

 

「そだ白井さん、アラタさん…、虚空爆破(グラビトン)事件の方、何か進展ありました?」

 

「んー…正直言えばどっちとも言えないんだよなー」

「そうですわねぇ…分かったことといえば。あの犯人の強度(レベル)異能力者(レベル2)だということだけ…」

 

しかし酷使していた力は間違いなく大能力者(レベル4)クラス

…考えれば考えるほどわけの分からない無限ループに陥ってしまう感覚だ

ふむぅ、と考え込む黒子とアラタの姿を見て美琴は思い出したように冷水タオルを作ってる佐天に言葉を向けた

 

「そういえば佐天さん、前に幻想御手(レベルアッパー)がどうとかって言ってなかったっけ?」

「…はい?」

 

◇◇◇

 

「能力の強度を上げるぅ!?」

 

開口一番そんな声を上げたのはリアリストな黒子である

対面に座った佐天は「いやぁ…」と手を振りながら

 

「あくまで、噂ですって。実態がわからない代物ですし…」

 

「実態が分からない?」

 

美琴の問いに佐天は「そうなんです」と言いながら言葉を続ける

 

「噂も中身もバラバラで、本当に都市伝説みたいなものなんですよ…」

 

「んー…やっぱりそううまくはいかないかぁ…」

 

「いや、その線も捨てきれないぜ?」

 

そう佐天と美琴の会話に乗り込んだのはアラタだ

?と顔に浮かべてこちらを向く二人にアラタは続ける

 

「や、書庫(バンク)に登録された強度(レベル)と、被害状況に食い違いがあるケース…今回だけってわけじゃないんだ」

 

え? と二人はアラタの会話に耳を傾けた

 

「常盤台眉毛事件…、黒子が捕まえた発火能力者(パイロキネシスト)…俺たちが知ってるだけでも、もう二件」

「それ以外でも強度(レベル)と被害状況に差がある事件が発生していますの」

 

今まで正直半信半疑だった幻想御手(レベルアッパー)がまさか肯定された瞬間だった

それまで実在しないのではないか、と言われるユーマにでも会ったような気分に佐天は少し眩暈がした

そして呟く

 

幻想御手(レベルアッパー)て、マジモンなんですか…?」

 

「佐天さん、幻想御手(レベルアッパー)について他に知ってることはない?」

「え!? えっとぉ…、ほんとかウソか分からないんですけど…幻想御手(レベルアッパー)を使った人たちが、ネット掲示板に書き込んでるとか…」

 

「その掲示板がどこか、分かるか?」

 

アラタに言い寄られ佐天は懸命に記憶の中を巡りそのサイトがどこか思い出そうとする

そんな時ベッドの方からカタカタとタイピングを叩く音がした

 

「これじゃないですか?」

 

そう言って初春がベッドから少し身を乗り出しパソコンの画面を見せる

そこにはチャットと思わしきネット掲示板が

その画面を見て佐天は思い出したように

 

「あ、そこそこ!」

「お手軽ですわ初春!!」

 

一気に事件が進展する

あわよくば事件が解決できれば万々歳だ

 

「これであとは奴らの素性やたまり場が分かれば…」

 

「たまり場かどうかはわかりませんが、ほら、このファミレスによく集まってるようですよ」

 

初春が指差したところには一つに単語の文字

そこには〝ジョナG〟という店の名前が記されてあった

 

 

「ありがとう初春さん! 行ってみるわ! それと、お大事にねー!」

 

「おい美琴! それお前の仕事ちゃう!」

「わたくし達風紀委員の仕事ですのー!」

 

飛び出していった美琴を追いかけてアラタと黒子も初春の部屋を出ていく

その後また扉が開いて

 

「早く元気になれよ初春ー!」

「待ってますわよー!」

 

そうお見舞いの言葉を言った後、また扉が閉まった

また外から走る足音が聞こえてきた

慌ただしい三人を見送りながら苦笑いを浮かべながら

 

「大丈夫ですかねぇ」

 

と初春は呟いた

 

「心配ないよ、あの人たちなら。学園都市が誇る超能力者(レベル5)大能力者(レベル4)だもん。それにアラタさんもいるし…。私たちがいても、ね」

 

どこか歯切れの悪い言葉を口にする佐天の顔にはいつものような元気がなかった

自分の無力が分かっているような、自嘲気味な表情(カオ)

 

「佐天さん…」

 

そんな佐天にかける言葉が見当たらず、初春は彼女をただ見ている事しかできなかった

 

「ねぇ、初春」

 

そんな初春に佐天が不意に言葉を投げかけた

 

「もし幻想御手(レベルアッパー)を使ったら、私たちも強度(レベル)上がるかな?」

 

「さぁ…。でもズルは駄目ですよ」

 

「わ! わかってるって! 言ってみただけだよ、手は出さないって!」

 

顔を少し赤くしながらそう佐天

…よかった、少しいつもの佐天に戻ったみたいだ

 

「それよりさ、今日学校で先生に当てられちゃってさ、手伝ってくんない?」

 

「病人に聞かないでください…」

 

「お腹減ってない?」

 

「そうやってもので釣ろうとしてもダメですよー…」

 

そう言いながら初春はパソコンを畳む

 

「わかった。…じゃーいらないんだ」

 

その直後ぐぅ~…と大きなおなかの音が

その音の主は誰のものかはすぐにわかった

その主は少しながら頬を赤くし、やがて観念したように

 

「…いただきます」

 

◇◇◇

 

そんなわけで美琴を追っかけてそいつらのたまり場であろう所に到着

 

「ここね…」

 

そのファミレスを見て一番最初に呟いた美琴の言葉である

もうやる気満々だ

 

「んじゃ、行くとしますか…!」

 

「…止めてもいくんだろ」

「当たり前よ。わかってるくせに」

「またお姉様は…。お兄様もなんで止めないのですの」

「俺たちは風紀委員だし、顔知られてるかもしれないだろ。本当は嫌だけど…まぁ美琴なら大丈夫だろう」

 

そう言われて少し気をよくしたのかカバンをアラタにずい、と渡し

 

「じゃあ行ってくるわね。あんたたちは離れて見てて!」

 

そう言ってファミレスの入口へと走って行く

そんな美琴の背中を見ながら黒子はボソッと呟いた

 

「なんでしょう。黒子はすっごく不安ですの…」

「奇遇だな。…俺もだ」

 

送り出しておいてなんなんだが

 

 

で、今

 

―――うん、ネットで偶然、お兄さんたちの書き込みを見かけて、できたら私にも教えてほしいなーって

 

例の男らと接触に成功した美琴の演技で幻想御手(レベルアッパー)の情報を得ようと試みるが

 

「…声作りすぎだろおい」

 

普段のトーンより少し高めの若干ぶりっ子めいたその声は普段の彼女を知るものからは違和感バリバリである

というかぶっちゃけ気持ち悪い

 

黒子と二人ドリンクを飲みながらその交渉(?)の行方を見守る

 

―――お願い、この通りっ

 

――――知らねぇよ…とっとと帰んな

 

―――そんな事言わないでぇ

 

――――しつけーぞ、ガキはもうおねむの時間だろ

 

そう言われた時遠目からではわからないが表情が不機嫌になったのははっきりとわかった

…早くも頓挫の予感である

あぁ、予測可能回避不可能とはこの事か

 

―――えぇ? 私ぃ、そんなに子供じゃないよ?

 

「―――ぶぅっ!!」

 

「うわ!! 汚ぇなおい!」

 

いきなり黒子がメロンソーダを吹き出した

危うく直撃するところだったが、まぁ吹き出す気持ちはわからんでもない

 

――確かに子供じゃないよなぁ、俺はあんた好みだぜ?

 

―――うわぁっ、ホントにぃ?

 

そう言って両手を振る美琴

…うわ、気持ち悪い

演技だとわかっていてもあれは流石にやりすぎではなかろうか

ギャップ萌え、なんて言葉もあるこのご時世、ああいうのも必要なのか

 

―――じゃあ、教えてくれる?

 

――けど、やっぱタダってわけにもいかねぇなぁ…

 

そこの男、思いっきり視線が足に行っているぞ

考えていることがバレバレだぞおい

 

―――えっと、お金なら、少しは出せますぅ…

 

―――金もいいけど、やっぱこっちの方がいいよなぁ…

 

そう言いながら手を伸ばして触れようとするがそれより先に美琴が後ろに移動する

そして両手を後ろに組みながら

 

―――やっぱり、そういうのは怖いっていうか…

 

「…何もあそこまで演技せんでも…なぁ黒―――」

 

ガン、ガン、ガン、ガンとテーブルに一心不乱に額をぶっつけてる白井黒子がそこにいた

なにをしているのだこの子は

いや、まぁ尊敬している御坂美琴さんが演技とはいえあんな事口にしているわけだからぶつける気持ちはわからんでもないが

 

ふと美琴らの方を見てみるといつの間にか話は進み、そこにいるメンツが皆立ち上がっていた

 

「やべ、アイツら移動するぞ、おい黒子―――」

 

「――――――」

 

白井黒子は完全に沈黙していた

擬音で〝ちーん〟とかいう音が似あっているくらいだ

 

「…そっとしておこう」

 

そのうち回復するだろう

そう信じたい

 

◇◇◇

 

人気の少ない、というか全くいない路地裏に美琴とそいつらはやってきていた

全く予想通りというかなんというか

 

意外にここは月当たりが激しく隠れる場所少ない

とりあえず路地の入り口付近の角に身を潜ませてアラタはその様子を見守った

 

「んじゃ、まずは有り金全部出してもらおうか」

 

「え?」

 

「キャッシュカードもと暗証番号…あとクレジットカードも」

 

これまた予想通りな返答が帰ってきた

恩を売りつけて幻想御手(レベルアッパー)をくれてやるかわりに永遠に金を払わせてやるつもりなのだろう

もしくは、最初から金ズルとしてか見ていないのか

 

「え、ええと…少しくらいならもってきたけど…流石にそれ全部は―――」

 

「あぁ!? 話聞きてぇんだろ? だったら早く出せよ」

 

分かり易い連中だ

やっぱりどこにいてもああいう奴らはいなくならないのか

同じく感じたのか美琴も大きく肩を動かした

ため息でもついたのだろうか

 

「…めんどくさ―――」

 

「ちょっと待ちなさいよ」

 

…え? と美琴の心の中の声とアラタの呟きがリンクした

アラタと美琴が横合いから聞こえた別の声の方に顔を向けるとそこには黒をベースにした制服に腰までなびく黒い髪が特徴的な美琴同年代な女の子がいた

 

「…あぁ? なんだお前」

 

「なんだじゃないわよ、一人の女の子相手に集団で取り囲んで。恥ずかしくないの?」

 

両手をあげてやれやれ、とジェスチャーをする女の子

その仕草にイラついたのか、集団の男の一人がその女の子に向かって拳を振り上げた

女の子は動じることなくその拳を避けて、男の腹に一撃を喰らわす

どごむ、と鈍い音がしたと思ったらゆっくりと男の一人はその場に崩れ落ちた

そしてその後集団に向かって手を突き出し、かかって来い、と手先を曲げて挑発する

 

その女の子に視線が集中している中、近寄ってくるアラタに対して美琴は問いかける

 

「…誰? あの子」

「俺に聞かれても…。今のところ味方っぽいけど」

 

暫くすると女の子が集団を全員叩きのめしていた

中々の実力者のようだ

 

「そこの人、怪我ない?」

「え? え、えぇ。大丈夫」

 

手をパンパンと払いながら女の子は美琴の方へ駆け寄って声をかけた

かけられた美琴は少し言葉を濁しながらもそう返事する

 

「…あんたは?」

「人に聞くときって、まず自分から名乗るもんじゃないの?」

 

そう言われ、少し言葉を詰まらせる

しかしその通りなので、アラタは軽く咳払いして名を名乗った

 

「俺は鏡祢アラタ。こっちは―――」

 

「御坂美琴」

 

美琴の名を聞いて女の子は少し驚いた表情をした

 

「御坂…て、常盤台の? …はは、出しゃばったことしちゃったかな…」

 

「そんな事ないわよ。ああいうのに手加減なんてやりづらくてむしろ助かったわ」

「そう? …ならいいけど…。あ、私だけ名乗ってなかったわね」

 

彼女は少し後ろに下がって美琴、アラタそれぞれを見ながら

 

「私は神那賀(かみなが)(しずく)。よろしくね、御坂さん、アラタさん」

 

「派手にやってくれたねぇ」

 

軽く自己紹介が終わるとまた別の女が歩いてくる

のされた男の一人が「あ、姉御…」と言っているところを見るときっとその集団のリーダーかなんかなのだろう

姉御と呼ばれた女は男の一人の前に座り

 

「おい、お前たち…。あんな嬢ちゃんたち相手になにやってんだ」

 

「す、すいませんっ!」

 

「…女の財布なんか狙いやがって…」

 

「で、でも―――」

 

言い切る前に姉御がその男の顔をぶんなぐる

バチン! とやけに気持ちいい音が聞こえた

 

「あたいに口答えかい!? 埋めるよ?」

「す、すいませんっ!」

「謝る相手はあたいじゃないだろ!!」

 

そこでまたバチンっとぶっ叩かれる

どこぞの無双ゲームのかあちゃんみたいな豪快な人だなぁ、とアラタは一人思う

 

「ほらお前たちも!」

 

姉御の一喝で倒れていたほかの男らも立ち上がる

そして座っている姉御の後ろに横一列に整列すると

 

「わ、悪かった…」

「そうじゃないだろ!!」

 

「ほ、本当に、すいませんっしたぁ!!」

『したぁ!!』

 

野球部かおのれらは

 

全員での一斉謝罪が終わると姉御は立ち上がって笑みを浮かべると

 

「これでけじめはついたろう? 許してやっとくれ。…お前らぁ! もう帰んなぁ!!」

 

「う、ウス!!」「お先ですっ!」

 

それぞれそんな言葉を言いながら男たちは撤収していった

…本当にどこまでも野球部みたいなノリだった

男たちが撤収していって、姉御がこちらに向かって歩いてくる

 

「…あんた、アイツらのボスみたいだな。なら、幻想御手(レベルアッパー)についても知っているか?」

 

「そんな事より、あたいの舎弟を可愛がってくれたのはドイツだい?」

 

アラタの問いかけを半ばスルーし、姉御はそんな事を聞いてきた

一人ひとりを視線で見た後、姉御は再びアラタを見る

やがて神那賀が一人ずい、と前に出て

 

「あたしよ」

 

神那賀を一瞥した後姉御は手首を回しながら

 

「…んじゃ、覚悟はできてんだろうねぇ」

 

…え

 

「覚悟って、さっき謝ってくれたのは…?」

 

美琴がそう問いかける

 

「あれはあれ。これはこれ…。借りはきっちり返さないとね」

 

そう言って徐に一本のメモリを取り出した

そのメモリにはアラタが見覚えあるマークがしるされている

 

「…あれは、クウガのマーク…?」

 

<KUUGA>

 

かちりっと姉御がボタンを押しそのメモリを起動させ、それを自分の掌に差し込んだ

すると姉御の身体がみるみる変わっていき、今都市伝説を賑わせている仮面ライダークウガへとその姿を変える

しかし腰にはベルトがなく、丸い球体のようなものになっている以外はほぼクウガだった

 

「な!! お前、それは!!」

 

「あたいも最初はびっくりしたけどねぇ。なんせ都市伝説と同じ存在になれるたぁだれが想像したかい」

 

同じ存在、という言葉あたりで神那賀のこめかみがピクリと動く

そして変化した姉御に向かって

 

「そんなパチモンが、同じ存在だなんて言わないでもらいたいわね」

 

そう言って神那賀は徐に一本のベルトを取り出してそれを腰に巻きつけた

そして右手に持っていたメダルのようなものを大きく弾く

ピィン、と弾かれたメダルは空中でくるくると回りそのまま彼女は右手でそれをキャッチして

 

「変身!」

 

と叫び、ドライバー右側のメダルスロットにそれを装填し、右側のハンドルレバーを左手で勢いよく回した

するとカポーン! と小気味よい音が響き、彼女の姿を何かが覆う

胸部、背部、両肩、両腕、両腿、両足にリセプタクルオーブを纏ったその姿は

 

「あたしはバース! …仮面ライダーバース」

 

ここにもう一人の仮面ライダーが現れる

 

 

「へぇ…行くよ!」

 

似非クウガが地面に手を当てた

何をするのか、と思ったときバースが立っていた地面が粘土のように歪み始める

 

「え、なにこれ!?」

 

「地面を…!? っと」

 

危険が及ばないようにアラタは美琴の手を引き、安全圏へと避難する

 

「あたいの能力は表層融解(フラックスコート)…。アスファルトの粘性を自在にコントロールすることが出来んのさ」

 

言葉と共に、ついに似非クウガの手がアスファルトの中に突っ込んだ

それと同時にさらに複雑に、深く地面が歪む

 

「小賢しい…!」

 

呟きながらバースはメダルをまた挿入し、レバーを回す

 

<ブレストキャノン>

 

そんな電子音声が流れたと同時、バースの胸部に大きなキャノン砲が出現した

バースは両手でそれを構え

 

「うまく避けてよね」

 

その言葉の後、大きな一撃をぶっ放す

似非クウガは地面を操作し目の前に壁を作り、それを防ごうとした

しかしそんな壁など意味をなさない

 

バゴォン!! という大きな音が路地裏に響き渡る

放たれた弾丸も壁に相殺されたが爆風も半端なものではなく似非クウガも自分の顔を両手で多い、防御する

 

「…ねぇ、やめないこんな戦い」

 

「なんだと…!?」

 

バースは自分の後ろで待機しているアラタと美琴を見て

 

「彼女たちは幻想御手(レベルアッパー)について知りたいだけだし、こんな争いしてたら、貴女が怪我しちゃうわ」

 

「…つまり、さっきの一発は加減してたってのかい」

 

「そんなつもりはなかったんだけど。…そう思うならそうなんだわ」

 

似非クウガはフン、と鼻で笑った後面と向かってバースに言う

 

「お断りだね…!」

 

そう言ってギリ、と拳を握りしめ

 

「あたいはまだ負けちゃいない。あんたもライダーってんなら本気で来な! あたいの鉄の意思は、そんなちゃちな砲撃ごときで砕けるほどじゃないんだよ! 砕けるもんなら砕いてみなぁ!!」

 

「…ふぅん…」

 

どうやらこの女の人はまっすぐだ

自分が思っている以上に真っ直ぐ

…そんな真っ直ぐで、きれいな心を持っているのにどうして彼女はメモリや幻想御手(レベルアッパー)なんてものに手を出してしまったのだろう

 

「…いいわ。なら私も全力で向き合ってげる」

 

バースはブレストキャノンを解除して真っ直ぐ、似非クウガへと歩き出す

彼女には小手先の技術で打ちのめしても意味がない

真っ向から向かって彼女を倒さなければ勝ったとはいえないのだ

 

「…一発よ。一発で終わらせる」

 

バースは言って拳を握る

力強く、自分を体現するように

 

「…へぇ、なかなか通な事するじゃないか。気に入ったよ」

 

似非クウガも同じように拳を握ってゆっくりと歩み寄る

 

じりじり、とお互いの距離は縮んでいく

その空気は一色触発、ピリピリするその空気は肌で感じ取れるほど

 

三百メートル

 

文字通りこの戦いは一発で終わるだろう

鉄の意思が勝つか、立ち向かう意思が勝つか

 

百メートル

 

この時点でどちらかが先に動いてもいいはず

しかしそれでもお互いは動かない

 

五十メートル

 

「はぁぁぁぁ!!」「やぁぁぁぁ!!」

 

動いたのはほぼ同時

咆哮をしながら二人は拳を突き出し、全力の拳打を放つ

バキィ!! と鈍い音が路地裏に響き渡る

 

「…ぐ、」

 

姉御の手からメモリが排出され、地面に落ちて砕け散る

そして姉御はその場で崩れ落ち、膝をついた

 

バースはその場で変身を解除し姉御を見やる

 

「…、」

 

それでも何もかけることなくゆっくりとその場を後にした

 

「…あ、あの…」

 

「美琴、俺たちも行こう」

 

何かを言いたげな美琴を制し神那賀を追う

その場には姉御だけが残された

 

その場に膝をついた姉御の表情はどことなく清々しい顔で

 

「…重かったなぁ、アイツの拳」

 

そしてキラキラと輝く夜空を見上げながら

 

「あたいの負け、か…」

 

◇◇◇

 

結局幻想御手(レベルアッパー)についてなにも聞けなかった

あの後、神那賀雫は「また会いましょうっ」と言ってどこかに走り去ってしまった

どういう訳か、神那賀雫には近いうちにまた会うかもしれないとアラタは思っていた

 

そして翌日

黒子の電話で起こされたアラタは衝撃の事実を耳にする

 

「…介旅初矢が意識不明?」

 

その後やってきた空間転移でやってきた黒子と合流

話によると介旅は警備員(アンチスキル)との取調べしてる時にいきなり倒れたらしい

途中で美琴と合流し彼が運ばれた病院へと足を運ぶ

 

その病院の入り口を抜けカルテを持った医師に風紀委員の腕章を見せる

 

「風紀委員の鏡祢だ。容体を聞かせてほしい」

 

「最善は尽くしておりますが、依然意識を取り戻す様子は…。というか、彼の身体にはどこにも異常がないのです。意識だけが失われていて…」

 

「原因不明、という訳ですのね…」

 

医師はカルテを見ながら

 

「ただおかしい事に、今週に入ってから、同じ症状の患者が何人も運ばれてきて…」

 

三人は医師のカルテを覗き見る

そのカルテに張られていた顔写真は銀行強盗をした発火能力者と、眉毛騒動を引き起こした重福省帆の顔だった

 

「…!」

 

三人は顔を見合わせて頷きあう

 

「情けない話ですが、当院の医師とスタッフの手に余る事態ですので、外部から大脳生理学からの専門家を招きました」

 

「―――お待たせしました」

 

凛とした、それでいて気怠そうな声が耳に入ってくる

三人はその声の方へと視線を向けた

そこには両手をポケットに突っ込んだ白衣を纏った女性がいた

 

 

「水穂機構病院院長から招へいを受けました。…木山春生です」

 

 

その顔にはアラタと美琴は見覚えがあった

数日前、車探しに付き合わされたどこでも服を脱ぐ女の人―――

 

◇◇◇

 

「…やっぱ見つからないなぁ、幻想御手(レベルアッパー)

 

佐天は自分の部屋でネットを用いて件の幻想御手(レベルアッパー)を興味本位で捜索していた

見つかるとは思ってないし、存在するとは思えない

それでも能力に対するあこがれは消えたわけではなく、もしかしたら、と思ってはいたのだが

 

「やっぱ噂は、噂なのかねー…。なんか新曲でも入れようかな…」

 

やがて捜索に飽いた佐天は携帯を取り、何か新しい曲でも探そうかな、と再びマウスを動かす

が、偶然マウスがクリックできる場所を通過した

 

「…? 隠しリンク?」

 

気になった佐天はマウスを戻して先ほど通った隠しリンクの場所をダブルクリックした

直後の暗転、瞬間画面の中央にはこのような文字が記されていた

 

 

 

TITLE :Level Upper

ARTIST:UNKNOWN

 

 

「…」

 

佐天はしばらくその画面に起こっていることが理解できなかった

暫くその画面をじっと見つめてようやく理解できた

今、目の前で何がおこっているのかを

 

「…これって…」

 

―――それは、悪魔の囁きか―――

 




ライダーメモリ

メモリ内の内包されたライダーのデータを再現するメモリ

自分に挿して似非ライダーにもなれるし、そのまま放りなげて召喚することもできる

ライダーとの違いはベルト部分が違うことと、基本フォーム以外にはなれない事


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。