とある魔術の禁書目録 ~変わらない笑顔で~ 作:桐生 乱桐(アジフライ)
面白くなってきましたよ
あと斬月がOPにしか出てきてない事にちょっとショボンとしてる日々
真もいいけど自分はやっぱり普通の斬月が好きだなー
ではどうぞ
結局の所
あの後黒子に予想ルートを教えてもらって行ってみたところ、ほとんどが終わっていた
そこにはすでにキャリーケースのような残骸が散らばっておりその中身であろうものが木っ端微塵に粉砕されていた
そしてその屋上には結標淡希であろう女がフルボッコされた状態で引っかかっていた
おかげでぶん殴る手間が省けたが、今回はその誰かに感謝をする
「―――まぁでも、任せろよなんてほざいときながら結局どっかの誰かに役目取られちゃったから、オレは役立たずなのだけど」
「ははは。けどいいじゃないか、結果オーライって奴だよ」
隣で笑うのは南光太郎
黒子の入院を聞き、自家製スープと共にお見舞いに来てくれたのだ
因みにアラタはすでにちゃんと小萌先生に午前は休むと連絡は入れてある
恐らく当麻も同様に連絡を入れて、見舞いに来ているだろう
「光太郎さんもすいません、わざわざお店休んでまで」
「気にしなくていいよ、キミの知人という事は、俺の知人でもあるからね」
そう言って光太郎は笑顔を作る
それに釣られてアラタも同様に笑顔になる
この人の笑顔にはなんかこう、言葉で言い表せない暖かさが感じられるのだ
自分もいつか、こんな笑顔が出来るような大人になりたい、と密かに思う
◇
「さぁさお姉様、わたくしにうさぎさんカットのリンゴを食べさせる至福の時間がやってきましたのようふうふふふ!」
「気力だけでベッドからはい出ようとしないでよ黒子。アンタ絶対安静って意味わかってるの?」
満面笑顔の黒子をどうにかベッドに押さえつけ、改めて布団をかけ直す
それでも彼女はめっさ笑顔だ
「あーもうわかったから。あとで食べさせたげるわよ全く」
「マコトですのねお姉様! 黒子その言葉を確かに記憶しましたわー!」
これだけの怪我を負っておきながらなんでこの後輩はこんなに元気なんだ、と思う
件の結標淡希は母校である霧が丘では留学扱いになったという情報もどうでもよさそうである
そこで不意に会話のリズムが途切れた
静寂が病室を支配する
空気の熱が冷え、口を開くのもためらうほどに
その原因を御坂美琴はしっている
自分はまた、巻き込んだのだ
「―――なんとなくですけど、気づきましたわ。あの時、お兄様と共に立っていたあの場所が、お二方の戦場ですのね。訳分らなくてさっぱりでしたわ」
小さく彼女は笑う
そうして少し力を抜いて
「…今のわたくしでは、そこに立つことも、追いつくこともままなりませんの。…縋ろうとした結果がこの様ですわ」
「…黒子」
美琴の顔が曇る
だが、それはすぐに別の表情に隠された
「もし、お姉様のせいでわたくしが巻き込まれた、というのなら、それは間違いですわよ、お姉様」
「…え?」
「わたくしが弱いのは、わたくしのせい。そこにはお姉様など関係ないですわ。馬鹿にしないでください、わたくしは自分の追った責くらいは自分で果たせる人間ですのよ? それなのにお姉様やお兄様が背負ってしまっては、わたくしの誇りはボロボロですの」
黒子はつまらなそうに
「だから、お姉様は笑っていてください。ミスしても無事帰ってきた後輩を見て、ヘタクソと言いながら指をさして笑えばいいのですの。その楽しい思い出を糧とすれば、わたくしはもう一度立ち上がろうと思えますから」
そこまで言ったとき、不意に病室のドアが開け放たれる
顔を向けた時、その場に立っていたのは神代ツルギだったのだ
「―――邪魔だったか? 見舞いに来たぞ〝スィ・ライン〟」
いつも通りなツルギに、美琴と黒子は思わず笑い出す
完全に真面目な空気が壊れてしまった、無論、いい意味でだが
ツルギはデパートかどこかで購入したであろう果物盛り合わせをどこか適当な場所に置くと、改めて黒子に向き直る
「お前にも、いろいろ思うところがあるだろう。何もかもひっくるめて、俺は言いたい」
そこで少し言葉を区切り、いつものような不敵な笑みを浮かべる
「共に強くなろう、〝白井〟。敬愛する御坂が驚いてしまうくらい強く、な」
「―――えぇ、もちろんですの」
ツルギの笑顔に黒子は自然な笑顔でそう言い返す
その光景を見て美琴も思わず釣られて笑った
(―――ですから、お姉様。…もうしばらくお待ちを。宣言した通り、強くなりますわ、それこそお兄様やお姉様が驚愕するくらいに。目的地を知った黒子は、早いですわよ?)
この場所の居心地の良さを知るから戦いの場に戻る決意を固める
御坂美琴には決して悟られぬように
こうして、彼女は己の身の程を知り、自分の手の届かない世界がある事を痛感した
だからこそ、彼女は諦めることはなく、より上に手を伸ばす
今、この変わらない日常を、たった一つのここにある場所を守りたいから―――
◇
そんな病院とは関係のない、とある場所
その日仕事とかはなく、完全にオフの日だった
しかし同じ組織に属している女の子とうっかり出会っちまったことにより、彼の休日は潰されることになる
「…えぇ、まぁそれなりに楽しめましたね。けど所詮は超C級ていうか」
「それに付き合わされる僕の身にもなってよ絹旗」
げんなりとした顔で頭を掻くのは
その隣で映画のパンフレットを読みふけるのは絹旗最愛という女の子だ
「遼真遼真、実は私超見てみたい映画があるんですが」
「…何? 作品によっては見ないこともない」
そう言って絹旗はがさごそとカラーコピーしたであろう紙を取り出して見せつける
「〝マタンゴ〟って言う怪奇ホラー映画なんですけど」
「またえらく古いの持ってきたね、何年前だよそれ」
「えぇ、完全にDVDです、やってませんしねこんな古い映画。けどいくらDVD店ハシゴしても見つからなくて」
「それで僕に聞いてみようって? …まぁ売ってそうなお店なら何軒か心当たりあるけど」
その言葉を聞いて絹旗は笑顔を作る
「では早速行きましょう。持つべきものは超友ですね」
「馬鹿にしてない? それ」
ため息と共に、ガタックゼクターが二人の間を飛び回る
そんなゼクターを絹旗は指で突っつきつつ二人を歩き続ける
僅かであるこの日常を、噛みしめながら
今回の気まぐれ紹介はお休み
次回は大覇星祭かなー
ではまた