とある魔術の禁書目録 ~変わらない笑顔で~ 作:桐生 乱桐(アジフライ)
そしてぐだってます
ではどうぞ
学園都市の魔術師が入り込んだ
その言葉から今回の戦いは始まった
なんでも、入り込んだ魔術師はある礼装〝
この時期、学園都市は大覇星祭と言うイベントが開催されており、警備が緩くなったところを突かれたんだろう、と橙色の魔術師は語る
鏡祢アラタは浅上藤乃に頼み込み、何とか外出を許してもらった
それでも、やっぱり無理はいけない、と釘を刺され、何かあったらすぐに連絡すること、と念を押されてしまった
しかし、それでも外出許可が出ただけでもマシな方である
しかし後に、その取引に使用されるアイテムが、別のものであったと知る
その霊装の真の名前は、
それは、幸せのすり替え
何をされても、幸せという感情に塗りつぶされる
「…さて、行くかアウラ」
「あぁ」
隣を行くシャットアウラが頷くのを確認した後、二人は今一度雑踏の中を歩く
表舞台では能力者が火花を散らし、裏舞台では魔術師が暗躍する、この学園都市を
◇
大覇星祭
東京の西側を占める超能力開発機関、学園都市によって行われる七日間の特殊運動会
その一大イベントの一日目も、もう半日が過ぎようとしていた
正午から午後二時までは全競技を中断して、お昼休み、つまりは昼食タイムになる
その時間までは応援に回っていた両親たちや、競技に参加していた生徒たちがこぞって街に繰り出していくのだから人口密度はエライ事になっているのだ
「…とりあえずは、食事だな」
「大丈夫なのか。一応お前は病み上がりだろう」
「分かってるって」
そう返すパターンはだいたい分かっていないパターンなのだが、と心の中でシャットアウラは突っ込んだ
そう考えてふと、シャットアウラは思い出したように言葉を発する
「そう言えばアラタ。今どこに向かってる」
「特に決めてない。悪く言えば考えていなかった」
「なんで悪く言ったのだ。…いや、予想できていない訳ではなかったのだが」
頭を抱えながらシャットアウラは周囲を見渡す
この大覇星祭、何しろ人の数が尋常ではなく、場所を取るのが遅れると落ち着いて食事もできなくなる
応援にすら時間がかかったというのに
「当麻とかは多分、来訪した家族と一緒に食べてるだろうし、今回くらいは家族水入らずで過ごしてもらいたいしな」
そしてインデックスもその当麻の両親たちと食べているだろう
みのりは先ほど幹也と合流した、と連絡があったし心配する必要もないだろう
さて、どこでご飯を取ろうか、なんて考えていると
「あ、アラター」
聞き慣れた声と見慣れた少女がこちらに向かって小走りで来ていた
そのすぐ後ろにはその少女によく似た…姉? であろう女性が歩いてきている
「美琴。競技お疲れさん」
「お互い様ね、…あれ、こちらの方は?」
「シャットアウラ・セクウェンツィア。…会うのは初めまして、だな」
「シャットアウラさん…ね。うん、私は御坂美琴。よろしくね」
そして差し出されたその手にシャットアウラは僅かばかりに戸惑った
一瞬アラタの顔を見る、がアラタはシャットアウラの背中を軽く叩く
後押しされたシャットアウラはやがて遠慮がちにその手を握り、握手をした
「はは、何だか初々しいわねぇ」
やがて美琴らに追いついた姉であろう女性はそう声を発した
その女性は美琴にとてもよく似ていて、あと数年も経てば美琴もこれくらい綺麗な女性へと成長するだろう
「貴方が鏡祢アラタくん? 話はちょくちょく聞いてるわ。主に美琴ちゃんからね」
「ちょ!? 何言ってるのよ!?」
思わず抗議の言葉を発した美琴に姉であろう女性はハハハ、と笑いながら美琴の肩をポンポンと叩く
「はは、気にしないの気にしないの! うんうん、いいじゃない、青春じゃなーい」
「だ、だから違うって…!?」
そんな微笑ましい光景を見ていると、思わずこちらも笑顔になってくる
しばらくして不意に姉の女性がアラタに向き直り
「そう言えば自己紹介してなかったわね。どうも、美琴の母の御坂美鈴です」
「あぁ、お母様でいらっしゃいましたか。―――え!?」
一瞬の思考停止
このお人、今なんて言ったのだ
「え、っと! その、お母様!?」
「えぇ。ちなみに大学生ですっ」
しかも大学生
子持ちの人妻でしかも大学生とは誰が想像したか
一人絶句しているとくいくい、とシャットアウラがアラタの服の袖を引っ張っている
どうしたのだろう、と思いながらアラタは彼女に耳を傾けた
(アラタ。どういう事だ、まさかあの女性、レディリーの関係者じゃあるまいな)
(違うから。あんなんはアイツ一人でいいから!)
(しかし現実に存在するんだぞ、ああいった若さを維持できるのは、もはや魔術関連としかっ!)
なまじ前例を見ているせいか無駄にテンションが上がっている
確かにアラタも驚いていたが、よくよく考えてみれば両儀式(子持ち人妻)や黒桐幹也、鮮花や藤乃など、とても健康的な方々がいるのを思い出し、急激に落ち着いてくる
「そだ、もしお昼まだだったら一緒に食べない? その方が美琴ちゃんも喜びそうだし」
「は、はぁ。じゃ、じゃあお言葉に甘えて―――」
その間も何かを言いたそうな美琴だったが、最終的にため息一つと苦笑いで折れた
◇◇◇
魔術師、リドヴィア・ロレンテツェッティはとあるホテルのラウンジにいる
古臭く、所々が擦り切れて色が薄くなったその修道服はこの現代社会からすればだいぶ浮いて見える
それと同じように彼女の肌や髪も修道服に合わせるように痛んでおり輝いていない
かつては美人であったろう、と推測できるような顔立ちだ
彼女が今いるホテルは別にそこまで有名な店舗じゃない
もともと、学園都市は閉鎖的な環境にあり、VIPを招く以外にホテル自体は必要としていない
そうなるとこうした大きな行事には数の少ないホテルへと一気に客が集まってくる
学園都市にあるホテルは全て満室になっているだろうし、街の外のホテルにも恐らくあぶれた客たちで繁盛しているだろう
(―――さて)
リドヴィアはラウンジを抜け、ガラス作りの回転ドアをくぐって外へと出た
暑い日差しが降り注ぎ、リドヴィアは小さく目を細めた
(私もそろそろ、動かなければ)
心中で呟いた彼女の耳に遠いところから大覇星祭のアナウンスが聞こえてくる
そこに視線を向けると空に飛行艇が浮かんでいた
それについている大ビジョンに映し出されている天気予報はここしばらくは雲一つないいい天気が続く、と報道している
(―――えぇ、確かに。良い天気、ですね)
そう呟きつつ彼女は日差しから視線を外した
どこまでも、ここは平和だ
そんな平和の都市の間を縫うように彼女は人混みの中へと消えて行った
◇
両儀式は人混みの多い道並みを歩いていた
そしてちらり、と携帯に目をやり時間を確認する
時刻は、大体三時を回るところだ
今の所、あの変なグラサンの金髪や赤い神父みたいな少年からの連絡はない
先ほど合流した当麻の顔を見てみるが、そちらにも来ていないようだ
あの女たちの目的が、その何ちゃらピエトロを発動させることならおそらく追撃などを避けるためにどこか一点に身を潜めている可能性が高く、もう現場を抑えることは難しそうだ
赤毛の少年―――ステイルと言ったか―――らはその十字架の使用条件を探っているようなのだ
オリアナの姿を見失い、追撃のヒントもない以上、期待せざるを得ないのだ
敵の目的が学園都市の支配なら、さっさと使えばいいのにそれをしないのは、恐らく何らかの条件があるのでは、というのが金髪―――土御門、と言ったか―――の見解らしいのだ
「しかし、遅いな。あの女」
「…えぇ」
式の呟きに思わず当麻は頷いていた
あの戦いの後、オリアナと別れてから結構な時間が立つ
こう、のんびりしていていいのだろうか、という感情が生まれた当麻は式に問いかけた
「…何か、俺たちに出来る事ってないんですかね」
「ないね。少なくとも今のうちはさ」
対する式は憮然と、それでいて落ち着いた様子で言い放った
彼女は続ける
「少なくとも今のオレたちに出来るのは、体力を回復させること。…もっとも、十分回復してるだろうが、何かあった時すぐ動けないと困るからな」
それに、と式はび、と当麻の右腕を差し
「その右手は、魔術に対して最大の効果を持ってるんだろう。なら、出番はまだ先だ」
「それは、確かにそうですけど」
彼女の言葉も頷ける
しかし
「つうかさ、なんだっけ。そのイン何とかに聞けば早いんじゃないのか。なんだかよくわかんないけど、十万三千冊の魔導書っての記憶してるらしいじゃんか。いざとなれば―――」
「それは、ダメです」
凛とした声で当麻はその申し出を断る
確かに、彼女に聞けばすぐにわかるだろう
だけど、聞くことは許されない
「アイツを事件の渦中に近づけてしまうと、外の魔術師たちの、なんだろう…サーチ? の術式がオリアナたちの魔力を捕まえてしまうかもしれないんです。そして捕まえてしまったら、今この学園都市で起きている魔術関連の事件はインデックスが怪しいって思われてしまう…。だから、アイツは…インデックスは事件には巻き込めないし、近づけられない。それ以前に、感づかせるわけにもいかないんです」
インデックスは魔術に関して膨大すぎる知識量を誇っている
故に、彼女が一度感づいてしまったらどんな小さな痕跡も逃さないだろう
そして、彼女の性格からして、この事件に首を突っ込んでしまうことも容易に想像できる
「…なるほど。なら仕方ない、歯がゆいが信じるしかないな」
「…すいません、確かにそれが早い方法かもですけど」
「気にするな。その友達を巻き込むことも、アイツは望んでないだろうしな」
アイツ、という単語を聞いてふと当麻は気になったことをぶつけてみる
一番気になっていた素朴な疑問を
「―――その、つかぬ事を聞きしますが、アラタとは一体どういう関係なんですか?」
「あん? アラタと?」
そう言い返すと式は腕を組んでしばらくフリーズした
も、もしや何か地雷を踏んでしまったのか!? と当麻は焦ったがやがて彼女は口を開いた
「―――養子…義理の息子みたいな奴だよ。娘ともよく遊んでくれてるし」
「む、すめ? え、式さんご結婚なさっていたのでせうか!?」
「…な、なんだよ。オレが結婚してちゃまずいのか」
ちょっと戸惑いがちな式に当麻は滅相もございません! と謝罪の言葉を交える
あまりに若々しいその姿に正直当麻は大学生くらいのお方だと思っていたのだ
―――自分の母といい、このお人といい、自分の周囲の女性は不自然にお若いのはなぜだろう
そうなると彼女の旦那さんのお顔も見てみたい
アラタからちょっと聞いた話では「黒い人」としか聞いていないので人物像がよくわからなかったのだ
ていうか黒い人じゃこれっぽっちも分からない
「そんなところで。何をしているの?」
突然真横から聞こえてきたその声に当麻は「おわっ!?」と変な声を上げた
驚いた当麻に釣られて式もその声の方向を向くとそこには黒く長い髪を持った女の子が立っていた
体操服の上からでは分からないが彼女は十字架のネックレスをかけている
その証拠に、髪に隠れがちだが首の後ろから鎖骨にかけて細い鎖が見えた
当麻はその少女の名前を知っている
「ひ、姫神。お前どうしてこんな場所に…」
「少し困ったことがあって。君を探していたの。…? こちらの方は?」
姫神、と呼ばれた少女の視線が両儀式へと移る
式は彼女に視線を合わせ軽く自分の名を名乗った
「オレは両儀式。よろしく」
「姫神秋沙。こちらこそ」
差し出したその手を姫神は握ってくれた
…しかしどうしてだろうか、何だか彼女の声をどこかで聞いたことがあるような
◇
「―――はぷちゅんっ!」
唐突なくしゃみに浅上藤乃は頭に疑問符を浮かべた
幸いにも持っていたカルテは地面に落とさなくて済んだのではあるが
軽く鼻をすすりながら手に持つカルテを棚へとしまっていく
そして何となく、天井を見上げた
噂でもされているのだろうか、と一人思う
「浅上くん?」
「あ、先生」
聞こえてきた冥土返しの声に藤乃は振り返った
「お疲れ様、浅上くん。今日はもう上がっていいよ、キミも大覇星祭を楽しんでくると良い」
「え? でもいいんですか?」
「うん。あ、でも急患とかが来たときは流石に呼ぶかもね?」
そう言って冥土返しは笑みを見せる
その笑みを見て、釣られて藤乃も笑い
「―――じゃあ、お言葉に甘えさせていただきますね」
◇
「? どうしました?」
「え? い、いや、なんでもない。昔お前の声に似たヤツと会ってさ。…柄にもなく昔を思い出してた」
いつぞやの事かは、だいぶ忘れてしまったが
「それで。お前はこの男に何か用があってきたんだろう」
「あ。そうだった。ねぇ。上条君。今大丈夫?」
唐突なその問いに当麻は疑問符を浮かべながら秋沙に聞き返した
「い、一応大丈夫っちゃあ大丈夫だけど…」
「よかった。実は小萌先生がトラブルを起こして。とっても怒ってるみたいなの」
「…トラブル?」
言われて当麻と式は姫神の後ろをついていくことにした
秋沙は当麻の手を使うとこっちこっちと引っ張っていく
そんな時、当麻の視線は繋がれたその手に向いた
じっと手を見つめている当麻に姫神は首を傾げて
「…。どうしたの?」
「いや、別に大したことじゃないんだけど、姫神は気にしないんだなって」
「―――。」
言った瞬間に姫神はその手を離した
顔は無表情だが、ほんのりと頬は赤くなっており、今まで繋いでいたその手を胸元に持っていくもう片方の手で包み込んだ
「―――鈍いな。お前」
そんな式の言葉に、今度は当麻が疑問符を浮かべるのだった
◇
姫神秋沙に連れてこられた場所はそこそこ大きめな公園だった
すでに昼休みが終わっているためか人の数は少ない
そんな人気のない公園の一角に置いてあるベンチに、赤い髪の神父―――ステイルとやけに小さい女性―――月詠小萌がいた
何故か小萌はチアガールのコスプレをしていて、ステイルに対してとても怒っている
どうやら小萌は煙草を吸おうとしてるステイルの手から煙草を取り上げようと手を伸ばしているのだが如何せん小萌の身長が足りずに全く届いていない
「…なんだ、新手の子供の遊び方かあれは」
「式さん、ああ見えて小さい方…もとい、あの人は教師で大人です」
冷静な当麻の言葉に式は「な!?」と目を丸くした
そんな馬鹿な、とも内心思ったがよくよく考えればレディリーみたいな奴もいるのでいても問題ないのか、と妙に納得してしまう
「あそこ。小萌先生と前に私を助けてくれた人が。言い争ってて。どうしていいか分かんないの」
どうやら彼女が頼みたかったのはこの二人の喧嘩(?)の仲裁らしい
式は知らないが、姫神にとって小萌はもちろんの事、ステイルはかつて自分を助けてくれた恩人だし、やはりどっちにもケンカしてほしくないのだ
しかし当麻はステイルの顔を見るなら心からうんざりしつつ
「…いや、むしろアイツはここらで本格的に叱られるべきなんだ。それが人生の為だようん」
「あ!? 上条ちゃん! そんなところでのんびりしてないで先生を手伝ってくださいっ、この子は恐ろしいヘビースモーカーです! もー!その投げてる箱を早く渡してくださーいっ!」
「…行った方がいいんじゃないのか」
「…みたいだな」
式に促され当麻は小萌先生やステイルのいる場所まで歩いていく
一度小萌に視線を落として、ステイルに目をやると
「…よかったな。まだ怒ってくれる人がいて」
「手遅れ感は半端ないがな」
式の言葉に一瞬ステイルは何かを言い出そうとしたが、大きく息を吐いた
「…ちょうど動かなくてならないと思っていたのだが、彼女がうるさくてね」
彼はそう言いながら片手で煙草の箱をお手玉しつつさりげなく胸ポケットへと親指を向けた
その胸ポケットには髑髏のストラップをつけた携帯がついており、髑髏を模したランプがちかちかと光っている
どうやら着信しているらしい
「…どうやら出るに出れないみたいだな」
式の呟きに当麻は頷いた
恐らくその相手とはイギリス清教高のメンバーだろう
十字化関連の話題を小萌先生に聞かせるのは流石にマズイ
「あ、そっちに投げましたねー!」
ふとそんな声と共に当麻と式の所に何かが飛んできた
反応するより早く動いた式はそれをキャッチするとそれは煙草の箱だった
「―――おい、お前煙草吸ってみる気はあるか?」
「え?」
「あなたー! 私の大事な生徒に何言ってくれてるですかー!」
式の言葉に反応した小萌が一気に接近してくる
そんな隙にステイルは胸ポケットから携帯を出してそれを耳に当てるとどこかへと歩いて行ってしまった
訳の分からない表情をしている当麻がポカンとしていると今度は彼の携帯が震えた
思わず出ようとしたが
「お説教の最中ですよ上条ちゃんっ!」
小萌先生に一喝されて思わず当麻は仰け反った
しかしその隙に式は軽く謝罪の言葉を述べながら彼女に煙草の箱を手渡した
小萌の視線が式に行っている間に当麻は携帯を取り出してかけた相手の名前を見る
画面には土御門元春、と出ていた
彼から連絡があるとすると、オリアナたちに何か動きがあったのか、どちらにしろこの事を小萌先生や姫神に聞かせるわけにはいかない
当麻は式にちらりと目配せする
式はその視線を受けてこちらの状況を察してくれたのか、頷いてくれた後、手をしっし、と動かした
その意味は、早く電話に出てこい、だ
「―――ええい姫神後は任せたー! 一応口論は止めたからなー!」
半ばやけくそ気味に叫んで当麻はその場から走り去る
逃がさまい、と追いかけようとする小萌に姫神が抱き着いてその動きを封じた
そのまま当麻の背中が見えなくなるのを見届けて式は小さく安堵の息を吐く
そして何気なく姫神とじゃれている(?)小萌先生を見て、呟いた
「―――良い先生だな」
どこまでもこの女性は、生徒思いだ
あの時咄嗟に煙草を吸うか等と言って話を逸らしてみたが、その際に聞こえた声色は本当に生徒を心配している事を感じさせるものだった
きっとこの先生はいろんな人から慕われているに違いないだろう
さて、と頭を軽く振って思考をリセットする
何か分かればいいのだが
◇
公園の外に出て当麻は慌てて携帯の通話ボタンを押す
軽く息を整えつつ、耳にその携帯を当てた
<カミやん! ステイルが話し中で繋がんないだけどそっちにいっかにゃー!? 場所知ってるなら伝言を頼みたいんだぜぇい!>
「いや、悪い。あっちにもなんか誰かから連絡があってみたいださ。土御門、お前は何か分かったのか」
<や、そんな大きい話じゃないんだが…カミやんも知っておいた方がいい。この都市のセキュリティをちょっと特殊な手順で調べていてな、機械仕掛けはあんまり魔術に対応できないからアテにはしてなかったんだが…〝ヒットした〟>
その言葉にゾワリ、と当麻を変な感覚が襲った
電話の向こうで彼は続ける
<反応は三分前に第五学区、隣の学区の地下鉄の西部山駅の出入り口から出てくるのを見つけた。んでそれっきりだ、四角情報を遮断する術式を使ったか単にカメラの死角に潜ったのかは分からない>
「…三分、か」
この場所から第五学区までは頑張って最短ルートを行っても四キロ前後
今から行っても、その移動している間にオリアナはどれほど移動しているのか
<完全に追い詰める必要はないぜ、そこについたら探索魔術をステイルにかけてもらうにゃー。そんで正確な位置を把握したら一気に攻める。それでチェックメイトだぜぃ>
探索魔術の名前は理派四陣
元は土御門の魔術だが現在はステイルが使用している
使用者を中心として半径三キロ近い距離のサーチを可能としている
条件としてターゲットの使用していた霊装が必要となるのだが、それはオリアナの使用していた単語帳ページを入手してある
「けど、三キロ進めばアイツは範囲の外に出ちまう、こっちは四キロ行ってやっと探索開始! それで間に合うのか!?」
<だから急いでんだぜカミやん! バスでもなんでも使ってとにかく急いでステイルを連れて現場に行ってくれ!>
そう言って通話が切れた
十字架の使用条件などが分からない以上、恐らくラストチャンスになってしまうだろう
ここで捕まえることが出来なければ、何もかもお終いだという気持ちで臨まなければ
「くっそ…! ステイルッ!」
当麻は叫んで彼を探そうとする、と、ちょうどよく迂回の道を歩いてきたステイルと、先ほど自分が走ってきたところから式が小走りで駆け付けて来ていた
「声を荒げるな上条当麻。聞かれたらどうするつもりだ」
「…その様子だと、何か切羽詰った様子みたいだな」
当麻は頷いて先ほど土御門から聞いた情報を掻い摘んで二人に話した
その情報を聞いて、二人の表情が真剣なものに変わっていく
「急いだ方がいいな」
「だね。案内しろ上条当麻!」
分かった、と大きく頷いて三人は走り出した
不幸中の幸い、と思うことはオリアナがこちらに発見されたことに気づいていない、という可能性だ
しかしもし気づかれて、全力で逃走に入られたらそれこそ終わりだ
相手は歩きで、こちらは走り
足りない時間と距離は、速さで埋めていくしかない
気まぐれ紹介のコーナー
今回はこちらの台詞
「嫌いじゃないわ!!」
…もうお分かりですね
「嫌いじゃないわ!」とは、仮面ライダーW FOREVER AtoZ/運命のガイアメモリで誕生した迷言
使用者は泉京水
【誕生】
愛する克己ちゃんの為に、Wと戦うオカ…もといレディ「泉京水」
そこに現れたのは、京水好みのイケメンだった!
「誰、このイケメン?誰このイケメン?」
素敵なイケメンの登場に興奮する京水
「変身!」
京水(とW)の前で、イケメンはオーズに変身する
「アナタは何者!?」
「オーズ! 仮面ライダーオーズ!」
こうして、ルナ・ドーパントと仮面ライダーオーズの戦闘が始まる!
その戦闘の最中、誕生した迷言が…
「イケメンで強いのねッ、嫌いじゃないわ!」
\ハッピ バァァァァァァス デイ!!/
新しい迷言の誕生だ!
この迷言は、多くの腹筋を崩壊させた!
素晴らしい!!
【解説】
シリアスな場面が多い『仮面ライダーW FOREVER AtoZ/運命のガイアメモリ』でも、コミカル且非常に濃いキャラで多くの者の腹筋を崩壊させた「泉京水」
これは、そんな彼女(?)が放った迷言である。
新ライダーとのシリアスな戦闘…になるかと思いきや、この台詞の連呼によって劇場は爆笑の渦に包まれた
それにより、今なお多くの者の心に深く残る迷言である
尚、この迷言は 京水役の須藤元気氏のアドリブである (と言うか、京水のオカマ設定自体アドリブ)。
【後々】
非常にインパクトの強いこの迷言は、多くの反響を呼び。
嫌いじゃないわ!
嫌いじゃないわ!
に対し
セイヤー!
と返すのはある意味お約束
【仮面ライダーエターナル】
『仮面ライダーダブルRETURNS 仮面ライダーエターナル』にも…「嫌いじゃないわ!」は登場した
「こいつ…強いわ!特に縛りがね!嫌いじゃないわ~ん!」
だが今回はコミカルな場面だけでは無く、克己と協力して戦ったレイカに対する讃辞としても贈っている
この「嫌いじゃないわ…」は、少しだけクールな言い回しである
しかし…例によって須藤氏のアドリブ全開で、他の場面の京水はコミカルになっている。
以上、アニヲタウィキからでした
ではまた