とある魔術の禁書目録 ~変わらない笑顔で~   作:桐生 乱桐(アジフライ)

68 / 79
いつにも増して無理やり感
いつもの事ですけどね
多分次回とエピローグ的なので大覇星祭編は終了
次はどうしようかなー

鎧武もいよいよ最終回間近
みんなで結末を見届けましょう

余談
ドライブの変身方法を友人と駄弁る

きっと鍵だよ、んで二号ライダーはボタンで変身(最近の車はボタンでエンジンかけるタイプがあるので)するんじゃないかなー、なんて言っていたら情報が公開されたらまさかのミニカー
個人的にはいい線いってたと思いますがどうですかね…


#60 主義と主張

タイガは手に持っている斧のような武器でクウガを攻撃を行ってきた

向こうは武器をもち、こちらは素手…状況は圧倒的にこちらが不利ではあるが、こっちには仲間がいる

 

こちらの隙を埋めるようにブラックイクサが攻撃を行っていく

しかし相手もなかなかの手練れらしく、器用にこちらの連続攻撃を捌いていく

 

相手の持つ斧の一撃を気を付けながらクウガとブラックイクサは反撃を試みていく

グッとタイガは両手で握られたデストバイザーを横に振るう

振るわれたその一撃をクウガは身を屈ませることで回避し、その合間を縫うようにブラックイクサがイクサカリバーのガンモードで援護していく

 

クウガに気を取られていたことで反応が遅れ数発の弾丸をタイガはその身に受けた

その隙を逃すまいとブラックイクサが接近してガンモードをカリバーに切り替えて斬撃を繰り出す

一方のタイガは仰け反りながらも体制を整えたタイガはその斬撃をデストバイザーで受け止め、鍔迫り合いへとと発展させる

ブラックイクサは負けまいと足を踏ん張るがやはり男性の腕力には適わず徐々に押し負け、やがて上に弾かれ腹部を蹴られ吹き飛ばされる

吹き飛ばされたブラックイクサを受け止めて、再度クウガが前に出る

 

「アラタ!」

 

ブラックイクサの声に一度クウガは振り向いた

すると彼に向かって彼女はイクサカリバーを投げ渡した

彼はそれを受け止め、構えながら叫ぶ

 

「超変身!」

 

叫びと共に赤いアマダムが紫色に輝きその鎧を形作る

赤い鎧は銀色を主体とし紫色に縁どられた鎧へと変化させ、ブラックイクサから借りたイクサカリバーは専用剣〝タイタンソード〟へと形を変える

 

「…へぇ、そんな事も出来るんですか」

 

ちょっと面白そうに呟いた後で改めてタイガはデストバイザーを構えなおした

ああいうのは一度見たことがある

カードを装填しないのは余裕の表れか、それとも武器とカードがないのか、はたまたカードを温存しているのか

そんな考察をしつつクウガはタイタンソードを持ちタイガへと向かっていく

 

 

目の前で色を変え、剣を持ったクウガと斬り結びながらタイガは一人思案する

想像以上に手強いぞ、彼は

タイガは戦闘に使用できるカードがあまりなく、別のモンスターに作用するものがメインだ

相手が自分と同じデッキを用いたライダーならフリーズベントが使えるのだが

…いや、もしかしたら冷気を生み出して多少なりとも作用するのでは、とも思ったがここには拉致してきた一般人もいるのでそれはやめておく

一度相手と距離を置きながらちらりと浚ってきた女の子へとちらりと視線をやる

独自に調べた情報で、目の前の男が庇ったという女の子だ

別段、彼女に危害を加える気はない

今、彼女にはオリアナに頼んで彼女が視認されなくなる魔術を使用している

この魔術は彼女自身に作用しているのでこっちが解除するかあの男の右手が触れるかで解除されるだろう

最もオリアナは一度使った魔術を二度使わない主義なのでこれっきりなのではあるが、彼女はこちら側の切り札だ

適当なタイミングで魔術を解除し、存在を認識させ多少でも動揺すれば勝機はある

…もっとも、後でリドヴィアに怒られるかもしれない、というか怒られるだろう

しかし、今はどうでもいい

大事なのは結果だ

 

「ぐ、のわっ!」

 

そんな思考の隙を突かれたか相手の剣の一撃をもろに喰らう

軽く地面を転がりながら片膝を付きながらデストバイザーを相手に向けながらゆっくりと距離を取る

…やはり、二体同時は苦しいか、しかしオリアナは割と容易く捌いてはいるのだが

戦い方の違いだろうか

 

「…はは、やっぱり、強いな君は…」

 

ゆっくりと歩きながらタイガは拉致してきた女の子付近に接近する

そして肩に貼り付けた一枚の単語帳に手をかけた

 

「…何をするつもりだ」

「気をつけろアラタ。きっとロクでもない事だ」

 

口々にクウガとブラックイクサがそう呟く

しかし行動に迷いはない

 

「いえ、ちょっとしたゲストってヤツを事前に招待していたんですよ。えぇ、スペシャルゲストってヤツを」

 

そう言いながら一気に単語帳を引っぺがす

事前に剥がせば術式は解けるとオリアナからは聞いている、問題はない

 

「…ゲスト、だと? お前一体何を言って…ッ!?」

「なっ、確か、彼女は…」

 

彼女としてはようやく声が出せた、と言った状況だろう

目をぱちぱちさせながら、うわ言のように呟いた

 

「鏡祢、アラタ…」

 

そして恐らくではあるがゆっくりと見えてきたはずだ、知人である彼女の姿が

顔は分からないが、クウガとブラックイクサには明らかに動揺が見て取れる

そして、オリアナと戦っている上条当麻にも

 

「!? おい、なんで…!?」

 

表情に出ている分、こちらの方が愉快かもしれない

 

「勘違いしないで。提案したのは彼なんだから。お姉さんもここに来た時に知ったのだから」

「ふざけんなっ! どのみち巻き込んでるのと変わんねぇだろ!」

 

はっきりと怒気を口から吐き出し上条当麻が吠える

それに対しタイガは余裕を見せ

 

「大丈夫ですよ、彼女には何もしてません。えぇ、大事なゲストですから」

「お…前…!」

 

こちらのクウガからもはっきりと怒りの感情が伝わった

…これで少しはやりやすくなればいいのだが

タイガはデッキから二枚のカードを取り、それをデストバイザーにベントインする

 

<ストライクベント>

<アドベント>

 

するとタイガの両手には契約モンスターデストワイルダーの爪部分をもして武器、デストクローが顕現し、そして隣には自身の相棒であるデストワイルダーが現れる

タイガはワザとらしく爪を研ぐように両手を擦り合わせる

 

「片方を。僕は、クウガを」

 

デストワイルダーにそう指示し、タイガは歩き出す

さぁ、どう出る…?

 

 

「鏡祢、アラタ…」

 

久しぶりに出た言葉はそんな淡白な言葉だった

目の前で起きているこの状況に吹寄は理解できていない

どうして上条当麻が拳を振っているのか、とか、なぜ鏡祢アラタとシャットアウラが姿を変えて戦っているのか、とか、そんな疑問が頭の中で回り始める

 

思えば気になるところはあったのだ

ある日、ケンカでもしたのかと思えるくらい些細な傷をしていたり、翌日になると増えていたり

当然、それは風紀委員に所属しているからだろう、とその時は納得していたが今のこの状況を考えるともしかしたら見えない所で彼らはこんな事をしていたのではないだろうか

 

そんな考えをしているとき、白いライダーの隣に虎のような化け物が現れた

ライダーは斧のようなものを構え、ゆっくりと化け物と共に歩き出す

やがて接近し、白いライダーは眼前の敵に斧を振り下ろす―――が、その刃は届くことはなく持っていた剣で防いだ

 

「―――吹寄」

 

赤いライダー…いや、今は銀色? のライダーとなったアラタが吹寄に向かって呟いた

不思議とその声は、耳に聞こえた

 

「…待ってろ、すぐに助ける」

 

それだけを言って手に持った剣をもう一度振るった

今度はその浅い当たりでなく、白いライダーの胸部に直撃する

 

「ぐあっ…!?」

 

仰け反る事を許さず、彼は相手の手を掴み、後ろへ投げるようにブン投げた

地面を転がりながら体制を整えて相手は立ち上がる

必然的に、吹寄の目の前には彼の背中が見える位置となる

その背中は、不思議と頼もしく見えた

 

 

目の前の化け物の存在は正直シャットアウラはよくわかっていない

しかし相手の攻撃手段は見るからに分かり易い両手にある大きな爪で判断できる

イクサの装甲を信じていない訳ではないが、喰らえば大きなダメージとなってしまうだろう

それに、無関係な一般人を平然と巻き込むような奴らに、加減をするつもりもない

 

しかし今現在はブラックイクサのメイン武装であるカリバーはクウガに貸してしまっている

必然的に徒手空拳で戦闘するのだが、武装がないわけでない

ベルトにセットされてあるイクサナックルだ

そして、切り札となるのがもう一つある

…それはライジングイクサとなる事だ

しかしこの力は、まだシャットアウラでは上手く制御出来た試しがない

アラタやアリサらに隠れて名護と訓練してはいるが、上手く扱えた試しがないのだ

 

(…名護さんも使いこなすには苦労した…と聞くが)

 

正直自分が使いこなしているビジョンが全く浮かばない、やはりこの案はなしだ

使いこなすことが出来ないなら、今ある戦い方でこいつを打倒する…!

ひとまず、とそんな事を考えながら目の前の怪物の攻撃を避けながら反撃のチャンスを狙う

大振りな攻撃を屈んで躱し接近しつつ、ブラックイクサはナックルに手をかけてがら空きとなっている腹部にナックルを取り付けた拳を叩きつける

 

手ごたえはあった

しかし効いているかと問われれば正直頷けず、仰け反っただけにも見える

と、再び大きな爪が斬り裂こうとブラックイクサに襲い掛かる

慌てて後ろに飛び退いてそれを回避し虎の怪物を見た

 

「ならば…!」

 

今度はナックルをベルトに戻してフエッスルを取り出し、イクサナックルにセットし操作する

 

<イ・ク・サ・ナ・ックル・ラ・イ・ズ・ア・ップ>

 

「ハァァァァァッ!!」

 

もう一度ナックルを手に今度は全力の力を込めて彼女はブロウクンファングを放つ

放たれたその一撃は真っ直ぐ飛び、目の前の怪物に飛んでいく

しかしその怪物は爪の甲部分を盾にしその一撃を防ごうと試みる

受けた直後はジリジリと後ろに仰け反っていくが、やがてゆっくりと前に前にと進んでいく

 

「ガァァァァッ!!」

 

やがて怪物はそんな雄叫びを上げながら両腕を開きブロウクンファングをついに弾いた

その拍子に両腕が大きく開く体制となる

瞬間、電子音声がデストワイルダーの耳に響いてくる

 

<イ・ク・サ・ナ・ックル・ラ・イ・ズ・ア・ップ>

 

最初のブロウクンファングを防いだとき、デストワイルダーの意識は完全に防ぐことに向いていた

その隙を突き、ブラックイクサは跳躍し自らの身を上空へと移動させていた

上空からの奇襲攻撃

 

「―――喰らえ―――」

 

落下の勢いを利用してもう一度ブロウクンファングを放つ

今度は防ぐ事叶わず、がら空きとなったその身に、ブラックイクサは己の拳を叩きつけた

 

 

ステイル=マグヌスの意識は明滅していた

横倒しの視界、にじむようなな顎の痛み

自分が倒されたと気づくまで、実に三秒の時間を要した

彼は接近戦に使うような体力に恵まれてる訳じゃない

それは彼が体を鍛えてないのではなくさらに根本的な所に要因がある

ステイルがルーンのカードを用意したり暗号化した呪文等を使うのはその魔術に莫大な魔力を用いるからだ

元来魔力というものは体の内側で様々な術的な作業をこなした上で生まれるものだ

普通の魔術師ならさほど辛くない作業でも、彼の[魔女狩りの王(イノケンティウス)]みたいな教皇レベルとなれば話は変わってくる

 

簡単な作業も数をこなせば疲れるのと同じく魔力精製[作業]はステイルの体を圧迫している為、スタミナ消耗も早いのだ

簡単に言えば彼は体の内側、外側の両側で運動しているようなもの

ステイルは神裂火織のように選ばれた聖人ではない

土御門元春のように一つの道を極めた天才魔術師でもない

 

それでも戦う理由が彼にはある

 

だからこそルーンの文字を修得し十字教文化へと組み込んで魔女狩りの王(イノケンティウス)という教皇レベルの術式を手中に収めることが出来た

その代償に近接戦の可能性を全て捨て、ルーンカードが無ければ炎一つ起こせない状態になってでも

 

(く、っそ…)

 

意識が揺れた

その状況の中、拳を振るう音と魔術が交差する響き、そしてその付近に爪と剣とが切り結ぶ音が聞こえ、妙な電子音声も聞こえてくる

 

あの上条当麻(しろうと)はまだ戦っている

 

どんなに攻撃を受け、叩き込まれて、ねじ入れられても

倒れず、諦めずに歯を食いしばって、ただただ拳を握り締めて

 

またその近くでは鏡祢アラタとその連れが戦っている

紛れ込んでいた己の知人を助けるために、そして、今やっているこの祭事を守るため

 

―――誰も、諦めてなどいない

 

オリアナと戦う上条当麻と同じように諦めてなどいない

自分はもう〝あの子〟の隣にはいられない

どれだけ月日が経ってもあの立ち位置には二度と戻れない

 

だが

 

「世界を構築する五大元素の一つ。偉大なる始まりの炎よ…!」

 

たった一人の女の子を守る為に、掴んだ様々な技術

彼女の笑顔を踏みにじらんとする者と戦う為に、ただそれを目的に血反吐を吐くような痛みと共に手に入れた数々の炎の魔術

 

自分の背中を押す淡い感情もわからないままがむしゃらに手を伸ばした結果

 

「それは生命を育む恵みの光にして、邪悪を罰する裁きの光なり」

 

ステイル・マグヌスは知っている

この術式にもう何の意味も、価値もない事を

あの少女の隣を歩いてくれる人物が存在し、そのためにこの術式はすでに用済みである事も

 

「それは穏やかな幸福を満たすと同時、冷たき闇を罰する凍える不幸なり」

 

それでも、この術式(ちから)はきっとあの子以外の誰かを守れる

例えば大きな瞳に涙を溜め、返り血で両手を朱に染めて

全く意味ない(つたな)い魔術に全て願ったあの小さな女性

例えば関係もないのに胸元に掲げた十字架一つで勘違いされ、血の海に沈んでしまった一人の少女

 

「その名は炎、その役は剣…!」

 

その行為はステイルにとって何の慰めにもならない

例えるなら、大切な人の為に心を込めて作ったケーキを全くの赤の他人が「美味しい」と食べてしまうようなものだ

 

たとえどんなに褒められても、心の隙間は埋まることはないだろう

絶対に

 

「権限せよ…」

 

それでも彼女達を助ける事が結果として一人の少女の笑顔を守る事になるならば

この学園都市を守る事が一つの幸せに繋がる事になるのなら

ステイル=マグヌスは受領する

 

全身全霊を振るい、全くの別人を助けるが為に

 

「我が身を喰らいて力と為せ―――」

 

今もまだ残る感情の下

 

「―――魔女狩りの王(イノケンティウス)

 

ここにいる敵を倒す事を

 

ドォ、と彼の修道服の内側からまるで紙吹雪のように膨大なルーンのカードが舞い散った

彼を中心に渦巻き、周囲の砕けたアスファルトに張り付いて

刹那、炎が吹き荒れる

紅蓮の輝きを放つ炎は、外から内へと一気に集束し、その中心に黒い重油みたいな人型の芯を据えて

ステイルの隣に立つのは、摂氏三千度の炎の巨神

 

「行くぞ…、魔女狩りの王(イノケンティウス)―――」

 

告げながらゆっくりと地面から立ち上がる

手をついて、足をつき、ふらふらとした動きだが決して、体の芯と心の軸は折れず

彼は天に向かって自身の魔法名を叫ぶ

 

「Fortis931…!!」

 

ステイル自身が己が魂に焼印し、必死で組み上げた[魔女狩りの王(イノケンティウス)]に望むものは

 

「―――我が名が最強である理由を、ここに証明しろっ!!」

 

 

「―――デストワイルダー!」

 

爪との斬り合いの最中、タイガはそう叫んだ

ふと後ろを見ると、ブラックイクサーーーシャットアウラがふぅ、と息を吐いたように見える

どうやら勝利したようだ

付近で倒れている虎の怪物はふと現れた鏡の中に吸い込まれるように消えていく

 

同時に、ゴォッ!! と炎が吹き荒れるような音が聞こえた

どうやらステイルが復活したみたいだ

ここからでは炎の熱を感じるくらいしかできないが、きっと問題ないだろう

なんだかんだで、当麻とは仲が良いし

そう考えて改めて目の前の敵に向かってクウガは剣を構えた

 

「なんで、お前は使徒十字なんてもの、いや、オリアナたちに加担する」

「…この世の中に、理不尽って言うのが、多いって思いませんか」

「―――理不尽?」

 

タイガは構えたまま、ゆっくりと語りだす

 

「どんなに努力しても、報われない人たちがいる。結局この世界って言うのは才能のあるかないかの違いなんだ。…だから僕は平等を求める…!! たとえそこに、間違った笑顔があるとしてもだ!」

 

それを聞き、クウガは仮面の中で瞳を閉じる

―――どこでこの男は歪んでしまったのか

確かにこの世界は不平等だ

能力者になる事を夢に見て、この学園都市に来てやってきて、出された結果が無能力者の烙印を押され

弱者が強者に虐げられるのは、いつの時代も同じなのだ

 

何となくだが、彼の気持ちもわかる

それでも―――

 

「こっちも、譲れないんだよ。生憎とその不平等の中を、楽しく生きてる友達がいるんだから―――!!」

 

剣を握る手に雷が宿る

バヂバヂと己の身体に迸り、少しづつその姿を変化さえていく

銀色が主体だった鎧ははっきりとした紫色になり、金色で縁取られる

タイタンソードに金色の切っ先が現れ、その範囲を伸ばす

 

「―――」

 

静かに息を吐きながら右手に持ったライジングタイタンソードを突きつける

それに呼応してタイガもデストクローを静かに身構えた

二人の距離は数メートル、互いにすぐ踏み込める距離だ

仮面からは互いの息遣いが僅かに聞こえ、どちらも互いの隙を伺っているように見える

数秒経って―――どちらともなく駆け出した

 

互いの爪と剣を振り抜き、二人の身体が交錯する

ガキンッ!、という音がした

僅かな時間、静寂が支配する

 

「…ぐっ」

 

先に膝を付いたのはクウガだった

痛みに仮面の中で表情を苦痛に歪めるが、それでも倒れはしなかった

次に動いたのはタイガだった

 

「…強いね。君」

 

短くそう言うとやがて糸が切れた人形のようにその場に崩れ落ち、変身が解除される

気を失ったのだろう

剣を杖代わりにしてクウガはゆっくりと振り返る

 

いつしかライジングも解け、紫のクウガに戻っていた

クウガはただ黙って変身が解けたタイガをじっと見つめていた

やがて彼はぺたりと座ったままの吹寄の下に駆け寄り、彼女の身体に巻かれていた拘束を解いていく

 

「…吹寄、怪我はないか?」

「あ、あぁ。特に、は」

 

彼女の手を引いて、アラタは吹寄をその場に立たせる

軽く彼女の様子を見るが怪我をした様子はなさそうだ

思わずクウガは笑みを浮かべる

 

「よかった…」

「…お前だったんだな」

「え?」

「いつか、私を助けてくれた仮面ライダーは」

 

一瞬、何のことを言われたのかは分からなかった

しかしすぐに思い出す、いつの日か外に出かけたらばったり吹寄と出くわし、そのままある事件に巻き込まれたことがあった

 

「…遅くなったけど、言っておきたい」

「? 何を?」

 

少し間をおいて、僅かに笑みを作り吹寄は口にした

 

「―――ありがとう」

 

唐突に言われたその言葉に一瞬クウガは面喰らう

しかしすぐに苦笑いと共に息を吐きながら

 

「どう…いたしまして」

 

そう短く返事をした

 

 

オリアナは覆い始めた薄闇全てを薙ぎ払うような炎の閃光を見た

 

「ステイルっ!!」

 

異変に気づいた当麻は凄絶な笑みを浮かべ、振り返らずに魔術師の名前を叫ぶ

そしてまるでそれに呼応するように業火の光量が増した

 

「お姉さんに、蝋燭責めの趣味はないのよっ!!」

 

オリアナは当麻の攻撃を横に避け、動きを利用し当麻の右側へと体を移動させる

上条当麻を反対側から襲い来る炎の巨神の盾として

 

「…、」

 

多少離れた場所に立っていたステイルは微妙に眉をひそめて

 

「一緒に死ね」

「は!? ちょ、うおぉぉ!?」

 

当麻が身を屈めた瞬間魔女狩りの王(イノケンティウス)の右腕が横殴りに振るわれた

その長い腕は当麻の髪の端をわずかに焼いて、オリアナの上半身目掛けて勢いよく迫ってくる

この火力が爆発すれば確実に当麻をも巻き込む位置であるにも関わらず

 

「な…!?」

 

驚いたオリアナが後ろへ下がろうとした直前に

 

「危ねぇだろ馬鹿!!」

 

当麻のアッパーが頭上を通る巨神の右腕を殴りあげる

業火の腕は消滅こそしないもののいきなり軌道を不自然にねじ曲げた

摂氏三千度

掠っただけでも肉が溶ける獄炎

 

(ぐっ…!!)

 

オリアナは腕を咄嗟にクロスし、防御の体制を作った

ガードの上に全体重を込めた当麻の右拳の一撃が突き刺さる

ゴン! という激突音が響く

 

衝撃を逃がす隙がない

ビリビリと両腕に痛みと振動が伝わってくる

 

(!! 硬直するのはマズいわね…)

 

常に距離を取り魔術と物理的カウンターを狙うオリアナは単純な殴り合いなんてものは望んでいない

そんな思考をしていると

 

「吸血殺しの紅十字!!」

 

新たな炎が吹き荒れる

当麻の後ろから両手に炎剣を宿らせたステイルが勢いよく走ってきた

 

(まずっ…!)

 

オリアナは舌を打つ

炎剣の脅威はやはり爆発力

爆炎、爆風をまともに喰らったら恐らく骨も残らない

 

(先に叩くのは、魔術師の方…!!)

 

彼女の意識がステイルへとシフトしたが

突如駆けていたステイルがアスファルトの破片に引っかかってすっ転んだ

 

「帰れヘタレ魔術師!」

 

当麻が叫びながら顔面に拳を放つ

ハッとしたオリアナが注意を戻して顔の前にガードを敷く

 

「黙れっ! このド素人!」

 

当麻の後ろですっ転んだステイルが両手の炎剣を地面に叩きつけた

 

ゴン!! という壮絶な爆発と共に壁のような爆風が前方に襲いかかる

背中を押されつんのめった当麻のバランスが崩れて拳の目測が外れた

オリアナのガードの隙間をくぐるように

顔からわずか下、胸の中心部

ドンっ、という床板を強く踏むような音が響き渡った

 

「が、ぁああっ!!」

 

攻撃が直撃した

理由は単純明快、当麻とステイルの動きが読めないから

 

「邪魔だ馬鹿!!」

「君がどけ!!」

 

チームワークはゼロ

はっきり言ってないと言えるだろう

しかし、そのメチャクチャな動きの矛先はオリアナに向いていて

 

(読めない…!?)

 

互いが協力するならまだしも完璧に互いが互いの足を引っ張りあっている

しかしだからこそ、読みづらい

 

「ちぃ…!!」

 

単語帳を噛み千切ったオリアナは魔術を発動させ氷の剣を振るう

狙いはステイルの腰

だが本命ではない

避けられても粒子を操り剣そのものを組み替えて追撃する準備は万全だ

 

(とにかく、必ず直撃させる。お姉さんの手管で、腰を抜かしてあげるわよッ!)

 

しかし、ステイルの背中から正面に回り込んだ当麻が氷の剣を受け止めた

瞬間的に砕け散るオリアナの武器

 

(普段はいがみ合ってるくせに、こういう時は助け合うの!?)

 

オリアナが驚く前にすでに二人はもう次の行動に移っている

 

当麻が身を屈め右手を構え

ステイルがそのすぐ後ろで拳を握り

 

―――二人同時に攻撃を繰り出す

 

当麻とステイルの拳が同時に飛ぶ

オリアナはどちらを防ぐかは考えた、が、間に合わず

ゴン!! という音と共に

顔と腹に打撃を受けた彼女の体が勢いよく後方へ吹き飛ばされた

 

 

どしゃり、と背中から地面に叩きつけられた

ごふっ、と彼女は肺から息を吐き出す

 

(―――負、ける…?)

 

金属のリングで束ねている自分の単語帳が落ちてるのが見える

ちらりと視線を向けると地面に倒れ気を失っている様子のサトルがいた

彼も、負けたのか

 

(…もう、負ける…?)

 

その事実が彼女の身体から力を抜かせていく

ボロボロの意識は襲ってくる脱力感に身を任せようとして

 

(…基準点、は、どうするの…?)

 

闇に落ち行く彼女の意識に何かが引っかかる

何度繰り返したか分からない、その問い

その問いの苦い味を、彼女は確認する

 

―――絶対の基準点が欲しくて

 

彼女の一つの行いに対して、誰かが感じるのは様々だ

感謝する人もいた

恨んでくる人もいた

どうすればいい、と悩んだところで答えなんて出てこない

人の数だけ考えがあるなら、人の数だけ己の行いの意味が変わってしまうなら

彼女の中にどれだけルールがあっても,受け止める人によって結果なんて様々だ

正しい事なんて、一つもない

 

(皇帝でも、誰でもいい。…誰のためにだって、戦ってあげる…だから)

 

答えがないから、作りたいと思った

全てにおいて満足できるような、その為にここまで来たのだ

 

―――だから、誰か、明確なルールを作ってください。皆を幸せにして、価値観の祖語から来る悲劇なんて生まれることなんてないような、そんな素晴らしい世界を

 

そう己の中で思ったとき

 

カッ、とオリアナの目が見開かれる

 

(―――勝つのよ)

 

足はまだ動かない

故に、彼女は簡単で効率のいい行動に出る

 

(勝手、答えを作る。―――私の、私の名前は―――!!)

 

一度手を離れた武器を、彼女は意地で掴みとる

 

礎を担いし者(Basisl104)!」

 

 

ガキン、ガキンと人形の鋭利な手と両儀式のナイフが交差し火花を散らす

こういった人形のようなやつと切り結ぶのは初めてではあるが、なかなかに手強いと思う

 

「流石、両儀式といった所ですね。油断するとすぐに殺られてしまいそうです!」

 

嬉々とした様子で彼女は両手を動かしている

よく目を凝らさなければ分からないが、彼女の手からは何本か糸が繋がれており、それらは全て人形へと直結している

意外にも動かし方は古風だった

 

「ったく、やけにテンション高いな、お前」

「失礼、ですけど、一度戦ってみたかったのは事実ですわ、直死の魔眼の持ち主!」

 

言葉と共にまた彼女は手を動かす

すると人形の手が変形…といった表現が正しいか不明ではあるが、そこから銃のようなものが飛び出てくる

 

「…なっ…!?」

 

流石にそのギミックには驚いた

再び女の魔術師が手を動かしてそれに呼応するように人形が銃口をこちらに向けてくる

瞬間、人形の手から弾丸が放たれた

式は放たれる前から素早く動き回りなんとかその銃撃を躱していく

 

少し走って、式はたまたま目に映った柱の陰に身を隠す

直後ダンダン、と放たれた銃弾が柱に当たる

 

「くっそ…厄介だな…」

 

一度、二度と息を吐いて気を落ち着かせる

こちらにも遠距離攻撃手段はあるにはあるのだが、相手と違いこっちは数が限られている

しくじれば不利になるが…そうも言ってもいられない

式は義手の調子を確かめるように握って開くを繰り返した

 

「…よし」

 

大丈夫だ、問題ない

覚悟を決めた彼女は僅かに銃撃が休んだその瞬間を見計らい柱から飛び出した

 

「む…!?」

 

級に飛び出した式に相手の魔術師は一瞬ではあるが訝しんだ

その一瞬を、式は逃さなかった

左手に仕込んでいる隠しナイフを取り出し、人形に向かって投擲する

真っ直ぐに飛んで行ったそのナイフは銃口に突き刺さり、僅かながらの隙を生み出す

 

「なっ…!?」

 

そのまま式は目を蘭と輝かせる

人形を視て、その線をなぞるように己の持つナイフを振るった

 

「視えた―――」

 

ヒュン、と振るわれたナイフは人形の線を切り裂く

直後、その人形はバラバラとなり、その場には人形だったモノが残された

式は息を整えるように立ち上がりその場でナイフを弄ぶ

そして一言、こう言った

 

「…まだやるか?」

 

その視線を受けて、魔術師は苦笑いと共に両手を上げた

 

 

その雄叫びを、当麻は聞いた

日本語でもなく、英語でもない外国語

それを意味することに、ステイルがいち早く気付いた

 

「伏せろ上条当麻!」

 

ステイルの足が当麻の背中を蹴り飛ばす

地面に転がる当麻に目もくれず、待機させていた魔女狩りの王(イノケンティウス)を呼ぼうとする

しかしそれより先にオリアナが動く

 

鮮血が散った

 

彼女が放ったサッカーボールのような大きさの氷の球体が、ステイルを貫いたのだ

ステイルはすとんと膝を付き、そのまま言葉もなく地面に倒れ伏した

 

「―――す、ステイルッ!?」

 

当麻が叫んだ

信じられない、という表情で

 

「お前ッ!!」

 

クウガも怒りをあらわにし、接近しようとするがその行動を呼んでいたのかすでに引きちぎっていたもう一枚の単語帳を突きつける

今度は野球ボール大の氷の球体だった

それも一つではなく、無数に生み出されたその球体

しかもあろうことか、わざわざその範囲に吹寄を巻き込んで

 

(―――こいつ!?)

 

それにブラックイクサとクウガは息を呑む

恐らくオリアナは―――自分たちが吹寄を守ることを想定してこの攻撃を仕掛けてきたのだろう

そしてオリアナの思惑通り―――吹寄を守るために二人は己の身体を盾にする

ドドドッ!! と球体がクウガとブラックイクサに襲い掛かる

 

「ぐ、あぁっ!」

「あうっ!?」

 

痛みに耐えるような声がした

無数の球体の攻撃が止んだ時、その場に力なくクウガとブラックイクサが膝を付く

強制的に変身を解除させられた二人が、どさりと地面に倒れ伏した

 

「シャ、シャットアウラさん!? アラタっ!?」

 

倒れた二人に背後の吹寄が駆け寄る

その光景を見て、ギリ、と当麻は拳を握りしめる

 

「―――いい加減にしろよテメェ! いったい何人傷つければ気が済むんだよ!!」

 

使徒十字が使われるかもしれない状況の中、当麻が叫んだのはそんな言葉だった

ステイルは応急処置をしなくてはならないし、ステイルほどではないにしろ、アラタとシャットアウラも心配だ

だがそんな時間すらも、この相手は許してはくれない

 

「お姉さんだって、傷つけたくてやってるんじゃないの」

 

どこか吹っ切れたような表情で彼女は口を開いた

 

「それが嫌だから戦っているの。馬鹿馬鹿しくも見えるでしょうけど、こっちにも目的がある。さぁ、来なさい坊や、貴方を倒せば役目は終わり。あとは使徒十字が望む世界を作ってくれる…」

「他人任せで未来決めてもらってる分際でえらそうなこと言ってんじゃねぇ! これだけの事しでかしておきながら全部自分の意思じゃないとでもいうつもりかよ!」

「―――正直ね、誰でもいいのよ。誰に従うのかは重要な事じゃない。今回はたまたま魔術サイドに縁があったって話よ。使徒十字は、お姉さんの目的を果たしてくれそうだったから、ね」

 

残っている力を温存するように、彼女は口を開く

慎重に距離を測るオリアナに対し、当麻はズン、と前へ踏み込んだ

 

「…その目的ってのはなんだよ」

 

当麻はそう問うた

オリアナは自嘲気味な笑みと共に、その問いに答える

 

「ねぇ、坊や。この世界にはどれだけの主義主張、信仰思想、善悪があると思う?」

「…なに?」

「答えはいっぱいよ。本当にいっぱい。数えるのが馬鹿馬鹿しくなるくらいにね。たとえばおばあさんに譲ってあげた二階建てバスの座席にテロリスト用の呪符が仕掛けられてたり、迷子を保護して教会に届けてあげたと思ったら実はイギリス清教から逃亡してた魔術師で、後で処刑塔に髪を引きずられていったって教えられたり。…今日だって木の枝に引っかかった風船を取ってあげたけど、それも幸福に繋がっているか判断がつかないわ」

 

言葉と共に、ゆっくりと彼女は距離を縮めていく

 

「おかしいと思わない? 隣人を守りたいと思っても、その実隣に立つ人すらも守れないんだから。だからお姉さんは求めるの。上に立つ誰かを、顔も名前も分からない、この世界を支配してる誰かに」

 

オリアナは奥歯を僅かに噛んだ

感じる苦味を振り切るように、彼女は言葉を発する

 

「―――誰でもいいから、この世界の主義主張を支配してくださいって」

 

偶然なんて言葉で自分の親切心全て裏切られた彼女が二度と裏切られないようにする為

だがその目的は大きすぎて彼女一人では叶えられない

だから彼女はより高く、強く、優れた人間に託そうとした

絶対の基準点

偶然が生むすれ違いや、誤解などの悲劇を生まないようにする為に

 

「それがお前の目的か」

 

ずい、と当麻が前にさらに踏み込む

オリアナから視線を逸らすことなく、真っ直ぐにその瞳を見つめる

 

「…なら、お前は安いヤツだよ。悪ってわけじゃないんだろうけど、それでも安い。。そんな程度の自由の為に、学園都市の皆を差し出せなんて申し出は、受け入れる事なんかできない」

「―――なんですって…!?」

 

オリアナの表情が崩れる

その僅かな変化だけで、その整った顔立ちが崩れていく

 

「―――坊やは、坊やは!! 見たことがないからそんな事が言えるのよ! ただ悔しいって言う、その一言を! 子供が希望すら持てず、老人が絶望も持てなくて! その身に降りかかる事態に、茫然と立ち尽くすしかない、そんな表情を見ていないから―――!!」

「それでも、だ」

 

上条当麻は変わらない

強い決意を持ったその眼差しで、目の前の相手を見据えている

 

「それが学園都市を攻撃していい理由にはならない。誰かのために誰かを踏み台にしていいなんて理屈には変えられないんだ、絶対にな」

 

想いや、宗派、国境という大雑把なもので区切られている訳じゃない

確かに価値観や主義主張というのはトラブルを招くかもしれない

だが逆に言えばそれぐらい大切なものだ

譲れないものの一つや二つ、誰だって持って良いんだ

 

「お前が感じているのは、皆感じてることなんだ。そして解決策も、それぞれで違ってくる。目的一個持ってるからって、お前の行動全部が無条件で許されるはずはないんだ」

 

告げながら、当麻は己の武器を握りしめる

 

「俺だっていつでもそう都合良くいくなんて思っていない。だがそこで立ち止まっても仕方ないだろ! 失敗しても、転んでも! 立って歩け、前を向け! どれだけ無様でも、自分の想いが全て裏目に出てしまっても、それならその裏目から皆を引きずり出すために立ち上がるのが筋だろうが!! なのに、他人の人生を、アンタが途中で投げ出すな!!」

 

そして最後に、こう言った

 

「なぁ、アンタはどっちを選ぶ。一度失敗したからって全部を他人に任せるか、失敗してもその失敗した人たちにもう一度手を差し伸べてみせるのか!」

 

その言葉を受けて、オリアナはフッと笑った

これまでのと違い、ごくごく普通の笑顔を

 

 

目の前の少年と戦闘しながら、オリアナ・トムソンは思い出していた

 

いつの日の事だったか、オリアナはあまり覚えていない

運び屋という職業から、彼女はいろいろな国に行くことが多かった

 

しかし事件というのはどこにでも付き物で、その日運悪く事件に巻き込まれてしまった

その事件は近隣の住民さえも巻き込むような、見境のないものだった

だがその事件は誰の犠牲もなく、終結を迎えることになった

 

その大半は、ある青年の助力の賜物でもあった

当然オリアナとしても目の前で誰かが死なれても気分が悪いので手を貸した程度なのだが

 

オリアナは青年に聞いた

 

―――どうして首を突っ込んだの? 

 

それは素朴な疑問だった

明らかにこの場の、いやこの国の人間ではない青年がどうしてこんな危険な事件に首を突っ込んだのか

何となくだけど、オリアナは聞きたくなった

すると青年は、笑顔でこう言った

 

―――だって、ここの人たちは、昨日からの付き合いだから

 

一瞬、言葉の意味が分からなかった

あとで知ったのだが、この青年は友人と一緒に気ままに世界を巡っているらしく、昨日ここに着いて交流を持った家族の厄介になっていた、という事だった

 

―――勇気があるわね。だけど、こう言っては何だけど見て見ぬふりをすることもできたじゃない?

―――だって、手を伸ばせるのに伸ばさなかったら、死ぬほど後悔する。それが嫌だから手を伸ばすんです。…貴女だってそうでしょう?

 

…もし、その青年が、自分がこの使徒十字を用いる計画に加担していると知っていたら、止めに来てくれただろうか

確証はないが、来てくれそうな予感がする

 

自分が放った渾身の魔術が、少年に捌かれて拳が握りしめられる

驚きはしたが、言葉にその驚きを表現することはなかった

 

拳が己に来るその瞬間、自分はどんな顔をしているだろう

自分で自分の顔を知る由などない

真っ直ぐ突き出された彼の全力を乗せた一撃を顔面に受けた

 

彼女の身体は壮絶な勢いに乗り、後ろへと転がって行った―――




気まぐれ紹介のコーナー

今回はこちら

仮面ライダーカブト(PS2)

こちらは2006年にバンダイナムコゲームスより発売されたPS2用の格闘アクションゲーム
『仮面ライダー龍騎』以降のライダーゲームを担当していたデジフロイドが開発

この作品以降の平成ライダーシリーズのゲーム作品の制作は仮面ライダーカブト以降ストップしていたが、2009年8月6日に歴代平成ライダーが出演する『クライマックスヒーローズ』が発売。カブトも勿論登場する
劇場版ライダーやダークカブト、ハイパーガタックといった全てのライダーが登場しているのも特徴の一つ

ただ、仮面ライダーのゲームは基本は子供向けのはずなのに難易度が中々高いのにプラスして操作が難しい
操作性に関してはマニュアルからラクラクに変えられるし、難易度も変更可能だがよわいにした場合では隠しキャラクターが出ない

しかし平成ライダーのゲーム作品としての評価は高く今も人気のあるゲームといえるだろう。
キャストオフ、クロックアップシステムも完全再現されており、戦闘における戦略性も高い。
ちゃんとマスクドフォーム時の防御力の高さも再現されている。ただし、残念ながらプットオンは不可
キックホッパーのライダーキックは原作の様に連続キックをしている
余談だがこの連続キックは原作でソレを見た開発スタッフがその格好良さに痺れて、既に決まっていたノーマルキックを削除し新たに作られたモノに変更したと言われている
隠しキャラの仮面ライダーコーカサスの声は劇場オリジナルの武蔵ではなく、中田譲治が起用されている
その声と演出も相まってリアルに『痛そう』なライダーキックとなっている
また、EDロールでのキャラ名表記が間違ってたりする(黒崎一成ではなく一誠)

発売時に番組に登場したばかりのダークカブトも出演するが、キャラが本作品ではまだ定まっていなかった
その為、本編と比べてキャラのギャップがある
ライダーキックも回し蹴りで相手の姿勢を崩して後、ゼクターのスイッチを押して踵落としを決め、そのあとで踏み砕くものとなっている
本編よりこちらのキックの方が格好良いと言う声も多く、カブト好きなら一度見る事をオススメしたい
また、本編未登場のダークエクステンダーが登場する

因みにゲームやアニメのお約束である『テレビを見る時は部屋を明るくして~』の説明は、ゲーム起動時に天道が直々に『おばあちゃんの教え』として言ってくれる。
また、たまに坊っちゃまがじいやの教えとして言う時も

登場ライダー

カブト
ザビー(加賀美 矢車 影山)
サソード
ガタック
ドレイク
キックホッパー
パンチホッパー
ダークカブト
ヘラクス
ケタロス
コーカサス
ハイパーカブト
ハイパーガタック

アラクネアワーム(ルボア、フラバス、ニグリティア)
ベルバーワーム(通常、ロタ)
フォルミュカアルビュスワーム
ゼバルチュラワーム
アキャリナワーム アンバー
タランテスワーム バーブラ
ウカワーム
スコルピオワーム
ゼクトルーパー(通常、シャドウ)

放送時期の都合上、カッシスは未登場

余談だが開発元のデジフロイドは歴代ライダーゲームにおいて余り芳しくない評価を受けており、このゲームが発売された同年にも『宇宙刑事魂』といういわゆるクソゲーを輩出したことで発売前の期待感は皆無だった
しかり蓋を開けてみればなんとこれまでのゲームとは打って変わって良作であり、購入者を驚かせた
このことは「デジフロの奇跡」と呼ばれ、開発スタッフはワームに擬態されていたんじゃないかとまで言われているほど

また、本作の影響で「やれば出来る子」にイメージが変わりつつある
『クライマックスヒーローズ』が原因でもあるが

以上、アニヲタウィキからでした
自分は残念ながらこのゲームを持っていないのです(友人のをやっただけ)
買おうかなー、なんて思ってはいるのですが結構な値段がするゲーム(中古でも6000くらいはした。今はわかりませんけど)

ではまた
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。