とある魔術の禁書目録 ~変わらない笑顔で~   作:桐生 乱桐(アジフライ)

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だいぶ遅れてしまいました
相も変わらない、というかいつも以上にグダグダしてますがご容赦を

感想にも返信できずに申し訳ない

ではどうぞ


#66 その二つは交差して

<あのねー、今下位個体と追いかけっこしているのってミサカはミサカは現状報告してみたり。流石にすぐには帰れないけど晩御飯は作っておいてほしいかもってミサカはミサカは注文を出してみる>

 

そんな留守録から聞こえてきたのは打ち止め(ラストオーダー)の声だった

発信源は黄泉川自宅の電話だが、彼女のいつも通りの声色に思わず一方通行(アクセラレータ)は電話を杖で叩き壊そうとした、がすんでの所に浅倉に止められた

ある事情から負傷している今の彼は能力を使用できなければバタバタと暴れる程度の力しかないのだ

しばらくバタバタと暴れていた彼はぜーぜーと息を吐きつつ

 

「…ったく、面倒くせェガキだ」

「自由奔放も度が過ぎると、な。帰ったらちょっとお仕置きだな」

 

手塚も頭を掻きながら呟く

そんな様子を見た黄泉川も小さく笑みを作りながら

 

「そいじゃ、私らも手伝ってあげるとしますか」

「…私も?」

「桔梗以外に誰がいるじゃんよ」

 

どうやら私ら、の中に自分が入っているとは思わなかったらしく、彼女は窓を見つつ「…一日一時間以上歩いたら、倒れる…」などとわけの分からないことを呟いている

そんな彼女らに一方通行(アクセラレータ)は眉をひそめて

 

「…何の真似だ?」

「探すんでしょ。あの子を」

 

ごく普通に返ってきたその言葉に彼は少し押し黙った

その間、黄泉川は留守録のメモリを電話から引き抜きながら

 

「どうも屋外っぽいし、後ろから聞こえてる物音を解析できれば場所だって探れるじゃんよ。その辺は、警備員(アンチスキル)の黄泉川さんにまかせておくじゃーん」

「…え、でもそれって職権乱用なんじゃ…」

「細かい事気にしない気にしない。それに、迷子の捜索も治安維持のお仕事の一つ。全く問題ないじゃんよ」

 

芝浦の言葉に作業しつつ彼女は答える

どこか微妙な表情をしている一方通行(アクセラレータ)に、黄泉川は

 

「こういうの、なんて言うか知ってるか?」

「足の引っ張り合いか?」

「持ちつ持たれつって、言うじゃんよ」

 

◇◇◇

 

そんな訳で午後五時

一方通行(アクセラレータ)はと浅倉御一行は冷房もそこそこなマンションから出ていつまで経っても帰ってこない打ち止め(ラストオーダー)を探しに行くことになった

彼らの手には連絡用の携帯が握られている

 

「…とりあえず、二手に分かれて探すか。地下街は一方通行(アクセラレータ)とオレ、上の方は手塚と芝浦、頼むぜ」

 

黄泉川から聞いたところによると打ち止め(ラストオーダー)の背後で流れていたのは地下街で使用されているという室内音楽だったらしいのだ

しかし必ずそこにいるという確証はない

あれからそこそこ時間が経っているし、もしかしたら地下街の外の方へと行ってしまったかもしれない、という可能性を考慮して、こんな感じの二人組に分かれることになった

 

見つけたら連絡する、という取り決めを交わし、一行は出発する

外の探索班は他にも黄泉川がおり、彼女は移動が車のため、スピーディだ

因みに留守番役は芳川桔梗だ

探しに出ても入れ違いになってしまう可能性も否定は出来ず、暗証番号も何も知らない打ち止め(ラストオーダー)はその場で佇むこととなるだろう

しかし大人しく佇んでいるだけならばいいが、暇があればどこにでも突っ走るあの子が留まるとは考えられない

飽きてしまえばそれまでで、また捜索が面倒になる

 

「とりあえず、こっから俺らは地下に向かえばいいンだな」

「そうだな。もっとも、ついたら聞き込みでもいて情報を集めないと見つからないと思うが」

「はっ。この格好(シロづくめ)で聞きこみか」

「嫌かもしれんがやってもらうぜ?」

 

一方通行(アクセラレータ)は学園都市中で有名だ

無論、それは悪い方に、だ

そんな第一位が笑顔で接近してきた暁には最悪ショックで死ぬかもしれない

〝殺されるかもしれない、と思って反射的に撃ってしまいました〟、と言われても納得できる

 

「は、うざってェ事になりそうだ」

「違いねぇ」

 

◇◇◇

 

とりあえず今晩は一緒に夕食でも取ろう、という話になって一度アラタは美琴と別れた

正直自分が知ってるお店は翔一のレストランAGITOと光太郎のステーキハウスの二つだ

…どっちで晩御飯を食べようか、などと割と真剣に悩んでいると彼の耳に聞き慣れた声色が聞こえてくる

 

「あー! アラタ!」

「ん? …あれ、当麻じゃんか」

 

前から走ってきたのはアラタの友人、上条当麻

彼も普段着ている制服の上に黒い学ランを来て、若干冬服スタイルだ

彼はアラタの前まで走ってきて、そこで止まると息を落ち着かせるように膝に手を当てて大きく何度か息を整えた

 

「…どうした、またなんか面倒事か」

「いや、面倒事って言うか、…まぁそうなんだけど」

 

アラタに問われると当麻は苦笑いを交えつつ、頬をポリポリと掻く

その動きにアラタはうん? と首を傾げるがやがて当麻は口を開いて事情を説明し始めた

 

「いや、そのさ。インデックスとはぐれちまった」

「…なんとなく嫌な予感はしていたが、やっぱりか」

 

しかしそれは想像できなかった出来事である

彼の話によるとお昼はどこかに食べに行こうか、という話になり意気揚々と外出して、そして僅かな時間、眼を離した途端彼女の姿が見えなくなってしまった、とのこと

普段なら彼女に持たせている携帯を使用すればいいのでないか、とアラタは提案したが今回に限って部屋に忘れてしまっていて使用できない、という有り様だ

 

「…なんでこんな日まで不幸フルスロットルなんだお前は」

「面目ない。けど俺の不幸スキルは今に始まったことじゃないぜ?」

「遠い目をしながら言うな、より悲しくなってくるから」

「何を憂鬱気に空を仰ぎ見てるのって、ミサカはミサカはその背中に飛びついてみたり」

 

唐突に彼の身体が震えあがった

別段寒さからではなく、いきなり何者かに飛びつかれた驚きから来るものだろう

 

「のわわわ!? な、なんだこれっ!? アラタ、俺の背中に何かいるっ!?」

「みたいだな。んーと…ほい」

 

当麻の背中に回ってその抱き着いている謎の物体を掴んで降ろしてみる

そしてこちらに見せたその姿形に、アラタは驚きを隠せなかった

何故ならその子は、御坂美琴をおさなくした容姿をしていたからだ

当の女の子本人は? と首を傾げているだけだった

 

◇◇◇

 

何がどうしてこうなった、と浅倉は思う

今ここにいるのは地下街に入ってすぐのファーストフード店だ

店の外にはいくつかテーブルが並べてあるのだが、その一つ

 

白い修道服を着た銀髪碧眼の女の子がハンバーガーとかフライドポテトの山に埋もれていた

念のために言っておくがこれらは浅倉と一方通行(アクセラレータ)が買い与えたものである

なんでそんなことしたんだい、と聞かれるとそれは目の前の修道服着た女の子がお金を一銭も持っていなかったからなのであるが

そもそもどうしてこんなことになったのかというと、じゃあ探すか、となった時に横合いからこの女の子がぶつかってきたことにある

彼女はふらふらした足取りで二人によって

 

「あれとうまじゃないあらたでもないそれはそうとおなかが減ってもう動けないとあのジューシーな見た目のアレ食べてみたいねぇ食べるにはどうすればいいのアレ食べるのにはどうすればいいの?」

 

普段の一方通行(アクセラレータ)ならここで彼女の身体を粉微塵に砕いている所だが、つい先ほど電話で黄泉川にたまには良い事でもしてみたら的な言葉を貰ったばかりなのだ

だから、という訳ではないがさすがにこのままスルーするのも〝タバコやめます宣言は三十分くらいしかもたないのね〟みたいな台詞を言われる感じがしてそれはそれで腹立たしい

そんな訳でたまたま近くにあったファーストフード店に立ち寄って適当に何か頼んでみたところ、〝あれもこれも食べてみたい全部欲しい〟なんて偉い事を言ったので今にいたる、という事だ

 

一方通行(アクセラレータ)は過去にいろいろな研究に身体を貸している

金は特に使用していない口座にあるのだから金銭面に問題はないのだが、こんな華奢な身体のどこにこれほどの量のハンバーガーが入るのかは今をもってしても疑問だ

因みにこの子は先ほどまで小猫を抱えていたのだが、こっちは空腹ではないのかハンバーガーに興味が行かず(そもそも玉ねぎ混入のためダメなのだが)同じように地下街に迷い込んできた野良猫とみゃーみゃーいっている

一方通行(アクセラレータ)は改めて目の前の光景を眺めて

 

「…馬鹿げてやがる。あのクソガキ相手にだってここまで疲れたりはしねェぞ」

「こっちのが疲れるなぁ、あの子よりは」

「もが?」

「いちいち手ェ止めねェで一気に食え。それより俺になんかいう事あンじゃねェのか」

「ごっくん。うん、ありがとね」

「―――一言かよ」

「これはエライ子と遭遇しちまったなおい」

 

日頃から彼女と一緒にいる知人には同情する

彼女は自分の近くに置いてあるラージサイズの飲み物を口に着けそれぞれ一気に飲み干して

 

「わたしの名前はね、インデックスって言うんだよ」

「…お、おう」

「当麻とはぐれちゃって探してたんだけど、その途中でお腹が減っちゃってね。って言うかそもそもご飯を食べに行こうって話だったのにいつの間にか当麻がいなくなってたんだけど」

 

インデックスと名乗った彼女はカップの中にあった氷を手にしてそれを口に放り込むとぶるりと身体を震わせる

無邪気というかなんというか、おまけに彼女は自分の口の周りにソースがついている事に気が付いていない

ハァ、と浅倉はため息と共に彼女に向かってポケットティッシュを放り投げる

しかし今度は開け口が分からないようでおどおどし始めた

…どうやら彼女は現代知識がだいぶ欠如しているらしい

 

(それにしても、こいつの目的も人探し、か)

 

一方通行(アクセラレータ)は今現在探しているあの子の顔をなんとなく頭の中で思い出す

徐に彼は携帯を取り出して打ち止め(ラストオーダー)の顔を表示させるとそれをインデックスの方へ向けながら

 

「おいお前。こんなガキを見たことあるか」

「ないよ」

 

全くの即答だった

たいていこういうのは自分の記憶をたどるものではないのだろうか

 

「わたしは一度見た人の顔を忘れないから、間違いないと思うけど」

「…あン?」

「…?」

 

一方通行(アクセラレータ)と浅倉は若干眉を潜めたがインデックスは大量のハンバーガーを食べて満足したのか満面の笑みでベチャー、とテーブルに突っ伏す

 

「いやー、でもよかった。もう一度言うけど、本当にありがとうね。これでお腹の事を気にしないで当麻の事を探しに行けるよ。…お腹がいっぱいになっちゃったから探す理由少し薄くなっちゃったけど、ここまで来ると見つけないとなんだか気が済まないし」

「あァそうかよ俺らは手伝わねェぞ」

「こっちに来て少し経つんだけど、まだ街の様子とかわかんないし。私の頭なら道に迷うことなんてないんだけどなぁ。ただ単に覚えるだけじゃダメなのかも。でも結局こうして学園都市の人たちと会えたなら」

「そォかいヨソ当たれ」

「…貴方たち、何やってる人? 忙しいの?」

「…そうだな、生憎と、だな」

「あァ。大忙しだ」

一方通行(アクセラレータ)は杖に力を込めて、そして浅倉は椅子を引いてそれぞれ立ち上がる

奇遇にも、彼らも同じ人探しだ




今回も気まぐれ紹介はお休み

ではでは
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