「………ん?お客さん?珍しいね。今日はもう終電は終わったつもりだったんだけどなー」
とある場所。とある時間。とある世界………何もかもがはっきりとしない場所。
いや、正確には何もないとあるところに、一両の電車があった。
そして、その電車にはに一人、紺色に染められた軍服の様な物を着た、一人の少年が乗っている。
そしてもう一人………その電車に乗ろうとしている誰かがいる。
「まあいいか。乗ってもいいけど……ちょっと待ってね?ん、んー。あーあー、業務ボイスのテストー………よしっ、さてさて、お客様、本日のご乗車ありがとうございます。早速ですが行き先はどこですかな?」
少年に問いかけられた誰かは、こういった。『あなたがあなたを見つけた場所』、と。
「ほうほう。お客様も物好きで………それでは、行き先は『幻想郷に繋がる現実世界の博麗神社』とさせていただきますがよろしいですかな?」
誰かは頷き、少年は運転席に向かおうとして………誰かに止められた。
そして、誰かは『あなたの話も御一緒に聞きたいのです』………と、言った。
「ほうほう………それは別に構いませんがそれはそれはとーっても長くなりそうだ………おいで、ノワール」
そういって少年が袖を振ると、手から黒い何かが飛び出た。そしてその何かは、空中で人に変化した。
その人は真っ黒なローブを纏った黒髪で赤い目をした少女だった。
「ノワール、運転をよろしく。私はお客様とお話を致しますので………」
ノワール、と呼ばれた少女はコクン、とうなずいて運転席に向かう。
その間に誰かと少年は座席に座った。
「………?『あの少女はノワールって名前じゃないはず?』ほほー。よくご存じで。彼女の名前は私の気分次第で変えているのです。今日の気分は『ノワール』。時には『黒』、時には『夜』。様々なのです」
それを聞くと誰かは少女に興味を失った。そして誰かは少年に向き直った。
「ふふ、慌てなくても構いませんが?どうせ目的地まで12時間はかーるくかかりますので。それでは、お話をさせていただきましょう………今から私が始めるのは、『僕が自分と出会って』、『僕が自分を消し去って』、そして『自分は私となる』話です。少々表現が分かりにくいですかな?」
そう聞かれた誰かは頭を横に振り、否定の意思を示す。
「ものわかりの良い方ですな。びっくりです。私嫌いではございません。それでは、始めましょうか………ん?他にも聞きたい事がある?」
誰かは『業務ボイスとはなんですか?』と聞いた。
「ああ、あれですか。何、簡単な事です………私、人は仮面を被らないて生きられない生き物だと思っているのです。好きな誰かに接する時は優しい自分の仮面。嫌いな誰かに接する時は不機嫌な自分の仮面………といったように。自分に向き合う時も同じように理想の自分という仮面を被って接するのです。私もかなり長い事生きておりましてね。私お客様に接する時はこういった仮面を被って接しよう………と思っているのです」
『不思議な考えです』と誰かは言う。
「ええ、不思議でしょう?ですが、人というのは不思議な生き物です。誰かの為にならなんだってできる人もいれば自分の為にしか行動出来ない人。そういった人もいるのです。だからこそ面白く、そして辛くもあるのですよ、旅は………」
少年は、そういって窓を眺める。その姿はどこか、寂しそうで哀愁が漂っていた。
「………さて、そろそろ話を始めましょうか………おっと、失礼。私としたことがお客様のお名前を伺っておりませんでしたな。お名前はなんというのです?」
そう聞かれた誰かは『名乗る様な名前も今は持っていない。無くした』、と答えた。
「ほほー………では、この旅で見つけれるといいですな。名もない旅人………お客様の無事を祈らせていただきます。そうそう。ご存じ………というより聞かされたかもしれませんが念のために名乗っておきましょう………私の名前は、
そう名乗った運転士は、誰かの手をとって握手をする。
その手を話して席につくと、運転士はゆっくりと、話を始めた………
これは、一人の旅人の物語。
旅人が、自分を探していく中で出会った人々の物語。
旅人を愛した人々の物語。
旅人を導いた人々の物語。
さあ、物語を始めよう。
東方『我探求』を。
作者「あれは、つい先日の事だ。私は学校で一学期で一番本を読んだ人として景品をもらっていた。私は喜んで景品の包み紙を開けた。そして、気がつくと私は18禁ゲームのグッズを手にしていた………どう思う?」
友人「景品選んだ図書委員が頭おかしいんじゃね?というか教師も気づけよ」
「だよねー。まあ、18禁ゲームのグッズといっても艦これのブックカバーなんだけど」
「そりゃ教師も気づけねーよ!!」
そんな高校生活の中で書きました。