姫路 瑞希side
私が振り分け試験の日に戻って、2日が経ちました。
文月学園の始業式まで、まだ2週間程度ありますが、そんななか私は…
「今日はじゃがいもが安いんですね…よし、今晩はカレーです♪」
夕食の材料を買うために、近所のスーパーに出かけています。
…なんですか?、…もう料理に化学薬品なんていれませんよ!
……でも、それでも私料理下手なんですよね(泣)
昨日なんか、レシピ通りにオムライス作ってみたんですけど、なぜか卵の部分は茶色に…チキンライスは白色になったんです…レシピ通りなんですよ!!
「今日も失敗しちゃうのかなぁ…でも、前よりは良くなってますよね」
目標は、他の人にも食べられる腕前になることなんです…がんばりますよ♪
そして、明久君に…
「あれ?、姫路さん。もう大丈夫なの?」
「はい、大丈夫です…って明…吉井君!?」
私と彼と召喚獣 第2話 ~希望の一時~
危ないです…さすがにいきなり明久君はだめですよね…あ、そうです、明久君には振り分け試験の時に助けてもらいましたね…
「吉井君、振り分け試験のときはありがとうございました」
「え!?。いやいや、あれは人として当然のことだよ。それに…僕もあの先生にはムカつ いてたしね。でも姫路さん、振り分け試験無得点になっちゃったね…」
「私はいいんです。それよりも吉井君も無得点に…」
「いいんだよ僕は。どうせ良い点はとれないのはわかってたし」
やっぱり、明久君は優しいですね…でも、このまま点数が低いままだと…。
あ、良いこと考えました!
「吉井君、もしよければ助けてくれたお礼に私が勉強教えてあげましょうか?」
「……え?。…いやいやいやいや、それは流石に悪いよ」
そうです、私が明久君に勉強教えてあげれば、点数上がって…私も一緒にいられて良いこと尽くめです♪
「そういわずに、お礼ですから」
「それでも、ほんとに悪いよ」
むぅ…明久君強情ですね…。それならば
「それなら、勉強教える代わりに私に料理を教えてくれませんか?」
吉井君は、確か料理上手だったはずです。交換条件を出せば、おそらく納得してくれるはずです。
「う~ん、それならいいけど…姫路さん、よく僕が料理が得意なんて知っていたね」
…そうでした(汗)、えっとなんて理由を言ったら…
「…クラスメイトが、吉井君は料理は得意って言ってたんです(汗)」
「それなら納得だね。じゃ、いつしようか?」
「えっと、今晩からどうですか?」
「…What?」
「今晩、両親がいないので、吉井君に勉強教えるついでに夕食を作るのを手伝ってくれ ませんか?
もちろん、夕食も一緒に」
「qbxvqolwbbdq(どちらの家でするの?)」
明久君が異世界の言語を話してます!?!
「お、落ち着いてください、吉井君!」
「…は!、ごめん姫路さん。…で、どこでするの?」
私の家…お部屋片付けてないです…ですので
「吉井君の家ではだめですか?」
「……いいよ。じゃ、一時間後にこのスーパーの前に集合ね」
「わかりました♪」
これで明久君と一緒に居れます♪
早く家に帰って準備しなくちゃ!
姫路 瑞希side END
吉井 明久side
今日は、僕にとっての人生最後の日かもしれない…だって、僕の家にあこがれの姫路さんが来るんだよ!?
あぁ…神様…もう僕死んでもいいや…
それにしても、姫路さん料理苦手なんで驚いたな…でも、なんだかんだで姫路さんだから、すぐに上手になるだろうね…
……そんな僕の思いはすぐに裏切られました
「姫路さん!、なんでじゃがいも切ってるのに粉になってるの!?」
「ごめんなさい!」
「姫路さん!、鶏肉こんなに大きすぎると食べれないよ…て、それ骨だから切れないよ!?!」
「あれ!?、ほんとうにごめんなさい!!」
「姫路さん!?!、カレーのルーかき混ぜるのにミキサーはいらないよ!!!」
「え!?、そうなんですか!?」
…もうつかれたよ、パトラッシュ…
「完成です!。初めてちゃんとした料理が作れました♪
ありがとうございます、吉井く…吉井君!?、大丈夫ですか!?!?」
「うん、なんとかね…」
…でも、まぁ…
「それならよかったです♪」
…姫路さんの笑顔を見られるのなら、この疲れも安いものだよね。
…ちなみに、二人で作ったカレーは普通においしかった。
…そのあと、姫路さんとの勉強会が始まったんだけど、
「吉井君は、ゲームとかが好きですよね?」
「よくわかったね!」
「…部屋を見ればよくわかります…」
…あ、そういやそこらじゅうにゲームが置いてあるからそりゃすぐにわかるよね
「ですので、RPGみたいにゲームに出てくるキャラクターみたいに歴史の人物とかなら覚 えやすいんじゃないですか?」
「なるほどね…やってみるよ!」
「頑張ってください!。私も手伝いますから」
「ありがとう姫路さん」
「こちらこそですよ。吉井君」
やっぱり、姫路さんはすごいや。姫路さんが提案してくれた勉強法は、僕に合っていたみたいで、いつもよりも簡単に歴史の人物などが頭に入ってくるよ!
吉井 明久side END
姫路 瑞希side
「あ、そろそろ帰宅しないといけませんね」
「そうだね。家まで送っていくよ」
時計を見ると、もうすぐ21時になるところでした。楽しい時間ってものは、本当にあっという間に過ぎるものなんですね…
「…吉井君」
「なんだい?、姫路さん」
「…また、勉強を教えるので、その変わりに料理を教えてくれませんか?」
「それは僕からもお願いしたいことだよ…僕に勉強を教えてくれませんか?」
明久君が、自分から勉強したいって言い出すなんて…
「姫路さん、教え方上手かったから、またお願いしたいなぁ…なんて、だめかな?」
「もちろんいいですよ!。これからよろしくお願いします」
「こちらこそよろしくね」
これでまた明久君と一緒に居ることができます♪
ほんとに…ほんとにうれしいです…また…こんな時間が過ごせるなんて…
「姫路さん?、泣いてるの?」
「?!…いえ、目にゴミが入っただけですよ」
「それならいいんだけど…」
…あぶなかったです…ほんとに、彼との時間は心地よいものです。
…絶対に、彼を守って見せます…それが私の…贖罪ですから…
…ちなみにそれからというもの、始業式が始まるまで毎日のように勉強会を開いていました…だって、とってもうれしかったんです///
姫路 瑞希side END
NOside
こうして、少女は少年との平和な時を過ごす。
しかし、永遠に続く平和など、この世には存在しない。
さぁ、少女よ…これからが君の本当の始まりだよ
感想、お気に入りをくれた皆様、本当にありがとうございます。
今回は分量多め、糖度多めになっております。
…自分でも書いててコーヒー飲みたくなってしましましたw
さて、次から始業式…これからが本当の物語の始まりです…
どうなることやら…作者にも分かっておりませんw(おいっ!)
では、皆様、これからもよろしくお願いします。